Archive for: 9月 2015

マイナンバー、改正法が成立

日本に住む全ての人に割り当てる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)の利用範囲を広げる改正マイナンバー法が9月3日、衆院本会議で可決、成立した。マイナンバーの導入は2013年成立の法律で決まっており、今回の改正法ではマイナンバーと銀行口座を結びつけられるようにするなどの対応をとった。来年初の運用開始に向け10月には12桁のマイナンバーを記した「通知カード」が各世帯に郵送される。16年1月以降ICチップ付きの「個人番号カード」を市町村の窓口で受け取れる。

昨年の出生数、最少100万人 4年連続で減少  死亡数は最多127万人

厚生労働省が9月3日発表した2014年の人口動態統計(確定数)によると、出生数は100万3539人で前年より2万6277人減った。出生数は公表を始めて以来最少で、4年連続の減少だった。同省は15~49歳の女性人口が2566万8千人と前年より約1%減ったことが主な要因とみている。死亡数は127万3004人で前年より4568人増えた。高齢化などの影響で戦後最多となった。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は26万9465人の減少で、過去最大のマイナス幅だった。自然増減数の減少は8年連続となり、人口減少の傾向が強まっている。

育鵬社教科書、シェア微増

来年度から中学校で使う社会科の教科書で育鵬社版が、全国で同社版を使う生徒の割合はこれまでの約4%から微増しそうだ。8月5日、大阪市教委の会合。委員6人のうち4人が育鵬社版を支持し、歴史と公民の教科書に決まった。横浜市も同日、4年前に続いて育鵬社版を採択。全国の人口上位2市が使うことになった。育鵬社版を選んだのは前回の11都府県23教委から14都府県31教委に増え、15教委が初採択。同社は、全国シェアは歴史・公民とも6%前後だろう、とほくそ笑む。

人工芝グラウンド開放 作新学院大

宇都宮市の作新学院大学のキャンパスに広さ1万平方メートル余りの人工芝グラウンドができたのは昨年10月のこと。同大は、グラウンドをプロチームや地域社会などとの連携に活用している。交流イベントは中学生の教育だけが目的ではない。大学での運動部活動を就職に生かしたいという学生に運営を実体験させる狙いがある。例えば、練習試合から試合後の講義、軽食を交えてのパーティーまで、学生の手により企画・運営された。同大はスポーツ経営関連の学科などでの人材育成を通じ、スポーツによる地域活性化を目指す。

キッズコーポレーション、保育士SNSで確保

キッズコーポレーション(本社:宇都宮市・代表:大塚雅斗)は交流サイト(SNS)を使った保育士集めに乗り出す。求人サイト「ウォンテッドリー」を活用し、同サイトに登録している有資格者に直接入社を働きかける。ウォンテッドリーはフェイスブックの「友達」機能を使い企業と求職者をつなぐSNS。キッズコーポはSNSの登録者の中から保育士の資格を持ちながら別の業界で働く人などを探し、求人のメッセージを送る。

リソー教育、代表取締役2人体制に

リソー教育は9月5日、天坊真彦専務取締役(50)が代表取締役専務に昇格したと発表した。就任は4日付。岩佐実次会長兼社長は現在の役職を継続し、2人の代表取締役を置く。14年に粉飾決算が発覚し、後継者の選定が課題となっていた。引き継ぎを済ませた上で、天坊氏が社長に就任するとみられる。

アジアの理系大学生をIT人材 として呼び込み 政府、東大や企業と連携

政府は東大や電機大手などと組み、アジアの理系大学生をIT(情報技術)人材として日本企業で採用する仕組みを産官学でつくる。日本企業への就職を念頭に日本の大学に留学生として招き、一定期間学んだ後に企業が雇う。政府は2020年までにIT関連の外国人の専門技術者を現在の約3万人から6万人に倍増する計画を掲げており、目標達成を後押しする。経済産業省と文部科学省、東大などが月内に具体策を話し合う協議会を立ち上げ、協力企業を募る。インド工科大学(IIT)とも連携する。

日本に「好意的」71% アジア太平洋地域の11カ国調査

米調査機関ピュー・リサーチ・センターは9月2日、アジア太平洋地域の11カ国で日本、中国、韓国、インドの4カ国への好感度を調査したところ、日本を「好意的に見ている」との回答が71%で最高だったと発表した。調査は4月から5月にかけて日本、米国、中国など11カ国の約1万5千人を対象に実施。「好意的」との回答が中国が57%、インドが51%、韓国は47%となり、日本の71%がトップだった。

塾の合宿誘致し受験生増に成果 片山学園中・高

2005年に開校し、今年開校11年目を迎えた片山学園中学校・高等学校(富山市東黒牧、片山浄見理事長)は、夏休み中の学生寮を活用して塾の合宿を誘致している。今年3月に改行した北陸新幹線を利用すれば東京からも2時間程度でアクセスできることから、首都圏の中学受験塾に対しても、教室や学生寮を活用した受験対策の合宿開催をサポートしている。

片山学園中学校・高等学校は立山連峰に抱かれるように佇む

片山学園中学校・高等学校は立山連峰に抱かれるように佇む

学園としては、首都圏の受験生に同学園のことを知ってもらうことで、次年度以降の受験者を増やし、優秀な生徒の獲得につなげるという。毎年、東大をはじめ国公立・私立の難関大学に合格者を出している県内有数の進学校となり、将来的に、1学年の定員120人のうち、3分の1にあたる40人の生徒を県外から迎え入れることを目指し、2015年度は県外出身の生徒が2割を超えた。

理科実験や天体観測の授業は片山学園の先生にも協力してもらえる

理科実験や天体観測の授業は片山学園の先生にも協力してもらえる

同学園は、受験合宿で各学習塾による受験対策の授業をできるように教室を開放するほか、同学園の教師による理科実験やプラネタリウムを使った星空観察会など同学園独自のプログラムも実施する。宿泊先は敷地内にある学生寮の部屋と食堂が利用でき、同学園に入学した場合の寮生活や学習環境の一端を体験してもらう絶好の機会と捉えている。

名古屋市の進学塾「パシフィックゼミナール・EDIX」は、8月12日から3泊4日の日程で、昨年に続き2回目の受験合宿を同学園で実施し、21人の小学生が参加。同塾の吉村寛之塾長は「合宿にかかる費用や安全性を考慮すると塾にとっても大変ありがたい」と話し、合宿に参加した小学6年生の男子生徒は「家ではこんなに勉強できないけど、合宿では楽しみながら勉強できた。あと2日くらい泊まりたい」と笑顔で話してくれた。

教室や宿舎を開放し、塾の合宿施設として誘致している

教室や宿舎を開放し、塾の合宿施設として誘致している

昨年は、同塾から参加した受験生17人のうち6人が、今年1月に同学園が実施した名古屋会場の入試を受験するといった成果も挙げている。同学園中学校の望月尚志校長は「実際に学園生活を体験してもらえたのが非常に効果的だった」と説明する。

北陸新幹線の開業にともない、首都圏から富山への移動時間が大幅に短縮することから、同学園は「子供を寮に預ける保護者や受験生本人の精神的な負担も減る」とみており、首都圏からの受験生増にさらなる期待を掛ける。

東京駅前に巨大地下バスターミナル

東京駅八重洲口前(東京都中央区)に、巨大な地下バスターミナルが誕生することになった。新たに建設予定の高層ビルの地下フロアを活用する。ターミナルの一部は2020年の東京五輪までの開業をめざす。二つの高層ビルの地下にできる新ターミナルには13の停留所が予定され、いまある停留所のうちJR系を除く八つを集約する。地下街を通じてJR東京駅ともつながる予定で、さらなる拡大計画もある。3日、地域を限って規制を緩める「国家戦略特区」の会議で計画が決まった。