Archive for: 9月 2021

学校向け『スタディサプリ』がMicrosoft 365と連携 Microsoft アカウントでのログインが可能に

 株式会社リクルート(東京・千代田区、北村 吉弘 代表取締役社長)が提供するオンライン学習サービス『スタディサプリ』は、学校の先生向けサービスにおいて、Microsoft 365との連携を開始した。これにより、Microsoft 365などのマイクロソフトのクラウドサービスを導入している学校において『スタディサプリ』へMicrosoft 365のアカウントでのログインが可能となる。

■機能連携の目的と概要
 これまでリクルートは、学校向けに提供している教職員向けの機能『スタディサプリ for TEACHERS』を通し、学習を児童・生徒頼りにするのではなく、宿題配信や進捗管理、先生からの学習の伴走・サポート、よりよい指導の実現を目指しサービスを提供してきた。高校を中心に導入が進み、全国約5,000校のうち2,998校で導入されている。
『スタディサプリ for TEACHERS』はMicrosoft 365のアカウントとID連携が可能となり、Microsoft 365などのマイクロソフトのクラウドサービスを使用している学校において『スタディサプリ for TEACHERS』へMicrosoft 365のアカウントでのログインが可能となる。
『スタディサプリ for TEACHERS』は、2020年11月にGoogleが提供するGoogle Workspace for Educationとも連携をしており、今回のMicrosoft 365との連携によって、学校現場でご利用いただいている先生のID管理の手間が省け、利便性がさらに向上する。

学校教育用パーティション、長崎大学の研究グループが開発 折り畳み、持ち運び可能

 長崎大学の研究グループは、新型コロナウイルス感染拡大を受け、飛沫感染を防ぐ学校教育用パーティションを開発した。開発されたパーティションは、簡単に設置でき、折り畳み可能で軽くて持ち運びができる。授業中やマスクを外す給食時時に使用し、児童生徒の学びの場の保障と健康・安全の両立を目指す。
 長崎市の総合商社「東洋産業」によって製品化され、販売。小学校低学年用は高さ60cm、幅60cm、奥行き30cm、重さは約1.2キロ。全面アクリル板。両側のバンドで机に簡単に固定でき、滑り止めで落下を防ぐ。9月中に長崎大付属小に150台先行導入し、今後は、公立小中、高校や保育園、幼稚園、放課後児童クラブなど多くの教育機関に、開発したパーティションの利用を促すという。

 パーティションは、同大教育学部の峰松和夫教授と坂口大作教授らの研究グループが共同開発。数値流体力学による実証実験で、学習机に設置したパーティションの高さが口元から20cm以上あると、流出する飛沫の量が少なくなることを確認し、開発に活かされている。

駅前留学NOVA、「英会話リンゲージ」を事業譲受

 NOVAホールディングス株式会社(東京・品川区、稲吉 正樹 代表取締役社長)は、全研本社株式会社(東京・新宿区、林 順之亮 代表取締役社長)が運営する英会話スクール事業「英会話リンゲージ」を、2021年10月1日付けにて譲受する契約を締結したことがわかった。

 NOVAホールディングスは、英会話スクールの「駅前留学NOVA」や、全国に1100校を展開する個別指導塾の運営など、教育事業を軸に地域社会の発展、また子供たちの未来のために「共存共栄」をモットーに挑戦している。グループ全体のノウハウと、全研本社株式会社が40年以上に渡り積み重ねてこられた教育メソッドとのシナジー効果により、更なる事業の発展、成長に繋げるべく、事業譲受に至った。今回の事業譲受は、グループの主力である英会話スクール事業のシェア拡大と、企業価値の向上へ繋がると考えている。

■事業譲受の内容
英会話スクール事業「英会話リンゲージ」の運営を引き継ぎ、受講生の皆様にサービスを引き続き提供する。

■事業譲受日
2021年10月1日

探究型学習カリキュラムを取り入れた民間学童、「ユレカ アフタースクール」が東陽町に開校

 株式会社ココピア(東京・新宿区、森島 聖 代表取締役)は、2021年9月1日(水)より、世界各国の探究型学習を取り入れた民間学童「ユレカアフタースクール」を開校した。

 ユレカ アフタースクールは、子育て家庭のニーズに合わせた長時間の預かりや送迎といった、民間学童が提供する基本的なサービスに加え、世界の教育現場で行われている探究学習カリキュラムを日替わりで提供。読み書き計算といった従来の学びで伸びる認知能力だけでなく、これからの時代に重要とされる、社交性や協調性、やり抜く力といった非認知能力を育むことを目指す。

 情報化社会を迎えた現代は、 VUCAと呼ばれる、変化が大きく、複雑で予測の難しい時代です。そんな時代を生き抜くスキルを育むために注目を集めているのが、探究型学習だ。
 探究型学習は、学習者にとって身近な問題を題材に、主体的に学びを深めていく学びのスタイル。日本でも探究型学習は広がりつつある。


【URL】https://eureqa.jp/

探究カリキュラム詳細

・ノルディックアート
 北欧の美術館で行われているワークショップから着想を得た、アートカリキュラム。決められた絵を描く、物を作るといった狭い範囲のアートではなく、自己表現としての広義のアートを学ぶ。
・カルチャー&ダイバーシティ
 国内外の多種多様な価値観や文化を学ぶカリキュラム。時にはゲストを招くなどし、さまざまな考え方・違いを受け入れられるようになることを目指す。英語の発音練習や英会話も行う。
・Social Emotional Learning(情動教育)
 自己肯定感を高め、自分の感情のコントロール方法や他者とより良い対話をするスキルを学ぶ。
・STEM的思考
 単純な算数やプログラミングの教材を解くだけではなく、ものづくりやプログラミングに必要な思考力を伸ばすことを目指す。
・クリエイティブスポーツ
 メジャースポーツのみならず、マイナースポーツにも目を向け、スポーツ本来が持つ魅力や身体を動かす楽しさを味わう。自分の思ったとおりに身体を動かす方法や、スポーツの戦術についても学ぶ。

【体験会の日程】
体験会では「ノルディックアート」、「カルチャー&ダイバーシティ」の2つの探究カリキュラムを体験することが可能。同時に保護者向けの説明会も開催する。

■ノルディックアート
・ 9/12(日)10:00~、13:00~
・ 10/2(土)10:00~、13:00~
・ 10/3(日)10:00~、13:00~

■カルチャー&ダイバーシティ
・ 9/25(土)13:00~、15:00~
・ 9/26(日)13:00~、15:00~
・ 10/9(土)10:00~、13:00~
・ 10/10(日)10:00~、13:00~

【体験会の予約について】
体験会予約開始日:2021年9月1日
体験会予約方法:下記サイトのお問い合わせフォーム、もしくはお電話・メールにてご予約ください
・ホームページ:https://eureqa.jp/
・電話番号:03-6458-4165(平日13時~18時)
・メールアドレス:eureqa-as-info@cocopia.jp

施設概要

名称:ユレカ アフタースクール所在地:〒135-0016 東京都江東区東陽4丁目6-17 TSビル2階
アクセス:東京メトロ東西線「東陽町駅」徒歩1分
提供サービス:日替わりの探究カリキュラム、送迎サービス、延長預かり

【会社概要】

会社名:株式会社ココピア
所在地:東京都新宿区左門町13-6 磯部ビル5F
代表者:代表取締役 森島 聖
設立:2018年1月
URL:https://cocopia.jp/
事業内容:
精神障害を抱える方の就労支援、人材紹介、教育、メンタルヘルスに関する研究・調査

モデルナ製ワクチン 異物はステンレス製の製造部品の破片

 モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの日本での流通を担当する武田薬品工業は9月2日、ワクチンの一部から異物がみつかった問題で、製造工程で金属片が混入したとする調査結果を公表した。原因は部品の設置ミスと見られ、使用を見合わせているおよそ160万回分のワクチンは2日以降すべて回収される。武田薬品は「安全性に問題はない」と説明した。

 先月中旬以降、全国の複数の接種会場でモデルナの未開封のワクチンの容器の一部に粒子状の異物が混入しているのが見つかった。

 製造工程で、部品どうしが設置ミスによって接触し摩擦で削り取られて混入した。

 厚生労働省は、全国901の会場に配送された、異物混入が報告されたロットと、同時期に同じ生産ラインで作られた2つのロット、合わせて162万回分のワクチンの使用を見合わせた。

■対象ロット
▽3004667
▽3004734
▽3004956

 自治体や政府が設置した大規模接種会場が77か所。厚生労働省は、このうちすでに接種に使用していたことが確認された55か所をホームページで公表しています。

 職域接種の824会場については当初、公表していなかったが、接種で使用したことが確認され、かつ了承が得られた268会場を新たに公表した。

学研 脳と身体の健康に注力した情報を提供 専門家による健康促進サイト「健達ねっと」を開設

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川区、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社のメディカル・ケア・サービス株式会社(埼玉・さいたま市、山本 教雄 代表取締役社長)は、2021年9月1日に脳と身体の健康促進サイト「健達ねっと」を開設した。

 日本における65歳以上の認知症の人の数は2025年には約700万人、高齢者の約5人に1人が認知症になると予測され、世の中の認知症に対する関心は高まっている。しかし、認知症に関する情報をインターネット上で必要なだけ収集しようとすると、膨大な時間と労力がかかる。

 メディカル・ケア・サービスは、認知症ケアを20年にわたり先導してきた会社として、認知症に関わる情報を一元的、かつ一般の方々にもわかりやすく提供していくためのサイト「健達ねっと」を開設した。在宅介護をしている家族や自身の健康が気なる方々が脳と身体の健康の観点からサイトにアクセスし、自分が知りたい情報の他に、認知症の情報にも触れ、認知症を自分ごととして捉えてもらいたいと思っている。

  • 健達ねっとについて

 各分野における脳と身体の健康情報だけでなく、認知症についての知識やMCSが取り組んでいる自立支援ケアを掲載している。これからの自分や家族のために必要な情報をわかりやすく紹介することで、健康促進と認知症への理解を深めるきっかけを提供していく。

◆対象者

・ 在宅介護をしている家族
・ 自身の健康が気なる方々

◆注目コンテンツ

・開設記念
アルツハイマー病の世界的名医である 順天堂大学医学部 名誉教授 新井 平易 医師と 当社代表取締役社長 山本 教雄との対談

・ 学研の教育分野で貢献されてきた著名な先生方のインタビュー

・ MCSが取り組んでいる自立支援ケアの在宅介護向けノウハウ

◆コンテンツ一覧

・ 医師や大学教授による「Doctor’sコラム」
・ 各分野における先駆者を紹介する「達人探訪記」
・ 専門家とのタイアップ企画「達人シリーズ」
・ わかりやすい解説と知識を身につける「認知症を知る」
・ 健康のための情報を得る「健康の達人」
・ MCSの取り組みを知る「介護の達人」 

池袋暴走母子死亡事故 ブレーキとアクセルを踏み間違え認定 禁錮5年の実刑判決

 東京地方裁判所は9月2日、2019年、東京・池袋で車を暴走させ、母子を死亡させた事故で、過失運転致死傷の罪に問われていた、旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に対し、「ブレーキとアクセルを踏み間違える過失があった」と認定し、禁錮5年(求刑禁錮7年)の実刑判決を言い渡した。

 事故は、2019年4月19日、東京・池袋で車が暴走し、横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が亡くなり、9人が重軽傷を負った。

 検察は事故から約10カ月後の20年2月、「ブレーキと間違えてアクセルを踏み続けたことに疑いの余地はない」として飯塚被告を在宅のまま起訴した。法律の上限にあたる禁錮7年を求刑した。

 これに対し、被告側は「アクセルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が生じ暴走した」と無罪を主張していた。

 2日の判決で、東京地方裁判所の下津健司裁判長は、事故原因について「ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ過失がある」と被告の過失を認定した。この日は一般傍聴席22席に対し、563人が傍聴券を求めて並んだ。

 母親と子供の命が失われたこの事故は、高齢ドライバーの問題が改めて注目されるきっかけとなり、事故があった2019年は高齢者を中心に運転免許を自主的に返納した人が過去最多となるなど、社会に大きな影響を与えた。

4月~7月の売上、前年と比べて55.9%が増加

全国学習塾協会が、学習塾の4月~7月業況調査結果を公表

 公益社団法人全国学習塾協会は、2021年4月から7月までの学習塾の業況を調査し、その結果を公表した。現在の学習塾の状況や今後の見通しを含め、新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを乗り切るための学習塾の取り組みが見える。

 今回、調査に応じた事業者の規模は、1事業所が75.1%、2~10事業所が16.9%と10事業所までの事業者が全体の約9割を占めている。

 新規問い合わせ数は、前年同期間(4月~7月)と比較し、42.4%が「増加した」と回答。その中の約6割が0~20%問い合わせが増加したと答えた。また約2割が、51%以上増加したと答えている。

 一方で、24.3%が新規問い合わせが「減少した」と回答。その約5割は、0~30%問い合わせが減少していると答えた。また、約3割は51%以上減少したと回答している。

 同協会は「感染症のデルタ株への置き換わりが急速に進んでいる状況下から、今後は減少してしまうことも危惧される」とコメント。

 1教室あたりの在籍生徒数は、全体の半数以上(52.0%)の学習塾が「増加した」と回答。その約6割が、0~20%増加している。一方で、1教室あたりの在籍生徒数が「減少した」と回答した学習塾(29.4%)の減少割合は、0~30%が全体の約8割を占める。

 売上は、前年同期間(4月~7月)と比べて、55.9%が増加したと回答。続いて26.6%が減少、変わらないが17.5%だった。

 売上が「増加した」と回答した学習塾の増加割合は、0~30%が全体の約7割を占めた。また、約2割は51%以上増加したと回答している。

 売上が「減少した」と回答した学習塾の減少割合は、0~30%が全体の約8割をしめた。

 保護者が希望する指導方法についても聞いている。

 対面授業を希望する保護者の割合は8割を超え、対面授業のニーズが根強い。一方で、現在の自塾の指導形態について、全体の半数以上の学習塾がすでにオンライン授業を活用または併用していることがわかった。

 同調査では、夏期講習で工夫していることや2学期に向けたアイディア等についても聞いている。

  • 学校授業のペースに不安を感じるご家庭が多く、徹底教科書準拠のフォローレッスンと模試対策を実施。
  • 全国的な感染拡大に備え、明日からでも完全オンライン授業に切り替えられるよう準備した。
  • 家庭でも塾でも場所を問わず学習を進められる体制を構築している。

 などの意見が挙がった。コロナ禍における学校の学習進捗や学習環境の整備を積極的に行っている声が多かった。

 

 一方で、「オンライン授業に拒否反応を示す保護者もおり、どんなアイディアが通用するのか悩んでいる」といった意見もあった。

調査主体:公益社団法人全国学習塾協会

調査期間:2021年8月18日(水)~2021年8月27日(金)

調査対象:学習塾事業者

回答件数:177件

【学習塾事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン】

 同協会では、「学習塾事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を策定・公表し、感染症対策に必要な対応と参考情報を提供している。

【これまでの業況調査はこちらから】

・2020年4月~7月

・2020年8月~12月

・2021年1月~3月

琉球大学・中央大学・沖縄工業高等専門学校 AIで新型コロナウイルス感染症に関連する遺伝子群を特定

発表概要
 琉球大学工学部宮田龍太助教、中央大学理工学部田口善弘教授、沖縄工業高専門学校生物資源工学科池松真也教授らの共同チームが、COVID-19(新型コロナウイルス)に関連する遺伝子群約6万個の候補の中から123個をAI技術を用いて特定した。さらに、これら123個の遺伝子の発現を上流で制御する因子をバイオインフォマティクス(注1)の知識を活用し特定した。今年の3月に大学院理工学研究科博士前期課程を修了した藤澤孝太氏の修士論文テーマであった本研究成果は、Nature Research社から刊行された国際誌「Scientific Reports」のオンライン版に8月30日に掲載された。
 特定した転写因子(注2)には防御システムの要であるNF-κB(図1のNFKB1とRELA)が含まれており、さらにそれらの活性がヒストン修飾(注3)で抑制されていることが解析結果から示唆され、新型コロナウイルス感染症によりヒトの免疫系機能が低下するメカニズムの一端を明らかにした。この中で、池松教授は、このNF-κBの絞り込みとヒストン修飾と遺伝子発現抑制の関連の意味づけにおいて貢献した。

 いま世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症の全容を解明し、効果的な治療法を確立するには、臨床試験だけでなく本論文のようなゲノムデータ解析をはじめとした多様な病態解析で知見を積み重ねる必要があり、今後チームは重症化や変異株に関連する遺伝子を探索していく予定だ。
 

発表内容池松教授(沖縄高専)の貢献
 バイオインフォマティクスで作業のゴールに到達するためには、コンピューターやAIを用いて遺伝子群を特定する作業とその特定された中から、その遺伝子の役割を理解し、COVID-19ウイルスによる症状が発症する際のヒトで起こる症状などから各遺伝子を関連づける作業の2つが重要になる。
 池松教授は、今回の解析作業の後者を担当し、AIが選び出したNF-κBの絞り込みとヒストン修飾と遺伝子発現抑制の関連の意味づけにおいて貢献した。
 NF-κBは転写因子と言って、タンパク質の設計図であるDNAをRNAに写し取る働きをするタンパク質。
このNF-κBの働きが盛んになり、細胞の核の中で指示を出し始めると様々なタンパク質が作り出されることになる。
 生体内での防御機能を担当しているNF-κBはいくつかのユニットが集まり1つの形になっているが、RELAはそのユニットの1つであり、私達がCOVID-19ウイルスに感染すると、このRELAが“ヒストン修飾”という妨害を受け、1つのユニットが欠けることでNF-κB全体が十分に作用することができなくなってCOVID-19ウイルスの増殖を抑える役割のタンパク質群の出番が邪魔され、免疫機能の低下につながっているのではないかという推測につなげた。
 池松教授は、沖縄県の委託事業である「健康・医療産業における情報技術活用促進事業」を長年にわたり運営し、県内や県外から沖縄に進出した企業の研究員や大学院生などにバイオインフォマティクスの普及を行っている。その活動から藤澤氏のような人材や高等専門学校生のバイオインフォマティクス技術者の卵が育っている。
 池松教授は、日本バイオインフォマティクス学会の沖縄地域部会長も務めている。

社会的意義・今後の予定
 一連の解析で、新型コロナウイルス感染症によりヒトの免疫系機能が低下するメカニズムの一端を解明できた。
 しかし、今回特定できた123個の遺伝子群に単なる相関関係に留まらずCOVID-19発症の「因果」と呼べるものが含まれているかどうか、更なる検証を重ねる必要がある。
 課題は山積みだが、COVID-19の効果的な治療法を確立するには臨床試験のみならず、バイオインフォマティクスをはじめとした多様な病態解析で知見を積み重ねていくことが重要だと著者一同は考えている。
 今回使用したデータは全て National Center for Biotechnology Information (NCBI) のGene Exression Omnibuns (GEO) から取得した。但し、そのデータセット量は充分ではなく、今後、日本人に関するCOVID-19の発症、重症化の大規模データをAIによる解析にかけ、可能であれば、標準種と例えばデルタ株のような株ごとの比較にまで発展させていきたいと考えている。また、現在沖縄高専が中核拠点として進行中のGEAR5.0 防災・減災・防疫プロジェクト(GEAR5.0:未来技術の社会実装教育の高度化)に融合し、学生目線のアイデアを導入することで、新しい治療法の提案や新薬の開発に貢献できるのではないかと考えている。

<用語解説>

  • (注1)バイオインフォマティクス:生命科学と情報科学の融合分野のひとつで、DNAやRNA、タンパク質をはじめとする生命がもつ情報をコンピュータで分析することで、生命現象を解き明かすことを目的としている。
  • (注2)転写因子:DNAに特異的に結合するタンパク質で、ある特定の遺伝子の転写(DNAの情報をRNAに写しとる過程)レベルを増減させる機能をもつ。
  • (注3)ヒストン修飾:細胞の核に存在するタンパク質であるヒストンはアセチル化やメチル化など様々な化学的な修飾を受けており、それが遺伝子発現制御に関与していると考えられている。


<論文情報>
論文タイトル
 PCA-based unsupervised feature extraction for gene expression analysis of COVID-19 patients
(COVID-19患者の遺伝子発現量解析へのPCAに基づいた教師なし学習による変数選択法の適用)

論文リンク先https://www.nature.com/articles/s41598-021-95698-w#article-info沖縄工業高等専門学校について

【学校概要】
 会社名:独立行政法人国立高等専門学校機構 沖縄工業高等専門学校
 所在地:沖縄県名護市字辺野古905番地
 代表者:伊原 博隆
 設立:2002年10月1日
 URL:http://www.okinawa-ct.ac.jp/
 事業内容:高等専門学校・高等教育機関

墨田区小学生が開発着手から2週間でスマホアプリをリリース

 東京都墨田区の小学6年生の中村正人くんは、スマートフォンアプリ開発教育事業を手掛ける株式会社セラピア(墨田区、田中 圭 代表取締役)の支援を受け、アプリ開発開始から2週間でスマートフォンアプリ「墨田区イズ=すみだくいず」をリリースした。セラピアと正人くんが知り合ったきっかけは、墨田区が今年6月に開催した区内産業を担う次世代人材育成のための「サブス区小学生スタートアッププロジェクト2021」に正人くんが応募したことがきっかけだ。以降、夏休みの自由研究としてアプリ開発のアイデアが持ち上がり、実際に動き出した。

 正人くんにとって初めてのスマホアプリ開発だったが、セラピアの講師の指導・支援の下、開発着手から2週間でiOSとAndroid用のアプリのリリースに至った。「墨田区イズ」の想定ユーザーは、近年、人口が増大する同区への転入者や、東京スカイツリー竣工をきっかけに同区に興味を持つ観光客など。正人くんはクイズを作るために墨田区長に直接インタビューを行っている。このアプリの内容は、継続してアップデートしていく予定だ。

<アプリの画面・イメージ>