Archive for: 12月 2015

保育需要さらに拡大  用地・保育士確保が課題に

日経DUALと日本経済新聞社が共同で実施した「自治体の子育て支援調査」では、対象市区が保育の受け皿づくりに難航している状況がわかった。今春は5年ぶりに待機児童数が増加。働く女性の増加に伴い保育ニーズはさらに高まると予想する市区が多く、用地・物件や保育士確保が深刻な問題になっている。認可保育所整備の課題を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのが「用地・物件の確保」(83%)、次いで「保育士の確保」(73%)が占め、「財源の確保」(56%)を大幅に上回った。

都立高定時制4校廃止へ

都教育委員会は11月26日、都立高校改革の新たな実施計画案を発表し、小山台、雪谷、江北、立川の4校で夜間定時制課程を廃止する方針を明らかにした。5 月時点で計676人(定員990人)が学んでいる。募集停止の時期は未定だが、早ければ2018年度入試からになるという。入学者が多様化し、働きながら学ぶ生徒が減ったため。夜間帯の学習ニーズは、既存のチャレンジスクールを拡大するなどして受け入れる。

千葉・成田に医学部新設決まる

政府は11月27日、国家戦略特区指定の千葉県成田市に、医学部を新設する計画を正式に認めた。空港との近さをいかした国際水準の医師の育成や、外国人患者を受け入れる「医療ツーリズム」の拡大を目指す。2017年4月に開設する予定。新設されるのは国際医療福祉大学(栃木県)の医学部。医学部の新設は、東北薬科大(16年4月開設)を除くと、38年ぶり。教員200人以上のうち10人以上を外国人とし、学生も定員140人のうち20人を留学生とする。大多数の科目で英語の授業を行うほか、全学生が海外での臨床実習を最低4週間受ける。

香川・徳島の教育のグローバル化、ICT化をけん引 AIC鷗州グループとUSS学進グループが業務提携

株式会社鷗州コーポレーション(広島県広島市、宇津田敬二社長、以下「AIC鷗州グループ」)と株式会社ユナイテッドオーシャンホールディングス(香川県高松市、内田統夫代表、以下「USS学進グループ」)は、12月1日、両社のコンテンツやリソースを活かしながら香川県と徳島県の教育のグローバル化とICT化をけん引し、幼小中高で一貫した先進的な教育を地域に提供するため、業務提携基本契約を締結したことを明らかにした。

今回の提携により、高大接続システム改革に伴う2020年度以降の大学入試改革で求められる「思考力・判断力・表現力」を引き出すための教育コンテンツの提供を徳島・香川の両県ではじめる。具体的には、小学生向けの英語教室「AIC Kids」や、バイリンガル幼稚舎「AIC附属幼稚舎」、そして世界トップ大学の進学を目指す「AICインターナショナルハイスクール」や、中学・高校生向け英語教室の運営を協同でおこなう。また、高校生を対象とした大学進学準備プログラムの開発や提供をおこなう。

蛍光灯、実質製造禁止へ LEDに置換

政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めた。省エネ性能が高い発光ダイオード(LED)への置き換えを促す狙いだ。今月末にパリで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向けて、日本の温室効果ガス削減への取り組みを具体化する狙いもあるとみられる。

月刊私塾界2015年12月号(通巻416号)

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巻頭言

早や師走。
冬期行事の準備に余念が無いことでしょう。合格の喜びを分かち合う日を胸に納め、授業に、進路指導に邁進してください。

「傾斜マンション」問題が世間を騒がしている。問題の棟と別棟をつなげる渡り廊下の手すりが2センチずれている、との住民クレームに端を発する。それへの回答は、「東日本大震災時に棟の揺れ方に違いがあって生じたひずみと推察される」であった。ところが、実際は、建物を支える杭のなかで固い地盤まで到達していないものが8本ある、という偽装であった。更に、杭の底を固めるセメント量のデータ改竄まで発覚した。
これら「偽装」「改竄」には、工期遵守、熟練職人の不足等建設業界特有の課題が、その裏側にある。

しかし、である。情報の非対称性を笠に着て、何とか隠蔽しよう、糊塗しようとする姿勢は、あまりにも不誠実である。更に、責任転嫁。しかも個人へ、である。事ここに極まれり。

自塾はどうであろうか。

教室のスクラップ&ビルド、学業成績の低迷、果ては志望校不合格。自分に問題がある、と捉え、対処しているであろうか。自己都合での対応に終始していないか。何かと理屈をこねて有耶無耶にしようとしていないか。ましてや生徒や保護者のせいに……。

マックス・ヴェーバー著「プロ倫」にある、「隣人愛」を思い起こして欲しい。己の如く隣人を愛せよ。我が身のこととして、他者の事柄を受け止めなければならない。
良いお年を。

(如己 一)

目次

  • 6【Special Report】
    私塾界リーダーズフォーラム2015 in 京都
  • 16 挑む私学 立命館宇治中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 45【特集①】
    「よくわからん」と言う前に、今のうちに押さえておきたい
    アクティブ・ラーニング考
  • 52【特集②】
    株式公開企業塾 2016年度中間決算を読む
  • 60【特集③】
    困った時のマイナンバー
  • 68【TOP LEADER】
    40周年へ、社員全員の力を結集。
    練成会グループ
  • 76 新しい塾のカタチ【特別対談】
    博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー 原田 曜平 氏
    ITTO個別指導学院(株式会社WITS)代表 喜多野 正之 氏
    若手社員との接し方に悩む塾長に捧げる
    さとり世代の若者を自ら働く社員に変える方法
  • 80 教育サービス業界 企業研究(38) エレコム株式会社
  • 83 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(264)
  • 84 疾風の如く(77)
    進学個別イクシード
    代表 梅沢 武史さん
  • 86 好機到来 学びエイド 代表 廣政 愁一(8)
  • 88 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(29)
  • 90 白書界隈徘徊話(9) 西村克之
  • 92 自ら動き出すチームにする方法(14) 中谷彰宏
  • 94 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(29)
  • 95 芸術見聞録(29)
  • 96 高校生からの子育てハイウェイ(8)
  • 97 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 98 為田裕行の「教育ICT行」(8)
  • 100 塾ソムリエの講師研修指南 西村 則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(4)
  • 102 林明夫の「歩きながら考える」(124)
  • 104 咲かせよ桜(15) 小林哲夫
  • 108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(33)
  • 110 論点2015(12) 本当に必要な大学改革とは
  • 106 編集後記
  • 108 Book Review
  • 110 塾長のためのガジェット講座

エリート教育を推進 来年度、都立校に新プログラム

東京都教育委員会は11月26日、来年度から都立高校1校に、医学部への進学を目指す生徒を対象にした教育プログラムを初導入すると発表。小論文などの入試対策に加え、医療現場の職場体験などを通じて、医師にふさわしい人格形成も目指す。また、科学技術分野で活躍する人材を育てるため、中高一貫校1校を「理数アカデミー校」に指定。中学3年で米国などの海外研修を行うほか、大学や研究機関の実験に参加する機会を設ける。各クラスから医学部を希望する生徒を集めたチームを結成し、専属の教員が3年間、課外授業を実施する。