地方版の教育振興計画、市区町村の半数が策定せず

 文部科学省の調査で7月13日までに、2006年に成立した改正教育基本法で地方自治体に策定の努力義務が課された地方版の教育振興基本計画を、都道府県と政令市を除く1720の市区町村のうち半数近くが昨年までに策定していなかったことが分かった。昨年3月時点で策定していない市区町村(政令市を除く)は全体の47.8%。14.0%は「今後計画する」としているが、33.8%は「未定または検討中」となっている。都道府県と政令市はほとんどが策定済み。

国際物理オリンピック、日本は銀2・銅3 全員メダル 

 文部科学省は7月14日、世界の高校生らが参加してデンマークのコペンハーゲンで開催された「国際物理オリンピック」で、日本代表5人のうち、2人が銀、3人が銅メダルを獲得したと発表。銀メダルはいずれも灘高(兵庫)3年の榎優一さん(18)と大森亮さん(18)の2人。銅メダルは、洛南高(京都)3年の上田研二さん(17)、灘高3年の江馬英信さん(17)、大阪星光学院高(大阪)3年の沢岡洋光さん(17)の3人。国際物理オリンピックは1967年に始まり、日本は2006年から参加した。

全国小・中学生学力カップ 東京・帝国ホテルで表彰式

「全国小・中学生学力カップ2013」(小学4〜6年生と中学1〜3年生を対象とした学力テスト競技会:毎日新聞社・朝日新聞社後援)の表彰式が7月14日、東京・帝国ホテルであり、各学年の金賞(全国トップ10)受賞者68人のうち57人が参加した。競技会は6月に開かれ、全国から過去最多となる2万7200人が挑戦した。運営委員会の山本千秋委員長は「将来の日本を支える人になってほしい」とあいさつ。毎日新聞社「教育と新聞」推進本部の中村秀明本部長から毎日新聞社賞も贈られた。競技会は三重県の学習塾「eisu」が「将来役に立つ本当の学力を伸ばそう」と06年から始めた。11年から全国規模の大会になった。

不登校きっかけ、「友人関係」最多52%

 文部科学省は7月12日、中学時代に不登校だった人を対象にした追跡調査の結果を公表。調査は1999年に続いて2回目。不登校になったきっかけは「友人関係」が最多の52.9%で「勉強が分からない」も31.2%に。文科省は「対人関係や学力不足に悩む傾向は前回調査よりも顕著。分析を進め支援策の強化につなげたい」としている。調査対象は2006年度に「学校嫌い」を理由に30日以上欠席し、中学を卒業した男女約4万1千人。卒業から5年後の11年に、在校中の状況や進路、不登校による不利益があったかなどを追跡調査し、約1600人から有効回答を得た。

携帯ゲーム「毎日している」中学生が35.6%

 東京都教育委員会が今年1、2月、携帯電話やスマートフォンを持つ都内の公立校の児童・生徒1万2390人に携帯やスマホのゲームの利用時間を聞いたところ、ゲームを「毎日している」と答えたのは32.2%。高校生の9.4%は「2時間超」。スマホの利用状況は、小学生が19.1%(11年度10.4%)、中学生が35.6%(同13.4%)、高校生が66.6%(同29.5%)と急増。スマホの急速な普及で、ゲームへの依存的傾向が表れ始めた。寝不足を感じる子供も増えており、リーフレットを作成するなどして適正な利用を促している。

人工甘味料入り飲料で健康リスク増大も

 人口甘味料を使ったダイエット飲料を日常的に消費すれば、普通の清涼飲料水以上に肥満や生活習慣病のリスクが高まる恐れがあるという調査結果が7月10日の医学誌に発表された。米パデュー大学の研究チームが、ダイエットソーダに使われている人口甘味料には、体内や脳内の仕組みを混乱させる作用があることをつきとめた。ダイエットソーダばかり飲んでいる人が本物の糖分を摂取すると、血糖値や血圧を調整するホルモンが分泌されなくなるという。

著作権、音楽・本など50年を70年に TPP事前協議で日米合意

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を前に、日本が著作権の保護期間を権利者の死後50年から70年に延長する方針を決めたことが明らかになった。4月に開いた日米事前協議で、日本が米国に歩み寄り、著作権を含む知的財産分野の交渉方針を米国と統合する案を示した。知財分野は新興国と先進国の利害が一致せず、交渉が遅れている。日本は米国と連携を強化し、7月23日から参加する交渉の主導権を握る狙いだ。政府の内部資料には知財分野を含む7項目の交渉方針案を記載。日米事前協議の前に日本政府の考え方を示した。

成学社、私立校経営者へフリーペーパー 9月から配布

 学習塾「開成教育セミナー」を展開する成学社は9月から、私立学校の経営者向けのフリーぺーパーを配布する。保護者への情報提供の方法やカリキュラムの指導法などを紹介。学校運営がテーマのフリーペーパーは珍しい。2カ月に1回の頻度で発行。第1号は16ページで構成。2500部を印刷し、近畿の私立中学校などに配布する。ゆくゆくは首都圏でも配布する考え。成学社はグループ会社を通じ、講師派遣や教諭向け指導法セミナーの開催など学校支援ビジネスも手がけていて、フリーペーパーの配布で認知度を高める。

リソー教育  海外で公募増資 54億円調達

リソー教育は6月18日、海外市場での公募増資などにより約54億円を調達すると発表した。本社や新教室の土地取得などに充てる。海外で募集することで外国人株主の増加にもつなげたい考え。現在の発行済み株式数の約11%に相当する46万株を新たに発行するほか、自己株14万株も売り出す。需要動向に応じ、追加で岩佐実次会長兼社長の保有株を最大20万株売り出す。公募価格は6月27日~7月1日に決める。公募増資に伴い、過去に金融機関に割り当てた新株予約権のうち、行使されていない15万株分を取得し、消却する。

 同日、2014年2月期の年間配当を前期から50円増の380円にすると発表した。従来予想の360円から20円引き上げる。

ナガセ永瀬昭幸社長、学生の起業支援 3億円基金

「東進ハイスクール」を運営するナガセ(本社:東京都武蔵野市・代表:永瀬昭幸)は、学生の起業を支援するため、総額3億円の基金を立ち上げる方針を明らかにした。近く、社内に選考委員会をつくり、資金の提供先を決める。事業の分野は問わず、1件あたり最大1億円を投融資する考え。同社の永瀬昭幸社長も若い頃、5千万円を貸してくれた人がいたから起業できたという。「次は自分が支援する立場になりたい」として基金の設立を決めた。