就学援助対象、71自治体で縮小の恐れ

「就学援助」の対象者が、全国の71自治体で縮小される可能性がある。就学援助の対象者は全国で約155万人と、全公立小中学生の15・64%に上る。申請すると、給食費や体育用品など平均で年に約7万円分の援助が受けられる。調査は4月、全国1768市区町村を対象に実施。その結果、4%の71自治体が、対象となる所得額を「生活保護基準額の1・3倍」などと連動する形で定め、かつ基準変更など対象者が減らないような対応はしていない。このうち県庁所在市と政令指定都市は、横浜市、相模原市、富山市、大津市。

塾と連携し、子どもの生きる力を育む 佐賀県武雄市

佐賀県武雄市は学習塾「花まる学習会」(さいたま市)と提携し、来年度より市内11の小学校のうちの2、3校において同会の教材や教育方法を導入していく。契約期間は10年。実際の授業をおこなうのは武雄市の教員で、野外で思考力と人間力を育てる「青空教室」に関してのみ同会の社員を派遣して授業を実施する予定。

花まる学習会の高濱正伸代表

花まる学習会の高濱正伸代表

提携のきっかけは公教育の停滞感を打開したい武雄市の桶渡啓祐市長が、人間力を育成する、受験塾とは一線を画した同会の理念に共感したため。花まる学習会の高濱正伸代表も「金銭的余裕がないと良い教育が受けられない時代。教育の機会を均等にするためにも、公教育との連携はチャンスがあればやってみたいと思っていた。また、特定の塾に儲けさせていいのかという批判もあるが、武雄市の仕事に関しては、交通費・教材実費等以外の報酬は出ない」と語る。

高濱氏は、花まる学習会が公教育に関わることによって、生徒の学力を上げることがファーストステップとしているが、それはすぐに実現可能だという。それ以降の短期的な目標としては、いい教育を提供することで武雄市の人口増を図ること。そして長期的には生徒の人間力を上げ、保護者を安心させるとともに、武雄市から幕末の志士のような人材を輩出していきたいとしている。

「これからは塾が公教育を支える時代。私たちがモデルを示すことで、日本中の塾が地元の学校に積極的に関わっていき、各地域から官民一体の動きが加速していけば」と全国への波及を期待している。

再生実行会議 3~5歳の幼児教育の無償化等を提言

政府の教育再生実行会議がまとめた学制改革についての提言の素案の内容がわかった。3~5歳の幼児教育の無償化を段階的に進めることや、職業教育を行う高等教育機関の新設、「小中一貫教育学校」(仮称)の制度化などが柱。11日に開く会議で示され、7月に予定される提出に向けて協議を続ける。素案では、幼児教育について「生涯にわたる学びと資質・能力の向上に寄与する」として質の向上を提言。そのうえで、私立幼稚園の平均で年間約30万円かかる3~5歳児の教育について「無償化を段階的に推進する」とした。

和歌山大 システム工学部を再編 来年度

和歌山大(和歌山市栄谷)は、システム工学部を来年度から再編すると発表。現行5学科から「システム工学科」1学科にし、学科内に応用物理学、社会情報学、機械電子制御、電子計測、化学、知能情報学、ネットワーク情報学、環境科学、環境デザイン、メディアデザインの10の「学問領域」を新たに設ける。1年生で全10領域の基礎を学び、2年進学時に、興味がある2領域を選ぶ。また、学部全体の定員も20人増の計305人とする。

首都圏の中高入試を考える会 NPO塾全協東日本ブロックが開催

NPO法人 学習塾全国連合協議会(塾全協)東日本ブロック主催による「中高入試を考える会」が5月18日(日)、東京・中野サンプラザで開催された。同協会東日本ブロック理事長の沼田広慶氏、全国会長の後田多純寿氏のほか、参議院議員の大島九州男氏も訪れ、会に先だってそれぞれ挨拶をおこなった。

中高入試を考える会の様子

中高入試を考える会の様子

続いて総進図書営業部の岡山栄一氏、新教育研究協会の穴澤嘉彦氏、森上教育研究所所長の森上展安氏、岩佐教育研究所代表の岩佐桂一氏ら4氏が、今年度の首都圏における中高入試の状況について報告をした。

岡山氏は受験の複数機会を提供する千葉県の基本姿勢について示し、穴澤氏は2014年度の都立高校志望者が7年ぶりに減少したことを取り上げた。また、森上氏は14年度の首都圏中学入試では、偏差値65以上の難関高校において男女とも志望者が減少していることを挙げたほか、岩佐氏は埼玉県の私立高では一般的な募集をしていれば生徒は集まる状態であると伝えた。

一人20分という短い持ち時間ではあったが、密度の濃い報告内容に、集まった40名ほどの参加者たちは熱心に聞き入っていた。発表のあとは質疑応答の時間も設けられ、会場からは各発表者に対して質問が寄せられていた。熱気を帯びた「中高入試を考える会」に引き続き、中野サンプラザ内のボールルームに会場を移して「私学と私塾の新年度情報交換会」が催された。ゲストにシンガーソングライターの渡邊重信さんを招いて盛況のうちに幕を閉じた。

学校で「学習塾」 北九州市の「子どもひまわり学習塾」スタート

小中学校の教室を使い、放課後に児童・生徒の学習支援を行う北九州市の「子どもひまわり学習塾」が6月9日、市内の小学校8校でスタートした。基礎学力の向上と学習習慣の定着を目指した新事業で、市教委は「(全国平均を下回る)全国学力・学習状況調査(学力テスト)の成績を全国平均に近づけたい」と意気込む。ひまわり学習塾は、小学3~6年、中学3年を対象に実施。教員OBや大学生、地域住民が指導員となり、週2回、無料で子どもたちの宿題や自習を支援する。

国際化教育1位、国際教養大

週刊「サンデー毎日」と大学通信が国際化教育に力を入れている大学はどこか全国2000校の進路指導教諭に調査したところ(昨年9月、676校から回答)、トップは国際教養大だった。

 国際教養大は2004年開学で、授業はすべて英語で行われ、24時間オープンの図書館が自慢だ。就職率も高く、全国から受験生を集めている。同大は2〜5位の国際基督教大、上智大、早稲田大、立命館アジア太平洋大と「グローバル5大学連携協定」を結び、学生や職員の交流を進めている。東京外国語大は12年に外国語学部を改組し、言語教育にとどまらない教育に力を入れている。

教育開発出版の「マイクリア」 FLENSにコンテンツ提供

FLENS株式会社(東京・品川区、大生隆洋社長)は10日、教育開発出版株式会社(東京・杉並区、蔭山正生代表)とコンテンツ提供ならびに、販売パートナー契約を締結し、全国の教育開発出版の営業拠点で、FLENS特訓シリーズの取り扱いを始めるほか、「FLENS特訓シリーズ」に教育開発出版の高校受験用教材の「マイクリア」(理科・社会)を搭載すると発表した。

FLENS算数特訓の様子

FLENS算数特訓の様子

「FLENS特訓シリーズ」は、タブレット端末を使い全国の学習塾をネット上で繋ぎ、対戦型の学力向上支援サービス。自分の学力に近いライバル同士で競いあうことで、モチベーションを喚起する。

教育開発出版の「マイクリア」

教育開発出版の「マイクリア」

7月20日から搭載する「マイクリア」(理科・社会)は、中3生向けの受験対策用教材で、基本事項・知識の復習と定着および、総合的に科目を網羅している。夏期講習から始め、年明けの受験直前期までに、中1~中3の理科と社会の全単元を集中して復習・定着できるようにする。 入試対策の効率を高める「確認テストモード」や、弱点克服のための「達成度判定」「解答解説」「サジェスト機能」を搭載する。

来年度の和歌山県立中、募集定員を発表

和歌山県教育委員会は、来年度の県立中学校の募集定員を発表した。向陽、桐蔭、田辺の各校はこれまで通り80人。古佐田丘、日高高付は40人と半減する。学校指導課は「地域の少子化に伴う」と理由を説明している。出願受け付けは来年1月5〜8日(郵送、消印有効)。適性検査・作文は同24日、面接は同25日。選考結果は同31日に発表する。

国際収支速報 旅行収支は177億円の黒字

「旅行収支」が4月、約44年ぶりに黒字に転じた。年1000万人ペースで外国人が日本を訪れるようになり、人口減で縮む内需を補う効果が国際収支にも表れ始めた形だ。モノやサービスなど海外との取引状況を表す経常収支も3カ月連続の黒字となった。財務省が9日発表した4月の国際収支速報によると、旅行収支は177億円の黒字となった。大阪で日本万国博覧会が開かれ訪日客が増えた1970年7月以来の黒字だ。13年4月は224億円の赤字だった。