体内時計 コントロールする脳の神経細胞群を特定 筑波大らのチーム

筑波大の柳沢正史教授らのチームが、生物の体内時計の周期を保つペースメーカーの役割を果たしている脳の神経細胞群をマウスの実験で特定したと発表した。研究チームは、複数のアミノ酸の集合体であるペプチド「ニューロメジンS」(NMS)が視交叉上核でのみ生み出されていることに着目。マウスの実験で、NMSを生む神経細胞群の体内時計の働きを止めたり遅くしたりすると、個体の行動リズムもそれに合わせて変化することを確認した。同細胞群は視交叉上核の約40%を占めるという。

山口東京理科大入試、出願者4倍増

山陽小野田市立の公立大学へ移行する私立山口東京理科大の新年度入試の出願者が、前年同期の4・7倍となる1167人(4日現在)に達していることがわかった。同大は過去5年のうち4年間は学部の入学者が定員割れだったが一転、人気に火がついている。同大は工学部のみの単科大学。入学定員は200人で、推薦を除いた一般入試の募集定員は140人。現時点での志願倍率は8・3倍だ。出願締め切りの21日までには1200人を超える見通しだという。

大学で「職業人」育成を 再生会議第6回提言

教育再生実行会議(座長・鎌田薫早大総長)は3月4日、職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けるとの提言を安倍晋三首相に提出した。大学のあり方に関し「人生を豊かにする学びに加え、実学を重視した教育を提供することも必要」と指摘。そのうえで資格の取得などを目指す教育プログラムを各大学が設け、国がこうしたプログラムの内容を認定する仕組みを創設するよう提案した。アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。

北斎、幻の肉筆画

葛飾北斎の肉筆画の傑作で、100年以上行方不明だった「隅田川両岸景色図巻」が発見され、3月4日、墨田区が公開した。この図巻は、縦28.5センチ、長さ6メートル33.5センチ。両国橋の近くから隅田川を舟で上って吉原に向かう両岸の景色と、遊郭での遊興場面を、彩色豊かに描いている。1805年、北斎46歳ごろの作で「画狂人」の印が押されている。制作依頼者は江戸の戯作者、烏亭焉馬。1892年、上野で開かれた浮世絵展に出品された後、海外に流出、1902年フランスで競売にかけられた記録が残るが、その後は行方不明だった。

阪大の広報戦略

大阪大学の広報戦略が注目を集めている。「3位じゃダメなんです」。昨年末、新聞の見開き広告に大阪大の平野俊夫学長が登場。両手でバツを出し「国内で3番手の現状に満足せず、創立100周年の2031年に世界トップ10を目指す」とグローバル化への取り組みをPRした。国立大では異例の広告だ。2月には英国の留学生支援サービス「QS」社の雑誌に、3月は科学誌「ネイチャー」の別冊やサイトに相次いで広告を掲載、伝統や研究実績を世界にアピールした。

目の前の問題をすぐに動画解説 「速答カメラ」アプリの可能性に迫る

速答カメラが対応している中学数学のフォレスタ

速答カメラが対応している中学数学のフォレスタ

個別指導塾「森塾」や学習アプリの企画制作、学習塾用教材の開発・販売などを手がける株式会社スプリックス。同社は2月、教科書や問題集のわからない問題を動画で解説するスマートフォンアプリ「速答カメラ」をリリースした。

 

 

速答カメラはスマホでテキストを撮影するだけのシンプルな操作性

速答カメラはスマホでテキストを撮影するだけのシンプルな操作性

このアプリは、解けない問題に当たった時に、生徒が速答カメラアプリで問題を撮影して画面上に現れたアイコンをタップすると、一問一答形式の動画解説を見ることができる。

シンプルで直感的に操作でき、とても使いやすい。再生される動画は、単に問題の解説をするだけでなく、問題を解くために必要なポイントまで解説してくれる。そして、繰り返し再生や再生スピードの調整も可能になっているため、何度でも自分のペースで反復学習が進められる。

スプリックスの常石博之副社長

スプリックスの常石博之副社長

スプリックスの常石博之副社長は「とくに数学は、解答を見てもわからない問題があります。自宅で学習するときに、動画で解説を見ることができれば、生徒の理解が進むと考えました。そのために作ったのが、この速答カメラです」と話す。

また、速答カメラを個別指導塾で導入することによって恩恵を受けるのは、生徒のみならず講師にとっても強力な支援ツールとなりそうだ。

リクルート、「受験サプリ」に加え「勉強サプリ」も オンライン学習月980円 小中学生に

リクルートマーケティングパートナーズ(東京・千代田)は3月2日、小中学生向けのオンライン教育サービス「勉強サプリ」を始めたと発表した。月980円(税別)の定額で授業の動画や問題集が利用できる。小学4年から中学3年が対象で、パソコンやスマートフォンで使える。1500時間分の授業の動画を配信する。国語や算数などの主要教科のほか、プログラミングやプレゼンテーションの講座も用意する。問題を解くとキャラクターが成長するなどのゲームの要素を取り入れる。保護者には子供の学習状況をメールで報告する。

「大学、全世代向けに」教育再生実行会議が提言へ 

教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が3月4日に安倍晋三首相に提出予定の第6次提言で、全ての人が生涯学び続けられる社会を目指し、大学や専修学校に対して現行の若者中心から全世代向けのカリキュラムへの転換を求めることが分かった。提言では、社会が目まぐるしく変化する中で、生涯を通して活躍していくためには、高校や大学までの知識では不十分と指摘。社会人になった後も、大学や専修学校で、新たな知識や技術を学び続けていく必要性を強調する。

「UOZUアカデミー」改め、「学び舎プラット」として始動

「新塾名『学び舎プラット』を発表する岡本純一塾長」

「新塾名『学び舎プラット』を発表する岡本純一塾長」

3月1日(日)、富山県魚津市にて、富山教育企画(岡本安克代表)が創立30周年・新塾名披露式典を開催した。同社は地元の地名の魚津(うおづ)にちなんだ「学習塾UOZUアカデミー」として、長らく魚津市に根ざした教育活動をしていたが、創立30周年を機に「学び舎プラット」として再始動する。新しい塾名の由来の一つは「プラットフォーム」とのことで、生徒が行き交う場所になって欲しいという思いがあるとのこと。北陸新幹線の開通により脚光を浴びている富山県であるが、この30周年を機に、更に地域に根ざして邁進していく心意気が感じられた。式典では「フリースクール寺子屋ありがとう」主宰の岸本達也氏による基調講演や懇親会などもあり、最後まで密度の高い会となった。

田舎の無名高校だった西大和学園が、全国でもトップランクの学校に上り詰めたストーリー

西大和学園中学・高等学校の創設者である田野瀬良太郎氏が『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡』を上梓した。今となっては、東京大学や京都大学をはじめ、国公立医学部へ多数の合格者を輩出し、開成中・高や灘中・高に続く全国屈指の進学校としても知られる西大和学園中・高。しかし、1986年の開校当初は、中堅公立高校のすべり止め、ごく平凡な田舎の私立高校だった西大和学園。教室から机が放り投げられ、他校とのケンカが絶えない日々も続いた。

西大和学園新著

田野瀬良太郎 著/主婦の友社 刊/1,512円(税込)

もちろん生徒も、大学進学などまったく考えてもいない。教師もまた公立校の教員採用試験に不合格だったものばかり。そんな中、「日本一の進学校」を目指し、創設者の田野瀬氏と荒削りな教師達が立ち上がる。ひとつの学校がみるみる生まれ変わっていく奮闘記としても面白く読める。

「琵琶湖の場所も知らない」生徒が、関関同立に現役で合格。引きこもりの生徒が東大理一へ。そこから、わずか数年で驚異的な進学率を誇るようになり、あっという間にで奈良県トップの進学校へと駆け上がった。西大和学園ではどんな教育が行われ、どうやって全国有数の進学校になったのか。0時間目、泊まり込み補講、夏季休暇3日、正月特訓など、一部ネット上では「受験少年院」と言われたほどの“体育会系”スパルタ受験の実態とは?

そこには、資金0から学園を立ち上げ、教師と生徒たちに夢を語り続けた、田野瀬氏の教育への熱い思いが込められていた。理想の学校経営、学校再生のすべてが詰まった熱き教育書。昨年4月には、大阪市に大和大学も開校し、グループ全体としても日本の教育に大きく貢献する西大和学園の誕生から30年の歴史が紐解かれる。