兵庫県私立中学高校連合会は10月28日、県内の私立高校・中学の2014年度の募集概要を発表した。募集人数は、高校は前年度より165人少ない9808人、中学も10人減の4624人。来年4月に開校予定の東洋大付姫路中(認可申請中)が1校増える。高校の1次募集の出願期間は来年1月6日〜2月7日。入試は一部を除き2月10日から始まり、同14日までに合否を発表する。中学の1次試験の出願期間は、一部を除き12月9日〜来年1月17日で、入試は1月18日から始まり、同21日までに合否を発表する。
厚生労働省は10月29日、学校を卒業して就職後3年以内に仕事を辞めた割合が、リーマン・ショック後の2010年3月の大学卒業者で31.0%になったと発表した。前年度の卒業者と比べて2.2ポイント上昇した。就職先の業種別では、宿泊業・飲食サービス業が51.0%、教育・学習支援業が48.9%、医療・福祉が37.7%など。サービス関連で平均を大きく上回る離職率になった。学習塾は教育・学習支援業に属するが、世間様からは「ブラック企業」とみなされているのかもしれない。
厚労省はこの年の卒業生の就職活動では、大手企業が採用を抑制したため、職場環境が厳しく離職者が多い業種への就職が増えたことが要因とみている。いわゆる「ブラック企業」の増加も大卒者の早期離職の背景にありそうだ。
早期離職すると、職業経験を積みにくくなり正規社員への定着が難しくなるケースも多いことから、厚労省は就職活動中の企業情報の提供に加え、企業側にも新規採用者への教育の充実を促し、新卒者の職場定着を図る考え。
明法中学・高等学校(東京都・東村山市)において、全国初となる学科が2014年に創設される。その名は「明法GE(グローバルエンデバーズ)」。ここでは先日おこなわれた説明会の模様を通し、明法中学・高等学校の新たな取り組みについて紹介したい。
科学を通じたグローバル人間の育成を目指して創設される、明法GE。その最高教育責任者に就任したのは、京都大学や滋賀大学などで大学講師を歴任してきた北原達正氏だ。北原氏は「グローバル教育とは英語を話せるようにすることではありません。価値観や文化の違う者たちと協働できる人間を育てること。それを私たちはグローバル教育と定義します。そして科学は物事の客観的な測定、論理的な分析、他者を納得させる表現力を育てるのに大いに役立つものです」と、科学を用いてグローバル教育をおこなう理由を説明した。「ただし、明法GEは科学のみを教えるものでも、科学者を育てるものでもありません。科学的思考は経済、医療、スポーツ、調理など、社会のあらゆる領域で使われていますが、科学的な知識や経験をそうしたさまざまな分野に活かせるよう教育するのが目的です」
明法GEの講座内容は基礎学力向上をはじめ、ロボット研究、実験、アート、ディベート、プレゼンテーションなど11の項目におよぶ。明法GEならではのこれらの授業は毎週4コマ、連続しておこなわれる。こうした授業を実施するにあたっては多彩な道具も必要だが、明法GEでは全生徒分の道具を用意する。
客観的な評価を得るというのも明法GEの特徴だ。生徒には毎学期末に外部のコンテストに出場させ、他者の評価を得られるようにする。教員ではなく「専門家」の評価を得ることで、才能を開花させるチャンスを与えるのだ。さらに明法GEが目指しているのは、「大学に入ってからもさらに伸びる子どもを育てる」こと。スポーツや芸術など、その道の第一線で活躍している人物の多くは、子どもの頃からスポーツや芸術に慣れ親しんでいる。明法GEでは客観的な測定、論理的な分析、魅力的な表現に子どもの頃から触れさせることで、大学へ入ってからもそうした資質がさらに伸びるよう育成する。
全国各地の力のある子どもたちに学んでもらいたいと考える明法GEでは、生徒寮も完備。受け入れ体制も万全だ。2014年度の入学試験は2月1日(土)の午後、2月2日(日)の午前・午後の3回実施。すべての入試回で国語・算数・理科・社会の4科目の試験をおこなうが、このうち国語は40分で80点満点、算数・理科・社会は合計50分で120点満点となっている。普通の受験勉強で充分対応できるとしているものの、問題を解く順番やペース配分など、得点を伸ばす工夫は必要だという。全国初となる「科学」に重きを置いた明法GE。今後の動きが注目される。
〈プロフィール〉
北原 達正(きたはら・たつまさ)
1982年京都大学理学部卒、同大学院理学研究科後期博士課程にて宇宙物理学専攻。京都大学総合人間学部、京都教育大学、滋賀大学教育学部などで非常勤講師を歴任。現在では子どもの理科離れをなくす会代表、NPO法人ロボカップ日本委員会 ジュニア運営委員、彦根市サイエンスプロジェクト実行委員長、明法中学・高等学校 明法GE(グローバルエンデバーズ)Chief Educational Director(最高教育責任者)など、さまざまな要職に就く。
さる10月13日(日)、神戸市中央区の松方ホールを大歓声が包んだ。この日開催されたのは、コラボライブ『神戸発のミュージシャンたち』。出演者は紅白出場歌手でもある久宝留理子さん、全員が東大卒としても知られるインストゥルメンタルバンドのソノダバンド、アカペラグループのパーマネントフィッシュ。主要メンバーは、みなこの街で育ち、学び、夢をかなえたミュージシャンたちだ。
しかも、単に神戸出身というだけではない。久宝さん、ソノダバンドのキーボード担当・園田涼さん、パーマネントフィッシュのボイスパーカッション担当・KAZZさんは、同地で創業50年余、7,000名超の生徒を抱える老舗塾・若松塾(株式会社聖文館)の卒塾生でもある。
同塾は灘中学や東京大など、毎年のように難関校へ合格者を送り出す名門塾だが、それだけではない。教育理念として「よく学び、よく遊べ」を掲げ、勉強だけでないバランスのとれた人間力を持つ人物を育てることを謳っている。つまり、出演したミュージシャンらは、まさにその理念の体現者と言えるだろう。今回のライブも、主催者である同塾理事長・井沢督二氏の呼び掛けに教え子たちがそれを快諾、夢が紡いだ素晴らしい里帰りライブとなった。
観客には若松塾の塾生、卒塾生、その家族なども多く、MCでは「塾で行ったキャンプがいい思い出」(久宝さん)、「授業の終わりに、よくみんなで歌を唄ったなあ」(KAZZさん)など、若松塾での思い出も語られた。また、園田さんは「教室近くの立ち食いそば屋によく行きました」と、ローカルネタで会場を沸かせる一幕も。
もちろんライブも大盛況で、パーマネントフィッシュによる、声だけのアンサンブルに酔いしれ、ソノダバンドの疾走感あふれるビートに心臓を鷲掴みにされ、トリを務めた久宝さんのパワフルな歌声で、興奮のボルテージはいよいよ最高潮に。拳を突き上げて絶叫する人、一緒に歌う人、立ち上がって踊り出す人が続出した。さらにアンコールでは、全員のセッションにより名曲『上を向いて歩こう』を熱唱。夢のような豪華コラボも実現させた。
若松塾の井沢理事長は「こうして、一声かければみんなが集まってくれる。その時の出会いだけじゃなく、心が繋がり続ける出会いになっているのが何より嬉しい」と語り、夢を叶えた教え子たちの姿と、自らが創り上げて来た教育の成果に目を細めていた。
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