文科相「データ提供制限も」、静岡県の川勝平太知事 校長名公表で

下村博文文部科学相は9月5日記者会見で、静岡県の川勝平太知事が今年度の全国学力調査で小6国語Aについて正答率が全国平均以上だった公立小の校長名などを市町村教委の同意を得ずに公表した問題で、「極めて遺憾だ」と述べたうえで、実施要領に違反した場合、「翌年度の調査で結果データの一部を提供しないことも考えられる」との考えを明らかにした。

高校生に科学者育成プログラム 筑波大

筑波大は今月から、主に高校生を対象にした「未来を創る科学技術人材育成プログラム」を始めた。9月16日まで受講者を募り、書類審査のうえ、22日に合否を発表する予定だ。優秀な生徒ならば中学生でも応募できる。グローバルな未来の科学者を育成するSSコースは、個人研究を主体に高度で挑戦的な課題の発見と解決をめざす。物理や化学、生物など7分野で専門的な自主学習を支援するトップリーダーコースは、科学オリンピックなどで力を発揮できるような幅広い知識やスキルの習得を目標とする。

東京都市大 再生工学研究センター

東京都市大学の都市基盤施設の再生工学研究センター(東京・世田谷)は、今ある道路や橋、トンネル、下水道などの都市インフラを安全に使い続けるため、診断や補修の技術開発に取り組む。同センターは7月、首都高速を運営・管理する首都高速道路会社(東京・千代田)などと共同研究を始めた。1964年の東京オリンピック開催に合わせて建設された首都高は亀裂の発生などの損傷や老朽化が目立ってきた。今後も100年間にわたって安全に使うため、必要な技術の開発を進める。

電子顕微鏡、精度で世界一に 東大と日本電子が開発

東京大学の幾原雄一教授と柴田直哉准教授、日本電子などは、世界最高性能の電子顕微鏡を開発した。どれだけ小さなものを見分けられるかという性能を示す「分解能」は0.045ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、米国チームの記録を上回った。物質を構成する原子と原子の位置関係が精密にわかり、半導体や電池などの新材料開発に役立つという。ものを見るのに光を使う光学顕微鏡は光の波長よりも小さい物体は見えない。電子顕微鏡は光よりも波長がはるかに短い電子線を使うため、原子程度の大きさでも見分けられる。

来年度募集定員 熊本県全日制、公立1万2160人・私立6305人

熊本県教育委員会は9月2日、県内の公・私立高校の2015年度募集定員を発表した。公立全日制は高校再編や学科改編で前年度より320人少ない1万2160人。同定時制と私立は前年度と同じで440人と6305人となった。公立の願書提出は、前期が1月22〜26日午後4時、後期は2月13〜18日正午。試験は前期2月3日、後期3月10、11日。合格発表はいずれも3月17日。私立の一般入試は1月20日の玉名女子、有明、専大玉名を皮切りに順次実施される。

品川区立10校、小中全生徒にタブレット

東京都品川区は、IT教育を推進する区立の小中学校10校で全生徒1人1台にあたるタブレット約1800台を配備した。授業で使うだけでなく自宅に持ち帰って宿題や自習に利用できる。生徒の学習意欲を盛り上げ、家庭でも勉強する習慣を身につけてもらう。校内無線通信の工事を合わせると事業予算は2億2000万円。タブレットを使った家庭学習を可能とするのは全国の公立校で初めて。生徒がインターネットに接続して勉強以外に使ったりゲームで遊んだりすることを恐れ、自宅に持ち帰らせることをためらう自治体が多かった。

国立大の学部、入学定員が2年連続減 9万6258人 15年度

文部科学省は8月29日、国立大の2015年度入学定員を発表した。学部は前年度より177人減の9万6258人で、2年連続の減少となった。埼玉大や信州大は学科を改組するなどした上で、全体の入学定員を減らす。山口大と高知大は既存の学部の定員を減らし、新たな学部を設けるが、定員枠は維持する。大学院の入学定員も63人減の5万8729人。新潟大や鹿児島大など5校が法科大学院の募集を停止することが影響した。課程別では、修士課程と博士課程は増えた一方で、専門職学位課程が151人減った。

ベネッセ、全国学力調査の採点・集計の委託業務 落札

2015年度の全国学力調査の小学6年生分の採点や集計を委託する一般競争入札で、ベネッセコーポレーションが落札した。ベネッセは7月に顧客情報が大量に流出して情報管理のあり方が問題になったが、今回の受注は現在の学力調査が始まってから9年連続。文部科学省は9月中にも契約を結ぶ方針だが、保護者の不安に配慮して経緯を説明するよう求める声もある。入札があったのは8月28日で、2社が参加した。一般競争入札方式を導入した第2回の08年度分から1社応札が続いていたが、今回、初の複数応札となり、ベネッセが選ばれた。

明光義塾87教室FC展開のMAXISホールディングス18億円で買収 明光ネット

明光ネットワークジャパンは9月1日、個別指導塾「明光義塾」の87教室をフランチャイズチェーン(FC)展開するMAXISホールディングス(東京・新宿)を2日付で買収すると発表した。買収額は18億円。同社は東京都や埼玉県など1都5県でFC運営するメガフランチャイジー。明光ネットワークジャパンは傘下に置くことでFC展開の運営ノウハウを吸収する狙いだ。

改造内閣発足へ

安倍晋三首相(自民党総裁)は9月3日、党役員会を開き、幹事長に前党総裁の谷垣禎一氏を充てることを正式に決めた。首相は同日午後に内閣改造を行い、今夕に第2次安倍改造内閣を発足させる。閣僚人事では、望月義夫・党行政改革推進本部長が環境相で初入閣することも決まった。自民党で総裁経験者が幹事長に就くのは初めて。かつて首相と総裁選を争ったこともある谷垣氏を党の要の幹事長とすることで、党内融和を図る一方、来秋の党総裁選に向け、ライバルを取り込む狙いもあるとみられる。

 ■安倍改造内閣の顔ぶれ

 ◆副総理 財務 金融=留 麻生太郎(あそうたろう)73 衆(11)福岡8

 ◆総務 高市早苗(たかいちさなえ)53 衆(6)奈良2

 ◆法務 松島みどり(まつしまみどり)58 衆(4)東京14

 ◆外務=留 岸田文雄(きしだふみお)57 衆(7)広島1

 ◆文部科学=留 下村博文(しもむらはくぶん)60 衆(6)東京11

 ◆厚生労働 塩崎恭久(しおざきやすひさ)63 衆(6)愛媛1〈参(1)〉

 ◆農林水産 西川公也(にしかわこうや)71 衆(5)栃木2

 ◆経済産業 小渕優子(おぶちゆうこ)40 衆(5)群馬5

 ◆国土交通=留 太田昭宏(おおたあきひろ)68 衆(6)東京12=公

 ◆環境 望月義夫(もちづきよしお)67 衆(6)静岡4

 ◆防衛 安保法制 江渡聡徳(えとあきのり)58 衆(5)青森2

 ◆官房=留 菅義偉(すがよしひで)65 衆(6)神奈川2

 ◆復興 竹下亘(たけしたわたる)67 衆(5)島根2

 ◆国家公安 拉致 防災 山谷えり子(やまたにえりこ)63 参(2)比例〈衆(1)〉

 ◆沖縄・北方 科学技術 山口俊一(やまぐちしゅんいち)64 衆(8)徳島2

 ◆経済再生=留 甘利明(あまりあきら)65 衆(10)神奈川13

 ◆地方創生 石破茂(いしばしげる)57 衆(9)鳥取1

 ◆女性活躍 有村治子(ありむらはるこ)43 参(3)比例

 ■自民新役員の顔ぶれ

 ◆副総裁=留任 高村正彦(こうむらまさひこ)72 弁護士〈元〉外相・法相・経済企画庁長官▽中央大=衆(11)山口1区

 ◆幹事長 谷垣禎一(たにがきさだかず)69 弁護士〈元〉法相・党総裁・財務相▽東大=衆(11)京都5区

 ◆総務会長 二階俊博(にかいとしひろ)75 〈元〉経産相・党総務会長・運輸相▽中央大=衆(10)和歌山3区

 ◆政調会長 稲田朋美(いなだともみ)55 弁護士〈元〉行政改革相・党法務部会長▽早大=衆(3)福井1区

 ◆選対委員長 茂木敏充(もてぎとしみつ)58〈元〉経産相・党政調会長・金融相▽米ハーバード大院=衆(7)栃木5区

 (敬称略、留は留任、名前の後の数字は年齢、カッコ内数字は当選回数、地名と数字は選挙区、公は公明党)