大阪府の中原徹教育長(44)は3月11日、府教育委員会の臨時会議で教育長の辞職を表明した。職員らへのパワーハラスメントや威圧的言動を府教委の第三者委員会に認定され、「現場に迷惑をかけており決断した」としている。松井一郎知事には伝えており、知事も同意する見通しだ。中原氏は弁護士出身。橋下徹・大阪市長の大学時代の友人で、橋下氏の府知事時代に公募された府立高校の校長を経て、2013年春に教育長に就任した。
igsZの設立記念セミナーが3月1日、東京国際フォーラムで開催された。同社は、通信教育をはじめ、多岐にわたる形で教育事業を展開するZ会と、海外大学進学・グローバルリーダー教育で実績のあるigsがタッグを組み、2015年1月にスタートしたスクールだ。
セミナーの第一部では、開成学園の柳沢幸雄校長とigsZの福原正大学院長が「小中高生から目指す、世界を変えるリーダーとは?」と題した対談がおこなわれた。柳沢氏は、現代の日本を、「恵まれていた時代から、それが終わりかけている時代だと思っています。今の小中学校生にとっては、これからもっと難しい時代になる」と会場に集まった中高生と保護者に語りかけた。今の日本の生活水準は世界トップクラスだが、それに比べて満足度はかなり低く、閉塞感が漂っている。そのような状況の中で、「子どもたちには、自己決定力を身につけてもらいたい。こういう人生を送りたいと考え、選べるための自己決定力を培っていかなければならない」と続いた。
第二部では、「グローバルリーダーに必要な7つの力の磨き方」と題した同社の取り組みについて、シニアコンサルタントの後藤道代氏から紹介された。
同社の授業は原則すべて英語でおこなわれ、講師は全員が世界のトップ大学出身者。そして、7つの力である「教養基礎」、「問題設定力」、「創造力」、「クリティカルシンキング」、「コミュニケーション」、「実行力」、「自らへの理解と自信」を養うための多様なプログラムが紹介された。
第三部では、参加した中高生たちが2人1組になり、普段igsZでおこなわれているディスカッションの体験授業が行われた。内容は、福原学院長からレクチャーを受け、「若者に多大な人気を誇るDJ」と「文化祭実行委員長の学生」の役に分かれ、自分が演じる側のパーソナルデータだけを事前にインプットした上で、出演交渉を疑似体験するもの。
「相手の情報をうまく引き出し、自分たちの利益に繋がる交渉をしなくてはならない」と福原学院長が言うように、単純にWINWINの関係にしない「交渉術」についてレクチャーした。今回は日本語での体験授業が行われたが、実際の授業では、高校3年生までにすべて英語で行えるようにすることを目指すという。
今後、大学入試改革が進み、語学力だけでなく思考力や哲学を身につけた人材を大学側が求めるようになれば、igsZのように多様な能力を引き出す塾への要請はさらに高まるものと見られる。
幼児教室「けいkids+」(京都府右京区、兼田眞里代表)は3月5日、同教室に子供を通わせる母親を中心に「私立中高に進学する意義を考える~心の教育を通じた社会に通用する人間づくり~」をテーマにキャンパスプラザ京都で教育講演会を開催した。
他府県から参加する母親も合わせて約30名が参加した。講師には、2012年から3年間で入学者数を4倍以上に伸ばした龍谷大学付属平安中学高等学校・校長補佐の平井正朗氏を招き「私立中高に進学する意義」について90分にわたって講演した。
平井氏は具体的な数値データを紹介しながら、子供達が大人になる5年〜10年先の社会ではどういった人材が求められるようになるのか、それに応じて英語教育はどう変わるのか、そして中高期間に子供にどういった学習をさせるべきなのか、そのためにはどういった観点で学校選びをするといいのか、といったポイントに焦点を当てて話しを進めた。
この日セミナーに参加した小学校受験を控える母親からは「志望校を考える時にその先の中学・高校・大学のことまで考えると大変参考になった」「我が子を彼ららしく育てるにはどうしたらいいか、深く考えさせられた」といった声が寄せられていた。同教室では、今後もこういった教育講演会を開催していく予定だ。
立命館大学国際関係学部は3月4日(水)、「英語による学部専門教育は日本の大学をどう変えるか」をテーマにシンポジウムを開催した。同学部は国際化拠点整備事業への採択を受けて、2011年に英語のみで卒業可能なグローバル・スタディーズ専攻を設置。2015年3月に初めて卒業生を輩出する。それにあたり、2010年に同じく英語による学位プログラムを設置した早稲田大学政治経済学部を招聘し、同イベントを催すことになった。
スーパーグローバル大学(SGU)創世支援スタートによって、英語で学ぶ専攻の設置をはじめとした大学の国際化の進展が期待されており、学習塾・予備校業界においてもその時流に合わせた動きが現れつつある。同イベントでは、同学部で学んだ留学生、日本人の生徒がパネルディスカッションに登壇するなどし、立命館大学国際関係学部の成果を垣間見られる機会となった。