Archive for: 1月 2016

「ワークルール、教育を」 労働弁護団、推進法試案

日本労働弁護団が、過酷な働き方を強いる「ブラック企業」が社会問題になるのは、労働法など「ワークルール」への理解が欠けているからだとして「ワークルール教育推進法」の試案をまとめた。ワークルールがあっても長時間労働や賃金未払いなどの違反は後を絶たず、労働局などへの2014年度の相談件数は103万件と10年前の1.25倍に増えている。労働弁護団は、推進法を制定した上で国や地方が財政上の措置をとり、学校や職場でのルール教育の推進などを義務づけるべきだとの試案をまとめた。

文科省 若手研究者と企業仲介

文部科学省は2016年度からトヨタ自動車や日立製作所、第一三共、新日鉄住金、JFEスチール、NEC、東レなど約30社と優秀な若手研究者を仲介する事業を始める。即戦力になるよう研究費や装置購入費として1人当たり最大5年で2700万円を支援する。給料は受け入れ企業が払い、研究者が望めば文科省の支援後も雇用を続ける。若手登用の停滞とポスト不足によって有能な人材を失いかねない課題に国主導で取り組む。

森上教育研究所 2016年の首都圏中学入試の結果分析セミナーを2月19日に開催

森上教育研究所(森上展安代表)は、2016年の首都圏中学入試の結果分析セミナーを2月19日(金)に、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で開催することを明らかにした。第1講では、大学入試改革を控え、今春の中学入試がどのように変化したのかを最新の資料に基づいて分析をおこなう。なお、第1講は学習塾を対象とした講義Aと学校を対象にした講義Bが同時進行でおこなわれる。

昨年のセミナーの様子

昨年のセミナーの様子

第2講では、同研究所アソシエイトコンサルタントの後藤健夫氏による、大学入試改革の行方についての分析に加え、SAPIX小学部の広野雅明氏、早稲田アカデミーの入吉弘幸氏をゲストスピーカーに迎えた「大手塾分析」に加えて、栄光ゼミナールの山中亨氏からの資料提供により、入試の実態に迫る。

受講料は、1人につき1万5000円(税込、資料代含む)で、同研究所の「中学受験研究会」の会員は、3人目から1人・5000円となる。参加には、下記の申込書PDFをダウンロードの上、2月12日(金)正午までに同研究所にFAXするとともに、同日中に指定の銀行口座に料金を振り込む必要がある。

首都圏中学入試の結果分析セミナーに関する問い合わせは、電話で03-3264-1271(森上教育研究所)へ。

>>申込書をダウンロード

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学研×アーテック「もののしくみ研究室」 1月19日・東京、21日・大阪で発表説明会

株式会社学研エデュケーショナル(東京・品川区、出口鯉一社長)と株式会社アーテック(大阪府八尾市、藤原悦社長)が手を組んで、この4月よりはじまるロボットプログラミング講座「もののしくみ研究室」の発表説明会が、東京と大阪で開催されることが決まった。

もののしくみ研究室の授業風景

もののしくみ研究室の授業風景

同講座は、昨年の日本経済新聞の記事や、私塾界が主催した「リーダーズフォーラム」でも紹介されると、全国の学習塾や学校などから多くの反響が集まっているといい、この春から導入が決定している企業も既に複数あるという。今回の説明会では、この春以降に導入を検討する企業に向け、講座の具体的な内容や、導入方法について説明する。

開催日は、1月19日(火)10:00~11:30に、東京都品川区西五反田の学研本社ビル。1月21日(木)10:00~11:30に、大阪府八尾市北亀井町のアーテック本社ビルで、それぞれおこなわれる。参加には、申込書PDFを下記よりダウンロードの上、学研エデュケーショナルにFAXする必要がある。

「もののしくみ研究室」発表説明会に関する問い合わせは、電話で03−6431−1337(学研エデュケーショナル)へ。

 

>>申込書PDFをダウンロード160113mono-shikumi

義家文科副大臣「報告漏れは指定取り消しも」

文部科学省は1月8日、三省堂などが検定中の教科書を教員らに見せ謝礼を渡していた問題を受け、同様の事実の有無を調べる各社の自己点検で虚偽の報告などがあった場合、教科書無償措置法に基づく発行者の指定取り消しも含め、厳しい対応を検討する方針を明らかにした。8日教科書会社でつくる教科書協会(東京)が都内で開いた臨時会合で、義家弘介副大臣が「報告漏れが発覚した場合は指定の取り消しも含めて必要な措置を講じることも辞さない。徹底的な調査を行っていただきたい」と適切な報告を促した。

学研、中学生の英会話オンライン講座

学研ホールディングスは今春から、中学生向けのオンライン英会話講座を始める。ライトワークス(東京・千代田)と組み、中学校や学習塾向けに提供する。フィリピンにいる講師からマンツーマンでレッスンが受ける。教員が生徒の進捗状況を個別に把握できる機能も付いており、中学校の授業などでの利用を想定する。レッスンはパソコンやタブレットのカメラ機能を使って行う。学習指導要領に対応した内容とすることで、学校の成績向上にもつながるようにするという。学習塾に導入する場合の生徒の料金は月額1万円程度。

代ゼミ跡地の利用進む

「代々木ゼミナール」を運営する学校法人の高宮学園(東京・渋谷)は全校の7割にあたる約20校を閉鎖したが、購入や賃借など手法は様々だが、すでに9校で新たな利用者が決まった。浜松と千葉県の津田沼は駿河台学園(東京・千代田)が予備校として活用しする。仙台は東北福祉大学(仙台市)が、池袋は東京福祉大学が、岡山は環太平洋大学がキャンパスとして利用する。大阪はシップスヘルスケアHDが複合オフィスビルに、京都は小田急電鉄がホテルに、小倉は九州医療スポーツセンターが校舎にそれぞれ転用する。

センター試験で不正行為65件 過去10年間

大学入試センターは1月9日、大学入試センター試験で2006~15年の10年間に、全国31都府県の試験場で、替え玉受験の2件を含む不正行為が計65件あり、計67人が受験全科目無効の処分となっていたこを発表した。センターによると、不正行為は毎年見つかっており、内訳は替え玉受験2件のほか、解答終了合図後の記入30件、定規の使用13件、カンニングペーパーの所持・使用8件など。電子辞書の持ち込みや、英語リスニングの開始前にICプレーヤーを作動させたケースもあった。

N高等学校、代ゼミともコラボ 4月から代ゼミNスクールを開校

2016年1月12日、ネットの高校「N高等学校(以下、N高)」をこの4月に開校予定のカドカワ株式会社が、学校法人高宮学園代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)とともに、「代ゼミNスクール」を2016年4月に開校することを明らかにした。

授業やレポート提出をネットで行い、高校卒業資格取得を目指すN高。その生徒の中で、大学進学を目指す生徒を対象に、提携通学コースとして代ゼミNスクールは用意される。代ゼミNスクールは、専用校舎が用意され、進学相談ブース、オープン自習スペース、リベラルスクエア(代ゼミNスクール生同士で意見交換や議論が可能なフリートークスペース)などが設置されている。その施設で、映像授業と対面授業を組み合わせて受講でき、また希望すれば、1対1の個別指導も受講できるようになっている。

新事業発表会

代ゼミNスクールを発表

同スクールの特徴は4つある。1つ目は、専任の担任スタッフである“学びのプロデューサー”が講座の取り方や学習計画など一人ひとりにあったプランを提供し、アダプティブラーニングを可能にする。保護者との面談も実施し、学習の進捗度を共有してくれる。その際には、代ゼミオリジナルの総合学習管理システムのSMS(サテライン・マネジメント・システム)を利用する。2つ目は、代ゼミの2000講座以上の多彩な講座から習熟度に応じた授業や講師をセレクトできる。3つ目は、いつでも入学ができ、通学日数も週1〜6日まで自由に選ぶことが可能。また、代ゼミNスクール内の施設(自習スペース等)は、通学日以外にも無料で利用できる。4つ目は、一人ひとりの学習到達度に合わせて講座をレベルアップすることができる。

これにより、例えば1年で教科書範囲を終了し、その後志望校に特化した受験対策講座に専念することも可能になるという。

費用は、出願料1万円、入学金5万円に加えて、授業料(年間)は27万円(週1日)から。対象は、N高等学校に在籍している方、またはN高等学校への転入希望者。募集人数は、定められていない。また、2月11日には、代ゼミNスクールの説明会・個別相談会が行われる予定だ。

カドカワの川上量生社長

カドカワの川上量生社長

代ゼミNスクールの開校にあたり行われた発表会で、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏は、「N高は、生徒たちが目的を持って勉強します。受験勉強においても目的を持って、自分に合った授業、自分が目指す大学に対して何を勉強すればいいのか、講師の先生たちに相談しながら、自分で考えていくことができる画期的なしくみだと思っています」と語った。

代ゼミの高宮敏郎共同代表

代ゼミの高宮敏郎共同代表

また、この事業について、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎氏は、「ひとつは、これからは優れたITとこれまでの教育機関がハイブリットして教育サービスを提供していくのが大事だと思います。もうひとつは、多様性です。いろいろな学びをしたいという生徒さんをサポートしていくためにも、今回の取り組みは最適な取り合わせだと思います」と語った。

また、今回の代ゼミNスクールの設置に伴い、N高のスクーリング会場の増設がアナウンスされた。代々木ゼミナールの校舎に加え、麻生情報ビジネス専門学校、日本電子専門学校の協力のもと、全国12カ所となる。

スリランカで「すらら」導入の学習塾 生徒数が300名を超え、さらなる校舎開校も

クラウド型学習システム「すらら」を開発、販売する株式会社すららネット(東京都千代田区、湯野川孝彦社長)は、スリランカのBase of the Pyramid(BOP)層の子供を対象とした学習塾で、2015年12月末時点で生徒数が300名を超えたことを明らかにした。BOPとは、所得ピラミッドの中で最も収入が低い所得層を指す言葉。世界中に約40億人がいると言われている。

「すらら」が導入されたスリランカの学習塾

「すらら」が導入されたスリランカの学習塾

スリランカにおけるBOP層の子供を対象とした学習塾は、2015年5月に女性銀行が運営する1校舎とFoundation for Health Promotion(FHP)が運営する1校舎の2校が開校したが、入塾希望の空席待ちの状態になるなど生徒が順調に増加したことを受け、同年9月にはさらに女性銀行が運営する2校舎が開校し、現在は4校舎となっており、すべての校舎で「すらら」が導入されている。

スリランカの女性銀行は、BOP層の女性を対象としたマイクロファイナンス組織で、今回のプロジェクトを通じて、BOP層へのファイナンス支援だけでなく、教育支援と雇用創出も行っていく計画だ。また、FHPは、BOP層を対象に親の健全な生活習慣を根付かせることにより子供の生活・教育レベルを引き上げるなどの活動を行う組織。

あいさつ、手洗いなどのしつけを教えることが支持を集めている

あいさつ、手洗いなどのしつけを教えることが支持を集めている

同国の学習塾に対する生徒や保護者の評価は非常に高く、日本の算数技能を学べること、それと同時にパソコンの使い方が身につくこと、日本流の「しつけ」も教えることなどが支持されている。保護者からは、これまで無かった教育サービスを提供することへの感謝の声や、子供たちがオンラインでの学習を非常に楽しみ、塾に通うのを心待ちにしている様子から、さらなる成果を期待する声も上がっている。

また、女性銀行が運営する3校では教務経験のない女性が中心となって、すららネットの研修を受講し、累計で16名がファシリテーターとして活躍することで、貧困地域の教育問題の解決に加え、女性の雇用問題にも貢献している。

同プロジェクトは、独立行政法人国際協力機構(JICA)による民間連携事業協力準備調査 BOPビジネス連携促進の採択を受け、スリランカのBOP層の子供たちに、教師のレベルに左右されずに効果性の高い算数教育を低価格で提供するeラーニングを利用した塾のビジネスモデル構築を目指す。

現地の保護者に説明をする湯野川孝彦社長

現地の保護者に説明をする湯野川孝彦社長

女性銀行とFHPを学習塾の運営パートナーとなり、すららネットが研修をおこなうことで、教務経験のないBOP 層の女性をeラーニング塾のファシリテーターとしています。これによるBOP 層の女性たちの雇用拡大・自立支援も目的のひとつとなっている。

今後、女性銀行とFHPとも、多校舎展開を積極的に推進していく予定で、3月には女性銀行がさらに1校舎を開校させる予定だ。すららネットは「世界中の教育格差の根絶」を理念に掲げており、「今後も品質の良い教育を低価格で提供することで、教育格差を解決していきたい」と意気込む。