文部科学省が、国公私立の枠組みを超えての統合を視野に入れた大学再編を検討していることが分かった。秋にも再編の在り方を中教審に諮問する。大学進学率が頭打ちの中、今後18歳人口の急速な減少が見込まれ、主に地方で定員割れが続く私立大の経営は一層厳しくなる見通し。一方で地方創生を担う人材育成も求められており、文科省は、私立だけでなく国公立も巻き込んだ再編で、地方大学の教育力や財務基盤を強化したい考えだ。
3月8日、株式会社湘南ゼミナール(横浜市中区)の新しい代表取締役社長に、福村賢一氏が就任した。小誌は、新社長の福村賢一氏にインタビューをおこなった。
福村社長はアルバイト講師から社員になった、いわゆる生え抜きの社員。公立高校受験の『総合進学事業部』からキャリアをスタートさせ、教室長やエリア責任者などを経て、教務部長に就任。その後、個別指導部門『スタディ・ナビ』を立ち上げ、難関高校受験部門『アルファ』の責任者を担当したのち、現場に比べ手薄になっていた間接部門の指揮を執り、この度社長に就任した。
今回の新社長就任は、前社長のもとで伸びてきた会社をさらに飛躍させるため、もう1段階ブレイクスルーさせるのが狙いだ。2020年をターゲットイヤーとしながらも、その後も突き抜けて伸びるようにと、経営層に30代〜40代前半を起用し、世代交代・権限委譲することを目指している。また、これまで湘南ゼミナールの中期経営計画は3か年計画だったが、今回は20年までの5か年計画に切り替えた。
社長に就任した抱負として福村社長は、20年までに業界売上順位一桁入りを目指していると話す。ただ、売上げや順位にこだわるのではなく、授業の質の向上を徹底し、成績向上と合格実績を高めることで、それを達成していきたいと語る。
「塾の原点に戻って、成績向上と志望校合格を、とことん徹底すると社員に宣言しています。新たに何かを始めるのではなく、授業の質をひたすら向上させていくこと。それだけを考えています。まだまだ地域ナンバーワン教室が少ないので、既存教室を地域ナンバーワンの教室にし、その伸びだけでトップ10入りは充分達成できるはず。感覚としては、同じところを何回もひたすら耕し続けていくようなイメージですね」
さらに今年からは教務本部を設置して、研修も見直すようだ。「これも質を高めることの1つ」だという。今まで教務は現場業務と兼任だったため、責任の所在が明らかにならなかったが、担当者が責任を持って仕事に取り組めるよう、教務本部を置くことにした。
湘南ゼミナールではアルバイトの労務問題が報じられていたが、業界に先んじて、賃金体系の見直しを図るという。「今後、業界として授業外の時間について金銭的な手当てをすることは当たり前になっていくはず。当社はその先陣を切る」と話す。また、成長に向けて質をより高めていく意志を明確に共有するため、正社員対象にベースアップを今年6月に行う。しばらくは人材育成に注力し、新規開校を、より計画的に行い、大きく成長するための基盤を固めたいとしている。
文京区の私立中学高等学校だけが集まる連合進学相談会が、5月29日(日)、秋葉原UDXで開催される。文化と歴史の香り高い文京区の中学・高校19校が秋葉原に集まるこの相談会には、各学校の相談コーナーが用意されており、パンフレットなどからは伝わってこない、生徒の学校生活や学習内容などの話を直接学校の先生方から聞くことができる貴重な機会だ。入場無料で、事前予約は不要。
◎文京区立中学高等学校 連合進学相談会の参加校
獨協中学校[男子校]、貞静学園中学・高校[共学校]、駒込中学・高校[共学校]、桜蔭中学校[女子校]、文京学院大学女子中学・高校[女子校]、東洋女子高校[女子校]、淑徳SC中等部・高等部[女子校]、京華中学・高校[男子校]、跡見学園中学・高校[女子校]、村田女子高校[女子校]、東洋大学京北中学・高校[共学校]、東京音楽大学付属高校[共学校]、京華女子中学・高校[女子校]、郁文館中学・高校[共学校]、日本大学豊山中学・高校[男子校]、東邦音楽大学附属東邦中学・高校[共学校]、昭和第一高校[共学校]、京華商業高校[共学校]、郁文館グローバル中学・高校[共学校]
◎開催概要
5月29日(日)10:00-16:00
連合進学相談会事務局 主催
「文京区立中学高等学校 連合進学相談会」
会場:秋葉原UDX南ウィング4F
お問い合わせ:TEL.03-3828-4366(駒込学園企画広報室)
中高生がリアルな商品開発に挑む「MONO-COTO INNOVATION 2015」の決勝大会が、3月27日、都内で開催された。
スポンサー企業はリクルートマーケティングパートナーズ、イブキ、富士通デザインの3社。リクルートは「中高生がほしくなるモノ・コト」、イブキは「中高生に楽しい時間を作り出すモノ」、富士通は「スマートフォンの再定義」という課題を出題。参加者はそれらを解決するアイデアを考案し、勝敗を競った。
昨年10月にスタートした同コンテストに参加したのは、54の中学・高校からエントリーした120名。学校の枠を超えて33チームが結成され、今回の決勝大会には、昨年12月の予選を勝ち抜いた12チームが進出した。最優秀チームにはシリコンバレーツアーがプレゼントされることもあり、どのチームにも熱がこもっていた。
リクルートの課題に取り組んだのは『Goぽ』『ほにゃー’S』『Glasses』の3チーム。それぞれ「ストレス発散のための3D飴」「初学者向け動画型学習プラットフォーム」「転がして運べる椅子と机のセット」を企画していた。
イブキの課題に取り組んだのは『玉口SHOY』『Mugen』『Plum』『Potechi』の4チーム。それぞれ「音が鳴るおもちゃ」「受験生用リュック」「ピーラー、ピーラーカバー、アプリ連動型まな板」「メモが取れる腕時計」を考案していた。
富士通の課題に取り組んだのは『Columbus’Eggs』『NEW DAYS』『UnDecided』『ランダムズ』『FujiFive』の5チーム。それぞれ「忘れ物をなくす新型スマホ」「プリンター付属の自撮り用スマホ」「思い出を簡単に撮れるスマホ」「ママ用スマホ」「動画編集機能付きスマホ」を提案していた。
各チームのプレゼンのあと、結果発表がおこなわれた。まずは各企業の1位が発表され、リクルートの課題では『Glasses』、イブキは『Plum』、富士通は『UnDecided』が選出。
そして会場が緊張に包まれるなか、遂に最優秀チームが発表された。今回、見事に最優秀賞の栄冠を手にしたのは、「ピーラー、ピーラーカバー、アプリ連動型まな板」を企画した『Plum』だった。メンバーは一様に驚いた様子で、よろこびをかみしめていた。
各企業の審査員からは「ニーズにフィットしたアイデア。細部まで愚直に確かめながら具現化していた」といった講評があり、『Plum』のメンバーは「辞めたいと思ったこともあったが続けてよかった」「恩返しのために優勝したいと思っていたが、それができてよかった」などの感想を述べた。
最後に、同コンテストを主催するキュリオスクールの西山恵太代表が「創造力は学校では評価されにくいが、社会では必要な力なのでこうした場を作りたかった。来年度は京都、山形でも開催する予定なのでぜひチャレンジしてもらいたい」と挨拶。会場の興奮が冷めやらぬうちに、大会は幕を閉じた。