Archive for: 11月 2024

セガ エックスディー × 富士通 ×カタリバ ゲームを活用した仕組みで青少年たちの非行化を未然に防ぐゲームでつながる相談室「GAME CHILLAX」プロジェクト始動

 ゲーミフィケーション事業を展開する株式会社セガ エックスディー(東京・新宿区、谷 英高 代表取締役社長 執行役員 CEO)は、富士通株式会社(神奈川・川崎市、時田 隆仁 代表取締役社長)、認定NPO法人カタリバ(東京・中野区、今村 久美 代表理事)らとともに、青少年たちの非行化を、ゲームをきっかけに未然に防ぐことを目的とした、ゲームでつながる相談室「GAME CHILLAX(ゲーム チラックス)」にて実証を開始した。また、第1弾となる実証実験を2024年10月に実施し、青少年とのコミュニケーションにおけるきっかけづくりおよび関係性の構築に、ゲーム交流が有効である可能性が示唆されたことを発表した。

 このプロジェクトは、悩みを持つ青少年を能動的に探し出し寄り添うことで、青少年の非行化を未然に防ぐ取り組みに着目し、多くの青少年たちが楽しんでいる“ゲーム”を活用することが有用なのではないかという仮説のもとスタートした。今回はその第1弾として、オンラインゲームで遊ぶ青少年への直接的なコミュニケーションの有用性を検証することを目的に、学校法人角川ドワンゴ学園協力の元、同校の生徒を対象に実証実験を行った。

 具体的には、初見となる青少年とユースワーカー(青少年の成長を手助けする専門スタッフ)がオンライン上でペアとなりゲームをしながら、ビデオ通話を通じて会話をするというもの。これまでユースワーカーが、青少年と相対する中であげられる課題の一つとして、会話のきっかけづくりや、青少年たちによる発言を引き出すことの難しさがあげられてきた。

 この実証実験では、6チームのペアを組み、約1時間の実験を行った結果、各チームとも途切れることなく会話することができ、プライベートな事柄についても青少年が自発的に言及するケースも確認され、青少年との関係性を構築する施策として、ゲームによる交流が有効である可能性を示唆する結果となった。

■ 今後の展望
 このプロジェクトでは、カタリバがこれまで青少年に居場所や学びの支援を提供する中で課題として感じていた、多くの「支援が必要でも自ら声を上げることができない青少年」を見つけ出し、より多くの青少年を助けることにつなげるための仕組みづくりを目指している。ゆくゆくは、課題を抱える自治体と連携を行うなど、活動の展開方法についても考えていく。

 今回の実証実験では、第1弾として、コミュニケーションにおけるゲームの有用性の実証を目的に特定の対象との交流をベースに検証を行った。今後は、能動的に非行を防ぐ仕組みづくりを目指すべく、SNSによるアウトリーチ など、悩める青少年たちを見つけ出し、コミュニケーションを図ることの有用性についても実証していく。
 また、このプロジェクトは、ゲームを仕事にしたい多くの青少年たちの新しいキャリアのきっかけとして、ゲームによるアウトリーチ活動が子ども・青少年支援に関わる入口となる可能性についても見出していければと考えている。

■ プロジェクト概要

名称:ゲームでつながる相談室「GAME CHILLAX(ゲーム チラックス)」
主催:富士通、セガXD、カタリバ

<実証実験>
目的:ゲーム交流を通じて相談しやすい関係性を構築できるかを検証
実施時期:2024年10月7日(月)
被験者:学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校・N中等部の生徒 6名
実証方法:
・オンライン環境で青少年とユースワーカーがゲーム交流
被験者(青少年)とユースワーカーがペアとなり約1時間にわたり会話を行う。また、会話テーマは問わず、協力プレイ、対戦プレイなどゲーム内のルールに沿ってゲームを行いながらコミュニケーションを図る。
・外部チャットツールなどを使い相談の場所と時間を確保
・アンケートによる効果検証

■ 実験結果
 今回の実験では、ゲーム交流による青少年とのコミュニケーションのきっかけづくりおよび関係性の構築について、有効である可能性が示唆された。
・被験者全員とユースワーカーは世代が異なるが、同じ世界観(ゲーム)の中で会話をすることにより、会話が途切れることはなかった
・ユースワーカーの方のゲームスキルによる差異は見受けられなかった
・ゲームを行うことにより、賞賛や感謝を贈りやすく、寄り添いや共感をもったコミュニケーションとの相性がよかった
・打ち解け度の平均は、5段階中、青少年が4/ユースワーカーが3.6と、青少年の方が話しやすかったと捉えていることが伺える

プログラミング学習用EdTech教材「ライフイズテック レッスン」、佐賀市の全公立中学校に導入

 プログラミング教育サービス事業を手がけるライフイズテック株式会社(東京・港区、水野 雄介 代表取締役CEO)は、プログラミング学習用EdTech教材「Life is Tech! Lesson(ライフイズテック レッスン)」が、佐賀市の全市立中学校18校、生徒数約5,550名の指導教材の一環として採用されたことを発表した。

 佐賀市は、「ふるさと「さが」を協働でつくる個性と創造性に富む人づくり」を掲げ、Society5.0時代を生きる児童生徒に、情報活用能力の習得や情報モラルの育成を図るなど、教育環境の整備に努めている。昨今、大学共通テストにおいて教科「情報」が導入されることを受け、中学校でも高校の「情報 I 」への接続を考慮したプログラミング教育が求められている。このような状況下において、佐賀市では地域格差のない学習環境の整備、および生徒の確かな学力の育成を目的に、全市立中学18校に対してライフイズテック レッスンを導入することとなった。
 今後は、技術科だけでなく総合的な学習の時間でのアウトプットツールとしても活用することで、教科や学年を横断した学習にも寄与すると期待している。

JAXAのISS「きぼう」からの超小型衛星放出事業および船外施設利用サービスの事業者に継続選定

 宇宙産業における総合的なサービスを展開するSpace BD株式会社(東京・中央区、 永崎 将利 代表取締役社長)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公募である、2025年以降の国際宇宙ステーション(以下:ISS)「きぼう」からの超小型衛星放出サービスならびに船外施設における軌道上利用サービス提供の事業者として継続選定された。すでに2024年末までの事業者に選定されていた両事業において、ISS運用が延長される2030年まで継続採択されたこととなり、「ポストISS」時代を見据えた国内外でのさらなる宇宙空間の利活用を推し進める。

5年で約60件にのぼる実績
 同社は、2018年よりJAXAによるISS「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出事業における民間事業者に、2019年よりISS「きぼう」日本実験棟船外における軌道上利用サービスにおける民間事業者にそれぞれ選定されている。両事業は、当時ISS運用終了を予定していた2024年末までを対象とした事業者選定を受けていたが、ISS運用が2030年まで延長されたことに伴い2025年以降の次期事業者が公募され、当社が再び選定されたことで継続採択されるはこびとなった。


① ISS「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出事業
CubeSat規格または50Kgの超小型衛星をISS補給船でISSまで運び、その後、ISS「きぼう」日本実験棟のエアロックから宇宙空間へ搬出して、その衛星を軌道に乗せる仕組み「J-SSOD(JEM Small Satellite Orbital Deployer)」およびそれを用いた衛星放出サービス。
 事業者であるSpace BDは利用者開拓から放出のために必要な技術サポート、その後JAXAと協力しての衛星放出までをワンストップで行う。これまでに当事業で約50機の衛星のユーザーインテグレーションを実施してきた技術力や、同社の教育事業と連携し衛星開発プロセスそのものを教育コンテンツ化するなどの事業開発力も活かしながら、今後は、当事業も含めた様々な衛星打上げ・放出手段を提示できる事業者として、多くの顧客と接点を持ちながら同事業の利用最大化を目指す。

② 国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟船外における軌道上利用サービス
 50cm×70cm×35cm、200kgまでの大きさの装置等を搭載できる中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を経由し、「きぼう」船外実験プラットフォーム上で対象物を宇宙へ曝露させることができるサービス。地上へ回収、ユーザへ返却することも可能なため、宇宙環境に曝された現物を確認できるのが大きな特徴のひとつ。搭載する装置の一例としては、技術実証をしたい部品・コンポーネントや、地球観測向けのカメラ・センサ等。
 事業者であるSpace BDは利用者開拓から装置搭載・装置運用の技術サポート、及び装置の地上回収までをワンストップで行う。これまで当プラットフォームを用い、機器実証実験で7件の実績(支援中案件含む)、宇宙エンタメ利用・プロモーション利用で数十件の実績を創出してきた。今後ともこれらの実績の更なる積み上げを目指すとともに、「全く新しい宇宙の使い方・宇宙の価値」の絶え間ない探求を通じて、来たる宇宙ステーションの商業化時代の主役となるビジネスモデルを開発することを目指す。

「手書き×デジタルによる学びの体験」がさらに進化 Z会の第2世代タブレット向けに、PILOTの「ドクターグリップデジタル」を提供

 株式会社増進会ホールディングス(Z会グループ)とワコムは、2020年10月に業務提携契約を締結して以来、教育分野における「手書き×デジタル」を活用した新しい学習サービスの共同開発を進めてきた。2023年度からは、Z会が提供する中学生および高校生向けの「Z会の通信教育」タブレットコース「Z会学習アプリ」で、ワコムのデジタルペンとデジタルインクテクノロジーを活用しており、同年4月に「インクジャーニー」、「リプレイ・ヒートマップ」サービスを開始、2024年4月に「学び検索 チエノワ」サービスを開始している。ワコムのデジタルインクテクノロジーWILL (Wacom Ink Layer Language)を活用した各サービスの詳細は、以下の通り。
「インクジャーニー」 学習を通して蓄積されたデジタルインクの量を移動距離に換算し、観光名所を巡る旅に例えて到達度を示して、学習意欲を継続的に高める。
「リプレイ・ヒートマップ」 専用タブレットで取り組む答案の作成過程を短い動画にして生徒にフィードバックし、復習の質を高める。
「学び検索 チエノワ」 学んだ事柄に関連ある知識を自然な形で結びつけ、関心を深めながら体系的に知識を身につけ、理解を深め記憶を定着させる。
 PILOTの「ドクターグリップ 」は、30年以上にわたり「疲れにくく使いやすい筆記具」として多くの方々に親しまれてきた。この「ドクターグリップ」が、Z会の第2世代専用タブレットに最適化される形でワコムのAES技術を搭載した専用デジタルペンとして提供される。ドクターグリップの特長はそのままに、Z会専用タブレットでの長時間学習にも最適なペンとして、「手書き× デジタル」を活用した学習サービスにおいてそれぞれの強みを最大限に引き出す。

2025年 第1回「G検定(ジェネラリスト検定)」受験申込開始

 ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指す日本ディープラーニング協会(以下JDLA)は、2025年1月11日(土)に開催を予定している2025年 第1回 「G検定(ジェネラリスト検定)」(以下G検定)の受験申込受付を、2024年11月15日(金)13時より開始したことを発表した。
■2025年 第1回 「G検定(ジェネラリスト検定)」概要
名  称: JDLA Deep Learning for GENERAL 2025 #1
概  要: ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する
試験詳細: G検定とは
受験資格: 制限なし
試験概要: 120分、小問160問(前回実績)、オンライン実施(自宅受験)
出題範囲: シラバスより出題
受 験 料: 一般13,200円(税込)、学生 5,500円(税込)
試 験 日: 2025年1月11日(土)13:00開始
申込期間: 【個人】2024年11月15日(金)13:00 ~ 2024年12月27日(金)23:59
      【団体】2024年11月15日(金)13:00 ~ 2024年12月20日(金)23:59
<申込方法について>
受験お申し込み方法につきましては「G検定公式サイト」へ。
https://www.jdla.org/certificate/general/?utm_source=prtimes&utm_medium=referral


■DX推進パスポートについて
 G検定に合格すると、デジタルリテラシー協議会が発行している「DX推進パスポート」のオープンバッジを発行することができる。デジタルリテラシー協議会では、デジタル人材育成のさらなる加速を目指し、DXを推進するプロフェッショナル人材に必要となる基本的スキルを証明するデジタルバッジ「DX推進パスポート」を発行している。「DX推進パスポート」は、DX推進を行う職場において、チームの一員として作業を担当する人を想定し、DXを推進するプロフェッショナル人材となるために必要な基本的スキルを有することを証明するデジタルバッジ。
「ITパスポート試験」、「DS検定 リテラシーレベル」、「G検定」の3試験の合格数に応じた3種類のバッジを発行する。3試験のうちいずれか1種類の合格者には「DX推進パスポート1」、いずれか2種類に合格すると「DX推進パスポート2」、3つ全てに合格すると「DX推進パスポート3」のデジタルバッジが発行可能となる。

2024年10月度 アルバイト平均時給調査 全国の平均時給は1,315円

 ディップ株式会社は、2024年10月のアルバイト時給データを発表した。この調査は、アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」に掲載されたデータをもとに集計したもの。
 10月のアルバイト・パートの平均時給は1,315円(前年比41円減、前月比19円減)、また「バイトル」に掲載された求人件数は約311,000件となり、前年比4.3%増、前月比2.1%減となった。
「バイトル」:https://www.baitoru.com
■概要
【エリア別】関東エリアは前年比プラス
 関東エリアの平均時給は1,391円(前年比4円増、前月比22円減)、東海エリアの平均時給は1,208円(前年比113円減、前月比4円増)、関西エリアの平均時給は1,261円(前年比74円減、前月39円減)、九州エリアの平均時給は1,360円(前年比6円減、前月比21円減)となった。
【職種別】飲食の職業、販売の職業は過去最高時給を更新
 事務的職業は1,346円(前年17円減、前月比34円増)、専門的職業は1,730円(前年比150円増、前月比82円減)、飲食の職業は1,164円(前年比43円増、前月比14円増)、販売の職業は1,207円(前年比40増、前月比17円増)、サービスの職業は1,303円(前年比52円増、前月比7円増)、運搬・清掃・包装等の職業は1,219円(前年比152円減、前月比15円増)、建設の職業は1,486円(前年比32円減、前月比47円減)、製造・技能の職業は1,180円(前年比292円減、前月比3円増)、教育の職業は1,695円(前年比26円増、前月比169円増)となった。

■調査概要
 2018年3月より、職種カテゴリを厚生労働省開示の9職種へ変更。なお、前月比・前年比は、2016年1月以降の平均時給を9職種の新カテゴリで再抽出し表記。
 該当月、アルバイトの求人情報サイト「バイトル」、採用ページ制作サービス「採用ページコボット」に掲載されたデータより、下記除外対象データを除く、給与が時給制の仕事情報より算出。
・除外対象データ:雇用形態「派遣」の仕事情報、接待を伴うアルコール主体の飲食店
・サンプル数が10件未満のものは“-”と表記
・集計対象エリア
(全国)47都道府県
(関東)東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県
(東海)岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
(関西)滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
(九州)福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

日本通運、全従業員への学習機会提供のために「UMU」を全社で導入

 ユームテクノロジージャパン株式会社(東京・新宿区、松田しゅう平 代表取締役)は、日本通運株式会社(東京・千代田区、竹添進二郎 代表取締役社長)がオンライン学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」を全社導入したことを発表した。

 日本通運では、「人と人との結びつき」を重視した集合研修を長年にわたり実施してきた。しかし、2021年からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、集合研修をオンライン研修へと移行する必要性が生した。この際、単なる集合研修のオンライン化にとどまらず、UMUの導入により、従業員同士が「いいね」やコメントを通じて双方向のコミュニケーションを図れる環境を実現するとともに、研修データの一元管理による業務効率の向上を図ることができる点が評価され、同年に導入が決定した。
 その後、オンラインでの研修資料の配布や受講情報の自動集計により、研修運営側の業務効率が大幅に向上し、必要な人員を従来の7人から2人まで削減することができた。また、多様化する人材への円滑な情報共有を目的として、AIによる自動動画生成機能を活用し、研修動画の多言語化や障がい者向けコンテンツの拡充にも取り組んでいる。
 今回、日本通運では、トラックドライバーなどの技能系職種を含む全従業員を対象にUMUを導入し、「情報の共有化」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化」を推進する。全従業員にデジタル端末を配布し、UMUを活用して場所や時間を問わずオンラインで情報を共有し、自己学習が可能な環境の提供を目指している。

松尾研究所、「IoT × GenAI Lab」の研究成果に関する論文が「BuildSys 2024」にて採択

 株式会社松尾研究所は、三菱電機とソラコム・松尾研究所「IoT × GenAI Lab」の取り組みの研究成果に関する論文が、エネルギー応用分野で世界最高峰の国際会議である「ACM BuildSys2024」に採択され、中国杭州にて成果発表をした。
論文は、以下URLから参照可能。
Office-in-the-Loop for Building HVAC Control with Multimodal Foundation Models | Proceedings of the 11th ACM International Conference on Systems for Energy-Efficient Buildings, Cities, and Transportation
https://dl.acm.org/doi/10.1145/3671127.3698182


 近年、大規模言語モデル (LLM) をはじめとする生成AIの技術革新が目覚ましく、その応用範囲は急速に拡大している。特に、テキスト、画像、音声、動画など、多様なモダリティを扱うマルチモーダル基盤モデル (MFM) の登場により、生成AIはロボット工学、ヘルスケア、教育、ビジネスなど、多岐にわたる分野で活用され始めている。
 この研究では、この生成AIの潜在能力に着目し、三菱電機、ソラコム、松尾研究所の3社のシナジーを生み出せる領域として、オフィス環境におけるHVAC(空調制御)システムの最適化に適用する「Office-in-the-Loop」システムを提案した。論文タイトルでもある「Office-in-the-Loop」には、人中心型AI制御(Human-in-the-Loop)を超えたオフィス環境も含めた最適制御という意味合いが込められている。

 従来のHVACシステムは、主に人間のフィードバックに基づいて快適性を向上させるか、カメラを用いて服装を分析し、快適性を予測する制御学習技術に依存していた。しかし、これらのアプローチは、個々の快適性に対する主観的な好みの違いや、監視カメラの使用に伴うプライバシーの問題など、いくつかの課題を抱えていた。近年では、LLMの汎化能力を活用した産業機器制御の可能性が検討されており、シミュレーション環境でのHVAC制御において、LLMが強化学習アプローチに匹敵する性能を達成することが示されている。 しかし、これらの研究はシミュレーションに限定されており、現実世界の複雑さを考慮していないという問題があった。

論文の概要
 この研究では、マルチモーダル生成AIを活用したHVACシステムを、実際のオフィス環境に実装・評価することで、シミュレーションベースのLLM応用と現実世界のHVAC制御のギャップを埋めることを目指した。具体的には、オフィスの既設のIoセンサとソラコムの提供するIoTセンサを組み合わせ、室内外の温度、照度、天井レイアウト、従業員の居場所などの環境データをリアルタイムに収集し、従業員から熱的快適性に関するフィードバックを得た。

 これらのデータと過去の環境データ、フィードバック情報は、生成AIモデルのプロンプトとして使用され、現在および過去の環境条件と人間の快適性フィードバックを考慮した、1日の各時間帯における最適なHVAC設定温度を予測した。
 このシステムの性能は、生成AIモデルの制御下におけるHVACシステムの電力消費量と、ベースラインシステムの電力消費量を長期間にわたって比較することで評価した。その結果、ベースラインと比較して、電力消費量が最大47.92%削減され、従業員の快適性が最大26.36%向上することが実証された。

今後
 この研究では、2時間間隔でユーザーフィードバックを収集する必要があるという運用の課題と、限られた環境での実証試験にとどまっているという問題がある。今後は、行動分析による快適性フィードバックの自動化や、データセンターや工場などの大規模施設へのシステム拡張など、さらなる研究を進める予定だ。研究の成果は、生成AIがエネルギー効率と快適性の両立を実現する、次世代のHVACシステムの開発に大きく貢献するものと期待されている。

駿台グループ、校務支援システム「賢者クラウド」をリリース

 駿台グループのエスエイティーティー株式会社(東京・千代田区、山畔 清明 代表取締役)は、クラウド型の校務支援システム「賢者クラウド」のサービスを開始した。
 賢者クラウドは、全国の公立・私立高等学校800校以上の稼働実績および1府14県で一括導入など過去20年以上の販売実績を持つ「賢者」を新たにクラウド版としてリニューアルした校務支援システムとなる。このシステムは、これまで培われた豊富な機能を継承し、学校業務に必要な機能が全て標準装備されている。今回のクラウド化により、従来に比べて利用者側の導入コストが大幅に抑えられ、サーバー等の保守・メンテナンスも不要となった。さらに2025年度中には、駿台グループの各種教育サービスとの連携も予定している。

FCE、リンクアンドモチベーショングループと 個人向けサービス領域における業務提携契約を締結

 株式会社FCE(東京・新宿区、石川 淳悦 代表取締役社長)は、株式会社リンクアンドモチベーション(東京・中央区、小笹芳央 代表)のグループ会社である株式会社リンクアカデミーと株式会社モチベーションアカデミアと新たに業務提携契約を締結した。コンサル・クラウド事業に続くこの提携により、年間延べ受講者数約3万人を有するLM社のキャリアスクール事業、学習塾事業において、同社サービスである「7つの習慣J®」「7つの習慣presents 第1の習慣セルフコーチング検定講座(以下、7つの習慣セルフコーチング)」の提供が可能になる。個人向けサービス領域においても両社の提携をもとに提供価値の最大化を目指していく。