「防災」教科入り視野 中教審議論

中教審の担当部会は5月20日、第1回会議を開いた。メンバーは室崎益輝・神戸大名誉教授ら専門家22人。「防災教育」を学習指導要領に盛り込み、災害時に身を守る方法や日ごろの備えなどを学校の授業でしっかり教えようという議論をおこなった。各教科に分散している教育内容を整理し、学年に応じて身につけるべき知識や行動を示す考え。一定の授業時間を確保するため、防災教育の教科化も視野に入れる。今秋にも報告書をまとめ、学習指導要領の改訂内容を審議する別の部会に提出する。

厚労省 働いた時間と関係なく、成果で賃金を決める仕組みを提案

厚労省は5月28日の産業競争力会議(議長=安倍晋三首相)に、働いた時間と関係なく、成果で賃金を決める仕組みを提案する。労働規制を所管する厚労省が導入方針を固め、6月末に改定される政府の成長戦略に盛り込む。厚労省案は、為替ディーラーやファンドマネジャーなど「世界レベルの高度専門職」を対象に労働時間の規制を外す。ただ、具体的な対象の範囲や年収条件は、労使代表が加わる厚労省の審議会で検討する。

1週間に6時間以上勉強する大学生3割切る 国立教育研の調査

国立教育政策研究所の調査で月25日、授業の予習・復習や課題のため1週間に6時間以上勉強する大学生は28%で、2007年と比べて4ポイント低下したことが分かった。授業が「将来に役立つ」と答えた割合は増えており、研究所は「勉強する学生はまだ少数だが、授業に向き合う姿勢は向上している」と分析している。調査は13年12月~14年1月に実施し、国公私立大の学生1649人から回答を得た。同様の調査は東京大の研究チームが07年、全国の大学生に実施したことがあり、結果を比較できるようにほぼ同じ質問票を使った。

武雄スマイル学習 30日から一般公開

武雄市教育委員会は小学校のスマイル学習(反転授業)を5月30日から順次一般公開する。保護者に限定せず誰でも授業を参観でき、事前申し込みも不要という。スマイル学習は、タブレット端末を使って自宅で予習をすませ、教室では話し合いを中心に、協働的問題解決能力の習得を目指す。30日は午前10時25分〜11時10分、山内東小の4年生の理科と3、5、6年生の算数の授業を公開する。午後1時35分〜2時20分、武内小の4年生の算数と6年生の理科を公開。問い合わせは同課0954・23・9226。

近江兄弟社高校 校名変更へ「ヴォーリズ高校」に

近江八幡市の「近江兄弟社高校」が、創立者のヴォーリズから名前をとって「ヴォーリズ高校」に校名変更を検討していることが、学校法人「近江兄弟社学園」への取材で分かった。小学校と中学校も同様に変更する方針。学園はOBやPTAらに意見を聞いたうえで、今年度中に正式決定し、早ければ2016年春から新名称にする。学園によると、学校法人も「近江兄弟社」に改名するが、幼稚園と保育園は、現在の名前のままとする。24日に開かれる学園のPTA総会で、池田健夫理事長が説明するという。

和歌山大の衛星乗せて、H2Aロケット打ち上げに300人歓声

和歌山大宇宙教育研究所が中心となり、開発を進めてきた超小型衛星「UNIFORM―1号機」が5月24日、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケットで打ち上げられた。イオンモール和歌山では発射の様子を生中継するイベントがあり、家族連れら約300人が見守った。会場では、同大学の教員や学生が模型を使って、衛星に搭載された森林火災を捉えるカメラや太陽光パネルの機能を説明した。午後0時5分の発射予定時刻にロケットが予定通り白煙を上げて上昇すると、子どもらから大きな歓声が上がった。

文科省「竹富町教委を訴えない」

沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の教科書採択問題で、下村博文・文部科学相は5月23日の記者会見で「違法確認訴訟は可能だが、あえて提起することはしない」と明言。理由について、地区割りの決定権がある沖縄県教委が竹富町を2市町から分離させたことを挙げ、「来年度以降は違法性が生じなくなる。訴訟に時間がかかること、途中から教科書を変えさせることが子供たちにとって望ましいかということも考えた」と説明した。

羽生王座が名人奪還 4年ぶり4冠

将棋の第72期名人戦七番勝負第4局が5月20、21の両日、千葉県成田市の成田山新勝寺で指され、先手の挑戦者、羽生善治王座(43)が111手で森内俊之名人(43)を破り、4連勝で名人位を奪還した。羽生王座は併せ持つ王位・棋聖と合わせ、4年ぶりに4冠となった。将棋のタイトルは全部で7つあり、羽生王座は25歳だった1996年に全冠を独占。43歳にして、再び過半を手にした。2冠だった森内前名人は竜王の1冠となった。

〝日本一の先生〟めざし 足利で全国模擬授業大会

栃木県の開倫塾が主催する「全国模擬授業大会」が5月25日(日)、日本最古の学校である「足利学校」のあった足利市の足利工業大学附属高等学校の教室とホールを借り切っておこなわれた。前日の24日には、茂木敏充経済産業大臣も駆けつけプレイベントが開催されるなど。この週末は、足利の街が塾関係者で賑わった。

開会式で式辞を述べる開倫塾の林明夫代表

開倫塾の林明夫代表

全国模擬授業大会は「チョーク1本で教育改革 を」を合い言葉に、2006年から毎年この時期に開催され、今年で9回目を迎える。今年は、全国から60を超える学習塾・学校ならびに企業・団体が参加した。開倫塾の林明夫代表は開会式で「授業を充実させることにより、各教育機関の社会的使命(ミッション)を果たすことを目的としています」と宣言し、日頃から学習塾に通う生徒たちに、授業を通して学ぶことの楽しさや、生きることの目的を自覚してもらうことを実践している先生たちに向けてエールを送った。

大会には、参加した各塾から選りすぐりの48人の先生たち。午前中は、国語、数学、英語、理科、社会の各教科ごとに13のブロックに分かれて予選をおこなった。模擬授業の審査は、授業導入部分の15分間を実際に生徒が居ると想定して先生が授業をおこない、授業を受けている生徒をいかに惹きつけ、その後に続く授業をモチベーションを高い状態で受け続けられるかということを1授業につき3名の審査員が、授業目標の立て方、板書の工夫、本題に入る前のツカミや間の取り方といった話法に関する項目でポイントを付け、合計点が高いほど良い授業とされる。

午後に入ると、各教科ごとに2〜4名の予選通過者が、改めて各教科1人の本戦出場者を決めるために模擬授業をおこなった。その後、参加者全員が講堂に集められ本戦がおこなわれた。本戦に進んだのは、国語の舩木政子先生(創学舎)、英語の石田朋彦先生(トーゼミ)、社会科の田中潤先生(洛西進学教室)、理科の高田晋輔先生(野田塾)、数学の岡部正行先生(開倫塾)の5人だ。(※名前は本選の授業順)

左から舟木政子先生(創学舎)、石田朋彦先生(トーゼミ)、社会科の田中潤先生(洛西進学教室)

左から舩木政子先生(創学舎)、石田朋彦先生(トーゼミ)、社会科の田中潤先生(洛西進学教室)

5人とも観ている者を惹きつける、普段であれば授業を受けている生徒たちが、楽しみながら「もっと知りたい!」と学びのエンジンが起動するような見事な授業を披露してくれた。審査員からも「年々レベルが上がっている」といわれるほど素晴らしい授業の中から雌雄決するのは困難を極めたとみられるが、見事最優秀賞に輝いたのは、理科で「感覚器官」の授業をした野田塾の高田先生だった。

左から理科の高田晋輔先生(野田塾)、高田先生が「三半規管」を説明するためにくるくる回って表現、数学の岡部正行先生(開倫塾)

左から理科の高田晋輔先生(野田塾)、高田先生が「三半規管」を説明するためにくるくる回って表現、数学の岡部正行先生(開倫塾)

審査委員長を務めた野田塾の小川英範塾長

審査委員長を務めた野田塾の小川英範塾長

審査委員長を務めた野田塾の小川英範塾長は最終審査には加わらなかったものの、39人の審査員が高田先生を高く評価した点は、お笑い芸人としても通用しそ うな「言動一致」と「体を張った」点だろう。「三半規管」を理解させるために、自らその場で25回まわって、目を回してフラフラになりながらも「なぜそうなるのかほかのことに置き換えるとこう」ということをとても分かりやすく伝えたことだろう。

表彰式を終えると、審査委員長の小川塾長から本戦に進んだ5人の先生一人ひとりに、素晴らしかった点や、今後こういった点を伸ばすと生徒たちにとってさらに良い授業ができる、といった講評が伝えられたほか「授業は引き算。10伝えたいことがあっても3つに絞って伝える」といった、小川塾長自身が培ってきた良い授業のエッセンスを伝授してくれた。

全国模擬授業大会は、次回10月26日(日)に名古屋で開催される。そして栃木での開催は来年で10回目を迎える。ほかの塾がどんな方針で講師を育成しているのか、また生徒のために何を大事に授業を設計しているのか、ということがつぶさに見て取れる模擬授業は、講師として出場をしなくても、観覧するだけで十分に価値のある大会と言えるだろう。

表彰式では今回初めておこなわれたAE(オール・イングリッシュ)授業に挑戦した3名に「チャレンジ賞」が授与された

表彰式では今回初めておこなわれたAE(オール・イングリッシュ)授業に挑戦した3名に「チャレンジ賞」が授与された

非正規雇用の社員への人材育成に 「キャリアップ助成金」の活用を

エース教育総合研究所(青木清代表)は、非正規雇用の契約社員、アルバイト、パート社員が10人以上在職している企業に、厚生労働省が推進する支援制度「キャリアアップ助成金」を利用した人材育成(一般職業訓練)の実施に関する説明会が、6月10日と7月2日におこなわれる。この研修は、日本経営道協会(市川覚峯代表)が担当し、会社が社会保険に加入していれば1事業所につき500万円まで適用が可能だ(ただし、講師の出張費用は企業側が負担)。

今回の制度利用については、研修中の社員の時給も1人あたり1時間700円が支給され、1社あたり10人以下の企業でも複数の企業と共同で研修を実施することが可能となっている。また、申請手続きの書類作成等にかかる諸費用についても、今回の説明会に参加した企業に限って無料となる。

なお、説明会には1回につき8社・24名(1社につき3名)までの参加が可能で、説明会の参加費は無料。

  • 「キャリアップ助成金」説明会の概要
  • 主催:エース教育総合研究所
  • 協力:日本経営道協会
  • 日時:(1)6月10日(火) 14:00〜16:00
       (2)7月 2日(水) 14:00〜16:00
  • 会場:日本経営道協会 会議室
  • 東京都千代田区外神田2−2−19 MKビル5F(御茶ノ水駅 徒歩3分) >Map
  • 問い合わせ・申し込み:エース教育総合研究所
    TEL.045-501-4525/FAX.045-508-4855