Archive for: 10月 2016

新原理のコンピューター NTT・国立情報研などが開発

NTTや国立情報学研究所などはミクロな世界で起きる量子現象を利用し、新たな原理で計算するコンピューターを開発した。脳の神経細胞ネットワークのように全体が協調して動作し、問題の答えを見つけ出す。現在のコンピューターが苦手とする問題を、50倍の速さで解けることを確認した。2017年にも専門家が使えるようにし、有用性を詳細に確かめる。内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本喜久プログラム・マネージャーらの成果で、米科学誌サイエンス(電子版)にこのほど掲載された。

米AT&T、タイムワーナー買収 通信とメディア、ネット動画が消す境界

「世紀の合併」と言われながら失敗した米メディア大手タイムワーナーとネット大手AOLの統合から15年。そのタイムワーナーを通信大手AT&Tが約854億ドル(約8兆8600億円)で買収することで、米国で業種を超えたメディア再編がまた動き出した。背景にはスマートフォン(スマホ)を通じたインターネット動画の普及がある。通信とメディア業界の境界線はこれまで以上に薄まっている。

高校生6割、学習にICT活用

ベネッセ教育総合研究所(東京)が2015年に実施した「第5回学習基本調査」によると、高校生の60%が自宅などでの学習時にパソコンやタブレットなどICT(情報通信技術)機器を使っていることが分かった。使い道で最も多いのは、英語や国語、古典の辞書を使う(72%)で、調べ学習やリポートをまとめるための情報収集(66%)が続いた。わからないところをメールやチャットで友達に質問する(57%)も多かった。

新テスト、大学での採点に反対 私立大団体

平成年度に現32行の大学入試センター試験から替える予定の「大学入学希望者学力評価テスト」について、記述式問題の採点を各大学が行う案が出ていることに対し、日本私立大学団体連合会は10月19日、「複数大学を併願した場合、大学ごとに解答の評価に違いが生じる」と指摘、受験生に混乱を与えるとして反対する意見を公表した。新テストでは国語と数学に記述式問題を導入する予定だが、実施時期や採点時間の確保が課題だ。文部科学省が8月に示した複数案の一つが「テストを1月に実施し、各大学が採点する」との内容。

第3回討論会 クリントン氏勝利が52%、トランプ氏の39%上回る

11月の米大統領選本選に向けた大統領候補者による3回目のテレビ討論会が現地時間10月19日、ネバダ州ラスベガスで開催され、CNNとORCの調査によれば、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官が勝利したと考える視聴者の割合は52%と、共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏が勝利したとした39%を上回った。討論会では移民や経済、海外の紛争地、大統領としての適性など6つの論点について、それぞれ15分の議論を行った。

名実共にひとつとなった、奈良県の2つの学習塾

同じ県内で35年以上営んできたライバル同士の2つの学習塾が、この度、合併した。学習塾業界では少子化の波に巻き込まれ、ここ数年、合併の話には事欠かないが、今回の「合併話」は少し趣が違う。

10月1日に合併を果たしたのは、株式会社ケーイーシー(小椋義則代表)と株式会社アンドリュー(木村正泰代表)。ともに奈良県で多くの生徒を指導し、輩出してきた老舗の学習塾だ。今回の合併で、2つの会社が一つに統合し、代表取締役社長には小椋義則氏、それに伴い、アンドリューの創業者である木村正泰氏は勇退する。これだけ聞くと、ケーイーシーがアンドリューを飲み込んだような、ある種、ギスギスした印象にも取れる。ただ、去る10月14日に奈良ホテルにて催された、両社の経営統合をお披露目する場として企画された「結婚式」では、そんなマイナスイメージを払拭する、両社の思いが一つとなったハートフルな経営統合のお披露目の場となった。

この「結婚式」には学習塾・予備校や私学関係者を中心に全国から多くの列席者が集い、盛大に催された。

式では、各々の会社のマスコットキャラクターが、それぞれの社長に手を引かれて、新郎新婦として入場。続く「披露宴」では、一つになった両社の社員が歌や踊りを披露し、統合に至るまでの歩みを、演出にこだわった映像を使って紹介するなど、最後まで和やかな雰囲気の中、会が進んで行く。

挨拶をする小椋義則氏(左)と木村正泰氏(右)

挨拶をする小椋義則氏(左)と木村正泰氏(右)

会の最後に、両社の社員の社長となる小椋氏が心の内を語った。

「創業者である自分の父は突然亡くなったこともあり、自分自身が引退の花道を作ることが出来なかったことを今でも悔しく思っている。今回こそは木村社長を引退の花道を作りたいという思いもあり、この結婚式を企画した。」

経営統合でどちらがイニシアチブを取っているかを論ずるのは言語道断。人間大事の教育を企業理念に掲げ、子ども達の10年、20年先にも続く自信を育てることを使命とするケーイーシーグループを心から祝福したい。

高齢者の運動能力伸びる 75歳以上は最高 スポーツ庁公表

スポーツ庁は10月9日、体育の日を前に2015年度の体力・運動能力調査の結果を公表した。65~79歳の運動能力は6分間歩行、上体起こしなど6項目(60点満点)で測定。合計点は75~79歳の男性が35.64点、女性が35.19点、65~69歳の女性が41.91点で98年度をいずれも5点超上回り、過去最高になった。種目別では開眼片足立ちや6分間歩行などの成績が伸びるなど、高齢者の運動能力の向上傾向が鮮明になった。子供も改善が続いたが、30代の女性は低下傾向にある。

広域通信制 不正相次ぎ自治体が点検 再発防止になお課題

 国からの就学支援金詐欺や不適切な授業、提携先のサポート校からの編入学など不正が次々に明るみに出た広域通信制高校を巡り、文部科学省は実態調査を実施したうえでチェック体制を整えようとしている。ただ、それを担うことになる自治体には職員数などで対応に限界もあり、再発防止にはなお課題がある。

 広域通信制高校とは自宅学習を基本とする通信制高校の中で、3都道府県以上から生徒を集めている学校。1961年施行の改正学校教育法などで制度化され、全国105校に約10万人が在籍している。不登校経験者や帰国子女などさまざまな生徒を受け入れ「学び直し」の場にもなり、不登校が深刻な社会問題になった90年代には、高校側から依頼を受けて生徒の生活面も含め学習を支援する民間施設のサポート校との提携が増え始めたといわれる。だが、サポート校が学校教育法上の認可を受けておらず、教育面での法規制が及ばないケースが多いことから、提携や教育の実態は不透明だった。

教育再生で「学校・家庭・地域の役割分担」と「子供の自己肯定感改善」の2テーマ議論

松野博一文部科学相は10月7日の閣議後の記者会見で、政府の教育再生実行会議が新たに「学校・家庭・地域の役割分担と教育力の充実」と「子供の自己肯定感改善の環境づくり」の2テーマに取り組むと発表した。教師の長時間労働の改善や学校のサポート体制の在り方などを議論。日本の子供の自己肯定感は欧米と比べて低いとの調査結果があり、「自分に自信がないままではグローバル対応が難しい」として、状況を分析して改善策を検討する。

8月の経常黒字、9年ぶり高水準 原油安・円高で

財務省が10月11日発表した8月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は2兆8億円の黒字だった。前年同月に比べて23.1%増え、8月としては9年ぶりの高水準となった。前年と比べて原油価格が下がっていることや円高の影響で輸入額が大幅に減り、貿易収支が黒字に転換した。経常黒字は26カ月連続だった。黒字額を押し上げたのは貿易収支で、前年同月の3292億円の赤字から2432億円の黒字に転じた。