Category: 塾ニュース|サイエンス

ロボスーツ発売へ 東京理科大が開発

東京理科大の小林宏教授らが、人間が身につけると、パワーがアップするロボット「マッスルスーツ」を開発した。約30キロの荷物を簡単に持ち上げられるようになり、高齢者の介護などに活用できるという。ベンチャー企業を通じて年内にも売り出す。ロボットは、背中に装着した人工筋肉を圧縮空気で収縮させ、腰の動きを補助するしくみ。すでに介護現場などで試験的に使われており、商品化できると判断してベンチャーを設立した。介護のほか、荷役作業など向けに本格的に売り出す。想定価格は30万~80万円で、当面はリースやレンタルが中心という。

国際宇宙ステーション船長に若田光一宇宙飛行士が就任

文部科学省によると3月9日に若田光一宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション船長に就任したことがわかった。アジア人として初の船長となる。若田光一宇宙飛行士は昨年11月のISS滞在開始以降、宇宙医学、生命科学等の宇宙実験や、米国補給船のドッキングといったISS運用等に係る様々な任務を着実に遂行してきており、船長就任後は、緊急時の判断も含めた安全の確保やISSでの全ての業務の管理等、更に重要な任務も担うこととなる。

下村文部科学大臣談話では「世界で活躍する日本人の代表として、宇宙に夢を馳せる子供達、そして科学技術や国際舞台での活躍を夢見る若者達に夢を実現する姿を見せて頂きたいと期待しています。」とエールを送った。

STAP細胞、詳細な作製法公開 理研

理化学研究所は3月5日、小保方晴子研究ユニットリーダーらが開発した新型万能細胞(STAP細胞)の詳しい作製法を公開した。1月末の発表後、国内外の研究者が論文を基に作製を試みても「うまくできない」との指摘が相次いだことに対応した。成果の信ぴょう性について疑問視する声も出ており、別のグループが同じ結果を再現できるかが今後の焦点になる。科学の世界では、ある成果が出たとき、別の研究者らが同じ条件で実験し、同じ結果を再現した段階で初めて認められる。

桜の開花予想  やや遅め

日本気象協会(東京)や気象情報会社は3月5日、最新の桜の開花予想を発表した。3月に寒い日が続く影響で平年よりやや遅れる地域があるとみている。九州から関東の各地で記録的な早咲きだった昨年に比べると、かなり遅くなりそうだ。

気象協会は、満開の時期を関東甲信で平年より3~5日、東北と北海道で平年とほぼ同じか3~4日遅いと予想。九州から東海、北陸はほぼ平年並みで、東京や大阪の見ごろは4月初めごろになるとみている。

京大、再生医療で聴覚回復

京都大学の伊藤寿一教授らは、耳が突然聞こえにくくなる突発性難聴の再生医療に成功した。聴覚が回復できたのは、突発性難聴で聴力を失った患者のうち、治療薬として使われるステロイド薬が効かない場合。小人症の治療に使われる「インスリン様細胞成長因子」という市販薬を、聴覚を担う「内耳」の細胞に直接与えた。

白血球など作る遺伝子を発見 京大

京都大の長沢丘司教授らは、血液中の白血球などを作る遺伝子を発見した。マウスの実験で突き止めた。見つけたのは「Foxc1」と呼ぶ遺伝子。この遺伝子を欠いたマウスは白血球や赤血球を作りにくくなった。このことから血液系の細胞を作るのに必要だと分かった。遺伝子の働きを抑える薬を作れば、白血病を抗がん剤で効果的に治療できる。反対に活性化させれば、抗がん剤や放射線治療で白血球などが減ったがん患者の治療にも利用できる。さらにこの遺伝子の働きを利用すれば、白血球の元となる細胞を大量に作れる。

3Dプリンターで食べられる器 慶大など

慶応義塾大学と工業品設計のSHC設計(神奈川県茅ケ崎市)などは、米粉を材料に食べられる食器が作れる3Dプリンターを共同開発した。開発した「キッチン3Dプリンター」は片栗粉などを混ぜた米粉をノズルから練りだして一層ずつ積み重ね、電子レンジで温めて固める。既存の3Dプリンターと原理はほぼ同じで、材料供給の仕組みやノズルを独自開発した。作った食器は使用後に鍋料理などに入れて食べられる。紙コップや紙皿の代わりに使い省資源につなげるほか、赤ちゃん向けの玩具製造などの需要を見込む。

帝京大で小型人工衛星を一般公開

帝京大理工学部の学生らが手がける栃木県初の小型人工衛星「TeikyoSat-3」が打ち上げを控え、1月29日、同大宇都宮キャンパスで一般公開された。衛星は30日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡され、2月28日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケットに相乗りする。衛星は縦横32センチ、高さ37センチの準立方体。微生物の粘菌を載せ、無重量状態や宇宙放射線が与える影響を調べるのが目的。5年前から同大学生サークル「宇宙システム研究会」が開発し、県内企業約10社も協力して準備を進めてきた。

重文級含む史料数万点 京都の漢学塾跡から発見

1877(明治10)年の西南戦争で明治政府のナンバー2の右大臣だった岩倉具視が使った暗号表や、最後の徳川将軍・慶喜が官軍に江戸攻撃中止を求めた直筆哀訴状など重要文化財級を含む数万点の史料が、江戸―明治の本草漢学塾「山本読書室」跡(京都市下京区)の土蔵に秘蔵されていたことが2日、分かった。松田清京都外大教授(日本洋学史)が約2年半調査、目録を刊行した。重文級は少なくとも数百点で、ほかに菅原道真直筆の可能性が指摘される9世紀の写経もあり、新史実の解明が期待できる一大史料群として注目されそうだ。

ロケット海外市場開拓、コストが課題

次期基幹ロケット「H3」(仮称)の開発では、この20年を踏まえた課題、産業振興やビジネス拡大が大きな焦点となる。特に重要なのはコストだ。H2Aで100億円ともいわれる打ち上げ価格は半分程度に下げる方向だが、これには開発費も大きくかかわる。文部科学省の1900億円という試算があるが、計画として額が決まっているわけではない。開発が難航すれば膨らむ可能性もある。このため開発費を抑え、スケジュールを維持する開発管理体制も課題だ。H3は将来の日本の開発戦略にとって正念場といえる。