Archive for: 8月 2013

月刊私塾界2013年8月号(通巻388号)

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巻頭言

2012年の合計特殊出生率が1・41になった。16年ぶりに1・4台を回復した。1975年に2・00を割り、2005年に1・26の最低を記録してからは、緩やかに上昇し続けている。 しかし、出生数減少に歯止めがかかっている訳ではない。昨年の出生数は103万7千余人と過去最少を記録した。出生率を計算するときの分母である出産期の女性が減少しているためだ。今後「段階ジュニア世代」女性の年齢が進むと、出産期の女性は激減する。

フランスは、「人口は国力」として、国を挙げて人口増加政策に取り組み、合計特殊出生率が2・00を超えるまでに回復した。様々な政策を提案し、予算化している。OCEDによると、フランスの家族政策に関する予算は国内総生産(GDP)の3・0%。それに対し日本は0・8%と、OECD加盟国平均の2・4%を大きく下回る。 ドイツやシンガポールは労働力不足を移民により補っている。人口減少社会に突入した日本も、移民政策は、様々な問題を孕んでいることを理解しながらも、検討せざるを得ない課題だ。学習塾は、これら政策の影響を大きく受ける。

そして当業界は、デモグラフィックな観点の導入を真剣に考えなければならない。例えば、福岡県粕屋町の2040年の推計人口は、2010年比29・8%も増える見通しだ。粕屋町だけでなく、福岡市隣接市町に人口増加地域がある。同様の都市圏は他にも存在する。理由を含め、少し調査すれば判る。反対の減少についても同様だ。是非調べて欲しい。

(如己 一)

目次

<<NEWS FILE>>
    • 少子化対策決定
    • 京進東京に保育園開設
    • 成学社 私立校経営者へフリーペーパー
    • 大阪市、授業にタブレット1人1台構想
    • 3DSに児童書を配信

…etc

<<特集>>

教育ICT考

<<TOP LEADER>>

株式会社 ナガセ

<<シリーズ・著名人に聞く>>

鎌田 修広タフ・ジャパン代表

<<石田 淳のケイゾクはチカラなり>>

ゲスト 祐川 京子 氏

<<連載>>
  • 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 公益社団法人に移行した全国学習塾協会の記念式典で
  • 下村博文・文部科学大臣が基調講演
  • 最新塾動向 株式会社浜学園
  • 各ブランドの役割を明確化、全体で相乗効果を狙う
  • 学習塾の空間づくり 20 PEG(京都府京都市)
  • 新学習塾業界とM&A 4 会社清算とM&Aについて
  • 差別化のためのコミュニケーション戦略
  • 疾風の如く 49 進学塾ブレスト 代表 犬走 智英 さん
  • 近況を聞く 株式会社 全教研 中垣 一明社長
  • 【新連載】会社を建て直すためのリーダー養成塾
  • 【図解!】事業承継対策
  • 【挑む私学】駒込中学・高等学校
  • 京都市立 堀川高等学校 学校改革の軌跡 4
  • 新米塾長のための 学習塾経営基礎講座 3
  • 新しくなってます
  • 【新連載】新米塾長のための部下とサシで行きたいごはん屋さん
  • 【新連載】芸術見聞録
  • ステキ★塾女発見! 同年代塾女に負けていられません!9
  • 未之知也
  • Book Review
  • 学習塾フランチャイズ研究所 44
  • 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿 235
  • 中学生からの子育てスクランブル 18
  • challenge~進化形jukuのカタチ 10
  • 教育サービス業界 企業研究
  • 井上郁夫の教室指南 4
  • 林明夫の「21世紀の地球社会」96
  • 高嶋哲夫の「塾への応援歌」137
  • 2013教育時評 8
  • 編集後記
  • 塾長のためのガジェット講座

4学期制生かそう 2学期+夏休み  海外で学ぶ

 4学期制を導入する動きが、東大や慶大など有力大学を中心に始まった。学期の区切りが年4回に増えるのに伴い、海外の大学が開くサマースクールなどに学生が参加しやすくなる。海外留学を促進し、国際社会で活躍するグローバル人材の育成につなげることが狙いだ。クオーター制の利点は①学生が海外の大学のサマースクールやインターンシップに参加しやすくなる ②大学が開くサマースクールに外国人学生を受け入れやすくなり、著名な外国人教授も招へいできる ③教員が授業と研究を学期ごとに分けて集中できる ④学期ごとの科目数が少なくなり学生の集中力が増す の4点だ。

大学、生き残りかけ連携加速「ひらく 日本の大学」調査

 朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査によると、他の大学の講義を単位として認める「単位互換」を実施している大学は国立大で9割、公私立でも7割に上った。教材開発を共同で進める大学もある。千歳科技大、山梨大、佐賀大、愛知大など8大学は今春、ウェブ上の教材「eラーニング」で、1年生に英語、数学、日本語、情報の4分野で共通のテストを実施した。一方、今回の調査結果からは、志願者の確保が、特に私立大で深刻な課題となっていることがわかる。

文科省GP事業 復活の動き

 文部科学省の大学の優れた教育改革を支援するGP(Good Practice)事業は、民主党政権下の事業仕分けで廃止されたが、大学の評価は高い。2003年に始まったGPは、優れた教育改革の取り組みを公募し、第三者機関の審査で採択された大学に補助金を出す制度。国公立の枠を超えて大学間の教育改革競争を促すとともに、大学界全体の質向上を目指した。7月末に文科省で開かれた「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援に関する調査検討会議」(委員長・鈴木典比古国際教養大学長)。委員からはGPを評価する声が相次いだ。

国立教育研、いじめ対策で手引書  全国の小中高校に配布

 国立教育政策研究所は、暴力を伴ういじめには「早期対応」、暴力を伴わないいじめには「未然防止」が有効とし、教員向けのいじめ対策の手引を8月中にも全国の小中高校に配布する。調査で加害・被害とも9割近い小学生が経験していた暴力を伴わないいじめについて、教師が気づかないうちに、深刻な状況に進行している場合があると指摘。手引では、すべての児童生徒を対象に「未然防止」に力を入れることが有効、学校が安心できる場だと感じられる「居場所づくり」子供同士が互いを認め合う「絆づくり」などの対策を挙げた。

いじめ、小学生の9割弱が被害・加害ともに経験 国立教育研

 国立教育政策研究所は8月5日、首都圏のある市の小学校13校と中学校6校の小中学生を対象に行った調査で、小学生では仲間外れ、無視、陰口といった「いじめ」を受けたことがある児童と加えたことがある児童がともに9割近くに上ったと発表した。10年度当時に小学4年生だった約700人のうち、小6の11月時点までに「仲間外れ、無視、陰口」の被害を一度でも受けた経験があると回答した児童は87%に上った。6回の調査でいずれも「ぜんぜんなかった」とした児童は13%にとどまった。

日本通を育てる夏 上智大「サマーセッション」 50年で1万人受講

 上智大学は毎夏、海外の大学に在籍する外国人学生を対象に集中講義「サマーセッション」を開いている。50年以上の歴史をもち、世界各地に住む講義の修了生は1万人を超えた。東京・四谷のキャンパスで6月から始まった今夏のコースは「日本語集中講座」と「アジアン・スタディーズ」の2種類。合わせて約250人の外国人学生が学ぶ。日本語集中講座」ではプロジェクターに映し出された浮世絵を、世界各地から集まった学生が熱心に見つめていた。外国人教員による授業は英語で進む。サマーセッションを通し、今年も日本通の外国人学生が増えそうだ。

ミャンマー語対応のアンケート自動集計

 東京大学発のベンチャー企業でソフトウエア開発の情報基盤開発はミャンマー語に対応した紙のアンケートの自動集計サービスを始めた。ネット経由で提供する独自開発したソフト「アルトペーパー」をミャンマー語に対応させた。民主化で注目されるミャンマーへ進出を検討する国内企業は多く、マーケティング調査などの需要が増えると判断。現地でマーケティングや顧客・従業員満足度などの調査をする企業が対象。初年度は50社、1億円の売り上げを目指す。

小学生5割 夏休み「毎日勉強」

 小学館集英社プロダクションが4~5月、同社の通信添削学習を受講する小学生の保護者ら950人に実施したアンケートで、49%が「昨年の夏休み中、子供が毎日勉強していた」と答えた。「週に3、4日」との回答が37%を占め、「週に1、2日」が5%で続いた。学校から出される夏休みの宿題について「少ない」「やや少ない」と答えた保護者は47%。全体の87%の児童が学校の宿題以外の勉強にも取り組んでいた。この結果は、小学生の学習意欲の高さを示す一方、学校の教育だけに満足できない保護者が少なくない現状を表している。

H2B、打ち上げ成功 三菱重工に移管後初

 三菱重工業は8月4日午前4時48分、種子島宇宙センターから国産大型ロケット「H2B」4号機を打ち上げた。H2Bに積んでいた無人輸送機「HTV(愛称・こうのとり)」4号機は国際宇宙ステーション(ISS)に向けて予定の軌道に入り打ち上げは成功した。8月9日ごろにISSに到着する予定。こうのとりには宇宙飛行士の生活物資や食料に加え、東京大学やトヨタ自動車などが開発した小型人型ロボット「KIROBO(キロボ)」も積む。今回から打ち上げ業務が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から同社へ移管した。