Archive for: 11月 2015

待機児童解消へ公園に保育所  17年4月

公園の敷地内に保育所が誕生する。品川区は17日、区立西大井広場公園内に認可保育所を開設すると発表した。保育所の敷地面積は約500平方メートルで、定員は90人程度。荒川区は都立汐入公園で定員150人規模の認可保育所を設ける。延べ床面積は約1200平方メートルで、屋上は住民に開放する。今年4月1日時点の待機児童が全国最多の世田谷区は都立祖師谷公園と都立蘆花恒春園に認可保育所を開く。ともに延べ床面積は約650平方メートルで、定員80人を予定する。

 東京以外では横浜市も公園内保育所の開設を検討。大阪府は8月末に府内自治体向けに説明会を開き、その後に複数の自治体から府に問い合わせがあったという。

 都市部では保育士とともに、用地の確保が保育所増設の課題になっている。法律で都市公園内に保育所は設置できないが、国家戦略特区による規制緩和を活用。保育所不足の解消を目指す。

幼稚園・小学校の教諭を保育士として活用  厚労省案

厚生労働省は11月16日、幼稚園や小学校の教諭が保育士として働けるように規制を緩和する案を同省の検討会に示した。保育所にいる子どもの数が少ない朝夕の時間帯は保育士を1人に減らせるように配置基準を緩和することも提案した。保育士1人に加え、自治体の研修を受講した保育ママや子育て支援員などの保育業務経験者で運営できるようにする。政府は2017年度末までに待機児童ゼロを目指しているが、保育所を整備するのに合わせて保育士の人数を確保できるかが大きな課題だ。

学校事務職員を活用へ 中教審分科会が答申案

文部科学省の中央教育審議会(中教審)の分科会は11月16日、教員が教育に専念できる体制づくりを目指し、事務職員や専門スタッフを活用することを柱とする答申案をまとめた。職員の位置づけを明確にし、複数の学校で共同で事務を行うことで、より効率的な運用ができるとした。また職務規定などを見直し、学校運営に関わることについても法令上、明確化するとした。心理学や福祉の専門家であるスクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)などの専門家、部活動指導員(仮称)についても新たに学校職員として位置づける。

10歳以下のヘディング禁止、米サッカー協会が新規定

米サッカー協会は11月11日、10歳以下の子どものヘディングを禁止すると発表した。11~13歳の子どもは練習中のヘディングの回数に制限を設ける。ヘディング禁止規定は米サッカー協会傘下のユースナショナルチームやアカデミーに所属する男女が対象となる。全米のユースサッカー人口は約300万人で、男女の比率はほぼ半々。米サッカー協会は、同じ規定を導入するかどうかの判断は個々の団体に委ねるとしながらも、規定は医療委員会からの勧告に基づくと強調、同様の対応を取るよう強く促している。

国の教育政策、効果を検証へ 来年度から実証研究

文部科学省は11月10日、「費用対効果が不明確」との指摘があった国の政策に、エビデンス(科学的根拠)を与えようとい計画を政府の経済財政諮問会議にした。教員の数を増やすと、子どもの学力や社会性はどのくらい高まるのか。文科省はデータで示そうと、2016年度から実証研究を始める。自治体の協力を得て、子どもの知識や思考力、コミュニケーション能力、自尊心などをテストやアンケートなどで継続して測り、各政策がどのような影響を与えたか見る。「全国学力調査」の結果を、研究者に開示することも検討する。

中国11月11日の「独身の日」でアリババ、90分で6千億円超の売り上げ

中国で11月11日は「独身の日」、数字の「1」が並ぶことに由来する。中国でこの日を祝って未婚の男女が自分のための買い物を楽しむ習慣は数年前から始まった。同国のネット通販最大手アリババ集団は同日早朝、この日最初の90分だけで商品販売総額が米ドル換算で50億ドル(約6000億円)を超えたと発表した。このうち70%以上が同社傘下のモバイルサイトでの買い物だった。米国内でこの商戦への便乗を狙う動きも出ていが、「ブラックフライデー」商戦が近いことなどもあり、米国で独身の日が定着する見通しは今のところ薄いかもしれない。

英語で学位、法政や立教がプログラム新設

法政大学、慶応大学、立教大学など東京都内の私立大学が相次ぎ、英語のみの授業を受けて学位が取得できるプログラムを新設する。法政大は16年9月にも、経営学部と人間環境学部に、全ての授業を英語で行うプログラムを開設する。慶応大学も16年9月、最先端の経済学を英語で学ぶプログラムを新設する。立教大学は17年度に、入学時から専攻分野を細かく選ばず、幅広い教養を学べる「グローバル・リベラルアーツプログラム(GLAP)」を用意する。海外で働きたいという日本人学生や日本に関心が高い外国人学生らを集める。

愛知県立高全日制、4万1000人募集

愛知県教育委員会は11月11日、県立高校の来春の募集人数を発表した。全日制課程146校・1校舎で今年度より200人減の4万1000人を募集する。名古屋市立高校13校の募集人数は今年度からの増減はない。来春に中学を卒業する生徒は、今年度実績より347人少ない7万3278人と見込んでいる。過去の実績などを踏まえ、従来と同じ93%が高校や高等専門学校に進学すると想定。国公立と私立の募集人数比も、公私の協議の結果、従来通り「2対1」とし、国公立162校・1校舎の合計は4万5480人、私立55校は2万2694人となっている。

世界一住みやすい国はノルウェー、7年連続 英レガタム研究所

英レガタム研究所が毎年発表している世界各国の「繁栄指数」のランキングで、ノルウェーが7年連続の首位を獲得した。日本は19位だった。同研究所は世界142の国と地域について経済、事業開拓のチャンス、統治体制、教育、保健、安全、個人の自由、社会資本の8部門、計89項目を評価。ノルウェーは「他者への信頼感」「選択の自由への満足度」「生活水準への満足度」などの各項目でも世界トップだった。北欧諸国は全体に総合順位が高く、デンマークが3位、スウェーデンが5位、フィンランドが9位、アイスランドが12位に入った。

「潜在保育士」復職お助け 待機児童対策

資格を持ちながら職を離れている「潜在保育士」の復職を後押しする取り組みが首都圏で広がってきた。三幸学園(東京・文京)は11月、保育職場の復帰に向けた基礎知識を学べるeラーニング「ももいくゼミ」の運用を始めた。座学と保育所見学、保育所での現場実習を組み合わせた研修事業を始めたのはさいたま市。千葉県船橋市も潜在保育士向けの「体験実習」の実施を検討中。東京23区でも世田谷区が就職情報サービスのマイナビ(東京・千代田)と組み、保育に特化した求人情報サイトを開設した。

 保育所に入れない待機児童の問題は依然深刻で、全国に60万人いるとされる潜在保育士の現場復帰を促し、保育の担い手確保を目指す。