Archive for: 1月 2016

学童保育の待機児童1万6900人、過去最多

厚生労働省は12月18日、学童保育(放課後児童クラブ)について、希望しても利用できない待機児童が5月1日時点で1万6941人(前年同期比6996人増)と過去最多だったと発表した。都道府県別では、東京の3140人。埼玉1827人、千葉1302人が続いた。児童館や学校の空き教室などの受け入れ施設も2万2608カ所と過去最多となったが、学童保育の利用対象を今年度から小学6年生まで広げた影響とみられる。学童保育に利用登録している児童は、全国で102万4635人。前年同期と比べ8万8183人増え、過去最多を更新した。

公立小中「太陽光発電設備」6年で6倍

文部科学省の2015年度の調査で、全国の公立小中学校のうち太陽光発電設備を設置している学校は全体の24.6%に当たる7371校で、調査を始めた09年度の6倍に増えたことが分かった。13年度(17.8%)に比べると6.8ポイント増。太陽光発電以外の再生可能エネルギー設備は、風力発電610校、太陽熱利用144校、バイオマス熱利用122校と続いた。停電時も校内に電気を供給できる機能を備えた学校は44.5%で、割合は13年度(31.6%)から12.9ポイント上昇した。

横浜銀・東日本銀が臨時株主総会 統合を承認

横浜銀行と東日本銀行は12月21日、それぞれ臨時株主総会を開き、2016年4月の経営統合を承認した。新設する共同持ち株会社「コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)」の傘下に2行が入る。総資産は合計で17兆円を超え、国内最大の地銀グループとなる。社長には横浜銀の寺沢辰麿頭取、副社長には東日本銀の石井道遠頭取が就く。両氏は傘下銀行の頭取を兼務する。両行は昨年11月に経営統合で基本合意。統合準備委員会を設置して協議を進めてきた。持ち株会社の本店は東京に置く。

ラグビー日本代表次期HCにジョセフ氏

ラグビーの日本代表次期ヘッドコーチ(HC)に、ことしの「スーパーラグビー(SR)」でハイランダーズ(ニュージーランド)を優勝に導いたジェイミー・ジョセフ監督(46)が就任することで日本協会と合意したと、20日付のニュージーランド・ヘラルド紙が報じた。ジョセフ氏は2011年にハイランダーズ監督に就任。選手としてはニュージーランド代表FWとして1995年ワールドカップ(W杯)に出場するなど20キャップを持つ。その後、来日してサニックスに加入。日本代表としても9キャップを持ち、99年W杯にも出場した。

教員育成の指標義務化 中教審答申

文部科学省の中央教育審議会(中教審)は12月21日、教員が経験年数などに応じて身に付けるべき能力の目安となる「教員育成指標」の義務化などについて、馳浩文科相に答申した。答申は多くのベテラン教員が定年退職し、新人が大量に採用される現状を踏まえ、「教員の質や指導力を向上させるため、養成や採用、研修の一体的な改革を進めるべきだ」と指摘。各地の教育委員会と大学が連携して研修や養成を行う「教員育成協議会(仮称)」を新設し、「教員育成指標」を作成することを義務付けるよう求めた。

あけましておめでとうございます

旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年は学習塾を取り巻く環境が大きく変化しました。まず、大学入試は、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体改革に向けて、高大接続システム改革が実施されることが決定しました。昨年9月に同改革の有識者会議がまとめた「中間まとめ」では、学力の3要素を「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」としています。このことからも、2020年を目処にセンター試験に代わって導入される新テスト(原稿執筆時点では、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の2つのテストが新設される予定)では、ただ記憶力で高得点を獲るだけでは希望する大学に入学できなくなるという方向性が明確に示されました。

また、昨年から新たに「一億総活躍社会の実現」の提言をはじめた安倍政権の政策によって、「子育て支援」の面では待機児童ゼロをめざして、小規模保育園や民間の学童保育所の増設が求められることになり、学習塾も次々と参入しはじめています。その中には、インターナショナルスクールのメソッドを採り入れ、「読む」「書く」「聞く」「話す」4つの能力を問うことになる新たな英語試験への対応も早々と済ませ、高大接続システム改革を睨み、着々と準備を整えている学習塾もあります。

これらのことから、5年後に高大接続システム改革がいよいよ山場を迎える頃には、学習塾の業態も大きく変化しているだろう、という兆しを感じとることができます。そして、こうした流れは、今年から一段と加速し、全国に波及していくものと考えられます。

もう一つ、目を見張るような変化が現れたのは、学校現場において、学習塾が公教育を支援する形の「官民連携」が全国各地でおこなわれていることです。例を挙げると、公益社団法人全国学習塾協会が取り組む大阪府の大東市や門真市をはじめ、佐賀県武雄市、京都府八幡市、東京都東村山市、清瀬市、瑞穂町といった地域でも、学習塾が様々な形で公教育を支援し、子供たちの学力増進に貢献しています。

このような新たな動きが、塾の在り方を大きく変えようとしています。もはや、塾は日向の存在となりました。社会的責任を負う教育サービス事業者として何ができるか、ということが地域から求められています。

この先の動向をしっかりと見定めながら、是々非々で対応策を練り、間髪入れずにタイミングよく施策を講じていただくことを切にお願い申し上げます。そのような機微な対応こそ、民間の立場だからこそ実現できるものと考えております。『月刊私塾界』本誌や、私どもが主催するセミナーやフォーラムでも、そういった最先端で獅子奮迅されている皆さまの声をしっかりと受け止めながら、ネットワークをさらに広く深く強固なものにしてまいりたいと考えておりますので、今後とも皆さまのご指導を賜りますようお願い申し上げます。

寒さが一段と厳しくなってまいりました。どうかご自愛ください。重ねまして、皆さまの益々のご活躍とご発展をお祈り申し上げます。

2016年1月1日

株式会社 私塾界 | 全国私塾情報センター
代表取締役 山田 未知之
社員一同

月刊私塾界2016年1月号(通巻417号)

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巻頭言

謹賀新年。

入学試験に向け、熱がこもった指導を展開中と拝察する。是非大きな成果を獲得されんことを願って止まない。

昨年ノーベル生理学・医学賞を大村智氏が、同じく物理学賞を梶田隆章氏が受賞した。前年に続き日本人が複数人受賞し、明るい話題となった。

あまり知られていないが、昨夏日本人が快挙を成した。世界スパコンランキング「Green500」に於いてである。日本のベンチャー企業ペジーが開発したスパコンが1~3位を独占した。ベンチャー企業が1位を獲得したのは、世界初であり、日本企業が1~3位を独占したのも初めてである。

処理速度を競う世界ランキング「TOP500」は、毎年報道され有名であるが(2011年「京」が1位を獲得)、「Green500」は、エネルギー消費効率のランクで、スパコン界での認知だ。

現在、処理速度100倍を目指し、各国がしのぎを削る。処理速度を上げる困難さの他に、消費電力の問題がある。「京」の消費電力は12・7MW。一般家庭3万戸分に相当する。これを単純に100倍すると1000MWとなり、原子力発電所1基分に相当する。それに対し、ペジー代表齊藤氏は、「2019年までに、20MWで京の100倍の処理能力を実現できる。もうアイデアはある」と語る。

そろそろ学習塾世代から、ノーベル賞受賞者が出る時代に入る。今秋には貴塾の卒塾生から朗報が飛び込むやも知れぬ。良い初夢をご覧あれ。

(如己 一)

目次

  •  【SPECIAL INTERVIEW】
    教育改革を継続していくことが最大の使命。
    文部科学大臣・教育再生担当大臣 馳 浩 氏
  •  教育サービス業界 企業研究(39) 株式会社メディアシーク
  •  目次・巻頭言
  •  NEWS ARCHIVES
  •  千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 【特集①】
    編集部が選んだ重大ニュース2015
    注目のキーワード2016
  • 【特集②】
    「よくわからん」と言う前に、今のうちに押さえておきたい
    アクティブ・ラーニング考 後編
  •  HOT TOPICS ① キッザニア東京 中学生限定「ジュニア チャレンジ ジャパン」開催
  •  HOT TOPICS ② これからの教育を語り合う場にて、元堀川高校校長の荒瀬氏が講演
  •  HOT TOPICS ③ 学校を創立した3人が、教育について大いに語る
  •  SPECIAL REPORT 全国模擬授業大会 in 名古屋
  •  HERO INTERVIEW ㈱れんせい 室蘭練成会 田中 博さん
  • 【TOP LEADER】
    原点回帰を通じ、さらなる進化を遂げていく
    中萬学院グループ
  • 【新しい塾のカタチ】
    子供のたくましい心を育むレジリエンスプログラム
    カラフル・ドアーズ
  •  挑む私学 土佐塾中学・高等学校
  •  日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(265)
  •  疾風の如く(78)
    WinStar個別ONE(兵庫県)
    代表 北浦 壮さん
  •  好機到来 キュリオスクール CEO 西山恵太さん、COO 若
    松誉典さん(9)
  •  新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(30)
  •  白書界隈徘徊話(10) 西村克之
  •  自ら動き出すチームにする方法(15) 中谷彰宏
  •  新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(30)
  •  芸術見聞録(30)
  •  高校生からの子育てハイウェイ(9)
  •  クロスワードパズル「塾長の机」
  •  為田裕行の「教育ICT行」(9)
  •  新・授業改革を目指して(88) 石川幸夫
  •  林明夫の「歩きながら考える」(125)
  •  咲かせよ桜(16) 小林哲夫
  •  未之知也(いまだこれ知らざるなり)(34)
  •  論点2016(1) もはや対岸の火事ではなくなった、ブラック企業
  •  編集後記
  •  Book Review
  •  塾長のためのガジェット講座

小中教員数、少人数指導など525人増員 16年度

政府は12月21日、2016年度の公立小・中学校の教職員定数について、少人数指導などのために政策的に配置する「加配定数」を525人分増やすことを決めた。文部科学省は、いじめや不登校、外国人の子供への対応などの課題が山積しているとして、加配定数の増員を要求。財務省は厳しい財政状況や「少人数学級などは必ずしも子供の教育に効果が出ていない」などとして削減する方針を示していたが、馳浩文科相と麻生太郎財務相が21日に閣僚折衝を行い、合意した。16年度予算案に1兆5271億円を計上する。

「たばこ」宣伝 インドやジンバブエの道路沿い広告は先進国の81倍 WHO雑誌に発表

発展途上国では先進国に比べ、広告などたばこ会社のマーケティング活動に接する機会が多いという研究結果を、英バース大などの国際チームが世界保健機関(WHO)の雑誌に発表した。チームは、たばこ規制枠組み条約締約国のうち16カ国で、たばこの広告や小売店の数を調査。その結果、最も低所得のインドやジンバブエでは、道路沿いの広告が先進国の81倍もあることが分かった。小売店数は2・5倍。その約6割で子供が買いやすい形態とされる「ばら売り」をしていた。