Archive for: 6月 2022

熊本県立高森高校に2023年4月『マンガ学科』新設

 熊本県教育委員会は、2023年4月、県立高森高校に『マンガ学科』を新設する。マンガ学科の設置に当たっては、2021年9月に県立高森高校、高森町、マンガの出版やアーティスト育成事業等を手掛ける株式会社コアミックス(東京・武蔵野市)と「マンガを活用した高森高校の魅力向上に関する連携協定」を締結し、現在、4者で連携して準備を行っている。

 マンガ学科では、コアミックスの助言によるプロ仕様の機材を使って、現役編集者や漫画家が授業を行う。また、都内・熊本県内の編集部とオンラインでつながり「地方にいながら都心と同じ」教育環境を提供する。

 県立高森高校にマンガ学科の設置を決めた背景は、出版業界を取り巻く現状がある。『出版不況』と言われるなか、漫画の売れ行きを示すコミック市場は2018年から4年連続過去最高額を更新。スマートフォンなどで読む電子コミックが紙媒体を逆転し、市場を大きくけん引している。

 県立高森高校は、南阿蘇地域唯一の高校。長年「地域になくてはならない学校」として、教育的な役割のみならず、文化・地域振興の中心的な役割を担ってきた。しかし、少子化の影響等により、10年以上定員割れが続いている。

 熊本県教育委員会では、高森高校の魅力化の目玉としてマンガ学科の設置に踏み切った。学科設置に当たっては、協定に基づき、高森町はプロの漫画家が使用する漫画制作機材の提供や寮の整備、通学支援等の強力なバックアップを行い、(株)コアミックスは専門的知識・ノウハウで学科設置のサポートを行うほか、講師派遣や高校生への同社施設の開放等を行う。

 高森高校では、2023年入学者向けの説明会を開催する。コアミックスの講師によるマンガ作画体験や、コアミックス第二本社の施設「アーティストビレッジ阿蘇096区」での創作風景等の見学を予定し、マンガ学科の魅力を肌で感じることができる。高森町では、オープンスクールの開催に合わせ、当日の町内での宿泊費の全額補助や、阿蘇くまもと空港・JR熊本駅からの無料送迎バスの運行に加え、全国からの参加者に高森町の自然や観光、くらしの魅力をPRするイベントを開催し、マンガ学科設置の機運上昇に町をあげて取り組むという。

◇高森高校オープンスクール参加フォーム
https://bit.ly/3mwT8L7

◇アーティストビレッジ阿蘇096区HP
https://aso096k.jp/

日本、非常任理事国に選出

 国連総会で6月9日、安全保障理事会の非常任理事国のうち5カ国が改選された。日本が加盟国最多の12回目の当選を果たし、任期は2023年1月からの2年間。
 安保理は拒否権を持つ米英仏中ロの常任理事国5カ国と改選となる非常任理事国10カ国で構成される。国連で唯一、加盟国への法的拘束力のある決議などの措置を実行できる。非常任理事国入りすることで日本は決議案や議長声明づくりに直接関与できる。

福知山市×パナソニックグループ 公民連携 共同で「人と環境に優しい小中学校の給食食器」開発の取組をスタート

 福知山市とパナソニック ホールディングス株式会社マニュファクチャリングイノベーション本部、パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社は、福知山市立小中学校(23校)の学校給食食器の開発を通して、SDGsの取組推進と資源循環型社会の構築をめざすことで合意し、2022年6月6日に連携協定を締結した。

 パナソニックグループが開発した植物繊維(セルロースファイバー)を高濃度で複合するパナソニックグループの独自技術により福知山市独自の環境配慮型食器の製品化による環境負荷低減に取組むと共に、小中学校のフィールドにおいて安心安全で使いやすい食器となるよう改良を行う。
 更に福知山市内の森林の間伐材を食器の原材料に使用することを進め、小中学校児童生徒の環境問題への理解、地域資源の魅力再発見、シビックプライドの醸成を図る。

 将来は、学校給食にとどまらず他の分野への展開に共同で取組みを進め、地域の課題解決の促進と持続的な社会の発展をめざす。

共同の取組概要 学校給食のイノベーション「SDGsと地元産の視点から給食食器の教育的意義に着目」
■2022年度

〇植物繊維を素材とした「人と環境に優しい給食食器」開発の取組スタート
〇小中学校児童生徒がより使用しやすい食器への改良
〇各種テスト
 安全性、利便性(使いやすさ・重さ)、耐久性など
〇福知山市産の木材(間伐材)を原材料化
〇森林環境学習の教材作成
〇給食食器製品化の目途

■2023年度
〇環境教育の実践
〇新しい給食食器の使用スタート
〇学校給食以外の分野に取組を拡大

2023年版QS世界大学ランキング 「QS World University Ranking 2023」発表

 QS Quacquarelli Symondsは、2022年6月9日、世界大学ランキングの第 19 版を発表した。マサチューセッツ工科大学は、11年連続で世界第1位となり、記録を更新。東京大学は23位を維持し、京都大学(36位)は3つ順位を下げ、東京工業大学(55位)は1つ順位を上げ、2023年のQS世界大学ランキングにランクインした。今回の発表では日本の大学が50校含まれている。このうち19校がランクダウン(38%) 。11校がランクアップ(22%)  18校(36%)がランク維持。そして2校が今回新たにランクインした。

【QS 世界大学ランキング 2023: 国内大学Top15】
(2023ランク(昨年ランク) 大学名)
23(23)東京大学
36(33)京都大学
55(56)東京工業大学
68(75)大阪大学
79(82)東北大学
112(118)名古屋大学
135(137)九州大学
141(145)北海道大学
197(201)慶應義塾大学
205(203)早稲田大学
312(285)筑波大学
338(343)広島大学
363(386)神戸大学
392(381)東京医科歯科大学
490(477)千葉大学
© QS Quacquarelli Symonds 2004-2022 https://www.TopUniversities.com/ All rights reserved.

 シンガポール国立大学は5年連続でアジア地区のTop大学として認識されている。また、アジア地区の中で北京大学と清華大学はアジアで2位と3位の大学、そして、東京大学は6位、京都大学は9位にランクインしている。

【QS 世界大学ランキング 2023: アジア地区Top10の大学】
(2023ランク(昨年ランク) 大学名 国・地域)
11(11)シンガポール国立大学 シンガポール
12(18)北京大学 中国
14(17)清華大学 中国
19(12)南洋理工大学 シンガポール
21(22)香港大学 香港
23(23)東京大学 日本
29(36)ソウル国立大学 韓国
34(31)復旦大学 中国
36(33)京都大学 日本
38(39)香港中文大学 香港
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 QSのデータによると、東京大学はランキングの集計に使用した指標の大半において、引き続き優秀な成績を収めていることがわかる。

 QSの指標である「学術関係者からの評判(Academic Reputation)」では満点(100/100)を獲得しており、世界各国の学術関係者からの高い評価を得ている。
「雇用主からの評判(Employer Reputation)」はほぼ満点(99.7/100)で、過去1年間で雇用者からの評判が向上している。
 QS の教育へのコミットメント指標である ST比(Faculty/Student Ratio)は 91.9/100を獲得している。
 QSの新しくかつ今回のランキング評価の重み付けなしの指標である(Employment Outcomes)のスコアでは97.8/100で世界33位にランクインしている。
しかしながら、「教員一人当たりの被引用率」の指標では前年から25位順位を落とし、世界128位となっている。
 その他、日本の大学の注目すべき結果は以下の通り。

京都大学(33位)は3つ順位を下げた。
東京工業大学(55 位、1 ランク上昇)は、2009 年版以降で最も高い順位を記録している。
大阪大学(68位、7ランク上昇)は、雇用主からの評判調査およびQSの研究インパクト指標を向上させている。
慶應義塾大学(197 位、4 ランク上昇)は、トップ 200 に返り咲いた。

QS世界大学ランキング2023 概要:
 今年のQS世界大学ランキングは、昨年の1300校から100校以上増え、1418校となり、過去最大規模となった。この結果は、2016年から2020年の間に発表された1640万件の学術論文の分布と業績、およびそれらの論文が受けた1億1780万件の引用を考慮し、さらに15万1000人以上の学術関係者と9万9000人以上の雇用主のからの意見も反映されている。

 マサチューセッツ工科大学は、11年連続の世界一という記録的な偉業を達成した。2位はケンブリッジ大学、3位はスタンフォード大学。中国は、北京大学(12位)、清華大学(14位)の2校が世界トップ15に入り、世界大学ランキング発表以来、最高の順位を獲得。シンガポール国立大学が5年連続の11位となり、アジアでの最高位の大学となった。スイスのチューリッヒ工科大学(9位)は引き続きヨーロッパ大陸における最高位の大学であり、ブエノスアイレス大学(UBA)は引き続きラテンアメリカの最高位の大学となっている。


【QS 世界大学ランキング2023: 世界トップ20大学 】
(2023 ランク(昨年ランク)  大学名 国・地域名)
1(1)マサチューセッツ工科大学 米国
2(3)ケンブリッジ大学 英国
3(3)スタンフォード大学 米国
4(2)オックスフォード大学 英国
5(5)ハーバード大学 米国
6(6)カリフォルニア工科大学 米国
6(7)インペリアル・カレッジ・ロンドン 英国
8(8)UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン 英国
9(8)チューリッヒ工科大学-スイス連邦工科大学 スイス
10(10)シカゴ大学 米国
11(11)シンガポール国立大学 シンガポール
12(18)北京大学 中国
13(13)ペンシルバニア大学 米国
14(17)清華大学 中国
15(16)エジンバラ大学 英国
16(14)EPFL スイス
16(20)プリンストン大学 米国
18(14)イェール大学 米国
19(12)南洋工科大学(シンガポール) シンガポール
20(21)コーネル大学 米国
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【評価方法】
QSは6種類の指標を利用してランキングを作成している
(1) Academic Reputation(学術関係者からの評判(40%)):151,000人以上の学術関係者からの調査回答に基づいている。
(2) Employer Reputation(雇用者からの評判(10%)):99,000 社以上の雇用主から得た、教育機関と卒業生の雇用関係についての調査回答に基づいている。
(3) Citations per Faculty(教員一人当たりの論文被引用数(20%)):研究へのインパクトを測定するもので、大学の研究論文が5年間に受けた引用回数の合計を、大学の教員数で割ったもの。
(4) Faculty/Student Ratio(学生一人当たりの教員比率(20%)):教育へのコミットメントとしての代用指標。学生数を教員数で割ったもので、世界の学生が自分の選んだ教育機関のクラス規模を知ることができる指標。
(5) International Faculty Ratio(外国人教員比率(5%)):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標の1つであり、各大学の外国人教員の比率を測定するもの。
(6) International Student Ratio(留学生比率(5%)):国際化の度合いを測定するQSの2つの指標のもう一方であり、各大学の留学生の比率を測定するもの。海外の学生から見た大学の国際的な魅力度を間接的に表している。
(7) Employment Outcomes(雇用結果(0%)):エンプロイヤビリティを評価するもの。
(8) International Research Network(国際研究ネットワーク(0%)):国際的な研究協力や知識移転について分析するもの。

評価方法に関する詳しい情報は、下記のURLから確認できる
https://www.topuniversities.com/qs-world-university-rankings/methodology

【QS世界大学ランキング 2023にランクインした日本の大学】
(2023ランク(昨年ランク)
23(23)東京大学
36(33)京都大学
55(56)東京工業大学
68(75)大阪大学
79(82)東北大学
112(118)名古屋大学
135(137)九州大学
141(145)北海道大学
197(201)慶應義塾大学
205(203)早稲田大学
312(285)筑波大学
338(343)広島大学
363(386)神戸大学
392(381)東京医科歯科大学
490(477)千葉大学
501-510(487)横浜市立大学
531-540(531-540)一橋大学
561-570(541-550)新潟大学
571-580(531-540)長崎大学
601-650(601-650)岐阜大学
601-650(601-650)金沢大学
601-650(581-590)岡山大学
601-650(571-580)大阪市立大学
651-700(701-750)群馬大学
651-700(591-600)熊本大学
701-750(651-700)鹿児島大学
701-750(751-800)立命館大学
701-750(651-700)徳島大学
701-750(701-750)東京都立大学
701-750(601-650)東京農工大学
751-800(701-750)大阪府立大学
801-1000(801-1000)国際基督教大学
801-1000(新たにランクイン)立命館アジア太平洋大学
801-1000(801-1000)信州大学
801-1000(801-1000)上智大学
801-1000(801-1000)東京理科大学
801-1000(801-1000)山口大学
801-1000(801-1000)横浜国立大学
1001-1200(1001-1200)同志社大学
1001-1200(801-1000)京都工芸繊維大学
1001-1200(801-1000)九州工業大学
1001-1200(1001-1200)名古屋工業大学
1001-1200(1001-1200)埼玉大学
1001-1200(1001-1200)東海大学
1201-1400(1201+)青山学院大学
1201-1400(1201+)近畿大学
1201-1400(新たにランクイン)関西学院大学
1201-1400(1001-1200)明治大学
1201-1400(1001-1200)立教大学
1201-1400(1201+)芝浦工業大学

山梨県子ども支援事業 「学習・生活支援の場」を文理学院が開設

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社、株式会社 文理学院(山梨・都留、小倉 勤 代表取締役社長)は、2022年5月16日(月)から山梨県内9町村(市川三郷町・忍野村・昭和町・鳴沢村・南部町・西桂町・身延町・富士川町・富士河口湖町)に無料の「学習・生活支援の場」を開設した。(株)文理学院は、「令和4年度山梨県子どもの学習・生活支援事業」の担当に決定した。

 2022年5月16日(月)より(株)文理学院は、山梨県内9町村に「学習と生活支援の場」を開設した。週1回、文理学院の教師が各町村の会場へ出張し、主に中学生の学習指導や生活相談にあたる。時間は19時から22時の3時間。年間35回の実施を予定している。
 子どもたちは自由に勉強することができ、教師に質問もでき、進路相談もできる。また、年1回以上の個別面談と、年2回の保護者アンケートを実施する。さらに、子どもたちは日常生活・学校生活での悩み相談をすることもできる。

詳細は下記URLへ
https://www.bunrigakuin.com/05learning_support.php

京進が日本初となる海外大学進学準備校を2023年2月に開校

 学習塾や日本語学校、英会話教室などを全国的に展開する京進は、オーストラリアの公立大学附属教育機関と提携した進学準備校(ファウンデーションコース)を、2023年2月に開校する。海外大学附属のファウンデーションコースは、日本で初となる。

京進が提携した濠州・シドニーに本部を置く
ニューサウスウェールズ大学(UNSW)

 キャンパス名は「UNSW Foundation Studies Program Kyoto Campus」。提携先はシドニーに本部を置くUNSW Globalで、その母体であるUNSW(ニューサウスウェールズ大学)は、最新のQS世界大学ランキング(2022年6月8日発表)で45位、QS世界大学就職力ランキングで29位、オーストラリアトップ8大学の一つという名門だ。
 通常、オーストラリアの大学へ進学する際は半年ほどの空白ができるが、今回開校する日本校は2月にスタートするため、そうしたことが生じない。
 また、慣れない土地での生活となる留学1年目は負担が多く、挫折するケースが少なくない。その点、1年目を日本国内で修了できるのは大きなメリットとなるだけでなく、1年目の現地滞在費を抑えられるのも利点だ。
 キャンパスは、京都市内のホテルにオープン。1期の定員は20名程度で、1年間で2期開講(最大40名)を予定している。2022年6月から学生募集をおこない、来年2月から9カ月、基礎課程を提供する。
 プログラムは日本からの留学生に人気の高いCommerce(商学)分野を予定していて、修了後は経済学や経営学、商学などの専攻分野で学士を取得することとなる。
多くの学生がUNSWへ進学することが見込まれるが、それ以外の海外の名門大学に希望があることも想定し、京進ではサポート体制を準備している。
 また、今後は京都以外のキャンパス開設も検討しており、京進としてはトップクラスの海外大学進学希望者に道を広げていきたいとしている。

教育サービス業界 企業研究Vol.115 株式会社 花形

大学受験の先を見据える総合型選抜専門塾の旗手 株式会社花形

 総合型選抜を取り入れている大学が増加している。例えば、私立大学の実施率は平成31年と令和2年を比較すると、84.0%→90.8%※になっている。市場という視点でも拡大している総合型選抜だが、この入試に早くから注目し『総合型選抜の専門塾AOI』を展開する株式会社花形は、これまでの画一的な観点では測れない力を問うこの入試に新たな可能性を見る。※文部科学省:令和3年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要

本当にやりたいことは何か?

 株式会社花形が展開する『総合型選抜専門塾AOI』。この塾の背景にあるのは、自身にとって、本当にやりたいことは何か? 将来何をやりたいか?という問いだ。
「これは総合型選抜の本質的な問いだと思います。今まで大学受験が教育のゴールと捉えられていたように思います。しかし、生徒の今後の人生を考えたときに、自分がやりたい領域で自分らしく輝いていける子供たちをもっと育てていかないといけない。それを可能にする塾としてAOIを作りました。また、AOIの思想は、大学入試制度改革、高大接続改革などの本質とマッチしていると思っています」と、株式会社花形代表取締役の小澤忠氏は語る。

株式会社花形 代表取締役 小澤 忠 氏

強みはコンテンツと人

 AOIの強みはコンテンツと人。コンテンツはカリキュラムの中心にある動画教材も含めて全てオリジナルだ。 カリキュラムは、探求プログラムと受験プログラムにわかれる。場合によると、集団授業の形で行い、例えば時事問題を題材にディスカッションをしたり、グループディスカッションをしたり、塾では珍しいフィールドワークも行う。
 自己分析も重要な要素だ。生徒が自身の価値観を明確にし、自分がやりたい領域、社会課題や学術、興味分野に対して方向性が見えてくると、志望理由書を作り上げていくフェーズに入る。これらは全て体系化され、独自のカリキュラムの中に組み込まれている。
 資格試験対策も用意。例えば英検やTOEICなどの対策講座も備える。
 また、生徒がやりたいことから将来何をしたいのかを逆算して、活動実績のアドバイスも行なっている。

 小論文のトレーニングは通年で行われる。大学別の対策や課題文型小論文の対策も用意しているのも強みの一つだ。
 そして、これらのカリキュラムを支えるのがメンターだ。
 AOIでは、一人の生徒につき一人のメンターを専属につけない。生徒一人一人興味・関心は違う。そのため、生徒の一つ一つの興味・関心がある分野ごとに専門知識のあるメンターがフォローする。その上で、「こうすることで、誰に話しても大丈夫という心理的安全性がある環境が作れます。自己分析をしたものは、正直色々な人には話したくはないと思いますが、色々なメンターと接することで一体感が生まれ、話しやすくなります」と小澤氏はその効果について語る。
 また、生徒だけでなく大学生のメンターを含め、繋がりは強い。毎年一つのコミュニティが作られる。卒塾後、何年も経っているのに、校舎に気軽に遊びに来る卒塾生も多く、大学生になって、就職活動など新しいフェーズに入る様なときなどにも連絡がくるそうだ。ある卒塾生は、今、同社で学生の身でありながら正社員として働いている。

総合型選抜専門塾AOI 京都校

教育のあり方を変える

 この2 月、花形はA O Iで培ったノウハウを形にした『AOI HUB』と『QuickCheck』の展開をスタートさせた。特に前者は塾向けのコンテンツで、これを導入することで、総合型選抜対策専用カリキュラムの設置が可能になる。「地域密着型で地域から信頼をされている塾は数多いです。一方で、地方では総合型選抜自体の認知が少なく、その対策の仕方がよく分からないところも多いと聞いています。その格差をなくすことを目的に、AOI HUBを作り、学習環境に左右されることなく対策講座の提供を可能にしました」と小澤氏は説明する。つまり、AOI HUBを利用することで、自塾の強みを生かしつつ、あらやる入試に対応でき、生徒の選択肢を増やすことができるのだ。
 しかし、総合型選抜はまだまだ誤解が多い。生徒や保護者はもちろん。高校の先生や塾の先生も同様だ。

「生徒たち自身、自分が総合型選抜に向いているのかわからない場合が多いです。ある生徒はテイクアウトして冷めてしまったフライドポテトを食べた時、揚げたてと塩味の感じ方に変化があることに気づいたそうです。そこで、調理法ごとの塩味の感じ方の変化を研究し、それを自主研究として大学に提出しました。それが実績の1つになり、栄養系の学部に合格したのです。あるいは面談に来て初めて自分が総合型選抜において評価される資格や経験を持っていることに気づかれる生徒さんや親御さんも多いです。」と小澤氏は語る。だからこそ、花形は総合型選抜の啓発も進めている。最後に小澤氏は語った。

「私はこのAOIが、日本の教育のあり方を変える存在になると思っています。特に偏差値という概念がないのが、総合型選抜の一番のポイントです。そもそも個性やポテンシャルは、偏差値的では測れないわけです。ハーバード大学には偏差値がなぜないのかという話と一緒なのですが、個性や生徒一人一人の得意なことに特化して、量産型ではないその子らしい人生にアプローチをしていきたい。その延長で、AOIが出てきたことで、日本の教育は変わったよねと言われるようになりたいと思います」

企業データ

株式会社花形
株式会社花形 代表取締役 小澤 忠 氏
事業内容
創 業:2017 年3月
資本金:375 万
本社所在地:〒600-8099 京都市下京区上柳町325
URL:https://hanagata.co/

学研 トルコで現地法人設立 中東地域に学研のSTEAM教育を展開

 株式会社学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社、アイ・シー・ネット株式会社(埼玉、百田顕児 代表取締役社長)は、2022年4月にトルコのイズミールに現地法人「Gakken Turkey Innovative Education A. S.」を設立した。Gakken Turkeyは、トルコを拠点として、中東地域に学研のSTEAM教育を展開する。

 トルコを始めとする中進国では、以前より、農業から工業への産業移行に伴い、高度産業人材の育成が重要な課題だ。更に、イラクやサウジアラビア等の周辺国は、石油を基幹産業としているが、脱炭素社会に向け再生可能エネルギーの開発が重要政策となり、科学技術人材の育成が急務となっている。

 学研グループは、中東地域の小中学生を対象に、国の産業を担う人材を育てるべく、STEAM教育を展開する。学研グループは、祖業である学習雑誌「科学」「学習」をはじめ、科学の分野に長年の実績があり、現在も科学実験教室やプログラミング教室を全国の塾や小学校で展開している。こうした学研のSTEAM教材を、アイ・シー・ネット/Gakken Turkeyが主体となり、トルコを中心とした中東地域で展開していく。アイ・シー・ネットは過去30年、政府開発援助を通じ、初中等教育、技術教育・職業訓練などの分野で、開発途上国での人材育成や能力開発を行ってきた。そこで培った研修や教材開発のノウハウを活かし、科学実験教室やプログラミング教室の現地トレーナー育成及び教材のローカライゼーションを進めている。すでにイラクでは日揮グローバル株式会社と共同で、科学実験教室を展開している。

 これまで学研は、日本国内及びアジア地域で主に展開してきたが、アイ・シー・ネットのノウハウを活かし、新たに中東地域への歩みを始める。中東地域は元々教育に熱心な国が多く、本事業を支持する企業や学校が、既にトルコとイラクで現れている。彼らに質の高い教育サービスを提供し、中東地域での学研ブランド確立を目指していく。
 近い将来には、初等教育だけではなく、幼児教育、更には、アイ・シー・ネットが政府開発援助で支援してきた高等専門学校、大学、社会人まで対象の幅を広げていく。幼児教育では、ブロックやプログラミングカーなどの知育玩具の販売、また、大学や社会人に対しては、より専門的な技術教育や、実践的な技術習得に結びつくファクトリーオートメーション研修などを行う予定。子どもから大人まで一気通貫で、高度産業化に則した人材育成に取り組む。

新会社概要

・名称: Gakken Turkey Innovative Education A. S.
・所在地 : Bestekar Yusuf Nalkesen Sk. No. 30, Tulvent apt. Kat 5, daire 17, Bostanli, Karsiyaka,
Izmir 35590 Turkey
・代表者: 伊藤 拓次郎
・設立年月 : 2022年4月

東京大学 生産技術研究所 インタースペース研究センター 豊田研究室が「ゲームAI」「BIM」「NFT/ ブロックチェーン」を核とする研究体制構築を完了

 東京大学 生産技術研究所 インタースペース研究センター豊田研究室は、5月1日より施井 泰平氏(スタートバーン株式会社 代表取締役)をリサーチフェローに迎えることで、これまで目指してきた「ゲームAI/ゲームエンジン」、「BIM」、「ブロックチェーン/NFT」の3つの核をベースとした「3領域連携」の研究体制が整ったことを発表した。今後、様々な分野での活用が期待できるため、学内外に幅広く連携を募っていく。4月1日より三宅 陽一郎氏(株式会社スクウェア・エニックス AI部ジェネラルマネージャー、リードAIリサーチャー)、石澤 宰氏(株式会社竹中工務店 設計本部アドバンストデザイン部コンピュテーショナルデザイングループ長)がリサーチフェローに着任していたが、ブロックチェーン並びにNFTを活用した事業を幅広く手掛け、国内でも有数の知見を有する施井 泰平氏がリサーチフェローに加わえ、センターの特色である「ゲームAI/ゲームエンジン、BIM、ブロックチェーン/NFT」の「3領域連携」が実現し、世界に先駆けた研究を進めていく。

3領域の研究意義

 BIM/GIS分野では、社会実装が先行する、セマンティクス記述に特化したデジタルアーキテクチャ(都市OS等)に対し、実空間のデジタル記述に特化した先行実装領域(建設、土木由来の静的体系)としての研究意義がある。GIS、BIM、点群、ボクセル、ゲームエンジンなどの領域と、位相幾何学的な解析空間、シミュレーションやデータアーカイブ化などの、産業領域ごとに異なる記述仕様を繋ぐ体系づくりと、その基準骨格としてのBIMおよびGISという位置づけを目指す。

 ゲームAI/ゲームエンジン分野では、多様なエージェント視点で、可読かつ可変な環境をリアルタイムに記述することができるゲームエンジン・ゲームAIの特性を活かし、現実世界のデジタル記述とIoTプラットフォームとの連携により、ゲームエンジンの特性およびアーキテクチャが実空間で活用できる可能性を研究する。パス生成などを扱うスパーシャルAI、全体を制御するメタAI、あるいはキャラクターAIが、連携して行為空間を生成、制御することを、バーチャル空間において市販・通信ベースでの実装を目指す。

 NFT/ブロックチェーン分野は、アイテムのみでなく、デジタル環境や行為などの記述を通した流通やNFT化などの価値化領域において特に重要視している。あらゆるモノや行為がデジタル記述されることが標準化された世界での、データの流通と価値化の可能性を開拓することで、ゲームエンジンをもとにしたコモングラウンドの体系構築と実装に向けて、関連分野を横断する有識者とともに研究を進めていく基盤づくりを進める。

黒板アートの全国大会「日学・黒板アート甲子園2022」大会サイトが公開

 黒板-ホワイトボードメーカーの日学株式会社(東京・品川区、吉田朋弘 代表取締役社長)は、大会設立から通算8回目となる、中学・高校生が対象の黒板アートの大会「日学・黒板アート甲子園®2022」の応募要項、開催部門など詳細を発表した。

 SNS上の黒板アート作品に魅了され、「大人としてしっかり評価して後世に残してあげたい。黒板メーカーとして何かできないか?」という想いでスタートした日学・黒板アート甲子園Ⓡ。2015年のプレ大会からコロナ禍の時期も継続し、4部構成に発展して8回目の大会を開催する。

<開催概要>
■ 募集要項
大会は、メイン大会(黒板アート・高校生対象)、ジュニアの部(黒板アート・中学生対象)、白板の部(ホワイトボードアート・高校生対象)、動画の部(黒板アートにちなんだ動画・高校生対象)の4部構成で実施。

■ 応募対象

日本全国の高等学校・高等専門学校、中学校1年から3年に在学する者、2名以上のチームで制作した黒板アート作品。白板の部、動画の部の応募対象及び、各部の詳細は大会サイトの大会要項へ。

■ 作品応募期間
2022年7月4日(月)~9月2日(金)

■ 応募方法
大会サイト内の応募専用フォーム(7月公開)にてエントリー

■ 表彰
結果発表 2022年10月上旬
各部の最優秀賞1作品、優秀賞、入賞のほか、全37の表彰、総額150万円相当の表彰記念品(図書カード、日学株式会社の黒板・ホワートボード)を予定

■協賛
日本白墨工業株式会社、大洋株式会社、ぺんてる株式会社(白板の部)

黒板アート甲子園作品集第2弾発行決定

2022年12月に日東書院本社から第2弾を発売する予定。

メイン大会(黒板アート高校生) 最優秀賞 静岡県立浜松大平台高等学校(静岡県) 大平台高校Aチーム・7人 「冬の幾何学」

メイン大会(黒板アート高校生) 最優秀賞 静岡県立浜松大平台高等学校(静岡県) 大平台高校Aチーム・7人 「冬の幾何学」
白板の部 最優秀賞 静岡県立浜松大平台高等学校 まじかる☆ついんてぇる・5人 「Alice is in battle now ~只今アリスは戦闘中!~」

「日学・黒板アート甲子園Ⓡ2022」公式大会サイト