文部科学省の教員養成系の国立大学の在り方を考える有識者会議は8月29日、国立大付属学校に学力テストに偏らない多様な入学者選考を導入するよう促す報告書を公表した。教員養成系国立大の付属校は教育や研究のために設けられており、本来は貧困家庭の子供や地方の複式学級に通う子供など、多様な子供の教育に成果を還元する必要がある。しかし現状は、付属校には学力の高い児童生徒が集まっている。そこに教育・研究の成果が十分に公立学校に還元されていないとの批判があったことも事実である。
夏期講習の生徒募集、そしてその9月継続は如何でしたでしょうか。間もなく年間で最も多くの生徒を抱える時期。同時に勉強の秋を迎える。入試本番に向け、準備怠りないことと拝察する。
本誌8月号「未之知也」文部科学省初等中等教育局教育課程課長(取材当時)合田哲雄氏へのインタビューを読まれた感想や如何に(後編は今号に掲載)。
20年度から順次導入される新学習指導要領について、読者諸兄は熟知されていると思われる。それに関する知識、抱いているイメージに比し、課長の発言はどのように映っただろうか。
筆者には驚きを禁じ得ない内容であった。
新学習指導要領にあるプログラミング学習やアクティブ・ラーニング等々に関する受止めとの差異である。筆者はこれまで、それら導入について、00年から始まった「総合的な学習の時間」開始時のデジャヴュを見ているように思えていた。お上からお達しはするが、具体的な方法は現場の創意工夫に任せる、と。幸い、現場教師の努力で乗り越えた。その結果は、PISAやTIMSSで示された。
新学習指導要領を熟すのも現場任せに映っていた。
しかし、課長発言は全く異なる。用意周到に準備されている。また、現場教師、管理職、地域住民へも、今後丁寧に説明していく、と言う。そうであれば、心配は杞憂に終わる。そう願いたい。
然るに、新学習指導要領導入に対する準備や如何に。文科省の動向を注視しつつ、ゆめゆめ準備を怠ること勿れ。
(如己 一)