日本に住む全ての人に割り当てる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の利用範囲を広げる改正マイナンバー法が9月3日、衆院本会議で可決、成立した。マイナンバーの導入は2013年成立の法律で決まっており、今回の改正法ではマイナンバーと銀行口座を結びつけられるようにするなどの対応をとった。来年初の運用開始に向け10月には12桁のマイナンバーを記した「通知カード」が各世帯に郵送される。16年1月以降ICチップ付きの「個人番号カード」を市町村の窓口で受け取れる。
2005年に開校し、今年開校11年目を迎えた片山学園中学校・高等学校(富山市東黒牧、片山浄見理事長)は、夏休み中の学生寮を活用して塾の合宿を誘致している。今年3月に改行した北陸新幹線を利用すれば東京からも2時間程度でアクセスできることから、首都圏の中学受験塾に対しても、教室や学生寮を活用した受験対策の合宿開催をサポートしている。
学園としては、首都圏の受験生に同学園のことを知ってもらうことで、次年度以降の受験者を増やし、優秀な生徒の獲得につなげるという。毎年、東大をはじめ国公立・私立の難関大学に合格者を出している県内有数の進学校となり、将来的に、1学年の定員120人のうち、3分の1にあたる40人の生徒を県外から迎え入れることを目指し、2015年度は県外出身の生徒が2割を超えた。
同学園は、受験合宿で各学習塾による受験対策の授業をできるように教室を開放するほか、同学園の教師による理科実験やプラネタリウムを使った星空観察会など同学園独自のプログラムも実施する。宿泊先は敷地内にある学生寮の部屋と食堂が利用でき、同学園に入学した場合の寮生活や学習環境の一端を体験してもらう絶好の機会と捉えている。
名古屋市の進学塾「パシフィックゼミナール・EDIX」は、8月12日から3泊4日の日程で、昨年に続き2回目の受験合宿を同学園で実施し、21人の小学生が参加。同塾の吉村寛之塾長は「合宿にかかる費用や安全性を考慮すると塾にとっても大変ありがたい」と話し、合宿に参加した小学6年生の男子生徒は「家ではこんなに勉強できないけど、合宿では楽しみながら勉強できた。あと2日くらい泊まりたい」と笑顔で話してくれた。
昨年は、同塾から参加した受験生17人のうち6人が、今年1月に同学園が実施した名古屋会場の入試を受験するといった成果も挙げている。同学園中学校の望月尚志校長は「実際に学園生活を体験してもらえたのが非常に効果的だった」と説明する。
北陸新幹線の開業にともない、首都圏から富山への移動時間が大幅に短縮することから、同学園は「子供を寮に預ける保護者や受験生本人の精神的な負担も減る」とみており、首都圏からの受験生増にさらなる期待を掛ける。