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日本の大学初 約36,000人の全学生・教職員に「Slack」を導入ICTをフル活用し、本格的なオンライン授業の実現へ

 近畿大学(大阪・東大阪市)は、2020年(令和2年)7月6日(月)から、全学的なコミュニケーションの活性化とオンライン授業のさらなる円滑化を実現するため、Slack Japan 株式会社(東京・千代田区)が提供するメッセージプラットフォーム「Slack」を、日本の大学で初めて、全学生(大学院・短期大学部含む)・教職員、計36,801人を対象に導入する。

 近畿大学では業務効率化と仕事の見える化、さらには働き方改革を実践するために、平成29年(2017年)から総務部門と情報システム部門主導のもと、職員を対象にSlackの導入を段階的に進めてきた。平成31年(2019年)4月には全てのキャンパス・拠点の職員に展開し、通常業務や各種プロジェクトにおいてSlackを利用して迅速な情報連携を行い、業務効率化を実現しました。加えて、同年11月には理工学部情報学科の学生・大学院生を対象に、教育現場に試験導入した。

【オンライン授業とSlack】
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月11日(月)からオンラインで授業を実施いる。現在、教務ポータルシステムのUNIVERSAL PASSPORT(履修登録や掲示等)、Zoom・Google Meet(テレビ会議システム)、Google Classroom(学習支援システム)を駆使してオンライン授業を実施しているが、さらに円滑に進めるため、Slackを活用する。大人数のオンライン授業や、オンデマンド(録画配信)授業で分からないことがあればSlackで気軽に質問することができ、加えて、課題の配布、回収等も必要に応じてSlackで行うことができる。

京都薬科大学 高校生・受験生からの問合せにLINEで回答

 木村情報技術株式会社(佐賀市、木村 隆夫 代表取締役)は、京都薬科大学(京都市、後藤 直正 学長)に、提供中の学生向けの問合せに回答するAIチャットボットに加え、受験希望者からの問合せに公式LINEアカウントから回答できるサービスの提供を開始した。

 京都薬科大学では木村情報技術が開発したIBM Watson日本語版を活用したAIチャットボットを用いて、2019年10~12月にかけて在学生を対象に学内の問合せ業務に対し試験的運用を実施し、その結果をもとに本格運用を目指して2020年3月に契約を締結した。
 広報活動の促進を目的に現在活用中のポータルサイトからの学生向けの問合せに加え、受験希望者を対象に受験に関する質問や相談にもLINEでAIチャットボットが回答できるようになった。例えば、LINE上で「オープンキャンパスの日程を教えて」と質問すると『京都薬科大学(LINE)』が「オープンキャンパスの日程」について回答する。

■概要
公開日:2020年6月22日(月)
LINEアカウント名:京都薬科大学
対応範囲:京都薬科大学の公式LINEで受験に関する問合せにAIがチャットで回答

■利用方法
下記URLをクリックまたはQRコードを読み込むと『京都薬科大学(LINE)』に質問できます。
京都薬科大学HP:https://www.kyoto-phu.ac.jp/exam_information/line/
LINE ID:@kyoyaku

全員起業にチャレンジする情報経営イノベーション専門職大学電子契約サービス導入で押印作業廃止

 学校法人電子学園(東京・新宿区、多忠貴 理事長)が2020年4月に開学した情報経営イノベーション専門職大学(以下、iU)では、株式会社サイトビジット(東京・千代田区、鬼頭政人 代表)の手掛けるワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」を全面的に導入し、学内における押印作業を廃止する。
 iUではこれまで、教学面において様々なオンライン化を進めてきたが、ICTを活用したイノベーター育成をしていく大学として今後は事務面もオンライン化を進めるべく今回の電子契約導入にいたった。
 ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」を提供するサイトビジットの鬼頭政人 代表が情報経営イノベーション専門職大学の客員教授に就任した。法律・法務に関するサービスのICT活用、士業の今後について弁護士起業家という独自の観点から学生たちに伝えていく。

「新しい生活様式」を牽引する大学へ
 情報経営イノベーション専門職大学は今年4月に開学した大学であり、ICTを活用し新たなビジネスを創造するための学びを行う観点から、一般的に行われている履修登録や成績確認のWeb化に加えて、連携企業の協力を得ながら、様々な部分のオンライン化を進めてきた。授業資料共有や課題提出、プログラミング学習、英語教育など全てオンラインで行っている。
 また、新型コロナの影響を受け、現在は全ての授業や個人面談をオンライン会議システムを用いて実施している。
 ここまで、教学面において様々なオンライン化を進めてきたが、事務の面でも最も煩雑と言われる捺印や決裁をオンライン化するとともに、契約書や同意書など本来であれば都度手元で書式を確認したいであろうものを手元(Web上、PC上など)においておけるようにと考え、電子契約の導入を決めた。


■ICT×ビジネス×グローバルコミュニケーション+全員インターンシップ×全員起業×オンライン学習
 プログラミング・AI・ビッグデータなど幅広いICTスキル教育に加え、ビジネススキル教育を実施、ビジネス教養、ビジネスプラン策定力などを身につける。また国際舞台で仕事をするために必要な英語力を磨く教育を徹底し、自らの意思を英語で伝えコミュニケーションが取れる力を養う。
 3年次には、1人640時間(約5ヵ月)のインターンシップと、1年次から4年間かけて実ビジネスに直結した課題発見から解決策や事業計画書の策定までを学ぶプロジェクト型カリキュラムを実施。希望する学生は、在学中に起業にチャレンジできるサポート体制を整えている。
実践的カリキュラムに必要な基本的知識を身につけ、反復して学べる環境をオンライン上に用意。いつでもどこでも学べる環境で学びを深める自主性が磨かれる。

ワンストップ契約サービス「NINJA SIGN」について

 同サービスは、定型契約書の編集、新規作成、通知、締結、管理をクラウド上で完結することができる業務効率化 SaaS だ。ユーザが恒常的に使っている契約書をアップロードすると Google Doc ファイル化され、「甲」「乙」をはじめとする部分を可変にしテンプレート化することができる。労働契約や雇用契約など、複数者と同一内容で契約する場合などに作業効率化が期待できる。
URL:https://ninja-sign.com/

利用者の声
 当サービス導入企業にヒアリングしたところ、主に下記3項目での効率化を体感している。
①契約書だけでなく、封筒、送付状、返送用封筒の印刷の手間が省けた
②印刷ミス、送付状のミス、封筒印刷ミスをする機会がなくなった
③送付準備時間が省けることで、業務の時間節約になった

若手芸術家応援プロジェクト 東京藝術大学『若手芸術家支援基金』設置 クラウドファンディングも

 6月9日、東京藝術大学とREADYFOR株式会社は、『新型コロナウイルス感染症緊急対策。「東京藝術大学若手芸術家支援基金」』を設置し、若手芸術家応援プロジェクトとしてクラウドファンディング『【東京藝術大学】若手芸術家支援基金始動!#POWERTOTHEARTS.』を開始すると発表した。新型コロナウイルス感染防止のため、芸術活動に影響を受けている同大学の在校生や同大学出身の若手芸術家に対し、芸術活動の持続化を支援するための施策だ。
 若手芸術家の対象となるのは、在学生のほか、同大学卒業生・修了生のうち主に40歳までの人が対象となる予定。基金のキャンペーン期間は、6月9日から2022年3月末日まで。
 基金設置にあわせ、クラウドファンディングもスタート。実施期間は6月9日から7月31日午後11時まで。目標額は5000万円。支援者には、支援金100万円以上で「顕彰銘板の設置」「感謝状の授与」、30万円以上で「各イベントの招待」「称号授与」を予定。

 基金の使命は、若手芸術家たちの、今を救うこと、未来のカタチを模索すること。東京藝術大学の自己財源に加えて、一般企業からの協賛金や東京藝術大学基金への寄附のほか、クラウドファンディングで集まった支援金を原資として、各プロジェクトを実施する。
 集まった基金や支援金は、活動の場の創設や、在学生を対象とした修学支援などに充てられる。また、『オンラインプロジェクト』として、展覧会、演奏会を開催。「オンライン藝大アートフェスティバル』(仮称)を開催し、オンライン上に美術館、奏楽堂(音楽ホール)を設置し、若手芸術家による展覧会、演奏会を行う。参加者を公募し、賞と賞金を設定。「新たなWEBコンテンツの開発」では、アプリの開発や、若手芸術家支援プラットフォームの構築に取り組む。

 会見で東京藝術大学の澤和樹学長は、3密を避けるため演奏会や展覧会の開催が厳しい現状を受け、オンラインによる展開の仕方について知恵を絞りながら新しい芸術表現として確立すべく頑張っている若手芸術家を支援したいと語った。

埼玉工業大学、オンライン授業を全学で開始

 埼玉工業大学(埼玉・深谷市、内山 俊一 学長) は、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、全学部(2学部5学科)において5月14日よりオンラインによる遠隔授業を開始した。全学生(2,443名)が遠隔授業に参加して、全体のカリキュラムの約9割となる381 科目で同時双方型のリアルタイム配信の授業を実施している。
 埼工大は、本学を運営する学校法人智香寺学園の松川聖業理事長の方針により、遠隔授業の実施に向けた環境整備を全学教職員の連携により準備に取り組んだ。
 全学生がオンライン授業で円滑に学べるようにビデオ会議システム「Zoom」の操作ガイドを作成し、学生の自宅のPCやネット環境がオンライン授業に対応であることを全員に接続確認した。教員へは遠隔授業の開講に向けて実践的なマニュアルを作成し、全教員を対象にしたZoom講習会を開催して、授業の準備を支援した。またコロナウイルス感染対策により学生が校内へ入構禁止のため、履修登録した科目の教科書を販売店と大学が連携し、各学生の自宅に個別に教科書を送付した。

 全国の大学の中には、オンライン授業の開始初日に学生がアクセスできずに「授業に参加できない」というトラブルが報告されたが、本学では事前準備に注力したことにより、初日からスムースに開始された。特に、最初の授業となった全学生対象の一般共通科目「仏教精神I」では、約300名もの多数の学生が履修者登録していたが、予定どおり全員がオンラインで参加して効果的な遠隔授業が実施された。

●本学の遠隔授業の導入準備
 遠隔授業サポートは特設サイトを設けて、事前に必要な情報を提供して運用している。
https://sites.google.com/sit.ac.jp/online/

白鴎大学 学生に対し1人当たり一律5万円の支援金を給付

 4月29日、白鴎大学(栃木県)は、学生に対し1人当たり一律5万円の支援金を給付すると発表した。同大学では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、5月末までの授業を遠隔授業とし、学生に遠隔授業を受講するための環境の整備を呼びかけている。今回の給付金は、そのための経費負担を少しでも軽減し、学修環境全般を整えるための緊急支援策だ。支援金は在学生の約5千人に対し、普通為替を利用して給付する。返還不要。領収書などの提出も必要ないため、受講環境の整備だけでなくアルバイトの収入減などで困っている学生は生活維持に役立てほしいとしている。支援金は、5月末までの配布を目指し準備中。今後の状況次第ではさらなる支援金給付も検討しているという。
 また、学費の延納期限を6月末日から8月末日に延長する。後期分は通常より約1カ月長い12月末ごろまで延長予定。

A4コピー用紙で簡易マスク「PetraMask」福島県会津大短期大学部准教授が考案 展開図、作り方を公開

 新型コロナウイルス感染拡大によるマスクの需要に供給が追いつかない中、福島県会津大短期大学部の高橋延昌准教授が、コピー用紙で作る簡易マスク「PetraMask」を考案。折り紙のように、展開図をプリントした紙を折ることで、手軽に製作できる。展開図のダウンロードや作り方は、研究室のサイトで公開している。作り方は動画でも公開中だ。「PetraMask」は、医学的に防疫を保証するものではなく、あくまでも簡易的な紙製マスクとして紹介。
 高橋准教授は会津大短期大学部グラフィックを教えている。大学が休校中、身近な素材でマスクを作ることができないかと試行錯誤し、今回のマスクの開発へと至った。4月22日、研究室サイト上で高橋准教授は、使い捨てのサージカルマスクが入手しにくいため、布製マスクや手作りマスクなど様々な種類のマスクが紹介されているが、折り紙などから着想を得て紙製マスク「PetraMask」を考案したと開発の経緯を語っている。
 必要なものは、A4サイズのコピー用紙、輪ゴム、ホチキスのみ。はさみや接着剤は必要ない。完成形は、口元に余裕がある三角すいのマスクとなる。「Petra」とは紙(ペーパー)と三角(トライアングル)を組み合わせた造語。素材の紙と三角の形から「ペトラマスク」と名が付けられた。

 配布されている展開図は、無地の他「ネコ科イラスト」「赤べこ」バージョンがある。無地の用紙には、自分で好きな絵を描くこともできるため、子どもの工作としてもおすすめだ。また、「赤べこ」の赤色と黒の斑点は、はやり病に感染しないという伝承があるという。

高橋准教授の研究室ホームーページ:https://www.jc.u-aizu.ac.jp/takahasi/petra/index.html
「PetraMask」の作り方(動画):https://youtu.be/fBfj1y_QeuE

追手門学院大学入試志願者数8年連続増加

 追手門学院大学(大阪・茨木市、真銅 正宏 学長)の2020年度一般入試(2020年度入学者対象の入試)の志願者数が確定し、公募制推薦入試等、昨年実施した入試と合わせた総志願者数は28,990人と、前年の総志願者数を1,306人上回り(対前年比104.7%)、8年連続で志願者が増加した。
 一般入試だけをみても18,030人と前年を2,232人上回り、教育情報会社の大学通信のまとめによると総志願者と同じく8年連続で志願者が増加した。

 本学では志願者が増えたことについて、①2019年4月に開設した1年次生全員が学ぶ新キャンパス・茨木総持寺キャンパスの開設、②新教育コンセプトWILの下、学生の主体的な学びを促す教学改革の進展や就職支援の充実に対する高校・受験生からの評価の向上、③入学定員の拡大および入試制度の見直しに加え、④大都市圏大規模校の入学定員の厳格化運用(合格者数の減少)に伴う中堅校人気の上昇といった外部環境を要因として考えている。

京都大学、原則4/8より授業を開始 コロナ収束までの留意点を公表

 3月26日、京都大学は新型コロナウイルス感染拡大防止の下での授業の実施について、留意する事柄を提示し、原則4月8日より令和 2 年度前期を開始すると発表した。
 学生各位においては、留意点を踏まえ適切な行動を取るとともに、京都大学のWeb サイトや KULASIS 等で発信する大学及び所属する学部・研究科等からの連絡を定期的に確認するよう呼びかけている。
 
■コロナ収束までの留意点
【授業の実施方法について】
「2020年度アカデミックカレンダー(学年暦)」のとおり、原則 4 月 8 日(水)から令和 2 年度前期を実施。科目(特に全学共通科目)によってはオンラインで授業を実施する。その場合には来校せず、自宅で学修をする。学修用ノートパソコン等を保有することを推奨しているが、パソコンやネット環境がない生徒は、大学内の自習スペースの利用することを勧めている。

【対面授業における注意事項】
 講義室等の中では、席を空けるなどにより人と人との距離をたもつこと。可能な限りマスクを着用し、講義室等入室前の手洗い又は消毒を徹底する。 物(マイク、筆記具、情報機器等)を共有しない。授業終了後は、学内に留まらず帰宅し、自宅で事前・事後学修をすること。

【新型コロナウイルスに罹患した(おそれのある)場合】
 発熱や咳等、体調の悪い場合には大学へ登校せずに自宅で療養。登校した後に症状が出た場合には速やかに下校して自宅で療養。いずれの場合も、必ず各部局教務担当窓口に連絡し、その後の経過についても同様に連絡をする。新型コロナウイルスに罹患した学生、海外から帰国・入国後2週間の経過措置中の学生 及び入国できない学生は、入院又は登校禁止(自宅療養)としていることから、当該学生への履修上の配慮(履修登録期間の延長、補講の実施やレポートの提出等)を行う。

【その他】
 健康診断は、病院実習、教育実習等で診断が必要となる学生を除いて、全てWEB問診のみ。履修や学生生活等で相談等がある場合は、各部局教務担当窓口に連絡する。
 そのほかの授業に関することは、以下の本学WebサイトやKULASIS等で大学及び所属学部・研究科等から掲載する。
 入学予定者については、入学予定者サイト(令和 2 年 3 月 30 日(月)17 時まで公開)も確認すること。

大阪大学と日本食品化工㈱ 新プラスチック共同 デンプンとセルロースから

 3月5日、大阪大学大学院工学研究科の麻生隆彬准教授、宇山浩教授らの研究グループは日本食品化工㈱と共同で、海洋生分解性プラスチックを開発したと発表。デンプン、セルロースといった身近なバイオマスの巧みな組合せでできた、耐水性と高い強度のプラスチックシートを実現。さらに、微生物が持つ酵素で分解されることで、海水中で高い生分解性を持つ。原料は安価で、簡便な製造技術から短期間での実用化が想定されるという。
 研究成果が実用化となれば、海洋プラスチック問題の解決につながり、また、地球上に安価かつ大量にあるデンプンとセルロースの利用により物質循環が構築でき、CO2ガスを抑制することが可能だ。
 地球環境の改善に大きく貢献できる新技術として、早期の実用化が期待される。実用化となれば、日本の高い技術力を世界に発信することになるだろう。