和歌山大宇宙教育研究所が中心となり、開発を進めてきた超小型衛星「UNIFORM―1号機」が5月24日、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケットで打ち上げられた。イオンモール和歌山では発射の様子を生中継するイベントがあり、家族連れら約300人が見守った。会場では、同大学の教員や学生が模型を使って、衛星に搭載された森林火災を捉えるカメラや太陽光パネルの機能を説明した。午後0時5分の発射予定時刻にロケットが予定通り白煙を上げて上昇すると、子どもらから大きな歓声が上がった。
栃木県の開倫塾が主催する「全国模擬授業大会」が5月25日(日)、日本最古の学校である「足利学校」のあった足利市の足利工業大学附属高等学校の教室とホールを借り切っておこなわれた。前日の24日には、茂木敏充経済産業大臣も駆けつけプレイベントが開催されるなど。この週末は、足利の街が塾関係者で賑わった。
全国模擬授業大会は「チョーク1本で教育改革 を」を合い言葉に、2006年から毎年この時期に開催され、今年で9回目を迎える。今年は、全国から60を超える学習塾・学校ならびに企業・団体が参加した。開倫塾の林明夫代表は開会式で「授業を充実させることにより、各教育機関の社会的使命(ミッション)を果たすことを目的としています」と宣言し、日頃から学習塾に通う生徒たちに、授業を通して学ぶことの楽しさや、生きることの目的を自覚してもらうことを実践している先生たちに向けてエールを送った。
大会には、参加した各塾から選りすぐりの48人の先生たち。午前中は、国語、数学、英語、理科、社会の各教科ごとに13のブロックに分かれて予選をおこなった。模擬授業の審査は、授業導入部分の15分間を実際に生徒が居ると想定して先生が授業をおこない、授業を受けている生徒をいかに惹きつけ、その後に続く授業をモチベーションを高い状態で受け続けられるかということを1授業につき3名の審査員が、授業目標の立て方、板書の工夫、本題に入る前のツカミや間の取り方といった話法に関する項目でポイントを付け、合計点が高いほど良い授業とされる。
午後に入ると、各教科ごとに2〜4名の予選通過者が、改めて各教科1人の本戦出場者を決めるために模擬授業をおこなった。その後、参加者全員が講堂に集められ本戦がおこなわれた。本戦に進んだのは、国語の舩木政子先生(創学舎)、英語の石田朋彦先生(トーゼミ)、社会科の田中潤先生(洛西進学教室)、理科の高田晋輔先生(野田塾)、数学の岡部正行先生(開倫塾)の5人だ。(※名前は本選の授業順)
5人とも観ている者を惹きつける、普段であれば授業を受けている生徒たちが、楽しみながら「もっと知りたい!」と学びのエンジンが起動するような見事な授業を披露してくれた。審査員からも「年々レベルが上がっている」といわれるほど素晴らしい授業の中から雌雄決するのは困難を極めたとみられるが、見事最優秀賞に輝いたのは、理科で「感覚器官」の授業をした野田塾の高田先生だった。
審査委員長を務めた野田塾の小川英範塾長は最終審査には加わらなかったものの、39人の審査員が高田先生を高く評価した点は、お笑い芸人としても通用しそ うな「言動一致」と「体を張った」点だろう。「三半規管」を理解させるために、自らその場で25回まわって、目を回してフラフラになりながらも「なぜそうなるのかほかのことに置き換えるとこう」ということをとても分かりやすく伝えたことだろう。
表彰式を終えると、審査委員長の小川塾長から本戦に進んだ5人の先生一人ひとりに、素晴らしかった点や、今後こういった点を伸ばすと生徒たちにとってさらに良い授業ができる、といった講評が伝えられたほか「授業は引き算。10伝えたいことがあっても3つに絞って伝える」といった、小川塾長自身が培ってきた良い授業のエッセンスを伝授してくれた。
全国模擬授業大会は、次回10月26日(日)に名古屋で開催される。そして栃木での開催は来年で10回目を迎える。ほかの塾がどんな方針で講師を育成しているのか、また生徒のために何を大事に授業を設計しているのか、ということがつぶさに見て取れる模擬授業は、講師として出場をしなくても、観覧するだけで十分に価値のある大会と言えるだろう。
エース教育総合研究所(青木清代表)は、非正規雇用の契約社員、アルバイト、パート社員が10人以上在職している企業に、厚生労働省が推進する支援制度「キャリアアップ助成金」を利用した人材育成(一般職業訓練)の実施に関する説明会が、6月10日と7月2日におこなわれる。この研修は、日本経営道協会(市川覚峯代表)が担当し、会社が社会保険に加入していれば1事業所につき500万円まで適用が可能だ(ただし、講師の出張費用は企業側が負担)。
今回の制度利用については、研修中の社員の時給も1人あたり1時間700円が支給され、1社あたり10人以下の企業でも複数の企業と共同で研修を実施することが可能となっている。また、申請手続きの書類作成等にかかる諸費用についても、今回の説明会に参加した企業に限って無料となる。
なお、説明会には1回につき8社・24名(1社につき3名)までの参加が可能で、説明会の参加費は無料。
学研教育出版(本社:東京都品川区・代表:中村雅夫)は5月20日、大学受験を目指す高校生と高卒生を対象にオンライン学習サービス「学研Web講座」で、有名予備校講師による映像授業講座「大学合格スイッチ」の提供を開始した。
「大学合格スイッチ」は、センター試験の過去問題を題材にして映像授業を放映し。毎回、受講確認テストを実施、修了時には達成テストを実施。講座は、映像授業(40分×10回)、受講確認テスト(各回)、修了時達成テストで構成。価格は1万2000円(税別)。
現在、数学の授業「センター攻略ゼミ 数学I・A」を提供しており、今後、「国語」と「英語」を5月末に、「数学II・B」の販売を6月松に開始する予定。
「ゆとり」でも「詰め込み」でもない、「生きる力」の育成を目指した新学習指導要領が全面的に実施されたことに伴い、大学入試がどのように変わるのか、注目が集まっている。昨年12月には文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表。小・中・高を通じた英語教育全体の抜本的充実をうたった同計画では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、国際社会に対応できる英語力を身につけるための教育環境づくりの推進が明記され、教科の中でもとりわけ、英語教育が大きく様変わりすることが予想されている。
愛知県の民間教育機関で働く教師たちで運営するNPO愛知県進学研究会(以下、愛進研)は、子どもたちの進学や未来についての研究を行っている。
「日本がグローバル化に遅れをとった一因は英語教育にある。単語は知っている。文法にも強い。にもかかわらず英語が使えない…子どもたちにもっと英語の楽しさ、大切さを伝えたい」との思いから、5月11日(日)、小中学生を対象とした「2014教育セミナー」を開催した。会場となった名古屋高等学校のチャペルは約400名の親子連れで満員となり、英語教育に対する関心の高さがうかがえた。
第一部は基調講演『使える英語の学び方』。テレビなどで人気の安河内哲也先生が「良い子のみなさん、悪い大人のみなさん、こんにちは!」と登場すると、会場はたちまち楽しい雰囲気に。「僕は学生時代、英語の勉強が大の苦手でした。教科書の和訳や穴埋め問題に違和感を感じていたのです。大学受験に失敗してさすがにまずいなと思い、予備校に行ったのですが、そこで出会った先生が素晴らしく、僕に英語の楽しさを教えてくれたのです。
英語はコツをつかめば、誰でもいつからでも、できるようになるんですよ」と、自身の体験を紹介した。「英語の勉強の仕方はただ一つ。音で学ぶこと。今日はそれを実践していきましょう」と、英語を使ったクイズをゲーム形式で出題。面白いクイズが続出し、会場は笑いに包まれた。クイズを通して安河内先生は、耳と口とからだを使って楽しみながら英語を学ぶことの大切さを伝えた。
第二部ではNPO愛進研の会長・鹿嶌將博氏(鹿島塾代表取締役社長)による愛進研の研究報告が行われた。従来の常識と異なる新しい学びを展開している国際教養大学についてレポートした。
「学内には海外からの留学生が150名ほど在籍。日本人学生は留学生たちとともに、寮生活を送っています。授業も生活もほとんど英語で行われます。世界各国の仲間たちと切磋琢磨しながら生活していくことで、英語力、コミュニケーション力がどんどん磨かれて行きます」。
そして、鹿嶌会長は「英語は、テストのために勉強するものではなく、世界で活躍するためのツールなのです」と結んだ。
第三部は、敬愛塾の伊藤清博塾長によるシチュエーションクイズ。きよひろくんの一日を場面ごとに描いたユーモラスなイラストを見ながら、子どもたちは楽しそうにクイズに挑戦した。
伊藤塾長は引き続きエンディングで、「君たちに贈るメッセージ・ある卒業生のストーリー」として、ある日本人少年のアメリカでのエピソードを紹介。「mission(責務)、Passion(情熱)、Never Give Up(あきらめない)、この三つの精神が、君たちの未来を切り開き、夢の扉を開く、大きな力となります」と会場の子どもたちにエールを贈った。