Category: 塾ニュース|サイエンス

「100京」次世代機、来年度から開発

理研は来年度から、計算速度を京の100倍に向上させた次世代スパコンの開発に着手する。2020年に世界最高水準での運用開始が目標。京の計算速度は毎秒1京510兆回(京は1兆の1万倍)。次世代機はこれを100京回に引き上げ、同時に行える計算の数も京の100倍に増やす。この複合効果で性能は格段に向上。1万種の化合物から薬剤候補を絞り込む計算は、京では2年5カ月かかるが、160分の1のわずか5日半で完了する。創薬や防災などの多様な分野で大規模、超高速のシミュレーションを実現し、日本の国際競争力の維持に役立てる。

「卑弥呼の鏡」3Dプリンターで復元 光当て壁に反射 背面の文様、浮かぶ

京都国立博物館の村上隆学芸部長が1月29日、「卑弥呼の鏡」との説がある古代の青銅鏡「三角縁神獣鏡」の金属製レプリカを製作したところ、壁に投影した反射光の中に鏡の背面に刻んだ文様が浮かび上がる「魔鏡」と呼ばれる現象がおきたと発表した。こうした現象をおこす鏡は古代中国の漢代に登場。日本では江戸時代に隠れキリシタンが用いたものなどが知られるが、国内の古代鏡で確認されたのは初めてという。3次元(3D)プリンターを使い、精巧なレプリカを作って実験した。

理研の万能細胞、海外から賛辞

1月30日付の英科学誌ネイチャーに掲載された「STAP細胞」開発の成果は海外の主要なメディアが取り上げ、称賛する研究者の声を紹介した。STAP細胞は、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子研究ユニットリーダーらが作製。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのクリス・メイソン教授は「また日本人が万能細胞の作製法を書き換えた。山中伸弥氏は4つの遺伝子で人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ったが、STAP細胞は一時的に酸性溶液に浸して培養するだけ。どれだけ簡単になるんだ」とコメントをネイチャーに寄せた。

次世代宇宙船 「オリオン」 試験機 NASAが写真公開

米航空宇宙局(NASA)は10月28日、開発中の次世代宇宙船「オリオン」の試験機の写真を公開した。オリオンは4人乗りのカプセル型宇宙船で、2014年秋に無人の試験飛行を予定している。米フロリダ州のケネディ宇宙センターで今月下旬、搭載コンピューターを機体に組み込んで電源を入れ、正常に作動するのを確かめた。来年の無人試験飛行は既存のロケットで国際宇宙ステーションの高度の約15倍の5800キロまで打ち上げる。地球を2周させた後、秒速9キロで大気圏に突入し、約2200度の高熱に耐えて地上に帰還させる。
画像は下記のNASAのサイト内、Orion Crew Exploration Vehicleにて。
http://www.nasa.gov/mission_pages/constellation/orion/index.html

アイソン彗星最接近。都内での観察は?

アイソン彗星が11月下旬から観察の好機を迎える。肉眼で見えるほど明るくなると期待されているが、いつでもどこでも楽しめるわけではない。最も明るくなる時期は、東の低い空に夜明け前の数時間だけ姿をみせるが、高い建物に囲まれた場所が多い都心周辺では厳しい。有名なハレー彗星などと違って、2度と戻ってこないアイソン彗星を見るチャンスは全人類にとって最初で最後。見える東京の穴場は河川敷。多摩川は京王線の聖蹟桜ケ丘駅にほど近い関戸橋付近、荒川もJR平井駅(東京都江戸川区)に近い平井大橋付近の西岸だ。

権力者の傲慢=共感の仕組みが機能しなくなること 脳のメカニズムに起因? カナダ研究 チーム

カナダのウィルフリッド・ローリエ大学の研究チームが、人が自分の権力を認識すると、脳の仕組みがはたらいて他人に対する思いやりを失ったり、他人の立場に立って考えることができなくなったりすることは、人の脳が持つメカニズムに起因する可能性があるという研究結果をまとめた。今回の研究で、人が権力を持つと、脳が本来的に持っているメカニズムによって共感の仕組みが機能しなくなることが判明したという。

英語学ぶと右脳が増える?

国立精神・神経医療研究センターの花川隆部長と国際電気通信基礎技術研究所の細田千尋研究員らが英語を学ぶと脳の右前頭葉の容積が増えることを突きとめた。大学生24人に4カ月間、学習プログラムを受けてもらい、前後で脳がどのように変化するのかを、磁気共鳴画像装置を使って比較。プログラムを受けた人(TOEIC点数で30%向上)は受けていない人に比べ、右前頭葉の一部の容積が平均約6%増えた。英語力の高い人ほど、右前頭葉の容積が大きいと。英語学習によって脳が変化することを裏付ける成果だという。

流出油回収に新材料 フナムシの脚まねる

 名古屋工業大学の石井大佑助教は浜松医科大学の針山孝彦教授らと共同で、船の事故などで海に流出した油を効率よく吸い上げる材料を開発した。甲殻類のフナムシが、微細な水路構造を持つ脚先を水に浸すだけで、腹部のエラまで水を取り込む仕組みをまねた。この構造をナノテクノロジーで再現し、油の回収にかかるコストを大幅に減らせる見通しをつけた。

1日4杯超コーヒー飲む55歳未満の人は早死? 米研究

米ルイジアナ州ニューオーリンズの心臓専門医、カール・ラビー博士博士らは20~87歳の男女4万人を16年間にわたって追跡調査した結果、55歳未満でコーヒーを1週間に28杯(1日平均4杯)より多く飲むグループは、飲まないグループに比べて死亡率が男性で56%高く、女性では2倍に上ることが分かったという。カップ1杯は8オンス(約240ミリリットル)。適量の場合や55歳以上の年齢層では有意な差はみられない。また、循環器系の病気による死亡率には、コーヒーとの関連がみられなかったという。

H2B、打ち上げ成功 三菱重工に移管後初

 三菱重工業は8月4日午前4時48分、種子島宇宙センターから国産大型ロケット「H2B」4号機を打ち上げた。H2Bに積んでいた無人輸送機「HTV(愛称・こうのとり)」4号機は国際宇宙ステーション(ISS)に向けて予定の軌道に入り打ち上げは成功した。8月9日ごろにISSに到着する予定。こうのとりには宇宙飛行士の生活物資や食料に加え、東京大学やトヨタ自動車などが開発した小型人型ロボット「KIROBO(キロボ)」も積む。今回から打ち上げ業務が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から同社へ移管した。