ゆうちょ銀行は無料とした同行利用者同士の送金手数料を、今年10月から9年ぶりに有料にする。月3回の利用までは無料のままにするが、4回目から1回あたり123円を徴収する。日銀のマイナス金利政策で資金運用の収益が細るなか、無料でサービスを続けるのは難しいと判断した。ゆうちょ銀は郵政民営化の際に、同行に口座をもつ人同士のATMを使った送金手数料を1回120円から無料にした。現在、大手銀行では原則108円以上の手数料がかかっている。ゆうちょ銀はより有利な条件をアピールして、利用者を獲得してきた。
日本経済新聞社がまとめた都道府県の職員採用調査で、首都圏でも受験申込者の減少が鮮明となった。東京都では2016年度の大卒・院卒の申込者が前年度比13%減。埼玉県は9%、千葉県も4%減った。秋の採用試験を控える神奈川県は集計対象外だが、6月の試験の申込者は6%減った。企業が旺盛な採用を続ける中、学生の民間志向が強まっているようだ。
東京都の大卒・院卒程度の採用予定者数は、前年度比4%減の1021人。これに対し、受験申込者数は13%減の1万2083人だった。競争倍率は11.8倍で、前年度より1.1ポイント低くなった。申込者が減った背景について、都人事委員会は「民間の採用状況がよいため」とみている。
社団法人グローバル教育研究所の提供する体験プログラム『地球村への10のステップ』の特別授業が7月から、駒込中学校・高等学校の国際教養コースで学ぶ高校1年生を対象に始まった。
同プログラムを開発したグローバル教育研究所の渥美育子理事長は、「世界経済のグローバル化が一気に進んだ1990年代、日本経済はバブルが弾け、日本人の目は国内のみに向けられてしまいました。結果、世界は国家間のやり取りを基軸としたインターナショナルな時代から、地球上に暮らす73億人の多様な人たちとの間でビジネスや文化的な興隆を図るグローバルな時代に移行したのに、日本人は未だにインターナショナルもグローバルも区別ができていません。日本人が真のグローバル化を実現するには、世界全体としっかり向きあうためのグローバルな視点を持つことが必要です。また、AかBのどちらかが正しいということではなく、AとB二つの対立軸を設定して全体最適思考を用いることや、世界73億人の多様な価値をしっかり把握すること、そしてマルチカルチュラルレンズ(複眼)で相手を理解し、自ら発信していく必要があります」と、同プログラムのコンセプトについて語る。
生徒たちは今後1年を通して、同プログラムを段階的に受講する。上野・寛永寺境内にあった「勧学講院」をルーツに持つ駒込中学校・高等学校は、比叡山研修を高校1年時に毎年実施するなど、仏教的な学びを通して人間教育を大切にしながらも、ICTの積極的な導入や、数多くの国際理解教育の実施など先進的な学習も採り入れている。
その中でも、国際教養コースでは海外留学をほとんどの生徒が経験するなど、グローバル教育を推進している。今回の『地球村への10のステップ』は、同コースで学び、世界で活躍が期待される生徒たちの知見を深めることを目的に導入された。
同校の河合孝允校長は、「将来、グローバル社会で活躍していきたいという子供たちのために導入を決めました。ここで学んだことを使って、自分たちのオリジナルな発信力を作っていくということを1年間行っていきたいと考えています」と話す。
7月12日に開かれた1回目の授業では、イントロダクションとして、グローバル教育研究所認定講師である井上創太講師のもと、「グローバル時代を生きる」をテーマに、日本が直面している危機、グローバルとインターナショナルの違いなどを、生徒たちはディスカッションを交えて学んだ。
「グローバル人材育成プログラムの中でも、もっともわかりやすく、もっとも体験的なアクティブラーニング型のプログラムになっています。このプログラムを広めた先に必ず多くのグローバル人材が輩出されると思っています」と、井上講師は言う。1年後、生徒たちがどのように成長し、日本と世界をどのような視野で見られるようになっているのか、今から楽しみだ。
全国ICT教育首長協議会の設立に合わせて記者発表会が、8月3日、秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区)でおこなわれた。この協議会は、昨年11月10日に開催された「つくば市ICT教育全国首長サミット」にて、未来の子供たちのために行政と教育委員会が連携してICT教育などの教育水準の向上と魅力あるまちづくりを推進するための 「ICT教育全国首長サミットつくば宣言」を採択したことに合わせて設立。全国94自治体がその趣旨に賛同している(8月3日現在)。
発起人代表として挨拶したつくば市の市原健一市長は、「子供達のため、日本の教育水準向上のために、ICTの制度充実を目指していきたい」と話した。
続いて、前文部科学省大臣政務官の堂故茂氏が、「学校間格差、自治体間格差をこのまま放置してしまうと大変な社会問題になってしまうと思います」と語り、国としても教育の情報化をしっかりと方向付けしていきたいと述べた。
また、2020年代に向けた教育の情報化の取り組みについて、文部科学省 生涯学習政策局情報教育課の磯寿生課長から、「ICT教育を全国的に展開していく観点から地域が一体となった取り組みが求められる」と説明し、同協議会には「その推進役としても期待している」と話し、「全国ICT教育首長協議会と手を携えて、成長戦略に掲げられている変革の時代に求められる教育の全国展開を推進していきたい」と語った。
また、つくば市立春日学園義務教育学校4年生と7年生の生徒たちが電子黒板を使い、学校の中で活用されているICTについて、英語によるプレゼンテーションも披露された。
同協議会は、国への働きかけも含め教育におけるICT利活用が加速されることを目指す。また、「ICT教育全国首長サミット」の開催も予定されており、日本ICT教育アワードの年間表彰をすることも計画されているという。また、地域社会が一体となった推進推奨事例の収集や発信等も行い、各自治体の情報を共有することで、地域活性化と合わせて教育ICTの取り組みを促進していく。今秋には、総会も開催される予定で、引き続き趣旨に賛同する自治体を募っていく。