「教育の力」磨く、名古屋で全国模擬授業大会を開催

10月25日、26日の両日、愛知県の野田塾が主催する「全国模擬授業大会」が名古屋市内で開催され、全国からのべ800人の塾関係者が集まった。25日には千種区の吹上ホールで、大会の歴代チャンピオさンによる模擬授業のエキシビションやパネルディスカッションなどのプレイベントがおこなわれた。

プレイベントには、野田塾の濱口将成 先生(英語)、トーゼミの寺本冬樹先生(数学)、野田塾の柴田よし美先生(国語)、練成会の三角健太先生(理科)、創学舎の村田寛之先生(社会)が登壇し、しっかり授業に惹き込む圧巻の模擬授業を披露し、パネルでは日々の授業に向かう際に心掛けていることや、過去の失敗談などを話して会場を沸かせた。

野田塾の柴田よし美先生 野田塾の濱口将成 先生 練成会の三角健太先生
創学舎の村田寛之先生
トーゼミの寺本冬樹先生パネルディスカッションの様子

【写真】上段左から、野田塾・柴田先生、同・濱口先生、練成会・三角先生、創学舎・村田先生、トーゼミ寺本先生とパネルディスカッションの様子

 

テレビ局の取材も入った予選

テレビ局の取材も入った予選

翌26日は、全国17都道府県から21の塾の、腕に自信のあるおよそ100名の講師らが集結し、東区の名古屋中学校・高等学校を舞台に「全国模擬授業大会 in 名古屋」が開催された。国語、数学、英語、理科、社会、ルーキー(新人)の6部門に分かれて予選がおこなわれた。模擬授業では、授業で最も重要とされる「新単元の導入」の部分の授業を15分間おこない、生徒にとって「わかりやすい」「ためになる」「おもしろい」といった点を中心に、生徒のやる気を引き出す工夫がなされている授業かどうかが各教室2名の審査委員によって審査された。

部門別チャンピオン決定戦

部門別チャンピオン決定戦

午前中の予選を経て、午後はグランドチャンピオン決定戦に出場する講師を各部門から1名ずつ選抜するために、部門別チャンピオン決定戦がおこなわれた。また、今年度は敗者復活(ワイルドカード)制が導入され、各部門の2位となった講師のうち、1位と2位の差が最も少なかった出場者1名のみが部門別チャンピオン決定戦に進めることになったため、これまで以上に白熱した部門別チャンピオン決定戦となった。部門毎に会場が分かれて行われた決定戦は、いずれの会場も立ち見が出るほどの見学者が詰めかけ、実力のある講師の授業にメモを取ったりビデオカメラを回しながら、熱心に聞き入っていた。

会場の様子今大会は、例年以上の熱戦が繰り広げられ、国語部門は野田塾の余田真里先生と開倫塾の菅野隆哉先生が同点で部門チャンピオンとなったため、急遽、グランドチャンピオン決定戦に進む1名を決めるためのくじ引きがおこなわれた。そして部門チャンピオンに選ばれた、英語の練成会グループ・瓜田若菜先生、数学の練成会グループ・長内篤史先生、国語の野田塾・余田真里先生、理科のトーゼミ・並木貴弘先生、社会の野田塾・村上友哉先生によってチャンピオン決定戦がおこなわれた。

国語部門のチャンピオンを決めたくじ引き野田塾の余田真里先生 練成会グループの瓜田若菜先生
野田塾の村上友哉先生 トーゼミの並木貴弘先生 練成会の長内篤史先生

【写真】上段左から、国語部門のチャンピオンを決めたくじ引き、野田塾の余田先生、練成会グループの瓜田先生、野田塾の村上先生、トーゼミの並木先生、練成会グループの長内先生

 

野田塾の佐藤紀貴先生いずれの先生も、生徒が目の前に居るかのような迫力のある授業を披露し、最終審査がおこなわれた。その間に、ルーキー部門のチャンピオンに選ばれた野田塾の佐藤紀貴先生が、ルーキーとは思えない堂々とした模擬授業を披露してくれた。

総勢26人の審査員による最終審査は難航を極め、グランドチャンピオンの発表は予定していた時間をオーバーしておこなわれた。そして、見事グランドチャンピオンに輝いたのは、練成会グループの長内先生。惜しくも2位となった余田先生との点差はたった1ポイント。長内先生と3位の並木先生もわずか6ポイント差となり、このチャンピオン決定戦がいかに接戦とだったかを物語った。

審査員の皆さん メダルを手にするチャンピオンたちグランドチャンピオン発表の瞬間

 

愛知県私塾協同組合の山田真司理事長総評を述べた愛知県私塾協同組合の山田真司理事長は「4回目を迎えた模擬授業大会はイベントではなく、今後は年中行事となっていく。ルーキー達の授業を見せてもらったが非常にレベルが高く、得るものが多かったと感じている。そして世界には教育を受けたくても受けられない人がいます。生徒たちが日々塾に通えていることは当たり前のことではなく、お母さんお父さんのおかげがあってのことだということを、伝えていただきたい。また、先生方がこうして大会に参加出来ているのも、塾を支えてくれている他の先生や経営者のおかげだということを頭の片隅に置いていただきたい」と話した。

 

大会を支えた野田塾のスタッフの皆さん 野田塾の小川英範塾長また、野田塾の小川英範塾長は、今大会を振り返って「今年もこのように素晴らしく実りのある大会を開催させていただき、ありがとうございました。感動させる授業を披露してくれた先生方、そして授業を見学しながら応援してくださった先生方の姿勢が日々の教育の現場でも活かされていると信じています。教育には公も私もありません。子ども達の幸せと平和のために、参加された皆さんの若い血によってより理想的な教育をめざしていただきたいと思っています」と感謝の気持ちを伝えるとともに、大会を支えた野田塾のスタッフの労をねぎらった。

次回は、開倫塾が主催する模擬授業大会が2015年5月24日に、栃木県の白鷗大学足利高等学校・富田キャンパスで開催される。回を重ねる度にレベルが上がり、熱戦が繰り広げられる模擬授業大会。出場する塾も増え、今後はほかの地域での開催も期待されている。

参加団体

静岡学力テスト公表問題、文科相と静岡知事ら直接意見交換会

下村博文文部科学相は11月6日、静岡県の川勝平太知事が2014年度の全国学力テストの結果を実施要領に違反して公表したことを巡り今後、こうした違反行為を防ぐために検討していた罰則について、創設を見送る考えを示した。同日に東京都内で開かれた川勝知事らとの意見交換会では川勝知事を含め計5人の知事が参加し、教育制度のあり方などについて議論した。川勝知事は学力テストに関して「実施要領の規定が分かりにくい」と指摘した。これに対し、下村文科相は「分かりにくのは確かだが、そもそも知事に公表する権限はない」と強調。文科省は実施要領に違反した自治体に対し、翌年度のテスト結果を提供しないなどの罰則を講じることを検討していたが、下村文科相は「その必要はない」とした。

府立大と京都市産業技術研 包括協定 締結

府立大(京都市左京区)と京都市産業技術研究所(下京区)は10月28日、科学技術に関する研究成果を産業振興につなげるための包括協定を締結した。互いの得意分野を生かしバイオテクノロジーを中心分野に据えながら、「食の安全」や伝統文化を支える科学技術の共同研究をしていく。伝統文化を支える科学技術の研究では、ほとんどが中国産に置き換わってしまった漆を府内で再び供給できる技術開発を進める。具体的なテーマとして、海外での需要が伸びている日本酒を、外国人の好みに合わせた味に改良することなども検討している。

「公設民営校」実現へ 大阪市

政府が近く提出する国家戦略特区制度の改正法案が今国会で成立すれば、来年度にも「公設民営学校」が、特例として認められることになりそうだ。構想を国に提案した大阪市は「第1号」に向けて動き出す。大阪市が目指すのは、民間の発想や人材活用による学校運営の活性化だ。具体的には、子どもの才能を見極め、得意分野を徹底的に伸ばす「オーダーメード型」の教育だ。海外の大学入学資格が得られる「国際バカロレア」認定を受けるコースや、理数系や人文科学系に特化した学科がある学校づくりの検討などを視野に置く。早ければ17年度の開校を目指す。

月刊私塾界11月号記事訂正のお知らせ

平素は弊社刊行の月刊私塾界をご購読いただき、誠にありがとうございます。
2014年11月1日発刊の月刊私塾界で訂正箇所が反映されなかった箇所がありました。
関係者の方々、大変申し訳ございませんでした。
再発防止を誓い、訂正させていただきます。

訂正箇所
月刊私塾界2014年11月号(2014年11月1日発刊)
P.8 私の教育
森絵都さんプロフィール

誤)早稲田大学第二文学部社会人間系専修卒業

正)早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業

重ねて、お詫び申し上げます。

森 絵都 MORI Eto
1968年4月8日生まれ、東京都出身。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年に「リズム」でデビュー。「宇宙のみなしご」は、第33回野間文芸新人賞、第42回産経児童文学出版文化賞ニッポン放送賞。
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」で第20回路傍の石文学賞、「つきのふね」は第36回野間児童文芸賞受賞。
「カラフル」で第46回産経児童出版文化賞を受賞。「風に舞いあがるビニールシート」で第135回直木賞を受賞。
近著に「クラスメイツ」。集英社「小説すばる」にて塾を題材にした「みかづき」を連載中。

「アプリ甲子園」800人熱戦

IT教育会社のライフイズテック(東京・港)は日本科学未来館(東京・江東)で9月下旬、、全国の小中高校生約800人が参加した「アプリ甲子園」の決勝大会が開いた。予選を勝ち抜いた11人が約300人の観客に向け、自信作のアプリを順番に披露した。優勝に輝いたのは日本女子大付属高校1年の山本文子さん。小学生で唯一決勝に残った函館市立北美原小学校5年生の加藤周君は、無料対話アプリLINEや交流サイトで、メッセージや投稿などに添えるキャラクターの表情や色を自在に作成できるアプリを開発した。

いじめ、学校の認知のきっかけは 本人記載によるアンケート

東京都教育委員会が6月、都内の公立小中高校を対象に実施した「いじめの実態及び対応状況把握のための調査」によると、学校がいじめを認知したきっかけで、小中高全体を通して最も多かったのは、児童生徒に対するアンケート調査での本人による記載(34.5%)だった。保護者からの訴え(18.7%)や学級担任による発見(15.8%)が続いた。学校主導の調査を経ず、いじめられた子供本人が直接訴えたケースは13.3%。周囲の子供からの申告方法についてみると、直接の訴えが3.4%で、アンケートへの記載は6.1%だった。

医学部、志願14万人

文部科学省の学校基本調査によると、2010年度に約11万人だった国公私立大の医学科への志願者数は、14年度には14万人を超えた。少子化に伴う学生獲得競争が激しさを増す中、近年は多くの私立大が6年間で計数百万円の学費値下げに踏み切っている。削減や抑制が続いていた医学部の定員増加も人気に拍車をかける。地方での医師不足などを背景に国は08年度から定員増にかじを切り、15年度の総定員は過去最多の9134人となる見込み。16年春には1981年の琉球大以来となる医学部が東北医科薬科大に開設予定だ。

中教審、「小中一貫教育」制度化で答申案

中央教育審議会(中教審)の特別部会は10月31日、義務教育の9年間を一体として行う「小中一貫教育」を制度化するよう求める答申案を示した。不登校やいじめ問題などの解消に効果があると評価し、各市町村の判断で導入できるよう法改正する。実施する学校には、地域の特徴に応じた独自教科の設定を認めることも提案した。中教審は年内に答申をまとめる。文部科学省は答申を受け、来年の通常国会で学校教育法などを改正する方針で、各市町村は早ければ2016年度から小中一貫教育を導入できるようになる。

カルビー、2Q 純利益最高70億円 (21%増 )「フルグラ」販売好調

カルビーが10月30日発表した2014年4~9月期の連結決算は、売上高は11%増の1062億円、純利益が前年同期比21%増の70億円と過去最高を更新した。穀物やドライフルーツを混ぜたシリアル「フルグラ」が朝食として浸透し大幅な増収になった。朝食需要を開拓したフルグラは、2月に生産能力を5割増やして急成長した。ポテトチップスでは「堅あげポテト」やプライベートブランド(PB)製品が好調で、定番の「かっぱえびせん」は発売50周年の販促で伸びた。