おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の流行が続いている。国立感染症研究所のまとめで6月20~26日に、全国約3000の小児科から報告のあった患者数は、1か所当たり1.13人で、過去10年の同時期では2010年(1.5人)に次ぐ高さ。感染研は「夏にかけても流行が続く」と予想している。昨年5月中旬から患者が増え始めた。今年1~6月の合計患者数は約6万9000人。1か所当たりの患者数上位は宮崎県(3.03人)、佐賀県(2.91人)、山形県(2.23人)。おたふく風邪は治った後も難聴が残ることがある。
東京電機大学は、6月30日、「第4回 FD/SDセミナー」を同大学 東京千住キャンパスで開催された。テーマは「オンライン大学におけるICT教育とデータ分析の実践事例」。千住キャンパス以外にも、鳩山・千葉・小金井の各会場に中継もされ、のべ100名以上が受講した。テーマのICT教育と蓄積されたデータ解析(教育ビックデータ)への関心の高さが窺えた。
セミナーでは、ビジネス・ブレークスルー大学(以下 、BBT大学)の伊藤泰史事務総長より、日本で唯一eラーニングで経営学の学士号と、修士号(MBA)が両方取得できるBBT大学についての説明と、同大学における膨大なデータの分析や、活用実践事例について講演した。
BBT大学は、オンラインで授業をする文部科学省認可の大学で、学部・学科は経営学部・グローバル経営学科 ITソリューション学科があり、学位は、経営学部が経営学士、経営学研究科が経営管理修士(MBA)の取得ができる株式会社立の大学だ。ほとんどすべての授業で、独自のプラットフォーム「AirCampus®」で運営している。1対n(人)の非同期型授業で、議論や質疑などの発言がシェアをされ、データが蓄積される仕組みだ。課題提出は1対1のeメールや、ウェブでおこなう。英語やコミュニケーション系科目は、1対1の同期型、SkypeやAdobe Connectのほか、電話でもおこなっている。
分析するのは、「発言・視聴状況・受講完了率」「使用デバイス」「成績・履修状況」「学籍関連」のデータで、学生の平均年齢は30〜40代が多く、男女比は3対1だ。2010年頃にはPCで受講していた学生がほとんどで、時間帯も深夜〜早朝が多かったが、ここ数年は、スマホやタブレットPCでの受講も増え、視聴する時間帯は朝の通勤時間帯や昼食時間帯にシフトしているという。
発言・視聴状況等のデータからは、学生のやる気や、どの部分でつまずいた、あるいは関心を示したかを読み取ることもできるようになっており、教員側も授業のどの部分が多くリピート再生されているか、もしくは未再生となっている時間帯も確認できる。さらに、学生の発言などの理由を探ると問題点が見えてくるシステムとなっている。
また、成績・履修状況から、学生の発言内容などに基づいて、ドロップアウトの契機となる時点を予測できる。例えば、発言数が少ない時期に開講プッシュメールやチュータリング・メンタリング・会社訪問など支援を実施し、ドロップアウトを予防できる。こういった対策は、オンラインならではの学習支援であり、蓄積されるデータを分析する事で、異常値(発言数が少ない等)を事前に見つけ問題を特定し、トラブルを未然に回避することができるようになっている。
さらに、年度ごとにデータが蓄積されていくので、行動パターンや受講パターンを様々な視点から予測することもできる。その結果、計画的で能動的な学生支援をおこなっているという。伊藤事務総長は、「インターネットを使いこなし世界中と結ぶことで、非常に多様性のある教育ができ、新しい教育が生まれる。今後オンライン教育は大きく進展ます。皆さんと一緒に考えていきたい」と講演を締めくくった。次回のFD/SDセミナーは2016年7月16日(土)13:30−18:00(予定)、テーマは「活気ある学び合いの場づくり(授業運営)─学生が自発的に学ぶ環境を創るファシリテーション─」申込締切は7月10日(日)まで。