長崎県立大(佐世保市)は6月19日、現在の3学部7学科を5学部9学科に再編する、と発表した。2016年度の開設を予定し、来春に文部科学省に申請する。構想では、佐世保校(佐世保市川下町)にある経済学部(3学科)を経営学部(2学科)と地域創造学部(2学科)に、シーボルト校(長与町)にある国際情報学部(2学科)を国際社会学部(1学科)と情報システム学部(2学科)に再編する。シーボルト校の看護栄養学部(2学科)は現状維持とする。全体の定員(690人)は変えない。
一般社団法人日本教育者セミナー(JES)は、6月11日、12日の両日、グランフロント大阪(大阪市北区)にて「2014大阪大会」を開催した。「グローバル教育 未来を担う子供たちへ!」と題し、全国から教育業界の精鋭が一同に集い、最後まで飽きさせない学びの場となった。
本会を主催する日本教育者セミナー理事長の岡村寛三郎氏(兵庫県、岡村ゼミナール代表取締役会長)が開会の挨拶に立ち、「時代の変化が激しい時ほどビジネスチャンスが多い。このセミナーで学んだことを判断材料にして欲しい」と参加者に語りかけた。
第1講座では、グローバルリーダー育成スクール「IGS」代表の福原正大氏が「グローバル人材育成の最前線」をテーマに熱弁を振るった。スーパーグローバル大学の認定や、東京大学の推薦入試の実施、スーパーグローバルハイスクールによる高大接続、そして国際バカロレア(IB)認定校の拡大などについて言及しながら、これまでの教育の延長線上ではない教育改革が進むと指摘し、今までの知識偏重型の教育から大きく変わっていくだろうと解説した。
戦後日本の長きに渡る高度成長を支えてきた世界に誇るべき日本の教育は、全体の平均値を上げ、落ちこぼれを作らないもので、答はひとつ。それゆえ日本企業は一枚岩となり強さを発揮してきた。しかし時代が大きく転換した今、日本の中等教育が強みとする基礎知識のインプットに加え、新しい時代に必要なアウトプットが必要と力説した。
日本最高峰の東京大学は世界では23位。次ぐ京都大学は世界で52位である。東大、京大にしか辿り着けない受験勉強では、子どもの可能性を閉じているのではないかと疑問を呈し、世界の大学にも可能性を開くのがTOEFL iBTだと説いた。学部からの直接の進学でなくても、大学入学後の交換留学要件にも用いられ、たとえば慶応大学の交換留学の条件には120満点中80点以上必要とする留学先の大学名が並ぶ。就職活動が始まる前に帰国しようとすれば、大学1年生の9月までに80点以上が必要となる。このような状況からTOEFL iBT対応の学習プログラムを導入する中学高校が増えているという。
第2講座では、株式会社グローバルゲートインスティテュート代表の錦織彰氏が「オンラインを活用した英語学習」について自社サービスの内容を披露した。錦織氏は、4年前に韓国の公立小学校と中学校の英語教育を視察し、先生が英語で授業を行い、生徒がしっかり答える様子を目にした。英語力はもちろんのこと生徒の積極性を見て、これでは日本人は負けるなと感じたという。小中生対象のネイティブによるオンライン英語サービス「ネット留学MEET the WORLD」の開発には、英語教育においては日本の10年先15年先を進む韓国の企業と提携。14年春に全国約500教室で利用を開始した。
次に紹介した「e-Spire」は中高生を対象にしたTOEFL iBT対応学習プログラムで、120満点中100点を目指す。コンテンツはIGSが作成。全国の小中学校、学習塾が導入あるという。TOEFLは学生向けのテストで、中学高校生向けのJunior、高校生大学生向けのiBT、ITPがあり、この秋には小学生向けPrimaryがリリースされる。TOEICはビジネスや社会人向けで世界の中でも日本と韓国だけに受験者が多いことが特徴だ。最後に、この夏にリリースする中高生対象の「速読英語」についても紹介があった。単語を学びつつ速読スピードを高める学習ツールだ。
第3講座は、オンラインではなくリアルな場で展開する英語教育についてジャイロスコープ代表の桂次郎氏が、その取組みを披露した。
日立オーストラリア社長、日立アメリカ上級副社長等を歴任後、日本国内に英語公用語ゾーンをという論文で東洋経済新報社高橋亀吉賞を受賞。それを契機に早期退職し10年に起業。現在までハウステンボスを拠点に各種英語体験プログラムを展開している。基本思想はNTT。N/ネイティブ英語を、T/楽しく。T/体験するという。また、商店街で子どもたちがビンゴや宝探しをしながらボランティアの水兵さんと英語での会話を楽しむ米軍佐世保基地と長崎県佐世保市四ヶ町、ジャイロスコープとの3社共同プロジェクト「トモダチ・ハンティング」も実施。12年から年2回開催し今年で5回目を数える。他にも小学生から学生、ビジネスマンなど幅広い年齢層に対し、様々な英語学習プログラムを提供している。
2日目は株式会社船井総合研究所の島崎卓也氏が登壇。「学習塾業界、次の収益の柱を探る」と題した第4講座では、学童保育の最新動向、保育事業についての分析と可能性について語り、ワンストップ型英語保育モデル事業の成功事例を紹介した。
閉会の挨拶として株式会社SRJ代表の堀川直人氏が、「経営という立場で教育を見るが、教育者として考える2日間であった」と振り返り、「研修会参加後は意識が高いが、日常の現場でどう活かしていくか、それも新しいことをするのでなく、見直す機会として捉え、この研修で得た刺激を現場で活かして欲しい」と参加者にエールを送り、会を締めくくった。
株式会社ファーストリティリングが、国内のユニクロ店舗に勤務する全パート・アルバイト約3万人の内1万6千人を正社員化すると発表した。彼ら・彼女らは、特定の店舗や地域に勤務地が限定される「R(リージョナル=地域)社員」と位置づけられる。正社員には、他に国内転勤はできるが海外転勤は望まない、もしくはその実力がない「N(ナショナル=国)社員」。海外事業にチャレンジする意思と実力を備えた「G(グローバル=世界)社員」の三分類される人事制度に変更する。これを皮切りに、様々な企業が、正社員化を進め始めた。理由は企業により異なるが、正社員化自体は好ましい。
ところが、内容が明らかになるに従い、一概に喜べる改革ではないと分かってきた。「R社員」の年収は、非正規の現在より上昇するが、300万円から400万円だという。
地域限定正社員を既に導入している日本郵政グループの例をみる(呼称は「新一般職」)。4月までに4700人が、新一般職に転換した。ボーナス(4・3カ月)が加算されるが、年収は55歳時点で最高450万円、平均300万円程度にしかならないという。
方や最近何かと話題が多い、グローバル人材。外国語に堪能で、何か専門的領域で高い技能を持つ人だ。だが、インドで働く(英語ができる)、国際会計基準に明るい会計士の年収はどのくらいだろうか。何と200万円から300万円。
夢を抱くことが難しい世界が続く。
(如己 一)
株式会社ナガセ
原田 曜平 氏「さとり世代」をモチベートさせるには、
集団評価の採用とワークライフバランス
ゲスト花房 孟胤 氏 NPO 法人 manavee(マナビー)代表理事
公益社団法人 全国学習塾協会 九州・沖縄支部の研修大会
一般的なサービス業とは異なる「教育サービス業」では、
ラ・ポールを築くことが重要
公益社団法人 全国学習塾協会主催による特別セミナー「『学習塾講師検定』における国家検定を目指す意義について」が6月8日(日) 、東京・アルカディア市ヶ谷にておこなわれた。
セミナーに先立ち同協会会長の安藤大作氏が挨拶。続いて同専務理事を務める稲葉秀雄氏が「新人講師を育成する際、多くの塾ではベテラン講師の授業を見学させるに留まっており、4割の塾経営者はその育成方法を変えたい、と感じているとのアンケート結果が出た。今後は講師育成という、見えない技術をいかに見える化するかが課題」と既存の学習塾講師検定から国家検定を目指す理由について述べた。
次に同協会よりニーズ調査を委託されている三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の田口壮輔氏が、今回の学習塾講師検定の国家検定化は厚労省が本年度よりスタートさせた「業界検定スタートアップ支援事業」によるものだと説明。
医師や弁護士などには国家資格、製造業には技能検定などが設けられているが、対人サービス業を中心とする職種には評価制度が整備されていないこと、さらに人口減少による人材不足を解消すべく各個人の能力を最大限活用するために開始されたという。公募には様々な団体が企画書を提出したが、学習塾業界のほか「健康産業」「流通業」「派遣・請負業」の4団体が採択されている。
ポイントは国主導で検定内容を策定するのではなく、時代の変化に柔軟に対応できるよう、その業界の自主性を重んじていること。国は補助金の提供と権威づけ、一定のチェックをおこなうのみだという。
今後2年間で国と各団体で協議を重ね、国家検定として認定するかどうかが決まるが、そのための具体的な指針は決まっていないとのこと。田口氏は「今後、様々な塾にヒアリング調査をおこなっていくため、忌憚のない意見をもらいたい」と呼びかけた。