Archive for: 4月 2016

英語力調査の「基準統一を」 馳文科相

馳浩文部科学相は4月5日の閣議後の記者会見で、同省が4日に公表した中高生の英語力調査について「公表する以上は根拠となる評価基準をそろえた方がいい。(結果は)各都道府県の申告に基づいており、統一した水準で出した方が良い」と強調するとともに、「各都道府県は切磋琢磨をしてほしい」と述べた。文科省は今回初めて都道府県別の生徒の英語力を公表したが、実用英語技能検定(英検)の取得状況に加え、教員の主観的な評価も反映されていた。

返還免除、卒業後に  新給付型奨学金で文科相意向

馳浩文部科学相は4月5日の閣議後の記者会見で、与党が創設を求める給付型奨学金について、大学卒業後に返還を免除する仕組みを軸に検討したいとの意向を表明した。奨学金のあり方について(1)税負担の公平性(2)財源の確保(3)対象者の選定(4)給付のあり方などが検討課題になると指摘。そのうえで「最初から4年間分の奨学金をどうぞ、というのは給付のあり方として課題が大きい」と述べ、進学実績や単位の取得状況などを踏まえて返還を判断するのが「理屈に合っている」との考えを示した。

教科書採択、不正発覚後は変更可能に 17年度以降

馳浩文部科学相は4月1日、教科書会社が検定中の教科書を教員に見せて謝礼金を支払っていた問題で、今後同様の不正行為が発覚した場合、公立小中学校の教科書採択をやり直せるようにする方針を示した。文科省は今夏ごろまでに教科書無償措置法施行規則を改正し、2017年度以降に適用する方針だ。これまでは、市町村教育委員会などが採択する教科書は原則として4年間、同じ会社の教科書を使わなければならないことが決まっている。教科書会社にとっては不正がシェアの減少につながることになり、抑止効果を狙う。

給付型奨学金、自公も提言

自民、公明両党は4月4日、国が返済不要の給付型奨学金を創設するよう安倍晋三首相に提言した。自民党は提言に「基金を活用した給付型奨学金の創設」などを盛り込んだ。2016年度補正予算で5年間限定で使える基金を設けて、年度内に奨学金を創設するよう求めた。民進、共産などの野党もこれまで創設を主張している。選挙権年齢が18歳以上に下がる夏の参院選に向けて各党は若年層の取り込みを図る考えだ。ただ、財源確保や高卒者との公平性など実現へ向けた課題もある。

英語指導充実、各段階で

経済・社会のグローバル化への対応が求められる中、文部科学省は小学校から高校までの各段階で英語指導の充実を進めている。小学校では2011年度以降、5~6年生を対象に音楽やゲームを使った「外国語活動」が年35時間行われているが、次期学習指導要領が実施される20年度から、英語を正式な教科にする。外国語活動の開始は小3に前倒しする方針だ。中高生向けには昨年、「生徒の英語力向上推進プラン」を発表。各都道府県に英語教育の具体的な達成度や数値目標を公表するよう求めた。

新小1なりたい職業 男の子スポーツ選手、女の子はケーキ屋・パン屋

クラレは4月4日、小学校に今春入学する新1年生に就きたい職業を尋ねたアンケート結果を発表した。男の子は「スポーツ選手」が24.2%を占め1位となった。女の子は「ケーキ屋・パン屋」が32.6%でトップ。いずれも18年連続で首位を維持した。男の子のスポーツ選手の内訳はサッカー(58/8%)、野球(21/3%)が大半を占めた。男の子の2位は「警察官」で12.5%。3位は「運転手・運転士」で8.6%だった。女の子の2位は「芸能人・歌手・モデル」で12.7%だった。内訳はアイドル(65.7%)が最も多かった。3位の花屋は5.5%。

広域通信制高校、文科省が監視強化へ

不適切な授業が発覚した株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)の問題を受け、文部科学省は3月30日、広域通信制高校へのチェックを強めることを決めた。2016年度から3年間を「集中点検期間」とし、文科省職員や専門家らが本校や関連施設に順次立ち入り検査する。広域通信制高校は、三つ以上の都道府県から広く生徒を募集。ウィッツを含めて102校(私立83校、株式会社立19校)あり、約10万人が在籍している。

市進、ネット配信で国語授業を外販

市進ホールディングス(HD)はネット配信による映像授業で、国語を強化している。国語強化策として、まず3月から中学校の国語の勉強をフォローするコンテンツの配信を始めた。「市進学院」の講師の中から選び出された優秀な国語の講師が20分、他社の教科書準拠教材を使って教える。主要な教科書に対応した内容だ。2020年度からの新大学入試では表現力や思考力がより重視されるため、教育ニーズが高まると判断した。

 一般的に、国語は英語に比べ生徒が危機感を持ちづらい科目だとされる。国語の文章問題の勉強では、文中の要点をつかみ、隠れている答えを把握できているかがポイントとなる。映像授業で何か特別な指導をするわけではなく、問題を解きながら文章にマルを付けたり、線を引いたりする読解のコツを手ほどきする。

生徒の英語力、文科省初公表 中学は千葉・高校は群馬が1位

 文部科学省は4月4日、全国の公立中学・高校の生徒の英語力に関する2015年度調査の結果を発表した。都道府県別の状況が初めて公表され、中3で実用英語技能検定(英検)3級程度以上の力があるとされた生徒の割合は最高の千葉(52.1%)、秋田48.6%、東京47.9%と続いた。一方、高知25.8%、熊本26.9%など8道府県が30%を下回った。高3は同様に英検準2級程度以上の力がある生徒の割合を調査。最も高かったのは群馬の49.4%。ほかに千葉45.5%、福井42.5%などが高く、沖縄21.8%、和歌山22.5%などが低かった。

 全国平均は3級程度以上の中3生の割合が36.6%(前年度34.6%)、準2級程度以上の高3生の割合が34.3%(同31.9%)で、ともに年々向上している。もっとも、政府は17年度までに中学卒業段階で3級程度以上、高校卒業段階で準2級程度以上の割合をそれぞれ50%にする目標を掲げており、達成は厳し状況だ。

新潟大、「創生学部」新設 17年度

新潟大学は4月1日、2017年4月から、地球温暖化、地域活性化などの社会課題を解決できる人材の育成を目指す「創生学部(仮称)」を新設する一方、工・理・農の3学部の定員を増やして改組する。創生学部の定員は65人。工学部は50人増の530人、理学部は10人増の200人、農学部は20人増の175人となる。例えば、従来、理学部数学科で学んでいたのと同じ内容を学びたい場合は、理学部理学科の中の「主専攻プログラム」として数学を選ぶことになる見通しだ。