入学手続きもネットで 近畿大が全国初 

近畿大(大阪府東大阪市)は今秋の推薦入試から、入学手続きの完全ネット化を始めた。入学を希望する合格者は大学が郵送する合格通知書をもとに、書かれた8桁の数字と受験番号、生年月日を入力して本人証明を行う。さらに、学則・学生規程のページで、「学則、学生規程を遵守じゅんしゅします」と書かれた電子版誓約書にチェックマークを入れ、送信ボタンを押す。入力はスマートフォンでもでき、5分ほどで完了する。入学試験出願の完全ネット化に続く全国初の試みで、封筒を含めて10万枚程度の紙類が節約できるという。

遠隔授業 高校で導入へ 過疎地や離島

文部科学省の有識者会議は12月8日、離島や過疎地域の高校生がテレビ会議システムで授業を受ける「遠隔授業」について、全日制と定時制で導入を認める報告書をまとめた。認められる遠隔授業は生中継が原則。「対面による触れ合いが重要」として、遠隔地の生徒が配信側の教員と質疑応答ができる「同時双方向型」を基本とし、受信する高校でも教員が立ち会う。74卒業単位の授業のうち半数以下の36単位が上限。このほか、大学教員の授業を受けることや海外との交信も可能になるため、教育の幅が広がることが期待される。

札幌開成中等教育学校、出願状況 男女とも10倍超す

来年4月開校する市立札幌開成中等教育学校の出願状況が12月12日発表され、男子(募集人員80人)に883人、女子(同)に805人の計1688人が出願した。入学者選考の今後の予定は、来年1月14日に適性検査の1次検査を行い、募集人員の3倍以内に絞る。さらに同24日に個人面接を行い、募集人員を超えた場合は同31日に公開抽選で入学予定者を最終決定する。同校は理科、数学、英語の専門学科「コズモサイエンス科」のある札幌開成高校を母体に、新校舎で開校。生徒一人一人の興味関心を伸ばす課題探究的な学習を特徴としている。

都職員ボーナス、0.6%増85万777円

東京都は12月10日、都職員に冬のボーナス(期末・勤勉手当)を支給した。平均支給額は前年比0.6%増の85万777円だった(平均41.3歳)。対象者は警察や消防、教育、公営企業の職員も含め16万5491人。支給総額は1400億円強。舛添要一知事は381万6639円だった。

働くママの視点に立った、地域密着型学童保育

──市進ホールディングスの学童保育『ナナカラ』に地域の期待集まる

塾をはじめとする民間事業者による学童保育分野への参入が活性化するなか、株式会社市進ホールディングスの『ナナカラ おおたかの森』が注目を集めている。

ナナカラは、同社が2015年4月に千葉県流山市に満を持して開校する学童保育事業ブランドで、特徴は「働くママ」の視点に強く寄り添っていること。プロジェクトスタッフの全員が女性で、その感性をふんだんに活かしたものになっている。

『ナナカラ』が入居予定の新築ビル。流山おおたかの森駅徒歩一分の好立地だ。

『ナナカラ』が入居予定の新築ビル。流山おおたかの森駅徒歩一分の好立地だ。

公設の学童保育を利用できないことも多い小4以上への手厚く柔軟な対応がその一例。高学年向けのキャリアプログラムや、送迎をせずに料金を安くするプランを設定するなどしたことで、同年齢層の子を持つ母親が利用・就業しやすくなった。また学童に通う児童を対象に知識・特技を教える『市民先生』として、就労意欲の高い主婦たちを講師として採用し、活躍の場を提供する。

もう一つの特徴は、出店地域を限定しない一方で、密着性には強くこだわる点だ。一般的に民間の学童保育は、商圏となる地域を特定し、集中出店してシェア率を高めるエリアドミナント戦略を取ることが多く、展開は人口過密地域に集中し、比較的人口が少ない地域は後回しになりがちなのが現状だ。そこでナナカラは、ベッドタウン・流山市にあえて展開。事業立ち上げに当たっては、市内在住の母親たちを集めてモニタリングを実施し、「お料理や運動などの体験型ばかりでなく、お習字やサイエンス教室などの習い事ができると嬉しい」「子供だけで帰れるようにして欲しい」など、細やかなニーズを汲み上げた。

自らも二児の母だという、学童事業室長の橋本アキさん

自らも二児の母だという、学童事業室長の橋本アキさん

反応も上々で、70名の定員に対し、開校4ヶ月前の時点ですでに50名を超える申し込みが入っているという。同社学童事業室長の橋本アキ氏も「塾企業が母体ではあるが、子供たちには『合格』というひとつの目標ではなく、いろんな色に輝いて欲しい」と、『ナナカラ』(7colors)の名に込めた想いを語る。まずは流山をステップに、地に足を付けた形でその地域で求められているものを活かしたコンテンツ作りをしながら急がず展開していくという。

リスクマネージメントを考える 公益社団法人 全国学習塾協会 関東支部がワークショップ

公益社団法人全国学習塾協会 関東支部の渡辺浩支部長

公益社団法人全国学習塾協会 関東支部の渡辺浩支部長

公益社団法人全国学習塾協会の関東支部が主催する合同研修会が、勤労感謝の日(11月23日)に栃木県宇都宮市の岡本教育センター(阿部倫久塾長)でおこなわれた。この合同研修会は、2014年から同支部が定期的に開催しているもので、昨年は「間違いだらけの塾選び」をテーマに、千葉県銚子市の総合教育商社 翔英館(井原大平代表)を会場にワークショップがおこなわれた。今年のテーマは「もしもカンファレンス」と題して、危機管理の意識向上と、危機を好機に変えるリスクマネジメントについてワークショップを開いた。参加したのは同協会に加盟する学習塾の経営者ら24名。

ファシリテーターを務めた翔英館の井原大平代表

ファシリテーターを務めた翔英館の井原大平代表

今回も井原氏がファシリテーターとなり、リスクについて「もしも塾の近くで事故が起こったら?」、「もしもインターネットで自塾の誹謗中傷が流布されたら?」といった、比較的発生する可能性が低いものから、「椅子が壊れた」「保護者からクレームが入った」といった発生する可能性が高いものまで、事象をピックアップしながら、「発生する可能性が高いもの」から順番に、事前の対策から、万が一起こってしまった場合の事後対策までしっかりと行う必要があることをレクチャーした。その後に6人ひと組となり4つのグループに分かれて、リスクとは日常的に当たり前に起こることとして、各々の塾で想定されるリスクへの対応について意見を出し合った。

テーブルごとに議論が繰り広げられる中、参加した経営者からは「あまり考えたくないことだが、リスクとして想定しておけば、いざとなったときにすぐに行動できると思う」という声も挙がっていた。

井原氏は「起こりうる可能性のある事はすべて〝起こること〟として想定し、事象が発生した瞬間に〝どうしよう?!〟と焦らずに、その事象を生かして行動するにはどうしたらいいかということを日頃から考えることがリスクマネージメント」と話す。この研修を受け「明日から自塾での対応も見直したい」という感想を持つ経営者もいた。

ワークショップに参加する塾の経営者たち

ワークショップに参加する塾の経営者たち

同支部では2015年度より、こういったワークショップ形式の研修を全国各地でおこない「教育サービス業界の質を向上に務めたい」としている。

小1「35人学級」 財務省40人案撤回

政府は、公立小学校1年生の35人学級を維持する方針を固めた。35人学級は11年度に導入された。教師の目を届きやすくし、入学後に問題行動を起こす「小1プロブレム」を防ぐのが狙いだった。しかし、財務省は問題行動の防止につながってないと判断し、40人学級に戻すことを主張。義務教育費の国庫負担を約90億円圧縮し、その財源を幼児教育の無償化に充てる考えだった。だが、安倍政権の衆院解散理由に下村文科相の段階的5歳児無償化政策を来年度断念の言質を得て、財務省がいち早く撤回を表明したものとみられる。

生まれ変わる京都学園大学、学習塾関係者向け説明会開催

教育再生実行会議において高大接続・大学入学者選抜の改革について議論が進んでいる中、大学側もグローバルな視点に立った大学運営の見直しを迫られつつある。12月10日(水)、京都私塾連盟主催の京都学園大学の入試説明会がキャンパスプラザ京都で開催された。

京都学園大学現学長の内山隆夫氏

京都学園大学の内山隆夫学長

同大学は1969年4月に開学。「実学重視」の教育課程を基本とし、経営経済学部・人文学部・バイオ環境学部、そして2015年4月に新設される健康医療学部の4つから構成されている。

来年には京都太秦キャンパスも新規に開校し、亀岡キャンパスと「ダブルキャンパス」となる。「実学重視」を唱える同大学の特徴的な取り組みの一つに、国内外の「企業留学」がある。国内の「企業留学」の事例としては、京都府内の企業と連携し、3ヶ月間に及ぶインターンシップ制度を取り入れており、在学生に対して修得した知識を実際に使いこなすことのできる力を養いながら、地元の京都府に対しての社会貢献の一翼を担いつつある。

熱心に大学の取り組みを聞き入る参加者

熱心に大学の取り組みを聞き入る参加者

9代目学長の内山隆夫氏からの挨拶からはじまり、各担当者からの学部学科、入試制度等の説明。同大学の在学生からの体験談も聞かせる時間も設けられた。

当日は、関西を中心とした高等部を受け持つ学習塾関係者が多数参加し、新しく生まれ変わろうとしている大学に関する意識の高さを伺う事ができた。

京都私塾連盟の会長に就任した清水睦夫氏(進英塾 塾長)

京都私塾連盟の会長に就任した清水睦夫氏(進英塾塾長)

主催した京都私塾連盟は、来期から同連盟の会長を永きにわたって務めた松井博美氏(創学社代表取締役社長)が顧問に退き、新会長には清水睦夫氏(進英塾塾長)が就任。最後は新会長の清水睦夫氏から挨拶があり、盛会のうちに幕を閉じた。

塾全協東日本ブロック主催 教材教具展

12月9日(火)、千葉県柏市にある柏商工会議所にて、NPO法人全国学習塾連合協議会東日本ブロック主催の「教材教具展2015」が催された。例年2月初旬に開催したイベントだが、今年は一足お先にこの時期に開催。同団体の理事長の沼田広慶氏の挨拶から始まった教材教具展。来場者は会場内に展示された、各スポンサー企業の新年度に向けたソリューションを食い入るように見入っていた。会場中央に設営されたセミナー会場では、3つの出展企業からのプレゼンテーションも実施。アルクテラスの新井代表をはじめ、日本教材出版、進学研究会からの入試情報などの説明もあり、最後まで飽きさせない展示会となった。

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展示会場の様子

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会に先立ち挨拶をする、塾全協東日本の理事長の沼田広慶氏

全日本学習塾連絡会議主催 教育セミナー開催

DSC_047011月17日(月)、全日本学習塾連絡会議(事務局長 佐藤 勇治)は、『2014 全日本学習塾連絡会議 教育セミナー』を衆議院第二議員会館にて催した。
大島九州男氏(民主党参議院議員)をはじめとした来賓の挨拶、『学習塾百年の歴史』の紹介などあり、文部科学省から行政施策の説明が為された。同省からは総勢11名もの担当者が参加し、次期学習指導要領の検討内容、土曜日の教育活動の推進、道徳の教科化などの進捗状況の報告が、各担当者から為され、より具体的な行政施策に関する報告会となった。
当日は全国から学習塾関係者を中心に定員を大幅に越える参加者が一同に会し、文部科学省の教育再生に関する施策に対する関心の高さが伺えた。