デジタルアーツによると、子供をネット犯罪から守るための対策や教育について「不十分」とした親が64%に上った。22%が「分からない」と回答したほか「十分だと思う」と答えたのは13%にとどまった。調査は1月、0歳から小学3年生の子供を持つ親595人を対象にインターネットで実施した。子供を守るうえで有効な方法を複数回答で尋ねたところ、「情報モラル教育の強化」が54%と最多で、ともに51%台の「端末側の機能制限」と「アプリなどの提供者の年齢制限」より高かった。
学習塾「開成教育セミナー」や「個別指導教育学院フリーステップ」を運営する株式会社成学社(開成教育グループ)が、この4月、大阪府豊中市に「旭丘かいせい保育園」を開園する。
同園の特徴は、「かいせいピグマリオン」というカリキュラムを、知育教育として導入しているところにあるだろう。これは、幼児英才教育「ピグマリオンメソッド」の創設者・伊藤恭氏によって、同園のため独自に作成されたカリキュラムとなっている。
ピグマリオン・メソッドとは、教えるのではなく、子どもたちの自ら学ぶ意欲を大事にし、指先→空間→図形→数論理→言語という順番で認識能力を高 め、養うことを目的としたメソッド。その教材には、たくさんの図形に触れ、遊びを通して図形形態把握能力を育成する「天地パズル」や、数を数えるのではな く、『5進法』から入り、20までの足し算・引き算を自在に行えるようにするための教具「ヌマーカステン」などを使用し、楽しみながら、数・図形・空間把 握能力、言語力、知識力を養う。そして最終的には、社会性・人間性を身につけ、自己愛だけでなく、他者への愛を育めるようになっている。
さらに、絶対音感トレーニングとして、田中準子氏の音楽指導法「J・Tメソッド」を毎日の保育に取り入れる。遊びの楽しさから達成する喜びへ無理な く導くこのメソッドを通して、見る力、聞く力、集中力を高め、絶対音感・リズム感を育成する。言語教育としては、週1回の英会話の時間も設けられている が、英会話だけでなく、詩などの音読の時間を設け、母国語である日本語をしっかりと身につけることを何より大事にするそうだ。
また、腰骨を立て(背筋を正して姿勢を伸ばし)精神を統一する「立腰(りつよう)」プログラムを導入し、子どもたちが自ら心と体を整える力を育成し、挨拶など、基本的なマナーや礼儀作法を学べるようになっている。
成学社の平野秀一取締役は「未来を担う子どもたちは、みな素晴らしい可能性を秘めています。これらのプログラムは、それを引き出し、豊かな感性、知性が育まれるようなプログラムになっています」と話す。
同園の知育教育プログラムは、小・中学受験にも対応できるように想定されているといい、園児たちの卒園後の成長も見据えたサービスを提供するのだと いう。ここ数年、学習塾が幼児教育に進出するケースが増えているが、旭丘かいせい保育園のように、学習塾の特性を活かし、子どもの学力を長期的に育成して いく保育園や幼稚園の開園は、今後も続くものとみられる。
一般財団法人明光教育研究所が、第1回給付奨学金制度の奨学生募集を2月13日に締め切られた。今回支給される奨学金は、返済不要の給付型奨学金となっており、1家族最大50万円が支給される。
対象者は、特別の考慮に値する事情があり、学習意欲が高くても経済的理由で学習の機会に恵まれない小学校から大学(高等専門学校及び専修学校(専門学校など も含む)に在籍する児童、生徒、学生。45名程度の採用者を予定している。給付期間は、1年間となっており、再度審査した上で、最長申込時の在籍校、又は 入学予定の学校の最終学年まで支給される(※審査により進学時の継続支給も可能)。
奨学金は、授業料や入学金などの学費のほか、教材や給食費、塾などの費用など学習に関するものを対象に支給される。また、奨学金を給付するだけでなく、学習の相談などにも乗ってくれるなど、金銭以外のフォローも用意している。
個別指導塾「明光義塾」を中心に事業活動を行っている株式会社明光ネットワークジャパン。明光教育研究所は、同社の会社設立30周年を機に、創業者である代 表取締役社長の渡邉弘毅氏と代表取締役副社長の奥井世志子氏の私財により 、昨年5月に設立された。経済的理由で学習機会に恵まれない児童や生徒に対する教育費の援助、自立学習教育システムの研究及び開発を行うことなどを目的と している。
塾に関係する財団による給付型奨学金制度は、ほとんどない。そのような中、勉強を教えることから一歩踏み出した同財団の活動は、これからの塾を考える上でも、とても意義深いものがある。代表理事を務める渡邉氏は今回の奨学金制度についてこう語る。
「我々に続いて同じような活動がもっと増えることを望みます。我々がその先鞭となることができれば大変喜ばしいことです」
同財団は、来年以降も奨学金の給付を続け、将来的には、募集人数を増やすことも考えているそうだ。また、公益財団法人化も視野に入れ、多くの子どもたちの利益となるため、持続的な活動をおこなうという。
本誌1月号に驚かれた方が多いことと思う。
昨年暮れに開催されたプレミアムセミナーが詳報されている。そこには開成中学高等学校柳沢幸雄校長と灘中学高等学校和田孫博校長が、パネリストとして登場している。何と東西の雄、揃い踏みである。その両雄を京都大学山極壽一総長の論が覆う。何と豪華なメンバーではないか。しかもこれが学習塾のセミナーで、である。10年前では考えられなかったことだ。教育界も変わったのである。
世界に大きな変化が訪れる。
第4次産業革命が始まろうとしている。「Industry4.0」である。キーテクノロジーはITだ。ネットワークに接続された機器同士が、自律的に協調動作する「M2M(Machine to Machine)」、ビッグデータの活用、生産系以外の開発や販売、ERP(Enterprise Resource Management、企業資源計画)にまで及ぶ。
IoT(Internet of Things、モノのインターネット)も、世の中を変える大きな要素である。
次のようなことも起ころうとしている。統計物理学を用い、新たなアルゴリズムによる人工知能を駆使し、人間行動のビッグデータを解析する。すると人間の行動を予測し、幸福を追求できることが解って来た。人間の任意の行動が、エネルギー保存法則をベースにした方程式で表せる。非常に簡単な方程式なのだ。方程式で表せる、ということは、未来を予測できることを意味する。
誰もが幸福を予測できる時代がやって来る。
(如己 一)