東京大学は3月18日までに、ケンブリッジ大、オーストラリア国立大、北京大の3校と全学規模で交流を深化させる「戦略的パートナーシップ」協定を結んだ。東大はこれまで、プリンストン大とのみ同協定を結んでいた。教員交換や学生の相互留学、先端研究分野での共同プロジェクトなどを通じ、東大が国際競争の中で遅れず、勝っていくことを目指す。昨年10月に英教育専門誌が発表した「世界大学ランキング」で東大は23位。同5位のケンブリッジ大は5位。オーストラリア国立大は45位、北京大は48位。
気象庁は3月23日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。平年より3日早く、昨年より2日早かった。
同日朝日新聞の天声人語は、「相次ぎ届く花の便り」と題し、在原業平の読んだ〈世中(よのなか)に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 解説:もし桜がなかったなら、どんなにか春をのどかに過ごせるだろう〉を冒頭に、各地から届く花の便りをモチーフにしたエッセーを掲載した。歌にはそれほどに桜の存在は大きいという、逆説の賛辞が含まれると筆者は説く。掲載のタイミングが良すぎるというご意見はさておいて、業平の花に対する思い入れは日本人に共通する心情ではなかろうか。
花を待ち望む心、花を見て美しい言える心、散る花に無常を感ずる心。これこそ日本人共通の花に対する想いだと思う。天声人語は、〈散ればこそいとゞ桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき〉。この世は無常、桜は散るからこそ素晴らしい、という称賛だ。古今、ほめ方も色々である、と結ぶが、西行法師の<願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ 解説:願いが叶うならば、何とか桜の下で春に死にたいものだ。しかも草木の萌え出ずる如月(陰暦二月)の満月の頃がい い)という辞世の歌>にして欲しいものである。花には無常が潜む、とまとめたら如何。