政府は、全国の火山ごとに今後噴火するリスクを数値化した「噴火発生確率」の導入に取り組むことを決めた。文部科学省は、昨年9月の御嶽山噴火など全国で火山活動が活発化していることを受けて、来年度予算の概算要求に10億円を計上。火山ガスなどの噴出物の分析方法のほか、素粒子を用いて火山内部のマグマの様子を透視する技術や、小型無人機「ドローン」を使って火山の状況を調べる。来年度以降、素粒子などの最新技術を用いて火山ごとに噴火する確率を試算し、避難や防災体制の強化を図るのが目的。
朝日新聞の富山版で面白い記事が目に止まった。見出しが「小6理科、全国トップ」とあり、富山県の今年の成績は、順位が回復した昨年に続き、全国で上位を維持する結果となった、とある。もともと富山県の成績は、同調査が始まった07年度は全国トップクラスだったが13年に下がった。が、県教委の改善策が功を奏して、今回は小6、中3とも全教科で順位が1ケタとなり、特に小6の理科は全国トップとなったとまとめた。蛇足が凄い。富山の子ども達よ、もっと勉強しろと激励叱咤するのである。勿論、学力調査と同時に実施されたアンケート(ビッグデータ)をもとにしてであるが。
秋田、福井の最上位2県と富山県の生徒の「学び」にはどんな違いがあるのか。学力調査と同時に実施されたアンケートから探った、
高校受験を来年に控えた中学3年生の回答をみると、平日、学校の授業時間以外に1時間以上勉強する生徒(2時間以上や3時間以上の生徒も含む)の割合は、秋田80・7%、福井74・6%に対し、富山は全国平均69%を下回る62・9%だった。
一方、平日、学校の授業時間以外にまったく勉強しない割合は、富山が5%で全国平均5・3%に近く、福井は2・2%。秋田は0・7%と低かった。
学校の授業の予・復習に関する数字にも違いが出た。「予習を家でまったくしていない」割合は富山が23・9%で、福井は18・5%、秋田は17%だった。ただ、いずれも全国平均27・2%より低かった。
「復習をまったくしていない」割合は、富山が15・9%で全国平均16・5%に近く、福井は11・1%、秋田はわずか2・3%だった。両県では、「勉強しない層」が富山より薄いことがうかがえる。
さらに、蛇足の蛇足。学習塾に通っている割合(家庭教師含む)は富山と福井がほぼ同じ5割。秋田が3割で、いずれも全国平均の6割を下回った、と記した。
近畿圏を中心に約200教室「個別指導キャンパス」の塾名で小、中、高校生を対象に個別指導を行う新教育総合研究会株式会社(大阪市北区)はこの度、ソフトバンク社のロボット・Pepperを特任講師として任命した。
福盛訓之(41)代表は、ペッパーの音声認識や発声、身ぶり手ぶりなどを使った対人コミュニケーション機能を活用し、子供が楽しみながら学べるようにする。また、日常の個別指導で学んだ単語の確認テスト、ゲーム感覚で楽しみながら復習できるコンテンツなど、学習内容の定着度向上に向けての開発や実証実験を行う予定と話している。
年内は実証実験を続け、ペッパーの供給体制を鑑みながら、順次各教室への導入を検討している。「個別指導キャンパス」は約1万人が在籍している。
文部科学省は8月25日、小学6年と中学3年の全員を対象にした2015年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。平均正答率で、下位3県の平均と全国平均との差が7科目で前回より0・1~0・4ポイント縮まり、都道府県間の成績格差は下位自治体の改善により縮小傾向が続いた。95%以上の小中学校でテスト結果の分析を通じた指導改善が定着したことが要因とみられる。3年ぶりに実施された理科では、中学生の「理科離れ」が進む現状が浮かんだ。
全国の国公私立の小中学校約3万校に在籍する約213万人が4月にテストを受けた。国語と算数・数学の2教科で主に基礎的知識を問うA問題と、知識の活用力を問うB問題が出されたほか、理科は抽出調査だった12年度に続き2回目で、全員参加は今回が初めてだった。
都道府県別の平均正答率では秋田県と北陸3県が例年同様上位を占めた。
秋田県の小中学生は全10科目中6科目で平均正答率(平均点)が全国で首位になった。平均正答率は、小6の国語A76・0▽国語B76・4▽算数A81・2▽算数B51・5▽理科66・7▽中3の国語A80・8▽国語B70・7▽数学A68・4▽数学B46・9▽理科59・6で、全科目で、全国平均を4ポイント以上上回った。小学校では理科が富山(67・5)、福井(66・8)に続く3位だったほかは、すべて全国首位だった。中学校は国語A、Bが全国首位で、数学A、Bと理科は福井に続く2位だった。
福井県は、中3の数学A(正答率71・1%)、数学B(同47・7%)、理科(同61・3%)がいずれも全国1位で、ほかの科目も4位以内だった。3教科平均は小6が全国3位、中3は全国1位だった。
石川県の順位は、小6の国語Aが3位で昨年の全国14位から順位を上げた。国語Bは2位で昨年と同順位。算数Aと算数Bは2位で、ともに昨年3位から順位を上げた。理科は4位(12年は抽出調査で3位)。中3は国語Aが4位で昨年と同順位。国語Bが3位(昨年5位)、数学Aが3位(同4位)、数学Bが3位(同5位)と順位を上げた。理科は4位(12年は抽出調査で3位)。
富山県は、小6の理科の成績(平均正答率)が47都道府県でトップだった。小6、中3とも全教科で全国平均を上回り、いずれの教科も全国で上位を占めた。
大阪府の中学3年の成績が大幅に向上しているのが目をひく。府教委がテスト実施に先立ち、学校別結果を高校入試の内申点評価に活用する方針を打ち出したことが、結果的に成績向上につながった可能性がある。大阪府の中学3年の平均正答率は今回、国語・数学の4科目のいずれも、昨年度と同様に全国平均を下回った。しかし、全国平均との差が昨年度は2・8~4・4ポイントあったのに、今回は0・7~1・8ポイントまで縮まり、上昇幅は1・0~3・0ポイントに上った。
昨年度に小6算数Aが最下位ランクを脱した沖縄は今回も6位と学力を維持。25年度に改善した高知も、小6国語Aが6位と学力定着がみられた。
全国的に学力底上げが進んだ背景について、文科省の担当者は「学校現場で学力テストが本格的に活用されていることが一因」と指摘。同時実施された学校への質問紙調査によると、「自校の結果を分析し学校全体で課題を共有した」との回答が、小学校で97・9%、中学校でも95・7%に上った。文科省幹部は「各校が課題を発見し、授業を改善する良好なサイクルができている」と話した。