Archive for: 6月 2023

城南進学研究社 株式会社りんご塾と業務提携を締結

 株式会社城南進学研究社(神奈川・川崎市、下村勝己 代表取締役社長CEO)は、2023年6月1日(木)、株式会社りんご塾と業務提携を締結した。

「りんご塾」は、算数オリンピックのメダリスト輩出を目標に掲げる、算数に特化した学習塾。2018年にフランチャイジーとして自由が丘校の運営を開始以来、東京・神奈川・千葉・埼玉エリアに展開し続け、2023年6月現在全35校を運営している。今回の業務提携により、コンテンツの共同開発やフランチャイズ教室の加盟開発及び運営サポートをより強固なものとし、「りんご塾」の教室開校を促進する。


【業務提携の内容】
(1) 幼児・児童向けコンテンツの共同開発
(2) 教育メソッドに関するイベントの共催
(3) 算数オリンピック対策に関する商品の企画・開発・販売
(4) りんご塾フランチャイズ教室の加盟開発及び運営サポートの代理店業務

りんご塾ホームページ:https://ringo-johnan.com/

リアルタイム個別指導サービス「Quick Teacher」を運営する株式会社Eddが「ASAC アクセラレーションプログラム 第16期」に採択

 学習塾を対象にリアルタイム個別指導サービス「Quick Teacher」を提供する株式会社Edd(東京・新宿区、釣田亮 代表取締役)は、東京都が主催する「ASAC アクセラレーションプログラム第16期」に採択されたことを発表した。

 青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC)は、東京都からの委託を受け、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社が運営するインキュベーション施設。創業予定者や創業間もないスタートアップ企業をアクセラレートすることにフォーカスしており、「ASACから世界のリーディングカンパニーを輩出すること」をミッションに掲げている。

■第16期として採択された企業/団体一覧:https://acceleration.tokyo.jp/detail.php?keyno=376

 Quick Teacher(クイックティーチャー)とは東大・京大・医学生などの講師陣 + AI先生に24時間365日、チャットまたはオンライン通話で質問できるリアルタイム個別指導サービス。導入後すぐに全教科・全科目指導可能な体制が完備されるため、講師不足の解決をはじめ、人件費の削減、コミュニケーション量の増加、生徒の理解度・満足度の向上にもつなげることが可能となる。

サービスHP:https://quickteacher.jp/

サンワサプライ WEBカメラをワイヤレス化できるWEBカメラ無線化キットを発売

 サンワサプライ株式会社(岡山市北区、山田 和範 代表取締役社長)は、WEBカメラをワイヤレス化できるWEBカメラ無線化キット「CMS-EXW01」を発売した。


品名:WEBカメラ無線化キット
品番:CMS-EXW01 標準価格:49,500円(税抜き 45,000円)
製品ページ:https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=CMS-EXW01

「CMS-EXW01」は有線接続のWEBカメラをワイヤレス化できるWEBカメラ無線化キット。WEBカメラをワイヤレス化できる。パソコンとWEBカメラの通信距離は最大25m。パソコンにUSB接続できるWEBカメラであれば、メーカーを問わず使用できる。ケーブルレスなので、配線がすっきりする。

 送信機には、カメラ以外にもUSB搭載スピーカー、マイク、スピーカーフォンや3.5mmプラグを持つスピーカーが接続できるので、スピーカーやマイクもワイヤレス化することができる。画像の遅延や劣化はほとんどなく、有線接続と同等の画質で無線化できる。最大3840×2160(4K)の幅広い解像度に対応している。

 受信機はUSB AとType-Cの両方に使える2WAYコネクタを搭載しており、さまざまなパソコンで使用が可能。送信機をテレビ台の支柱や机のフレームに取り付けることができる、ベルクロストラップが付属している。

 製品には給電用のACアダプタを付属しているが、モバイルバッテリーでも給電が可能。コンセントがない場所でも使える。広い会議室などで従来のWEBカメラではケーブル長が足りなかった場所や、ケーブルの処理に困っていた場所での使用が可能に、また、カメラから離れた場所で映像を確認したい場合にも使える。

世界最大のEdTech展示会“BETT”で、教育の未来を垣間見る

 2023年3月29日~31日の3日間、ロンドンで開催された“BETT 2023”(British Educational Training and Technology Show)は、3年ぶりのオフライン開催ということもあり、100以上の国々から3万人以上の来場者が集まり、大変な盛り上がりを見せた。世界最大のEdTech展示会にふさわしく、600以上の革新的なEdTech企業がブースを構え、7,000以上のConnect@Bettという小会議が開催された。BETT2023を通して見えてきたEdTechの大きな三つのトレンドについてレポートする。

ChatGPTはじめ生成AI

会場となった”ExCeL London”の入場口

 BETT2023が開催された3月末は、イーロン・マスク氏がAI(人工知能)システム開発の一時停止を提言した時期や、イタリアがChatGPTへのアクセスを一時停止していた時期と重なっていたこともあり、欧米諸国で生成AIに対への対応がやや慎重になっている雰囲気を感じた。筆者は、多くのブースで「ChatGPTをどう製品に組み込む予定か」と聞いて回ったが、ほとんどの企業は「現在模索中だ」「もう少しルールが整備されないと分からない」というものだった。

7,000以上の小会議が開催されたConnect@Bett会場

 ただ、オックスフォード大学 Assistive Technology Officer(支援技術責任者)のDominik Lukesの“How to Teach and Learn with ChatGPT”という講演は、超満員に膨れ上がるなど参加者の関心の高さは実感した。また、プログラミング教育用の教材や生徒管理ツールにChatGPTを組み込むなど、既に新しいチャレンジを開始しているスタートアップもいくつか見受けられた。

立ち見も多い、熱気あるセミナー会場

 “地に足のついた” EdTechの王道

 技術的には、日本やアジアの展示会でも見かけたことのあるツールが多く、目新しいものはあまりなかったが、それらを使いこなすためのデザインや教師側の教育設計に力を入れているプロダクトが多かったのが印象的だった。端的に言えば、“地に足のついた”とも言える。うわべだけでなく、使い込まれることで、教育の質を向上させるツール開発に注力しているようだった。具体的には、学習管理プラットフォームや、バーチャルリアリティ(VR)を用いた没入型の教育体験ツールなどがそれにあたる。こういったツールは、教育現場で即座に活用でき、かつ効果を実証されている技術であり、伝統色の強いヨーロッパの教育と最新の教育テクノロジーの融合が成せる業だと感じられた。

アジア圏からの出展も多数

 今回の展示会では、韓国やインドなど、アジア圏からも多くの出展があり、ヨーロッパをはじめ全世界にEdTechサービスを広げていこうとする野心的なチャンレンジを目の当たりにした。しかし、日本からの出展は1社のみで、残念ながら海外進出という文脈では遅れをとってしまっている現実を肌で感じざるをえなかった。一方で、クオリティは既存の日本のEdTechサービスも十分に優れていることを確信できたことも事実で、グローバル展開ができるサービスが現れることを切に期待している。

 BETT2023は、AIやVRなどの最新技術から、具体的な教育現場のニーズに対応する基本的なソリューションまで、EdTechの全領域を網羅した展示会でした。その中に、地域を越えた普遍的な教育の価値と、ローカライズされた具体的なサービスの多様性が同居する教育の“おもしろさ”を見つけ出すことができ、多くの学びを得られる視察となった。

 余談だが、筆者にとっては今回が初のヨーロッパでの展示会視察となった。その中で最も印象的だったのが、午後になると各ブースでワインやビールなどお酒が振る舞われたことだ。アルコールが入り、ベンダー側も教育者側も、心理的な壁を取り払い、本音で商談できている様子だったので、お酒が好きな人にとっては、大変有効なシステムだと感じた。日本でもこの商談システムを採用した展示会が開催される日が来ることを望んでいる。

お酒を振る舞っているデンマークのブース

鹿児島大学教育学部附属小学校が英語の授業でメタバースを活用

 XRコンテンツ制作などを行う株式会社リプロネクスト(新潟市、藤田 献児 代表取締役)は、鹿児島大学教育学部附属小学校(鹿児島市、佐野 輝 学長)の英語教育向けメタバース空間を制作した。児童たちが、外国語科によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら、やりとりを工夫することができるようにするために、メタバース空間を使用する。

 2023年5月26日(金)に鹿児島大学教育学部附属小学校にて行われた『令和5年 鹿児島大学教育学部附属小学校 公開研究会』では、全国から集まった先生・教育関係者など約800名がメタバース空間を使った公開授業を視察した。

 インターネット上で、自分自身の分身となるアバターを通じてコミュニケーションが取れる3DCGの仮想空間「メタバース」。リプロネクストはビジネスユースに特化したメタバース制作・開発を行っており、今回は小学校高学年の児童が、外国語の学習で使用するメタバース空間を制作した。パソコンやスマートフォンからアプリレスで接続できるNTTコノキュー社が提供するプラットフォーム「DOOR」を使用。空間は日常生活で馴染みのあるショッピングモールを再現し、フードコート/スーパーマーケット/観光案内所/フリースペースを用意した。

 このメタバースは今後、外国語の授業の冒頭等で活用される。児童と先生が英語でコミュニケーションを取り、授業内容へとスムーズに移行するオーラル・イントロダクションのツールとして導入。児童はアバターを介して「行ってみる」「触れてみる」といったアクションを起こすことが可能で、体験しながら学ぶことで学習内容の定着を図ることができる。

マイナビ、「2023年5月度 アルバイト・パート平均時給レポート」を発表

 株式会社マイナビ(東京・千代田区、土屋芳明 代表取締役 社長執行役員)は、アルバイト募集時の平均時給データ(2023年5月度)を発表した。調査は、アルバイト・パート求人情報サイト『マイナビバイト』(https://baito.mynavi.jp/)に掲載された求人広告データを集計したもの。

 23年5月の全国平均時給は1,194円で過去最高額を更新。職種別では、[医療・介護・保育]が1,429円で過去最高額を更新し、求人件数は前年同月比約2.5倍に増加。
 エリア別平均時給は、7エリア中6エリアで前月比・前年同月比とも増加。「関西」「東海」「中国・四国」「九州・沖縄」の4エリアで過去最高になった。
 三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は1,233円で過去最高額を更新。全16職種中10職種で前月比・前年同月比ともに増加。

【全国概要】
 23年5月の全国平均時給は1,194円(前月比:+7円、前年同月比:+47円)となり、過去最高額を更新した。また、求人件数は前年同月比で1.4倍に増加しており、企業が積極的に採用活動を行っていたことがうかがえる。職種(大分類)別では、[医療・介護・保育]が1,429円(前月比:+23円、前年同月比:+43円)で過去最高額となり、求人件数は前年同月比で約2.5倍に増加した。
 政府は看護・介護・保育・幼児教育などの分野の労働者において処遇改善を目的とした賃上げ施策※を昨年実施したが、現場での人手不足感は変わらず高い様子がうかがえる。
 そのほか、職種(大分類)別の平均時給の前月比は全16職種中、9職種が増加、7職種が減少。前年同月比は、全16職種中14職種が増加、2職種が減少となった。

※看護・介護・保育・幼児教育などの分野において、2022年2月より収入を3%程度引きあげるための措置

 エリア別平均時給をみると、7エリア中「北海道・東北」を除く6エリアで前月比・前年同月比ともに増加した。「関西」は1,207円(前月比:+5円、前年同月比:+63円)、「東海」は1,154円(前月比:+19円、前年同月比:+64円)、「中国・四国」は1,081円(前月比:+7円、前年同月比:+84円)、「九州・沖縄」は1,078円(前月比:+8円、前年同月比:+57円)となり、4エリアで調査開始以来、過去最高額を更新した。

【三大都市圏概要】
 23年5月の三大都市圏の平均時給は1,233円となり、前月比8円の増加、前年同月比42円の増加(増減率:+3.5%)で、過去最高額を更新した。
 職種(大分類)別では、[医療・介護・保育]は1,467円(前月比:+35円、前年同月比:+56円)で過去最高額を更新し、求人件数は前年同月比で約2.4倍に増加。
また、[アパレル・ファッション関連]が1,068円(前月比:+14円、前年同月比:+56円)で、求人件数は前年同月比で約2.0倍に増加した。

 その他、職種(大分類)別の平均時給の前月比は全16職種中、12職種が増加、3職種が減少、1職種が横ばい。前年同月比は、全16職種中、12職種が増加、4職種が減少。また、前月比・前年同月比ともに増加したのは10職種となった。

『2023年5月度 アルバイト・パート平均時給レポート』
【調査期間】 2023年5月1日(月)~2023年5月31日(水)
【集計対象データ】 該当月に、アルバイト情報サイト『マイナビバイト』に掲載された求人情報から、下記除外対象データを除き集計。
※除外対象:給与区分が時給以外、給与金額が3,001円以上、雇用形態がアルバイト・パート以外
【集計対象エリア】 全国47都道府県
関東:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、茨城県、群馬県
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県
東海:愛知県、静岡県、岐阜県、三重県
北海道・東北:北海道、宮城県、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県
甲信越・北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県
中国・四国:広島県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県
九州・沖縄:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
【調査機関】 マイナビ調べ

「ブラック・ジャック」の新作 今秋公開へ

 AIと人間のコラボレーションでマンガの神様・手塚治虫に挑み、新作「ぱいどん」を生み出した「TEZUKA2020」から3年。その後も、プロジェクトメンバーであった慶應義塾大学栗原聡教授と手塚眞氏、手塚プロが中心となり、「AIと人間の共創マンガの実現」に取り組んで来た。そして、「TEZUKA2023」として今年誕生50周年を迎えた「ブラック・ジャック」の新作制作に着手し、公開は今秋の予定。
 前作制作の過程で、クリエイティブの分野においてはインタラクティブ性の高い共創型AIサポートシステムの存在が、人ならではの能力である創造性の発揮につながることに着目。研究を重ね、今回の制作においてはクリエイターとAIのインタラクティブなやりとりがポイントになっている。

■「TEZUKA2023」プロジェクト概要
 手塚プロのクリエイターと「ブラック・ジャック」を学習したAIのインタラクティブなやりとりにより、「ブラック・ジャック」の新作を制作するもの。本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務で開発している技術を活用している。
公開時期 : 今秋予定
掲載 : 秋田書店「週刊少年チャンピオン」
主なメンバー : 栗原聡(慶應義塾大学 理工学部教授)
手塚眞(手塚プロダクション 取締役)
村井源(はこだて未来大学 システム情報科学部教授)
橋本敦史(慶應義塾大学 理工学部特任講師)
石渡正人・日高海(手塚プロダクション)  

■「TEZUKA2023」プロジェクト経緯
2019年 「TEZUKA2020」プロジェクト発足
手塚治虫作品を学習したAIとクリエイターによる新作制作を目指す
2020年2月 新作「ぱいどん」発表 ※「TEZUKA2020プロジェクト」終了
2020年7月 栗原教授、手塚プロらが中心となるチームにて研究継続
「インタラクティブなストーリー型コンテンツ創作支援基盤の開発」として
NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」に採択される
2023年5月 「TEZUKA2023」プロジェクト発足
「ブラック・ジャック」新作制作決定

【プロジェクトメンバー】
・ 栗原聡 (慶應義塾大学 理工学部教授)
SATOSHI KURIHARA
・ 手塚眞(手塚プロダクション 取締役)
MACOTO TEZKA  ※「C」「Z」ご注意ください
・ 村井源(はこだて未来大学 システム情報科学部教授)
HAJIME MURAI
・ 橋本敦史(慶應義塾大学 理工学部特任講師)
ATSUSHI HASHIMOTO
・ 石渡正人/日高海(手塚プロダクション)
MASATO ISHIWATA / UMI HIDAKA
・ キャラクター生成チーム学生
蛭田興明、畠山太郎、北川峻
・ ストーリー生成チーム学生
川村天、小林伶央、有井知真、伊藤亮史、渡邉謙吾

筆記具の加速度センシングとディープラーニングによって集中力の予測が可能に

 三菱鉛筆株式会社(東京・品川区、数原 滋彦 社長)は、東京大学 大学院薬学系研究科の池谷裕二教授とストーリア株式会社(東京・中央区、田谷 圭司 代表取締役)との共同研究として、筆記具の役割である“書く・描く”ことに加えて、新たな提供価値を創出するための試みの一つとして、筆記具の動きと脳波を記録し、筆記具の動きから脳波を予測するという実証実験を実施した。
 今回の実証実験の結果、筆記具の加速度データから集中力を予測できることが判明した。さらに論文は、2023年度人工知能学会全国大会に採択された。

 三菱鉛筆は、新たな提供価値を検討する中で、日常的な筆記行為を通じて、自分の集中状態を把握することができれば自分自身に合った学習や作業を実現できるのではないかと考えるに至った。さらには、教育分野における授業の最適化や、作業分野における作業効率向上、ストレス軽減にもつなげることが期待される。
 現在、集中力を予測するためには、脳波計などのデバイスを頭部に装着する必要だが、頭部にデバイスを付ける行為自体が煩雑、かつ集中力を下げる要因となる可能性もあり、データ取得において多くの課題を抱えている。筆記具の動きから集中力の予測が実現できれば、新たなデータ取得の方法になり得るとも考えている。

【実験手法】
 筆記具に装着し加速度を測定できるアタッチメント型のIoT機器(ストーリア製 試作品「Penbe」)を装着し、筆記動作をセンシングできるようにした。この筆記動作センシングと同時に、脳波計を被験者に取り付け、集中力やタスクパフォーマンスとの関連が知られている脳の前頭葉のガンマ波成分を計測した。これらの筆記動作(加速度)とガンマ波の二つを、ディープラーニングの一つである「長短期記憶ニューラルネットワーク手法(以下LSTM手法)」を用いて、時系列的に分析した。

【実験タスクの概要】
 アラビア語学習経験のない被験者を対象に、60分間アラビア語の書き写しを行い、その後10分間ずつ絵画と数理クイズのタスクを課した。アラビア語の書き写しをする60分間においては、集中を阻害するために、外部から各種の妨害(動画視聴やフリートーク)を行った。

【本研究成果のポイント】
・外部から妨害を行った時間帯では、妨害の少ない時間帯に比べて、ガンマ波強度/デルタ波強度比率の平均が低いことがわかった。そのため、ガンマ波強度/デルタ波強度比率が、集中度合いの指標として用いることが妥当と確認できた。

・筆記動作からLSTMネットワーク手法を用いて予測したガンマ波強度/デルタ波強度比率と、実際のガンマ波強度/デルタ波強度比率の、時系列変化の推移がほぼ一致することを確認した。

・ガンマ波強度/デルタ波強度比率が0以上になる時間帯を集中、0以下になる時間帯を不集中と分けると、感度 (実測した脳波に対し、筆記動作から正しく予測できた割合)は、83.0%となった。

(注1)ガンマ波の発生量が課題に対する集中力と関連があることは過去の研究で示され、脳の休憩状態と関連するデルタ波で補正して集中力指標としての有効性が示唆されているが、「集中力」に対するより明確な定義や評価方法の確立は今後も検討が必要である。

(注2)被験者の数が限られており、さらに筆記具の加速度データと脳波データの関係は被験者によって異なる可能性があるため、汎用的な手法を提供するには、より多くの被験者を集めた実験が必要である。

【考察】
 この実験によって、LSTM手法を用いて筆記具の加速度データからデルタ波を予測できることが示された。これは、脳波を直接測定することなく、日常的に使用する筆記具から脳内の状態を予測することができることを意味しており、教育や作業といったさまざまな場面において応用することができると考えられる。

【論文情報】
張天依、佐藤由宇、田谷圭司、福田昂正、池谷裕二
筆記具の加速度センサーによる大脳皮質ガンマ波の予測
第37回人工知能学会全国大会(熊本)、2023年6月9日、4Xin1-31

「エプソン社会の幸せ支援基金」を創設

 セイコーエプソン株式会社は、6月12日に、子どもの支援やひとり親世帯に対する経済的自立の支援などを目的とした「エプソン社会の幸せ支援基金(以下 本基金)」を創設した。基金は、公益財団法人パブリックリソース財団(以下 パブリックリソース財団)内に、エプソン独自の基金として創設し、エプソンはパブリックリソース財団とのパートナーシップのもとで、各地域で活動している非営利団体(NPO)などを通じて支援する。
基金では、
① 困窮世帯の子どもやヤングケアラーに対する支援事業・活動を行っているNPO
② ひとり親世帯や経済的に困窮している女性への支援事業・活動を行っているNPO
に対して助成金を支給し、子どもたちの健康や教育機会の確保と、ひとり親世帯・女性の経済的自立や貧困の解消を図り、持続可能な社会の幸せの実現を目指す。

<エプソン社会の幸せ支援基金概要>
(1) 対象:北海道、青森県、秋田県、山形県、長野県、宮崎県、東京都に所在し、事業・活動を実施しているNPO
(2) 基金総額:最大700万円(1団体あたり30万円を上限)
(3) 支援対象期間:助成決定時から2024年3月31日までの間
(4) 選考方法:対象となるNPOからの応募により、審査を経て選考します
(5) 応募期間:2023年6月12日から2023年7月18日まで
応募方法については以下のパブリックリソース財団のホームページへ
https://www.public.or.jp/project/f0172

城南コベッツに、オンライン自習室のシステム提供がスタート

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社の株式会社学研メソッド(東京・山下 徹二 代表取締役社長)は、株式会社城南進学研究社(神奈川・川崎、下村 勝己 代表取締役社長)が運営する個別指導塾「城南コベッツ」に、2023年6月11日よりオンライン自習室用に教育メタバース「FAMcampus」の提供をスタートする。
 
 オンライン学習塾を展開する塾向けに提供してきた教育メタバース「FAMcampus」を、2023年6月11日より全国で226教室を展開する城南コベッツに提供を始める。
 
 株式会社学研ホールディングスと株式会社城南進学研究社は、2022年8月26日に業務提携契約を締結しており、2022年11月から学研メソッドと城南進研とでは、城南コベッツにて学研グループと富士ソフト株式会社が協働で開発を進めてきた教育メタバース「FAMcampus」を用いた自習室のトライアル運用を行ってきた。2023年4月までの6か月間にわたるトライアルを通じて、オンラインでの自習室においても高い学習効果が得られることがわかり、今回城南コベッツでの本格的なサービス導入に至った。

 このサービスは城南コベッツのスタディ・フリープランの塾生が対象で、スタディ・フリープランではフルサポートによる「個別最適化指導」を追求しており、学研メソッドが提供するFAMcampusを導入することにより、家庭学習においてもコミットできるようになる。塾生の家庭学習量のアップと効率化をはかることができ、塾生の満足が大きく向上することが期待される。

2023年6月11日に提供をスタートする城南コベッツ11教室
・城南コベッツ大森教室(東京都品川区)
・城南コベッツときわ台教室(東京都板橋区)
・城南コベッツ船堀教室(東京都江戸川区)
・城南コベッツ武蔵新城教室(神奈川県川崎市中原区)
・城南コベッツ鶴見教室(神奈川県横浜市鶴見区)
・城南コベッツ日吉教室(神奈川県横浜市港北区)
・城南コベッツ和田町教室(神奈川県横浜市保土ヶ谷区)
・城南コベッツ鶴ヶ峰教室(神奈川県横浜市旭区)
・城南コベッツ二俣川教室(神奈川県横浜市旭区)
・城南コベッツ三ツ境教室(神奈川県横浜市旭区)
・城南コベッツ東川口教室(埼玉県川口市)