厚生労働省が2011年度に実施した委託調査によると、実際に働いている保育士と潜在保育士が求めている研修内容(複数回答)は「保護者応対」が55%で「保育実技」が50%に上った。一方、保育所で働いていない理由については「求職しているが条件に合う求人がない」が30%で最も多かった。保育所に勤めている人の回答では、勤務内容と比べて給与が「やや安い」「かなり安い」が計52%を占めた。保育所定員を増やすには、保育の担い手となる保育士の待遇改善も大きな課題となる。
フリースクールなど小中学校以外で教育を受けた場合でも、義務教育の修了を認める議員立法を自民党の議員連盟がまとめた。野党も大筋で同意しており、超党派で来年の通常国会に提出する。法案が通常国会で成立すれば、2018年4にも新制度がスタートする。全国に約12万人いるとされる不登校の児童・生徒のうち、いじめなどで学校に通えない子どもの学習を支援するのが目的だ。法案が成立すれば、義務教育の場を学校に限った1941年の国民学校令以来、教育制度の大転換となる。
政府は11月11日、各府省の予算に無駄がないか外部有識者らが点検する「行政事業レビュー」を都内で始めた。13日まで3日間、原子力などのエネルギーや科学技術、東京五輪関連など8府省の55事業について予算の見直しが必要か検証する。会議は公開し、インターネットでも中継する。河野太郎行政改革相は「国民に予算の使われ方を見ていただきたい。忌憚ない議論をお願いしたい」とあいさつした。議論の結果を2016年度予算案に反映させることを目指す。超スピード審議で結論を導けるかが気懸かりだが。
三菱航空機(愛知県豊山町)の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機が11月11日、愛知県営名古屋空港から飛び立ち、太平洋側の遠州灘の上空を航行して、同空港に着陸した。試験機は午前9時20分ごろ、駐機場から滑走路に移動。三菱航空機社員や航空会社関係者が見守るなか、午前9時半すぎに離陸。同11時すぎに同空港に着陸した。日本メーカーが民間旅客機の主翼や胴体まで丸ごと開発するのは1962年に初飛行した「YS―11」以来、半世紀ぶりとなる。初飛行に成功したことでMRJの開発は完成に向けて大きく前進する。
厚生労働省による初の調査で11月9日、アルバイト経験がある大学生らの6割が、「賃金がきちんと支払われない」「合意した以外に勤務させられた」といったトラブルを経験したことが分かった。労働条件が過酷な「ブラックバイト」が問題化し、厚労省が実態把握のために調査した。今年8~9月、全国の18~25歳の大学生や専門学校生らにインターネット上で実施。週1日以上、3カ月以上のアルバイト経験がある1千人からの回答をまとめた。学生生活に支障が出た学生も多い。厚労省は業界団体への要望など対策を強化する。
東京大は11月9日、2016年度推薦入試の出願状況を発表した。6日までの出願期間で全10学部の募集定員100人程度に対し、出願者は173人にとどまった。学部別の志願者は、法学部24人(募集人員10人程度)、理学部32人(同10人程度)など。文学部や薬学部など3学部は定員と同じか、満たなかった。推薦入試の受験者は出願書類で選考された後、面接などを受け、来年1月のセンター試験も受験。合格発表は2月10日に行われる。入試課の担当者は「現時点で志願者数への評価はできない」としている。
公立小中学校の校舎や設備の点検状況を会計検査院が調べたところ、法律で定められた天井や外壁の劣化などを調べる「建築点検」を行っていない学校が計694校あったことが26日、分かった。調査対象の13%にあたる。見つかった問題を放置していた学校も2052校(39%)に上り、検査院は文部科学省に適切な維持管理を市町村に徹底させるよう求めた。文科省は「情報を市町村が一元管理し、優先順位をつけて対策に取り組む仕組みを整えたい」と説明。市町村向けに点検の手引も作成し、対策の重要性を周知する方針だ。
安倍晋三首相は11月6日、都内で講演し、待機児童の解消に向け2017年度までに50万人分の受け入れ先を確保する方針を明らかにした。これまで40万人分としていた目標を10万人分増やし、17年度末に待機児童ゼロを達成したいとしている。11月末にまとめる緊急対策に盛り込み、15年度補正予算で裏付けする。首相は17年度末までの待機児童ゼロ達成について「より確実なものにしたい」と強調した。地方自治体や企業などに保育施設の拡充を促し、政権が掲げる出生率1.8の実現につなげる。
埼玉大学は11月5日、さいたま市内のキャンパスに図書館の新棟を開設した。新棟「ラーニングコモンズ」は地上3階建てで延べ床面積は約1600平方メートル。事業費約4億円を投じた。既存の図書館に隣接しており通路で往来できる。10人程度で使用できる予約制の学習室を3室整備。パソコンも用意しゼミの発表準備などに活用することを想定する。映像機材やマイクなどを置いた定員30人程度の個室も2室用意した。旧棟は従来通り図書スペースとして活用。新棟で学生同士の議論を促す一方、旧棟では静かに学習できる環境を整える。
ベネッセホールディングスは10月30日、2020年度までの中期経営計画を発表した。投資枠が5年間で2千億円と過去最大規模で、海外に賭ける。幼児向け通信教育講座「こどもちゃれんじ」を中国、韓国、台湾で展開しているが、今後、さらに中国での開拓に力を入れる。北京や上海など4つにとどまる営業拠点を、6倍の24に増やす。周辺の商業施設にベネッセの教材を体験できる店舗も開設し、会員獲得の支えとする。15年10月の中国での会員数は83万人だが、21年までに5倍弱の400万人に増やす。
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