Archive for: 9月 2024

「生成AI」は不登校のキャリア支援に有効との研究結果 心理的不安の軽減に「教師」と「生成AI」の協働が重要な課題

 株式会社成基(京都市、佐々木雄紀 代表兼CEO)は、2024年9月28日(土)、石川県金沢市で開催された「AI時代の教育学会 第6回年次大会」で、生成AI「スクールAI」を用いた不登校のキャリア支援に関する研究結果を発表した。

 成基は、保育園や幼児教育、集団塾、個別指導、英語学童、通信制高校など、「人づくり」を通して社会課題の解決を目指している。中でも、約30万人と急増している不登校問題は大きな社会課題となっているため、成基では、不登校児童生徒への支援としてオンラインフリースクール「シンガク」を、2023年6月に開校した。
 オンラインで子どもの学習をサポートする「シンガク」では、無学年式(学年に関わらず対応できる)ICT教材「すらら」を活用した学習や、月曜日から金曜日までのメタバース教室の開校、出席扱いとなる制度申請(支援)などで、不登校のお子さんの社会的自立の支援に取り組んでいる。
 またイラストなど自分たちの作品を外部に公開する「メタバース展覧会」や、リアルイベント「通称:オフ会」の開催など、不登校の子どもが、社会とのつながりをもつ機会を提供している。

「生成AI」を使ったキャリア支援とは
 生成AIツールは、家庭学習支援サービスを展開する株式会社みんがく(東京都目黑区)の 「スクールAI」(https://school-ai.mingaku.net/ )を活用し、中学3年生に「AIの村上先生」のアカウントと毎週話してもらうことで、データを蓄積してきた。
 今回の研究で活用した生成AI「スクールAI=AIの村上先生」は、不登校の児童生徒の進路指導と心理的サポートを目的に開発されたツールで、週1回のコーチングと併用し、子どもたちがAIとの対話を通じて自己理解を深め、進路不安を軽減する手助けを行った。

75%の生徒が「AI先生」は有効と回答
 中学3年生を対象に実施された今回の研究結果では、75%の生徒が進路指導において「AIの村上先生」が役立ったと回答した。一方で、心理的不安の軽減には限界があることもわかり、人間の教師との協働が重要であることが示された。
 今回の研究結果を受け、不登校の子どもたちの社会的な自立を支援していくためのキャリア開発・キャリア支援の分野で生成AIが有効であることを改めて認識。
 今後は、不登校の児童生徒に限らず、すべての子どもたちが自己理解を深め、夢や志を実現できるよう、キャリア支援を強化し、生成AIの活用をさらに拡大していく。

【学会の概要】
AI時代の教育学会第6回年次大会〜AI時代の教育実践を共に考える〜
開催日時:2024年9月28日(土)9時50分~
開催会場:金沢星稜大学(石川県金沢市御所町丑10-1)

月刊私塾界2024年10月号(通巻522号)

巻頭言

私大の定員割れとその対策

 2024年度、私立大学の定員割れが史上最悪の割合に達した。全国の私立大が354校、59・2%が該当し、三大都市圏でも定員充足率が100%を下回る事態に。少子化の影響が顕著であり、小規模校や地方校だけでなく、都市部の大学も厳しい状況に直面している。

 定員割れの背景には、18歳人口の減少が直接的な原因として挙げられる。入学者数の減少とともに、定員充足率も下降し、特に中小規模の大学でその傾向が顕著である。教育機関は、学生確保のための施策に躍起になっているが、状況は年々厳しさを増している。

 この問題の解決策としては、教育の質の向上と国際化の推進が不可欠である。高等教育のグローバルスタンダードへの適応、外国人学生の受け入れ拡大、産学連携による新たな学びの場の提供などが考えられる。また、地方創生と連動した大学の特色化や、オンライン教育の充実が求められるだろう。

 私立大学の存在意義を再確認し、時代に即した変革を進めること。それが、これからの高等教育機関が直面する課題への挑戦である。

 一方で、塾や予備校は進学指導だけでなく、生徒のキャリア形成をサポートする役割へとシフトする必要がある。教育内容の国際化、産学連携の促進、地方創生への貢献など、より広範な教育サービスを提供することが求められる。

(如乙 一)

目次

  • 6 CatchUp 1 むぎ進学教室 東進コンテンツを信じてやり抜く指導で成績も生徒数もアップ
  • 8 CatchUp 2 FLENS株式会社 スマホでできる「学習機能」をSchool Managerに搭載。学習に改革を起こす
  • 10 CatchUp 3 Be高等学院 赤ペンメンターが伴走するベネッセの通信制サポート校「Be高等学院」が来春開校
  • 16 HOT TOPICS ★塾・予備校経営者必読!教育ビジネスの新領域〈シリーズ第1回〉 元祖AO・推薦合格指導館でブルーオーシャンを切り拓け!
  • 20 挑む私学 成田高等学校・同付属中学校
  • 23 目次・巻頭言
  • 24 NEWS ARCHIVES
  • 52 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 53 【特集】 塾長の決断2024
  • 66 TOP LEADER Interview すべての人と社会に貢献できる企業へ。 VisualVisionグループ
  • 76 現代学習塾経営概論(19)
  • 79 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(368)
  • 80 疾風の如く(182) まつたに数学塾(京都府) 塾長 松谷 学 さん
  • 82 PAPER REVIEW(8)
  • 84 For Whom the 塾 Tolls(38)
  • 86 自ら動き出すチームにする方法(121) 中谷彰宏
  • 88 シン・ジュクジン(35)
  • 89 芸術見聞録(135)
  • 90 わが子、就学中(43)
  • 91 塾長の机
  • 92 為田裕行の「教育ICT行」(115)
  • 93 10¹⁵ PETA(43)
  • 95 Opinion from School(63)
  • 96 林明夫の「歩きながら考える」(230)
  • 98 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(57)
  • 100 私塾界インサイト(79)
  • 104 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(35)
  • 106 咲かせよ桜(115) 小林哲夫
  • 110 論点2024(10) 令和7年度 文部科学省概算要求のポイント
  • 114 編集後記
  • 116 Book Review
  • 118 塾長のためのガジェット講座

みんがく、札幌国際大学安井研究室と教育現場における生成AI活用に関する共同研究を実施

 株式会社みんがく(東京・⽬⿊区、佐藤雄太 代表取締役)は、札幌国際大学(北海・札幌市、蔵満保幸 学長)と教育現場における生成AI活用に関する共同研究を開始することを発表した。


■研究は、以下の2つのプロジェクトを中心に展開される。
①教員向け研修パッケージの開発
 みんがくが提供する生成AI活用教育特化アプリ作成プラットフォーム「スクールAI」を活用し、教員の生成AIに関するリテラシー向上を目的とした研修パッケージを開発する。これにより、教員が生成AI技術を教育現場で効果的に活用し、生徒の個々の学びを支援できるスキルを身につけることが期待される。

②道徳教育用生成AIコンテンツの研究・開発
道徳教育の専門家である安井政樹准教授の知見を活かし、生成AIを活用した新たな道徳教育コンテンツの研究・開発に取り組む。生徒の発達段階に応じたカスタマイズされたコンテンツを提供することで、道徳教育の質を向上させ、より効果的な教育を目指す。


■ 背景と目的
 急速に進化するAI技術は、教育分野にも大きな変革をもたらしている。特に、生成AIは生徒一人ひとりのニーズに応じたパーソナライズされた学習体験を提供できる可能性を秘めている。しかし、教員がこの技術を効果的に活用するためには、十分なリテラシーとスキルが必要となる。
 また、道徳教育においては、生徒の成長段階に適した柔軟な教材の開発が求められている。このような背景から、株式会社みんがくと札幌国際大学安井研究室は、教育現場における生成AI活用の可能性を探るための共同研究を開始した。教員向けの研修パッケージ開発と道徳教育用の生成AIコンテンツ開発の2つのプロジェクトを通じて、AIが教育現場でどのように役立つかを具体的に示すことを目指す。


 今後、共同研究の成果を基に、教育機関や学校に向けて生成AIを活用した研修パッケージや道徳教育コンテンツを提供していく予定だ。生成AIを活用することにより、教育現場における授業の質の向上や、個別最適化された学習が実現することが期待される。

東京語学学校とバングラデシュ政府デジタル大学(BDU)がIT人材育成のMOUを締結

 東京語学学校(東京・豊島区、森薫 代表)は、バングラデシュデジタル大学(ムハンマド・マフフズル・イスラム 副学長)との間でAI技術、VR技術に関して所属学生に対してインターンシップを行うためのMoUを締結、2024年5月からインターン候補生に対しての日本語教育とIT教育を開始した。
 提携式には東京語学学校 新規事業企画室 室長 坂本孝之、ITプロジェクトマネージャー/日本語教師 竹内彩乃、バングラデシュデジタル大学 大学登録官ムハンマド・アタウル・ラーマン・カーン、副学長 ムハンマド・マフフズル・イスラム、IoT・ロボティクス工学部 部長 サムチュディン・アハメッド等の両機関の主要関係者、大学教授が参加した。
 東京語学学校の坂本は同学所属学生に対して、今後のIT教育の展開について講演をし、学生や記者への質問に答えた。

 バングラデシュデジタル大学はバングラデシュ政府が創立した国内初のIT専門の大学。政府がIT専門大学を作るほど、バングラデシュではIT人材の育成に力を入れており、輩出されるIT人材は年々増加している。しかし、バングラデシュでは大規模なIT企業がまだ少ないため、経験のないエンジニアの就職は困難な状況。そのためフリーランスで海外の案件を受注するエンジニアも多く、国際レベルで通用する技術を持つエンジニアが潜在している。そこで今後も懸念される日本のIT人材不足を補うため、バングラデシュのIT人材の力を借りて、両国の問題の解決に近づける提案を行なった。

■提携内容
 東京語学学校は、日本語学校を主軸に事業を展開しており、日本で留学生に日本語を教えている。この提携によりバングラデシュデジタル大学の学生への日本語教育、IT教育を行う。さらに大学内からインターン生を募り、日本企業からのVR、AIの案件の開発に参加してもらう。
 この提携により、東京語学学校とバングラデシュデジタル大学はIT分野の技術の強化、日本語教育やインターンシップを経て日本企業への就職など幅広い活躍を展開することができ、両国の発展に貢献できると考えている。
 今後は所属学生に対してインターシップを募り、開発業務を通じて技術の

秋田県立大曲農業高等学校×日本薬科大学×フジパン共同開発『スナックサンド 比内地鶏の親子丼味』期間限定販売

 フジパン株式会社(愛知・名古屋市)は、秋田県立大曲農業高等学校(秋田・大仙市)、日本薬科大学(埼玉・伊奈町)との共同開発により、秋田県大仙市協力のもと、2024年10月1日から『スナックサンド 比内地鶏の親子丼味』を販売する。
 フジパン株式会社はこのプロジェクトにより、地域との連携商品を通して、子ども達の学びを応援し、微力ながら地域経済の活性化に尽力していく。

 日本薬科大学の呼びかけから始まったこのプロジェクトは、2023年9月から始動。秋田県大仙市の大曲農業高等学校の生徒と日本薬科大学の学生が参加し、新商品開発やパッケージデザインに挑戦した。参加メンバーによる打ち合わせや試食を重ね、学生の意見を参考にフジパンが商品改良を繰り返し行い、約1年をかけて秋田県特産品である「比内地鶏」を使用したスナックサンド 比内地鶏の親子丼味」が完成した。

 秋田県産「比内地鶏」のひき肉を鶏そぼろにし、タマゴと組み合わせ親子丼をイメージしたスナックサンドを目指した。学生のアイデアから、調味料には秋田県にかほ市の醸造会社、日南工業株式会社の『比内地鶏つゆ』を使用した。比内地鶏の出汁を効かせたコクと旨味のある味わいの鶏そぼろとタマゴの組み合わせが、スナックサンド用食パンのしっとりとした食感と絶妙な味わいのバランスとなり、和風の味わいの個性的なスナックサンドが生まれた。パッケージには、明治43年から100年以上の歴史がある大曲の花火をイメージしてデザインし、世界に誇る秋田の魅力を表現した。

商品概要
【商品名】 スナックサンド 比内地鶏の親子丼味
※株式会社東北フジパン(宮城県岩沼市) 仙台工場で製造いたします。
【価格】  オープン価格
【販売期間】2024年10月1日(火)~31日(木)
【販売地域】 東北6県、関東、静岡の一部、長野、新潟 16都県
【販売店】 スーパー、ドラッグストア 等
【JANコード】4902410-393948
【フジパンウェブサイト】https://www.fujipan.co.jp/

新潟医療福祉大学 開志学園高等学校・開志国際高等学校との高大連携協定締結式を開催

 NSGグループの新潟医療福祉大学は、9月24日(火)に高校生に対して医療系資格・職業についての理解を深める機会を創出し、将来地域社会に貢献する有為な人材を育成することを目的に、開志学園高等学校・開志国際高等学校と、高大連携協定を締結した。
 高大連携協定では、6学部15学科を有する日本最大級の医療系総合大学という特長を最大限に活かし、本学が医療系資格・職業の理解を深める講義・体験・見学を実施する他、探究学習の支援などを行う。
 また、今年3月に新潟県厚生農業協同組合連合会(JA新潟厚生連)および日本赤十字社長岡赤十字病院、7月にNSGグループ5病院と、それぞれパートナーシップ協定を締結し、高校生に病院見学の機会を提供することで、優れた医療人材の育成と輩出を推進していく。

【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/
 全国でも数少ない、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ6学部15学科の医療系総合大学。この医療系総合大学というメリットを最大限に活かし、本学では、医療の現場で必要とされている「チーム医療」を実践的に学ぶことができる。また、全学を挙げた組織的な資格取得支援体制と就職支援体制を構築し、全国トップクラスの国家試験合格率や高い就職実績を実現している。さらに、スポーツ系学科を有する本学ならではの環境を活かし、「スポーツ」×「医療」「リハビリ」「栄養」など、スポーツと融合した学びを展開している。

ライフイズテック レッスン、港区の全公立中学校に導入へ

 ライフイズテック株式会社(東京・港区、水野 雄介 代表取締役CEO)は、プログラミング学習用EdTech教材「Life is Tech! Lesson(ライフイズテック レッスン)」が、港区の全区立中学校10校、生徒数約2,280名の指導教材の一環として採用されたことを発表した。

 港区は「夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、行動し、未来を創造する子ども」を目指すべき姿として掲げ、未来を切り拓いて生き抜く力の育成のため、ICTを活用した学びの充実やSTEAM教育を推進している。高校「情報 I 」への円滑な接続を見据え、昨年度よりライフイズテック レッスンのモデル校実証を開始した。今回、区内で格差なくテキストコーディングを用いたプログラミング学習環境を提供することを目指し、区内全校に導入されることとなった。

 導入にあたっては、教員向けサポートが充実している点や、技術科での活用だけでなく、地域の魅力づくりに向けた探究的な学習活動のアウトプットツールとしても活用可能な点を評価している。ライフイズテックは、今後も教材の提供を通じて「GIGAスクール時代の新たな学びのインフラ」として、社会の情報化の進展に主体的に対応できる力や、課題解決の力を育む情報活用教育の支援を地域格差なく行なっていく。

千葉工業大学と株式会社biimaが連携 次世代の教育者育成プロジェクト実施

 株式会社biima(東京・渋谷区、田村恵彦 代表取締役)が運営する21世紀型総合キッズスポーツスクール「biima sports(ビーマスポーツ)」と千葉工業大学(千葉・習志野市、伊藤穰一 学長)は、 創造工学部デザイン科学科の履修科目の一つである「スポーツアクティブラーニング」にて、全国で400校以上で展開されている総合キッズスポーツスクール「biima sports」を活用し、レッスン見学や社員へのインタビューを通じて、学生たちの幅広い視点から多角的に物事を考える能力を養うためのプロジェクトを実施した。

 biima sportsでは、今後も専門学校や大学等の教育機関と連携したプロジェクトを展開する予定だ。biima sports等の実際の教育現場を通して、多くの学生のキャリア形成に貢献するとともに、多くの子どもたちにとってより良い教育環境を提供することを目指して活動していく。

内容:biima sportsのレッスン見学や社員へのインタビューを行い、子どもたちが運動を通して自己肯定感を高めるためのデザイン考えプレゼンテーションを行う
対象者:千葉工業大学に在籍の学生
活動期間:2024年7月~

 このプログラムを通じて千葉工業大学の学生は、実際にスポーツ指導の現場や企業を訪問し、実際に存在する社会課題に対する提案を行うことで「課題発見力・解決力」「創造力」「チームで働く力」「プレゼンテーション能力」を向上させるだけでなく、今回はデザイン科学科とコラボレーションしているため

ベネッセ教育総合研究所 「第4回幼児教育・保育についての基本調査」 保育者の7割が「職場・仕事に満足」の一方で、8割は「事務作業量が負担」

 株式会社ベネッセコーポレーション(岡山県・岡山市、小林 仁 代表取締役社長)の社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2023年11月から12月にかけて、日本全国の幼稚園・保育所・認定こども園の園長と保育者を対象に「第4回幼児教育・保育についての基本調査」を実施した。
 現在、日本の保育者の有効求人倍率は全職種平均よりも高く、保育者不足が深刻な問題となっている。その中で、社会環境や政策の変化により、園には多様な役割が期待され、保育者にはより高い専門知識や技量が求められている。この状況に対応するためには、保育者が仕事に満足できる環境を整え、離職を防ぐ支援が必要だ。今回の調査では、その方策を検討するため、保育者の仕事に対する満足感や負担感の実態を把握し、それらに影響を与える要因を分析した。
 その結果、保育者の7割が職場や仕事に満足している一方で、8割が事務作業量の多さに負担を感じていることがわかった。また、事務作業量や労働時間などの負担感が少ないほど、保育者の仕事満足感が高い傾向が見られた。さらに、仕事の満足感が高い保育者が勤務する園は全体に一体感があり、保育者同士の連携がとれていること、園長がマネジメント力を発揮していることが明らかになった。園が一体感を持って保育に取り組むことで、仕事満足感の向上につなげることができると考えられる。
 ベネッセ教育総合研究所では、この調査結果をさらに分析し、保育者が働きやすい環境やより良い保育実践のあり方について提案していく予定だ。

調査の主な結果は、以下の通り。
1.保育者の仕事満足感:職場や仕事に満足しているが7割
 保育者の82.1%が「職場の人間関係は良好」、74.8%が「自分の仕事に満足」、73.6%が「自分の職場に満足」と回答。 一方、「給与と仕事量のバランスはとれている」と肯定した回答者は27.4%にとどまる。
2.保育者の仕事負担感:8割が事務作業量の多さに負担を感じている
 79.4%が「事務作業の量が多くて負担」、66.9%が「配慮の必要な子どもへの対応が負担」、63.8%が「子どもを預かる責任が重く負担」、56.4%が「研修時間が確保できない」と回答。
3.保育者が認識する園の状況:子どもの姿を語り合うのは9割、キャリア形成を考えた人材育成は7割
 94.9%が「保育者同士が子どもの姿をよく語り合っている」、86.5%が「安心できる雰囲気がある」、75.3%が「園長はマネジメント力を発揮している」、65.7%が「保育者のキャリア形成を考えた人材育成を行っている」と回答。
4.負担感別にみた保育者の仕事満足感:負担感が低い保育者は仕事満足感が高い
 事務作業量の多さ、長時間労働、子どもを預かる責任の重さといった負担感が少ない保育者は、そうでない保育者と比べて仕事満足感が10ポイント以上高い。
5.園の状況別にみた保育者の仕事満足感:園に一体感があると感じている保育者は仕事満足感が高い
 園全体に一体感がある、保育者同士の連携がとれている、園長がマネジメント力を発揮していると感じている保育者は、そうでない保育者と比べて仕事満足感が約20~30ポイント高い。

調査概要】

名称    第4回幼児教育・保育についての基本調査
調査テーマ          園の環境・体制、教育・保育活動などに関する実態と、園長・保育者の意識
調査時期      2023年11月~12月
抽出方法園抽出:全国の園のリスト (国公立・私立幼稚園、公営・私営認可保育所、公営・私営認定こども園)より、園児数29人以下かつ3~5歳の園児数が0の園は除外し、各都道府県で無作為に抽出した。保育者抽出:園長に対して、担任クラス(0~2歳の乳児クラス2名、3~5歳の幼児クラス2名)、年齢、性別を考慮して保育者4名に配布するように依頼した。
調査方法郵送による依頼 :1園につき園長1名と保育者4名に回答依頼WEBによる回答:依頼を受けた園長・保育者はWEB画面にアクセスして回答※園発送数 16,488件  保育者最大配布数 65,952件
分析対象全国の幼稚園、保育所、認定こども園に勤務する保育者 15,143名※本文書では保育者のみを分析対象としている。※本分析では、国公立・私立、公営・私営の設置形態に関する設問で「その他」と回答したケースも含めている。
研究メンバー ※所属・肩書は2023年12月時点         ■調査監修無藤隆(白梅学園大学名誉教授)、汐見稔幸(東京大学名誉教授)、荒牧美佐子(目白大学准教授)、小山朝子(和洋女子大学准教授)■企画・分析野﨑友花(ベネッセ教育総合研究所研究員)、高岡純子(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、森永純子(ベネッセ教育総合研究所主任研究員)、木村治生(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、加藤健太郎(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、岡部悟志(ベネッセ教育総合研究所主任研究員)

コカ・コーラ ボトラーズジャパンと東武トップツアーズ、大阪・関西万博を通じた中学生以上向け探究学習型修学旅行プログラムの開発・提供で協業

 コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(東京・港区、カリン・ドラガン 代表取締役社長 最高経営責任者)と東武トップツアーズ株式会社(東京・墨田区、百木田康二 代表取締役社長)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を通じた中学生以上向け探究学習型修学旅行プログラムを開発し、プログラムの提供で協業することを発表した。

 大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンのスポンサーである両社は、子どもたちに社会課題の解決に取り組む力を育む機会を提供することで、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に寄与できると考え、プログラムを開発した。このプログラムは中学生以上を対象に、両社の協賛パビリオンと親和性の高い「循環型社会」、「生物多様性」、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティー&インクルージョン)」を学習テーマとした、修学旅行前の事前学習と大阪・関西万博会場内での実地研修、また修学旅行後の事後学習を提供する。コカ・コーラ ボトラーズジャパンは事前学習や河森正治プロデュースパビリオンへの訪問機会、事後学習素材の提供を担当、東武トップツアーズはプログラムの販売および中島さち子プロデュースパビリオンや会場内施設への訪問機会の提供などを担当する。

プログラムの一例
・学習テーマ:「循環型社会」
 事前学習として、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが推進する「ボトルtoボトル」に関する取り組みをはじめ、循環型社会に関する授業を実施。その後実地研修として、大阪・関西万博会場内で行われているSDGsに対する取り組みを学習する。資源循環がどのように行われているかなどを見聞きし、今後自分がどのようなSDGs達成に貢献できるかを考察する。

・学習テーマ:「生物多様性」
 事前学習として、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが行う森林保全の取り組みなど生物多様性保全活動に関する授業を実施した後、実地研修として、河森正治プロデュースパビリオン「いのちめぐる冒険」にて、いのちの循環や生物多様性について体感。今後自分が生物多様性保全のために何ができるかを考察する。

・学習テーマ:「DE&I(ダイバーシティ、エクイティー&インクルージョン)」
 事前学習として、コカ・コーラ ボトラーズジャパンのパラ・デフアスリートやアスリートによる講義やDE&I(ダイバーシティ、エクイティー&インクルージョン)に関する授業を実施した後、実地研修として大阪・関西万博「いのちの遊び場 クラゲ館」や会場内施設を訪問。多様な存在価値について学習し、すべての人が活躍できる未来についてのレポート作成などを行う。