独立行政法人国立科学博物館(篠田 謙一 館長)は、2024年7月17日(水)から9月1日(日)まで、科博NEWS展示「我が家にまりも!?~一般家庭の水槽で見つかったまりもの調査~」を開催する。
同館が3月27日に行ったプレスリリース「ふたたび見つかった民家の水槽だけで発生するモトスマリモ」は多くのメディアに幅広く取り上げられ、新聞やテレビ報道を通じて、同館研究者が同様の事例に関する情報提供の呼びかけを行ったことにも大きな反響があり、同館へ日本各地から続々と情報が寄せられ、「まりも」と思われる実物試料も送られてきた。 解析の結果、これらの試料にはモトスマリモだけでなく、日本で知られている全てのまりもの仲間(5分類群)が含まれていることが分かり、様々な新しい知見を得ることができた。これらのまりもについて、水槽の展示と共に、まりもの仲間の紹介、全国各地のまりもが見つかった水槽写真の一覧展示、そして当館研究者等が富士五湖で行ってきたまりもの研究について紹介する。
【開催期間】 令和6年7月17日(水)~9月1日(日)
【開催場所】 国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)地球館1階オープンスペース
【主 催】 国立科学博物館
展示概要
展示は下記の3つのゾーンから成り立つ。
①まりものなかまたち
今回の調査では今まで日本で知られていた全てのまりもの仲間(5分類群)が、見つかった。それらについて、イラストも交えてその特徴を紹介する。
②まりものいる風景
今年2例目のモトスマリモが見つかり、各メディアで当館が水槽のまりもの情報提供を呼びかけたところ、46件もの情報が寄せられた。そのうち、26件の方に試料を送っていただき同館で検討を行った結果、まりもの5つのなかまの全てが家庭の水槽から見つかった。今年初めまでは日本で2例しか情報がなかったが、3ヶ月足らずのあいだに20例を超える出現例が集まった。東京の湧水地帯に由来すると考えられるタテヤママリモが見つかるなど、新しい知見も多く含んでいる。
③国立科学博物館のまりも調査
国立科学博物館のまりもの調査は、山中湖村から1956年(昭和31年)に当時小学3年生だった亀田良成氏が採集し、栽培したものを50年後に同館に持ち込まれたのが始まり。この経緯について絵本「富士山のまりも」(福音館書店)として出版された。この事がきっかけとなり、2013年から当館と山中湖村教育委員会との間で山中湖の共同でのまりもの学術調査が始まった。2022年の甲府、2024年の川崎、そして今回の水槽からのモトスマリモの発見に伴い、今では富士五湖全体の調査や、関東周辺での河川調査も始めている。