富山大は、立山連峰から富山湾の深海まで高低差のある地形や県内に集積するアルミ産業など、地元の特徴を生かした理工系新学部「システムデザイン学部」(仮称)の開設を検討している。新学部は、現在の理学部地球科学科を「地球システム科学科」、工学部材料機能工学科を「マテリアルデザイン学科」の名称でそれぞれ編入するほか、新たに「都市デザイン学科」を新設する。学部・学科名は現時点でいずれも仮称だが、定員は計150人とする計画だ。同大は2016年度からの新学部設置を目指し、文部科学省と調整している。
小中高校生向けの出前実験教室や、課題研究サポートなどの科学教育サービスをはじめとした事業を展開する株式会社リバネス(東京都新宿区、丸幸弘代表)。同社が、中・高校生を対象に「アントレキャンプ」を東京都市大学世田谷キャンパスにて開催する。同キャンプは、「アントレプレナー シップ」を発揮できる人材育成のための教育プログラムを集めた特別キャンプになっている。
「アントレプレナーシップ」とは、既存の枠組みを超えたユニークな発想で、世の中の課題を解決するための新たな解決方法を探究し、それを実行する考 え方。その育成に主眼を置いたこのキャンプには、合計7つのプログラムが用意されており、どれも最先端の知識を学び体験することができるようになってい る。
プログラムの一例を挙げると、パラリンピックや障害を題材にしながら、未来の暮らしを豊かにするサービスの考案や作成をするプログラム、自分だけの iPhoneアプリを開発し、実際にApp Storeに公開するまでを体験するプログラム、遺伝子組換えによって蛍光タンパク質を導入し、様々な色を発現する微生物を創り出すプログラムなど多岐に わたっている。このキャンプに参加することで、「研究開発力」「批判的思考力」「事業化力」などが鍛えられ、子どもたちの社会を生き抜く力や創造力を身に つけるきっかけになるのではないだろうか。
最終日には全体発表会が行われ、各プログラムの受講生たちが一堂に集まり、各々が学び生み出した成果をプレゼンテーションする。自分が受講したプログラム以外の同年代の人たちの成果を目にすることで、新たな刺激を得て、視野をさらに広げることになるだろう。
期間は、3月25日(水)~28日(土)の4日間にわたって開催。募集締め切りは、2015年3月16日。宿泊型ではなく、通いのプログラムとなる が、遠方で宿泊を希望する場合は、宿泊先の手配などの相談に乗ってくれる。定員は、プログラム毎に決まっており、合計で最大200名。申し込みは、同社のウェブサイトから。
ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)設立発表会が、2月2日、電通ホール(東京都港区)で開かれた。同会議は、企業、教育団体、有識者、省庁が数多く参加している。設置された席も満席になり、注目の高さが伺えた。
現在、学校の現場では、電子黒板やデジタル教科書の利用が増加し、生徒1人につき1台のタブレット端末を配布し学習に利用する学校も出てきている。授業以外では、教職員の校務にもICT機器が利用されるなど、様々な場面でICTの活用が進んでいる。さらに学校だけでなく、オンラインで家庭学習ができる教育サービスなどを提供するEdTechと呼ばれる教育ベンチャー企業や、大学の講義配信サービスからはじまったMOOKsなど、教育の中に様々な形でICTを利用する動きが活発になっている。
しかし一方で、ICTの利用が進むにつれて、学習者の個人情報の保護、ユーザビリティーやアクセシビリティの向上、コスト削減などの諸問題とも向き合わなくてはならない。そういった背景の中、教育の中でICTを活用するための「標準化」の策定を担い、その普及を図るべく、ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)は設立された。
「標準化」が策定されれば、様々な教育サービスが同じフォーマットを使用し、操作方法の共有、連携が可能になる。そうなれば、学習者や指導者、また提供者にとって相乗効果が生まれ、ICTのよりよい利用ができるようになることだろう。同会議の会長に就任した一般社団法人日本教育情報化振興会会長、白鴎大学教授である赤堀侃司氏は、
「日本の教育システムは極めて優れています。世界に向かって堂々と発信していいわけです。伸ばすべきところはもっと伸ばし、コアとなる日本の素晴らしさを海外に発信していいと思っております。そういった中で、このICT CONNECT 21が起爆剤となれば大変嬉しいです」と述べた。
劇的に変化している教育パラダイムの中、ICTの利活用は切り離せない。そうしたことからも、今後のICT CONNECT 21の活動が、日本のICTの教育利用の道標となることを期待したい。