昨年から産学連携でロボットの研究開発に取り組む会津大(会津若松市)の学園祭の一コマ、突起物にベルトを巻いた小型災害対応ロボット「スパイダー」がゆっくりと段差を上っていく。A(9)くんが、コントローラー(制御装置)でロボットを動かしていた。このコントローラーが、会津大のロボット開発の核になっている。県内外の企業7社と連携し、共通仕様のコントローラーで動かせる災害対応ロボットを開発中だ。
大阪大学やパナソニック・富士通などは2017年度から産学官協同で、新たな省エネ半導体の実用化研究に乗り出す。ハイブリッド車(HV)や電子レンジなどの電気製品に組み込んで電気の流れを制御するパワー半導体で、20年以降の実用化を目指す。普及すれば国内全体の消費電力を1割減らせる見込みだ。温暖化ガスの排出削減にもつながり、環境省は地球温暖化対策の切り札にしたい考えだ。
11月に発効する温暖化対策の新枠組み「パリ協定」で、日本は温暖化ガスを30年に26%削減する目標を掲げる。開発したパワー半導体は従来型に比べ、電圧や電流の制御時の電気の損失を約4割低減できる。試算では国内のパワー半導体がすべて新型に置き換われば国内の消費電力を1割減らせる。これは原子力発電所4基分以上に相当する。