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古代オリエント博物館 秋の特別展「ヒンドゥーの神々の物語」開催

 サンシャインシティ(東京・池袋)にある古代オリエント博物館(月本 昭男 館長)は、2022年秋の特別展「ヒンドゥーの神々の物語」を9月23日(金・祝)~11月27日(日)の期間、開催する。

 この展示は、長年にわたりインド大衆宗教図像を収集してきた黒田豊コレクションを核に、福岡アジア美術館、平山郁夫シルクロード美術館、古代オリエント博物館および個人の所蔵するコレクションを加え、ヒンドゥーの神々のイメージの変遷を古代から現代までたどるものとなってる。古くは先史インダス文明期の土器にはじまり、17世紀以降の優美なインド更紗(さらさ・木綿布)やガラス絵、大衆文化を彩った民俗画、ヴァルマー・プリント(画家のラージャー・ラヴィ・ヴァルマーが発祥)と呼ばれる印刷物、現代イラストレーションなど約500点を展示。立体・絵画・布製品・印刷物・写真など、時代とともに表現される素材・技法・メディアも異なる。さまざまな媒体に表わされたヒンドゥーの神々とその豊穣なる世界観を紹介する。展示以外にもインド古典舞踊のモヒニアッタム鑑賞や各種ワークショップ、地域との連携展開なども予定している。

開催概要
・展覧会名​:ヒンドゥーの神々の物語
・会期:9月23日(金・祝)~11月27日(日)
・開館時間:10:00~16:30(最終入館16:00)※変更の可能性あり
・入館料:一般1,000円 大・高生800円 中・小生400円
  ※平日限定で約2割引きとなるペア券や親子券も販売します。
 ペア券:一般2名2,000円→1,600円、大・高生2名1,600円→1,200円、中・小生2名800円→600円
 親子券:一般1名+大・高生1名1,800円→1,400円、一般1名+中・小生1名1,400円→1,100円
(20名以上の団体割引・障がい者割引あり。)
・展示内容:長年にわたりインド大衆宗教図像を収集してきた黒田豊コレションを核に、福岡アジア美術館、平山郁夫シルクロード美術館、古代オリエント博物館および個人コレクションを加え、ヒンドゥーの神々のイメージの変遷を古代から現代までたどることができる土器、ガラス絵、民俗画、現代イラストレーションなど約500点を展示。
・特設サイト:https://aom-tokyo.com/exhibition/220923_hindu.html
・主催:公益財団法人 古代オリエント博物館
・後援:豊島区、豊島区教育委員会
・特別協力:サンシャインシティ
・協力:第一合成株式会社

■展示音声ガイド「ヒンドゥーの神々の物語」 【ナビゲーター:声優 関 智一】

販売価格:アプリ販売価格610円
     博物館受付販売価格500円(ノベルティ付き)
※事前購入もできますが、博物館受付で購入いただくとお得です。
※音声ガイドはご自身のスマートフォンにアプリをダウンロードすることとなります。ご自宅に帰ってからでも、特別展期間中は何度でもお聞きになれます(2022年11月27日(日)24時配信終了)。

約700種1400点以上の3Dデジタル標本 オンラインで公開

 九州大学は1400点以上の3Dモデル生物標本をオンラインで公開したと発表した。鹿野(かの)雄一特任准教授が開発した「バイオフォトグラメトリ」により、生鮮時のカラフルな状態での生物標本を3Dモデル化している。公開された3DモデルのほとんどはCC BY 4.0ライセンスの下、誰でも自由にダウンロード・利用できる。

 水生生物を中心に1400点700種以上の生物標本の3Dモデルをオンライン公開している。
 生物標本の多くは、博物館や研究室で保管されている。しかし、管理は煩雑で、くわえて標本の劣化や退色が免れない。また、多くの重要標本は厳重に管理されており、それが故にアクセスが困難で、結局あまり利用されないといったジレンマも抱えていた。
 九州大学持続可能な社会のための決断科学センターの鹿野雄一特任准教授は世界に先駆けて、独自かつシンプルなフォトグラメトリの手法、「バイオフォトグラメトリ」を開発。糸でつるして500枚以上写し、標本が乾いて傷まないよう、撮影にかける時間は2分ほどだ。
 今回公開されたような生物3Dモデルは生物学のみならず、様々な分野に応用できると考えられ、例えば生物図鑑は現在2次元画像は、将来的に、3Dモデルによるデジタル図鑑へと変容していくと考えられる。また、生物多様性・環境教育などに関するメタバースやバーチャルリアリティにもこれら3Dモデルが利用できるとしている。

公開ページはこちら
https://sketchfab.com/ffishAsia-and-floraZia/models

NASA 「アポロ計画」から半世紀ぶり月面再着陸へ

 米航空宇宙局(NASA)は8月19日、宇宙飛行士の月面着陸を目指す国際月探査「アルテミス計画」の着陸候補地13カ所を発表した。氷が存在するとされる月の南極付近で、常に日陰になっているところと発電に有利な日向の両方に近い場所などが選ばれた。2025年の宇宙飛行士の月面着陸を目指しており、有人の月面着陸は1972年のアポロ計画以来だ。

中国大型ロケット「長征5B」 無制御で大気圏に再突入 残骸が地上に到達

 中国の大型ロケット「長征5B」のコアステージ(大型ブースター)が7月31日の未明(日本時間)、インド洋上空で大気圏に再突入した。長征5Bは7月24日に打ち上げられ、人工衛星のモジュール「問天」打上げの役目を終えた後、残骸がそのまま放棄されていた。中国が同ロケットを放置状態で落としたのは、この2年で3度目となる。懸念されていた地上への被害はなかった。

日本学術会議 軍事・民生両用の科学技術研究を容認

 日本学術会議(梶田隆章会長)は小林科学技術相にあてた7月25日付の書面で、軍事と民生双方で活用できる「デュアルユース(両用)」の先端科学技術研究について、軍事に無関係な研究と「単純に二分することはもはや困難」とし、事実上容認する見解を示した。日本学術会議は国内の科学者の代表機関であり、軍事目的の研究に一貫して反対する立場だが、安全保障に絡む研究の推進が重要視される中、踏み込んだ考え方を示した。
 見解では、「科学技術を(軍事への)潜在的な転用可能性をもって 峻別し、その扱いを一律に判断することは現実的ではない」と指摘。科学技術の急激な進歩により、軍事と民生の区別をつけるのが難しくなっている。
 日本学術会議はこれまで、科学者が戦争に関与した反省などから、1950年と67年にそれぞれ「軍事目的の科学研究を行わない」などと表明。2017年にも防衛装備庁の研究制度に懸念を示す声明を発表していた。

第7波で感染急拡大 ワクチン4回目接種の対象を医療従事者などに拡大

 厚生労働省は、感染の急拡大を受けて専門家でつくる分科会を開き、新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について、厚生労働省は、現在、60歳以上などに限定している対象者を、7月22日から医療従事者や介護4回目接種の対象者を医療従事者や高齢者施設や障害者施設などの職員まで拡大する方針を示した。
 現在は60歳以上の人と、18歳以上の基礎疾患のある人か医師が「重症化リスクが高い」と判断した人に限定されている。
 また、オミクロン株に対して高い効果が出るよう改良されたワクチンが、今秋にも実用化される可能性があるとして、厚生労働省は重症化リスクのある高齢者などで、従来のワクチンを2回以上接種した人は、接種できるよう準備を始める方針も示した。

宇宙飛行士の若田光一氏 宇宙飛行の前の最後の記者会見で意気込み

 今秋から5回目の宇宙飛行に臨む宇宙飛行士の若田光一さん(58)が7月21日、東京都内で記者会見し、「若い世代が月・火星探査へと夢をつなげてくれるようなミッションにしたい」と意気込みを語った。飛行前としては国内での最後となる記者会見となる。
 日本人宇宙飛行士の若田さんの今回の宇宙飛行は、日本人最多の5回目で、日本人最高齢となる。米スペースX社の民間宇宙船「クルードラゴン5号機」で国際宇宙ステーション(ISS)に向かい、約半年間滞在する予定。アメリカ航空宇宙局(NASA)は打ち上げ時期をことし9月と公表している。
 飛行する時には59歳となり、日本人最高齢での宇宙飛行になることについて「日々、運動しているので体力に問題はありませんが、最高齢の記録はほかの方にぜひ破ってもらいたい」と語った。
 ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続く中、クルードラゴンには若田さんのほか、米露の飛行士が搭乗することが決まっており、若田さんは「さまざまな国のクルーと仕事をするのはこれまでと同じ。国際協力の重要性を多くの人に感じてもらえる機会。ISSではチームワークを維持してきちんと成果を出していきたい」と強調した。

国立科学博物館 海棲哺乳類情報データベースにストランディングマップの機能を拡充

 独立行政法人国立科学博物館(篠田謙一 館長)は、国内で発生した鯨やイルカなど海棲哺乳類のストランディング(海岸に打ち上がってしまう現象)事例を検索して地図上に示し、視覚的に比較・考察できるコンテンツ「海棲哺乳類ストランディングマップ」を公開した。 この検索マップ(https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/marmam/map/)では、海棲哺乳類の和名や発見年月、発見地名などを検索すると、該当するストランディングが起きた地点が地図上にポイント表示される。また、表示されたポイントをクリックすると、吹き出しでそれぞれストランディングが起きた状況、地名、日にち、緯度・経度などの情報が表示され、いつ、どこで、どの種にどのようなことが起こっているのか、傾向などを地図上で確認することができる。さらに、個々のストランディング事例の対象個体について、研究機関が調査をしているのか、標本などは残されているかなどの関連データも、連動する既存の海棲哺乳類ストランディング情報データベース(https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/marmam/drift/)から確認することができる。
 幼稚園児から高校生の自由研究、大学や企業、自治体などでの生物多様性研究や保全活動へと、活用の可能性が広がる。

▼「海棲哺乳類ストランディングマップ」の入り口は、「海棲哺乳類ストランディング情報データベース(https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/marmam/index.php )」の画面右側にあります。

NASAの23年度予算 バイデン政権が過去最大を要求 有人火星探査に本腰

 バイデン米政権は3月28日、議会に2023会計年度(22年10月~23年9月)の予算教書を提出した。航空宇宙局(NASA)によると、NASAの予算として過去最大の260億ドル(約3・2兆円)を要求した。

 NASAは、2025年に初の女性や非白人飛行士の月面着陸を目指すアルテミス計画や、2040年までに人類が火星を歩く、有人火星探査計画があり、これらに多くの予算が使われる。

 アルテミス計画をベースとする深宇宙探査に76億ドル、月へ向かう新型有人宇宙船「オリオン」や打ち上げロケットの開発に47億ドル、月面着陸船を開発する企業の募集に15億ドルが計上された。

 また、2030年に運用を終了する国際宇宙ステーション(ISS)の後継開発を、民間企業と連携して進めるための予算も盛り込まれている。

欧州宇宙機関 ロシアと決裂で火星探査機の2022年打ち上げは困難

 欧州宇宙機関(ESA)は、ロシアの国営宇宙開発企業となるRoscosmos(ロスコスモス)と共同で、火星探査計画「ExoMars」で探査機を2022年後半に打ち上げ、2023年に着陸させる目指していた。しかし、ウクライナ情勢の悪化により、加盟国によるロシアへの制裁が実施され、2022年の打ち上げは予定通りに進む可能性は「ほぼなくなった」と、現地時間2月28日に発表した。

 ESAによると、この計画はESAとロシアの宇宙機関Roscosmosが共同で進めており、当初のスケジュールでは、もともと2020年に予定されていたが、技術的なトラブルやパンデミックに関連する問題で、2022年9月に延期し、カザフスタンからロシア製ロケット「Proton-M」を使って探査機を打ち上げることになっていた。ロシアへの対応をめぐる加盟国との協議を受け、加盟国はロシアに対する制裁を完全に履行する予定だ。
 また、ロシアによる侵攻で、NASAとロシアの関係や国際宇宙ステーション(ISS)の運用にも緊張感が生じている。