Archive for: 1月 2025

月刊私塾界2025年2月号(通巻526号)

巻頭言

信頼される教育サービスの構築に向けて

 年始早々に明らかになった大学受験予備校ニチガクの経営破綻は、受験生やその家庭に多大な不安と困難をもたらした。特に受験直前期という時期の選択は生徒第一の教育現場として極めて遺憾である。このような事態を二度と繰り返さないためにも、教育サービス業界全体として透明性と経営の健全化を徹底することが求められる。

 一方で、次期学習指導要領の改定が見込まれる2030年に向けて、文部科学省に諮問する中央教育審議会が動き出した。具体的な議論はまだ先になるが、「新しい学習モデルの共創」に応じ、民間の教育機関としても柔軟で創造的な対応が求められる。

 不確実な時代に求められる教育は、知識の習得だけでなく、課題解決能力や主体的な学びの姿勢が重視される。そのため、塾や予備校は従来の指導スタイルを見直し、探究型学習やICTを活用した新しい学びの形を取り入れることが不可欠である。

 子供たちの未来を支える教育サービスには、信頼性と先進性が同時に求められる。透明性を高めた運営体制を整えつつ、新しい学習の潮流に即したサービスを提供することで、子供たちや保護者の信頼を得ることが業界の成長に繋がる。教育サービス業界が一丸となり、未来を切り拓く学びを共に創り上げるべきである。

(如乙 一)

目次

  • 6 CatchUp① セナミ学院 東進が新設する「東進個別」で学力中間層の生徒ニーズに応える
  • 8 CatchUp② 翔栄学院 現場で欲しかった教材を手早く、カタチに!
  • 12 HOT TOPICS 【先行情報公開】教育業界の新しい職業「AOエキスパートPRO」で激変する塾経営
  • 16 挑む私学 松本秀峰中等教育学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 50 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 51 【特集】Seminar Report
 私塾界PREMIUM SEMINAR 2024
  • 62 TOP LEADER Interview「ステキな大人が増える未来をつくる」 人の一生を支援する企業へ。 株式会社 京進
  • 72 企業研究(142) 株式会社インターエデュ・ドットコム
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(372)
  • 76 疾風の如く(186)尾形塾(兵庫県) 塾長 尾形 一夫さん
  • 78 現代学習塾経営概論(23)
  • 80 For Whom the 塾 Tolls(42)
  • 82 自ら動き出すチームにする方法(125) 中谷彰宏
  • 84 One Target(2) 的場一成
  • 86 PAPER REVIEW(11) 浅見貴則
  • 88 シン・ジュクジン(39)
  • 89 芸術見聞録(139)
  • 90 わが子、就学中(47)
  • 91 塾長の机
  • 92 為田裕行の「教育ICT行」(119)
  • 93 10¹⁵ PETA(47)
  • 94 キクチカラ(2) 菊地香江
  • 95 Opinion from School(67)
  • 96 林明夫の「歩きながら考える」(234)
  • 98 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(59)
  • 100 私塾界インサイト(83)
  • 104 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(39)
  • 106 咲かせよ桜(119) 小林哲夫
  • 110 論点2025(2) 今後の教育課程、学習指導、学習評価の在り方
  • 114 編集後記
  • 116 Book Review
  • 118 塾長のためのガジェット講座

中高生ロボティクスチーム「Big Dippers」が日本代表に選出

 三英株式会社(東京・千代田区、市川 晋也 代表取締役)が運営するSTEAM教育スクール「DOHSCHOOL」(世田谷区駒沢:https://dohschool.com)所属のV5RCチーム「Big Dippers(チーム番号:67000A)」は、2025年1月11日に都立蔵前工科高校で開催された「2025 V5RC Japan Nationals(日本代表決定戦)」において、Excellence Award(最優秀賞)とTournament Champions(トーナメントチャンピオン)を同時受賞し、日本代表チームとして世界大会への出場権を獲得した。
 Big Dippersは、2025年5月6日からアメリカ・テキサス州ダラスで開催される「VEX Robotics World Championship 2025」に出場予定。世界各地のトップレベルの中高生が集う国際舞台で、ロボットドライビングやプログラミングのスキルのみならず、主体性・コミュニケーション・チームワークなどの非認知能力を発揮しながら、日本の若き挑戦者としてさらなる飛躍を目指す。

VEXロボティクスは、世界中で150万人以上の児童・生徒が学ぶグローバルなSTEMプログラム。

  • ロボット設計・プログラミングから戦略構築・プレゼンテーションまで、生徒主体で学び合うプロセスが最大の特徴。
  • 競技を通じて論理的思考力問題解決力だけでなく、リーダーシップ協調性といった非認知能力が磨かれる。
  • ジェンダーやバックグラウンドを問わず、誰もが自分の得意分野を活かし、世界に挑戦できる“学びの総合格闘技”としての側面を持つ。

株式会社ヤマナカと茨城県立石岡第一高等学校が農業教育を目的とした産学連携をスタート

 株式会社ヤマナカ(茨城・結城市、山中崇 代表取締役社長)は、2025年1月17日(金)に茨城県立石岡第一高等学校へ、ヤマナカが手掛ける移動式果樹棚「モバイルグリーンガーデン」を設置し、産学連携の取り組みをスタートした。
 モバイルグリーンガーデンは設置も容易な上、動かしやすく、作業効率を考慮した上でカスタマイズが出来る、見栄えも良いというメリットがある。今回はモバイルグリーンガーデンを石岡第一高等学校の園芸科に果樹栽培に関連する産学連携授業の一環として寄贈し、高校生に新しい農業技術や体験を提供する。

 ヤマナカとして、教育現場にモバイルグリーンガーデンを寄贈したのは初めて。こうした産学連携の取り組みを通し、生徒に農業体験を提供する事で、日本農業の発展に貢献していきたいと考えている。まずは石岡第一高校との取り組みを通して、教育現場での活用ニーズを掘り下げ、今後の開発や利活用に向けて推進していく。

 モバイルグリーンガーデンは特別な知識が無くても組み立てられるのが特長のひとつ。実際に石岡第一高校の生徒さんと一緒に組み立てを行った。地面から離れたところに大型の鉢を設置する事によって移動が可能になっており、従来の果樹棚や畑の運用に掛かるリスクを軽減する他に、作業のしやすい場所に移動できるというメリットがある。

「こどもでぱーと」にコナミスポーツのサービスを導入

 コナミスポーツ株式会社は、ヒューリック株式会社および株式会社リソー教育と連携して展開する、教育と子育て施設「こどもでぱーと」の第1号施設「こどもでぱーと中野」に、子ども向けの体操・ダンススクールと、女性専用のマシンピラティススタジオ「Pilates Mirror」をオープンすることを決定した。

 近年、共働き世帯の増加や政府の子育て支援の拡充により、子どもの「教育」への投資が注目されると同時に、習い事への送迎や時間の確保といった保護者の負担軽減・サポートも重要視されている。「こどもでぱーと」は、「子どもの教育」と「保護者の負担軽減」を支援する新しい子育ての拠点として注目されている。
 学習塾、学童・保育、運動・英語といった習い事教室の常設店舗や、保護者が利用できるコンテンツなどが充実し、これらのサービスを施設内に集約し、ワンストップでサービスを提供することにより、利便性と快適さを兼ね備えた新たな子育ての場を提供する。

学習塾検索サイト『塾選』が、受験と進路情報に特化したオウンドメディア「塾選ジャーナル」をリリース

 日本最大級の学習塾検索サイト『塾選』を運営する株式会社DeltaX(東京・千代田区、黒岩 剛史 代表)は2025年1月29日(水)に、受験や進路に関する悩みを解消するための新しいオウンドメディア「塾選ジャーナル」をスタートする。

 日本最大級の学習塾検索サイト『塾選』は、子どもの学習や受験について悩みを抱える保護者へ向けて、役立つ情報をわかりやすく発信するオウンドメディア「塾選ジャーナル」をスタートする。

「塾選ジャーナル」の内容は、教育や受験にまつわる疑問に答える調査記事や、専門家によるお悩み相談、各学年のリアルな受験体験記など多岐に渡る。子どもの教育全般にかかわる情報はもちろん、受験の基礎知識や入試の最新動向、志望校の情報、試験直前の勉強計画、家庭でのサポート方法などを紹介。中学受験・高校受験・大学受験を控えた子どもを持つ保護者や子どもの教育について悩む保護者に向けて、幅広い情報を発信する。

『塾選ジャーナル』URL:https://bestjuku.com/shingaku/s-article

東進オンライン学校 小学・中学の全9学年で新サービス開始

 株式会社ナガセ(東京・武蔵野市、永瀬 昭幸 代表取締役社長)は、2025 年4月の新学年に向けて、「東進オンライン学校」小1~中3の全9学年で新講座を開講し、提供サービスを大きく拡充する。「東進オンライン学校」は、東進・四谷大塚の実力講師陣の授業を自宅で受講できる、小・中学生対象の新しい通信教育。
 今回の提供サービスの拡充によって、小学部では標準レベル・ハイレベルの算国理社全教科が揃う。中学部では標準講座(英数)・定期テスト対策(数国理社)のラインナップになり、それぞれバージョンアップする。小学部・中学部とも、追加費用はかからないという。

統合型校務支援システム「C4th」、新潟県の小中学校に順次導入へ

 全国の小・中・高等学校に学校支援システムを提供する株式会社EDUCOM(愛知県・東京都、:小林 泰平 代表取締役CEO兼COO)の統合型校務支援システム「C4th(読み:シーフォース)」が、文部科学省「次世代の校務デジタル化推進実証事業」に参画している新潟県の小中学校等において順次導入される。クラウド基盤での校務支援システム構築を実現し、ペーパーレス化、グループウェア機能活用による連絡共有の即時化などを実施することで学校現場における校務DXの推進に貢献する。EDUCOMではすでに秋田県において県全域のクラウド基盤での校務支援システム構築・運用の実績があり、今回の新潟県は二例目となる。

 EDUCOMは、学校支援システムの導入にとどまらず導入後の運用の定着、活用促進まで徹底したサポートを提供してきた。その実績と知見を活かし、今後はクラウド環境を活かした業務フローの見直しや、ダッシュボード機能を活用した児童生徒一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実、学校経営判断の迅速化や適正化、教育委員会による学校支援や教職員ケアの充実を促進する。学校現場における校務DXを実現し、先生方の働き方改革や教育の高度化に貢献することで子どもの未来にワクワクをとどけていく。

株式会社イーオンホールディングス、2025年1月28日(火)に「atama+塾 北千住校」開校

 KDDIグループの株式会社イーオンホールディングス(東京・新宿区、塚田 俊文 代表取締役社長)は、AIを活用し個別最適な学びを届ける「進学個別 atama+塾」のフランチャイズとして、2025年1月28日(火)「atama+塾 北千住校」を「イーオン北千住校」に併設して開校する。
 イーオンホールディングスでは、今年の夏までに「atama+塾」を全国にて40校舎を順次開校する。「atama+塾」を通じてより多くの子どもたちにより良い学びを届けていく。

【atama+塾 オープン情報】
■名称:atama+塾 北千住校
■移転オープン日:2025年1月28日(火)
■所在地:〒120-0034 東京都足立区千住3-6-12 ツオード千住壱番館 地下1階
■電話番号:050-3113-8981

次世代を担う子どもたちの語学学習を支援 「Hello, world!」プログラムの募集を開始

 ポケトーク株式会社(東京・港区、若山 幹晴 代表取締役社長)は、日本国内の小・中全学校を対象に、法人売上の一部を活用し、AI通訳機「ポケトーク」を寄贈する新プログラム、「Hello, world!」プログラムを開始する。

「Hello, world!」プログラムは、次世代を担う日本の子どもたちが、多様性を尊重し、国際社会で活躍できる力を身につけるための第一歩を支援するプログラム。
 子どもたちが「ポケトーク」を活用することで、外国語への興味を育み、語学力向上を支援することを目指すとともに、多文化交流や国際的な視野の拡大を促し、次世代のグローバル人材育成に貢献することを目的としている。
 ポケトーク株式会社は、法人売上の一部から、全国の小・中学校を対象に「ポケトーク(端末)」を寄贈する 「Hello, world!」プログラムを始動し、プログラム参加への募集を開始する。
 このプログラムを通して、子どもたちが外国語を学び、単なる語学力の向上にとどまらず、異文化と触れ合う経験を重ねるきっかけを提供したいという願いが込められている。

【「Hello, world!」プログラムの概要】
 以下の通り、第一回の募集および対象校の決定をいたします。次回以降の募集は、随時お知らせいたします。
応募対象      :日本全国の小学校・中学校
募集期間      :2025年2月14日(金)〜3月14日(金)
対象校の決定     :2025年3月20日(木)
プログラムページ  :https://pocketalk.jp/hello-world

株式会社湖池屋が人財育成プラットフォームSmart Boardingを導入

 株式会社FCE(東京・新宿区、石川淳悦 代表取締役)が提供する人財育成プラットフォーム「Smart Boarding 」は、株式会社湖池屋(佐藤章 社長)関東工場に導入されることが決定した。
 株式会社湖池屋は、1962年に「湖池屋ポテトチップス のり塩」を発売し、1967年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功。以来、日本のポテトチップスの老舗として、日本産じゃがいも100%にこだわり、ポテトチップスを作り続けてきた。また、台湾、ベトナム、タイの現地法人を中心に、欧米を含む世界各国でも、独自の事業を展開している。

・次世代リーダー育成の課題解決
 生産技術面だけではなく、リーダーとしての人格やマネジメントスキルを備えた次世代を担う工場の管理職育成のためSmart Boardingの導入を決意した。株式会社湖池屋 関東工場として「期待をする姿」を明確にし、期待値を満たす為の教育プログラムを連動させることで学ぶ意義と方法を明確にする。 また、Smart Boarding を活用し社員教育の標準化・仕組み化に取り組むとともに、参加型の実践トレーニングを通じて、改善点や課題について客観的に考える機会を提供し、課題解決に取り組む習慣の醸成を目指す。
・組織風土改革の実現
 Smart Boardingに加えて7つの習慣(R) Business Ownership研修も一緒にご活用いただくことで、 組織風土変革のきっかけをつくり、ありるべき組織の「共通言語」を育むアプローチを進める。リーダー層だけでなくメンバー全員が働きやすく、心理的安全性の高い職場環境の実現を目指していく。