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効率を求める時代の塾選びに「オンライン学習塾」が一般化。タイパ・コスパの高い「オンライン学習塾」が共働き家庭の支えに

 株式会社スプリックス(東京・渋谷区、常石 博之 代表取締役社長)が運営するオンライン個別指導塾「そら塾」は、保護者のオンライン学習塾に対する意識を把握すべく、当塾保護者1,122名を対象にアンケート調査を実施した。

 今回の調査では、昨今の共働き世帯の増加などの社会的背景が影響し、通塾・送迎時間や費用などのコスト面でのパフォーマンスを意識した塾選びが重要視されていることがわかった。また、オンライン学習塾の利用開始から1年以上経つ通塾者が全体の21%を占めており、86.8%の保護者が継続意向を示していることから、オンライン学習塾が塾選びの新たなスタンダードとして普及しつつあることが明らかになった。

【調査概要】
調査対象:そら塾に通う生徒の保護者1,122名(有効回答数)
調査手法:インターネット調査
調査内容:オンライン学習塾に対する意識調査
実施期間:2024年12月9日~12月20日
オンライン個別指導塾そら塾調べ


Topic1. 利用開始から「1年以上」が全体の21.3%を占める結果に!効率を求める時代の塾選びに「オンライン学習塾」の定着化が進む

 オンライン個別指導塾「そら塾」の保護者を対象に、オンライン学習塾に対する意識調査を実施したところ、利用開始から「1年以上」という回答が全体の21.3%を占める結果に。今回の結果から、オンライン学習塾が新たな指導形態として注目を集めながらも、一過性の選択肢ではなく、長期的な学習パートナーとして定着している様子が伺える。特に、送迎不要で時間や場所を選ばずに学習を進められる効率性などが昨今のライフスタイルにあった価値観として受け入れられていることが伺える。

 また、オンライン学習塾を利用する目的として最も多く挙げられたのが「定期テスト対策」と「学校の補習」であることから、受験前の短期的な利用よりも、定期テストや勉強習慣など日常的な学力の向上を目指すことを目的に利用するケースが多い傾向にあることがわかった。

Topic2.  86.8%がオンライン学習塾の利用を「続けたい」と回答!それぞれの生活スタイルと目的にあわせた塾選びが重要に

 さらに、オンライン学習塾の継続意向について調査した結果、86.8%の保護者が「今後も利用し続けたい」と回答した。また、継続したい理由として「通塾・送迎が不要」という回答が最も多く挙げられ、送迎することに対して大きな負担を感じている家庭が多いことが明らかになった。その他にも「時間を有効に使える」「子どもに向いているから」などの回答も多く、共働き世帯が圧倒的に多くなっている中で、オンライン学習塾が昨今の生活スタイルにあった形態であることが伺える。

Topic3.  周囲の利用者増加を実感している割合は限定的な一方で、82.7%が「家族や友人にオンライン学習塾を勧めたい」と回答!

 オンライン学習塾の利用者を対象に、周囲の利用状況に関する意識調査を行ったところ、オンライン学習塾を利用している人が「周囲で増えている」と感じた割合は17.7%と限定的だった。この結果は、オンライン学習塾の利便性や効果が実際の利用者以外に十分伝わっていないという点の他に、地方や一部地域ではオンライン学習塾というサービス自体の認知がまだ広がりを見せていない状況が伺える。

 一方で、82.7%の保護者が「オンライン学習塾を友人や家族におすすめしたい」と回答し、高い満足度と推奨意向が伺える結果となった。これは、共働き世帯の増加や時間を有効的に活用したいというニーズが背景にあり、オンライン学習塾が塾選びの新たなスタンダードとして普及しつつあることが伺える。

満足度の高い『子ども英語教室』ランキング『子ども英語教室 幼児』【セイハ英語学院】が2年連続4度目の総合1位『子ども英語教室 小学生』【ECCKIDS】が2年連続の総合1位(オリコン顧客満足度®調査)

 実際のサービス利用者を対象に、第三者の立場で顧客満足度調査を実施する株式会社oricon ME(東京・港区、小池 恒 代表取締役社長)は、『子ども英語教室(幼児/小学生)』の満足度調査を実施し、2025年1月6日(月)14時にその結果を「オリコン顧客満足度®」公式サイト内( https://life.oricon.co.jp/ )にて発表した。

『子ども英語教室 幼児』

2014年の調査開始から11度目※の発表となる『子ども英語教室 幼児』の満足度調査。過去5年以内に、対象の教室に幼児(0歳~年長)の子どもを半年以上通わせたことのある、全国の20~69歳までの保護者1,522人を対象としています。(※2018年は発表見送り)

《調査概要》

■ランキング発表日:2025/01/06 ■調査主体:株式会社oricon ME ■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2024/08/08~2024/09/09、2023/08/07~2023/08/21、2022/08/02~2022/08/15

2025年 オリコン顧客満足度®調査 子ども英語教室 幼児
■サンプル数:1,522人 ■規定人数:100人以上 ■調査企業数:20社
■定義:英語・英会話教室のうち幼児(0歳~年長)を対象としたコースを設定している企業 ただし、以下は対象外とする
・英語コースを展開している幼児教室・学習教室 ・オンライン授業のみの教室
・インターナショナル・プリスクール、インターナショナルスクール ・幼稚園・保育園の中の一環で行われている授業

■調査対象者 性別:指定なし 年齢:20~69歳 地域:全国
条件:以下すべての条件を満たす人
1)過去5年以内に、対象の教室に幼児(0歳~年長)の子どもを半年以上通わせたことのある保護者
2)通わせる教室の選定に関与し、サービスに関する支払い金額を把握している人
ただし、無料体験レッスンのみ利用した人は対象外とする

■URL: https://juken.oricon.co.jp/rank-kids-english/preschooler/

2025年 オリコン顧客満足度®調査 子ども英語教室 小学生

■サンプル数:4,614人 ■規定人数:100人以上 ■調査企業数:21社
■定義:英語・英会話教室のうち小学生を対象としたコースを設定している企業
ただし、以下は対象外とする
・英検やTOEICなどの資格試験対策に特化したコース ・英語コースを展開している塾・学習教室
・オンライン授業のみの教室 ・インターナショナルスクール ・学童保育をメインとする施設

■調査対象者 性別:指定なし 年齢:20~69歳 地域:全国
条件:以下すべての条件を満たす人
1)過去5年以内に、対象の教室に小学生の子どもを半年以上通わせたことのある保護者
2)通わせる教室の選定に関与し、サービスに関する支払い金額を把握している人
ただし、無料体験レッスンのみ利用した人は対象外とする

■URL: https://juken.oricon.co.jp/rank-kids-english/grade-schooler/

全国体力テスト 体力合計点は回復基調もコロナ以前水準に至らず

 2024年12月20日、スポーツ庁は「令和5年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)」(全国体力テスト)を発表した。調査は国公私立の小学5年生約99万人、中学2年生92万人が対象で、令和5年4月から7月に各学校で実施された。体力合計点は令和4年度調査との比較では回復基調であるが、令和元年度(コロナ以前)の水準には至っておらず、小中学校ともに回復の度合いに男女間で差があるとまとめている。
 また、運動習慣・生活習慣・運動意識の状況では、体育の授業以外の運動時間は減少傾向が続いており、運動意識はついては、小中男子はコロナ以前より高まっているが、小中女子は戻っていないとしている。肥満の割合、睡眠時間は、令和4年度に比べ顕著な回復傾向がみられたとし、学習以外のスクリーンタイムは、コロナ以前から引き続き増加が続いており、4時間以上の割合が増加したとしている。

詳細は、令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(スポーツ庁)を参照のこと。
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00007.html

中高生の学習におけるスマホ活用実態調査 デジタル教材やSNSの利用が進展

 スタディプラスのStudyplusトレンド研究所が10月22日〜11月4日にかけて実施した調査で、中高生のデジタル教材やSNSの活用実態が明らかになった。この調査は全国の学習管理アプリ「Studyplus」利用者2294名を対象としたもので、学習時のスマホ活用や塾通いの状況に焦点を当てている。
 中高生全体の約6割が塾に通っており、特に中学3年生では76・0%と高い通塾率を示した。高校1年生では通塾率が37・5%に減少するものの、高校3年生になると6割を超えるなど、大学受験に向けて通塾率が再び上昇する傾向が見られた。

 塾の形態では、中学生は「集団指導塾」、高校生は「個別指導塾」が主流となっている。一方、高校生の35・2%がデジタル教材を活用した自立指導塾に通っており、これは従来の集団指導塾(31・7%)を上回る結果となった。中学生のデジタル教材利用率は6・3%であり、高校生でその割合が大きく増加することがわかった。
 学習時にSNSを利用している中高生は全体の半数近くにのぼり、特に高校1年生で利用率が高い。主に利用されるSNSは「LINE」や「Instagram」であり、中学生ではTikTok、高校生ではX(旧Twitter)を活用する傾向も見られた。SNSの用途は「勉強方法の情報収集」や「モチベーション維持」が中心で、勉強記録やタイムラプス撮影、勉強風景のライブ配信などが行われている。
 YouTubeはさらに多くの中高生に利用されており、7割以上が視聴している。特に高校3年生では8割以上が勉強時にYouTubeを利用しており、人気のコンテンツは「授業動画」が最多だった。中でも「とある男が授業してみた」「Stardy – 河野玄斗の紙授業」「映像授業Try IT」などのチャンネルが支持を集めた。
 進路情報収集でもYouTubeの利用が広がっており、高校生の半数以上が学校の公式動画や進路情報動画を視聴している。キャンパスや校内の様子を紹介する動画や、在校生・教授のインタビュー動画が特に好評だった。
 学習時にスマホ利用を工夫している中高生は7割にのぼる。最も多い工夫は「タイマー・ストップウォッチの利用」で、「スクリーンタイムの設定」や「スマホ制限アプリの利用」も多かった。また、スマホ外の方法として「電源をOFFにする」「両親に預ける」といった物理的な手段も挙げられた。
 GIGAスクール構想の普及により、学校でのデジタル端末利用が一般化する中、今回の調査では学校外でのデジタル学習の広がりが確認された。特に高校生はデジタル教材を活用した塾通いが増え、YouTubeやSNSを学習や進路情報収集に積極的に利用している。一方で、スマートフォンの利用を制限する工夫も進んでおり、デジタル学習時代におけるバランスの重要性が示唆されている。
 調査結果の詳細は、Studyplusトレンド研究所の公式Webサイトで公開されている。

スキルアップ研究所、「AI時代の職業意識に関する実態調査」の結果を発表

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原博昭 代表取締役社長)のグループ会社、株式会社ベンド(東京・千代田区、近藤潔 CEO)は、運営する「スキルアップ研究所」にて、「AI時代の職業意識に関する実態調査」を行い、2024年10月30日に結果を発表した。
調査結果全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/4395

〈調査概要〉

項目詳細
調査名AI時代の職業意識に関する実態調査
対象者20代以上の社会人
対象地域全国
調査方法インターネット調査
調査期間2024年10月10日〜2024年10月17日
回答数500(男性197、女性298、非回答5)

調査背景
 近年急速な発展を見せるAIは、一部の職業を実際に代替するようになっている。このような時代にあって、我々にとってAIとの共存および人間独自の価値の創出は重要な課題である。
 そこで今回スキルアップ研究所では、「AI時代の職業意識」に焦点をあて、社会人を対象にAIの台頭に関する意識や、AIに代替されない人材になるための努力、将来的な人材育成についてアンケート調査を行った。

調査結果
◆回答者の66%がリスキリングやスキルアップの必要性を実感
「業務におけるAIの台頭について、スキルアップやリスキリングをする必要性を感じていますか?」という質問に対し、14%が「強く感じている」、52.2%が「感じている」と回答した。
7割近くの人が、AIが業務に進出する中で自らのスキルを伸ばす必要性を感じていることが明らかになった。

◆AIに任せたい業務について7割が『データ関連』と回答
「AIにはどのような業務を任せたいですか?」という質問に対して、40.4%(202人)が「データ分析」、30.6%(153人)が「データ処理」と回答した。
AIの業務における導入については、7割以上がデータ関連業務を想定していることが判明した。

◆社会人へのAI関連教育への潜在需要は高い
「AIと共存する能力を身につけるために、企業や行政が社会人に対する教育を整備するべきだと感じますか?」という質問に対し、16.0%が「強くそう感じる」、63.0%が「そう感じる」と回答した。企業や行政などによるトップダウンでのAI技術・知識に関する教育整備への需要が多いことが明らかになった。

課題と展望
 今回の調査で、AIの台頭に際してリスキリングや教育に対する需要が多いことや、AIに代替されないためにコミュニケーション能力の向上に取り組む人が多いことが明らかになった。
 今後のAI技術の更なる発展を注視するとともに、リスキリングやAI関連教育の内容に関する具体的な需要や、コミュニケーション能力向上の手法などに関する更なる調査につながる結果となった。
 今以上にAIが発展し、情報処理能力だけでなくコミュニケーション能力や発想力においても人間を上回る新たなAI時代が到来した時に、どのような雇用創出をするのか、その社会で生き延びるために我々はどのような努力をするべきなのか。AI業界の動向に常に気を配り、自らが社会に還元する価値について考え続けることが求められている。

神奈川県教委 公立校いじめ調査 認知件数初の4万超

 神奈川県教育委員会は10月31日、昨年度に公立(国立を除く)小中学校、高校、特別支援学校で発生したいじめの認知件数が初めて4万件を超え、4万4274件に上ったと発表した。件数は3年続けて過去最多を更新。小中学校の不登校児童・生徒数は前年度比3306人増え、過去最多の2万3629人だった。

エン・ジャパンの調査で「やってよかったアルバイト」トップは接客・販売

 エン・ジャパン株式会社が運営する派遣型アルバイト求人サイト『エンバイト』上で実施した「やってよかったアルバイト」に関するアンケートの結果が発表された。
 やってよかったと感じた仕事のトップは「接客・販売」であり、理由として「様々な年齢の人とのかかわり方」や「接客スキル」が身についたことが挙げられた。また、半数以上の回答者はアルバイトを始める前に良い経験ができると期待していなかったことが明らかになった。やってよかったと思ったタイミングでは「しばらく勤務してから」が最も多く、53%を占めた。

 アルバイトで身についたら良いと考えるスキルのトップ3には「PCなどの基本スキル」「対応力」「専門スキル」が挙げられた。さらに、アルバイト探しにおいてスキルが身につきそうか経験が積めそうかを重視するか尋ねたところ、73%が重視すると回答した。
 調査の詳細は以下の通り。調査方法はインターネットによるアンケートで、調査対象は『エンバイト』のユーザー。調査期間は2024年9月26日から10月28日までで、有効回答数は1732名であった。

【PR】クラウドでニーズを捉えた俊敏なサービス開発(AWS)

情報ⅠやプログラミングのICT教材を開発・販売している、ライフイズテック株式会社(東京都港区)と株式会社スプリックス(東京都渋谷区)は、Amazon Web Serviced(AWS)を活用しているという共通点を持つ。ライフイズテックCTOの奥苑佑治氏とスプリックスプログラミング事業部・IT戦略部部長の飯坂正樹氏に、それぞれのサービスの特徴を紹介してもらいながら、ニーズを捉えたサービス開発をどのように行っているか語ってもらった。

2社が学習塾に提供している情報系ICT教材

ライフイズテック CTO 奥苑佑治氏

――まずは簡単に、それぞれの企業の紹介をお願いいたします。

奥苑 2010年に創業したライフイズテックは当初からプログラミング情報教育に携わるなか、2020年にプログラミングが必修化されてからは、学校教育にも取り組んでいます。

飯坂 1997年創業のスプリックスは森塾をメイン事業としつつ、現在は「フォレスタ」をはじめ様々な教材開発をおこなっています。また昨今のニーズを踏まえ、ICT教材も多く提供しています。

――学習塾向けに展開しておられるサービスについて教えて下さい。

奥苑 高校生が情報Ⅰを自立的に学習できるよう「情報AIドリル」という教材を販売しています。
 情報Ⅰは今年が導入初年度のため現役大学生も習ったことがなく、教え手が足りていません。そうしたなか、自立的に学べる情報AIドリルは大変好評をいただいていて、すでに3900教室で採用いただいています。

飯坂 スプリックスでは小学生から高校生までを対象としたプログラミング教室「QUREO」をサイバーエージェントグループのCATechKidsと共同運営していて、そちらは学習塾にも提供しています。
 また、生徒保護者の情報や授業の進捗状況など、塾向けの管理システム「フォレスタデータベース」も販売しています。

変化するニーズを捉えたサービス開発

スプリックス プログラミング事業部・IT戦略部 部長 飯坂正樹氏

――刻々と変化するニーズをどのように汲み取り、開発に活かしているのでしょうか。

奥苑 情報AIドリルを開発するにあたっては仮説を立てて試作し、改善点があればすぐ修正するというPDCAを回して品質を高めていきました。
 また大学入試センターからは共通テスト試作問題が出されていたため、AIを使って分析と作問を実施。その結果、しっかりと入試本番で高得点が取れる仕上がりになったと感じていて、学習塾の最適な学びにつながると自負しています。

飯坂 新しい学びの流行りなどはあまり意識せず、具現化したニーズに真正面からクイックに応えることを心がけています。実際、QUREOは森塾の保護者・生徒からのご要望を受けてスタートしました。

いかに教えないようにするかの線引きに苦心

――教材開発で苦労された点などをお聞かせください。

飯坂 先生というのは、本来教えることが仕事です。しかし、QUREOに関しては先生が教えすぎるとうまくいかなくなるので、生徒が自立的に学べることをかなり意識しました。

 しかしながら、先生方は教えられなくなると「自分の価値が失われた」と捉えてしまう可能性もあるので、先生方の関わり方をどう設計するか、は苦労した点です。

奥苑 ホントそうですよね。教え手がいないからこそ「自立できる教材」を突き詰める必要があるなか、先生とAIの役割分担をどうするのか。今はそれを見極める分岐点に差しかかっていると感じます。

学びにはリアルな場と人間の介在が不可欠

――先生方を納得させるために、どのようなことを意識されましたか。

飯坂 プログラミングは学習成果が見えないから不安という先生の気持ちはよくわかりますので、子供たちの学習成果を可視化できるように、「プログラミング能力検定」という検定も開発・運用しています。そうしたことで保護者にも先生にも「子供たちのためになるなら」と納得してもらいやすくなりました。
 また、QUREOの教室ではタブレットで黙々と勉強をするのですが、先生と仲間がいるからこそ頑張れる部分が大きいです。つまり「場が必要」ということです。
 私たち自身、学びには場や人の存在が不可欠だと確信していて、それはAIが発展してもなくならないと思っています。

奥苑 そうですよね。気づきを与えたり、探究心をくすぐったりするのは人間の役目であり、AIだけで学ぶのはまだまだ難しい。学びには人間の介在が必要です。

今後も学習塾のニーズに応えるサービス開発を実施

――プログラミング教材の開発においては両社ともAWSを使われていますが、なぜですか。

奥苑 サポート体制が充実しているのが大きいですね。例えば使いづらい箇所をお伝えすると「わかりました。本社に上げます」と言ってもらえ、いつの間にか改善されていたりします。相談しやすいうえに、ユーザーの使い方を想像する力が高いなと感じます。
 また自社でサーバを構築した場合、災害などで破損すればデータは消滅しますが、耐久率が高いAWSはその可能性が極めて0に近く、安心してデータを預けられるのもいいですね。

飯坂 自治体でも学習塾でもAWSを使っていると言えば「あぁ」と言ってもらえるほど認知度や信頼度が高く、話が早いんです。
 また奥苑さんも言われたように親身になって対応してもらえるほか、コストはできるだけ抑える提案をしていただけるなど、その誠実な姿勢には大変共感しています。

――今後の展望をお聞かせください。

飯坂 海外でもプログラミング教育は盛り上がってきていますので、AWSの力を借りながら海外でもどんどん広めていきたいです。
 またいろいろな学習塾にフィットするよう、塾管理システムの機能をさらに改善し、各教室で細かくカスタマイズできるようにもしたいです。

奥苑 学習塾は日本に欠かせない存在ですが、受験のためだけの勉強ではなく、社会で役立つ学びを提供したいと思います。AIを駆使しながら深い学びをどう作っていくか。そこを突き詰めていきたいです。

  • 株式会社スプリックス
  • TEL:03-5927-1681
  • eMail:info@sprix.jp
  • WEB:https://sprix.inc

 

月刊私塾界2024年11月号掲載

2024年月刊私塾界11月号PDFダウンロード

 

「85%の大学が『メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている』と回答」河合塾グループKEIアドバンス 全国370大学の学長アンケートを公開

 河合塾グループの株式会社KEIアドバンスは、全国の国公私立大学の学長を対象に行ったアンケート結果を、高等教育機関向け情報発信サイト『KEI Higher Education Review』で公開した。このアンケートは各大学の経営における取り組みをまとめ、今後の経営ヒントとして提供することを目的に実施するもの。370大学から回答を得た39項目にわたるアンケート結果から、特徴的な3点を紹介する。

【全国大学学長アンケートについて】
 全国の大学と大学院大学の合計812校を対象に実施し、うち370校より回答を得た(回収率45.6%)。回答校の内訳は 国立大学44校、公立大学48校、私立大学278校。設問内容は、「貴学が果たしている大学としての役割」といった大学の存在意義を問う質問から、経営・財政、学生募集・広報、教育・研究、ダイバーシティ・ジェンダー・格差是正・環境等に関する質問、さらには「2040年以降を見据えたときの、現在の大学の課題」などについて、幅広く学長の意見を聞くもの。実施期間は2023年12月~24年1月。

1.一般選抜と年内入試の定員バランスに困難を感じる大学が多い

「学生選抜(入試)方式で、貴学が課題を抱えている、もしくは困難を感じていることはありますか」との問いに対し、半数近い174大学が「一般選抜と年内入試(総合型・学校推薦型選抜)の定員配分」に課題を感じていると回答した。23年4月には大学入学者の半数以上を年内入試合格者が占めるなど、拡大が進む年内入試について、定員バランスに腐心する大学の様子が見られる。また、2位には「総合型選抜の選抜方法」がランクイン。多面的・総合的に受験生の資質・能力を評価する総合型選抜の運用について、各大学が試行錯誤する姿がうかがえる。

2.85%の大学が「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と回答

「学生のメンタルヘルスへの取り組み、学生の退学・休学への対応について、貴学が課題を抱えている、もしくは困難を感じている項目を教えてください」との問いに対しては、316校もの大学が「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と回答。これは全体の85%と非常に高い割合だ。コロナ禍収束後も学生のメンタルヘルスにかかわる問題は減少せず、むしろ増加の傾向にあることを示している。別の問い「今後、中長期的に[ダイバーシティ、ジェンダー格差是正、環境等]の面で特に力を入れるべき(力を入れたい)取り組みを選んでください」でも「学生のメンタルヘルスへの取り組み」が今後取り組みたい内容のトップとなり(254校)、学生のメンタルヘルスに対する課題感の強さが表れた。

3.国際化・グローバル化の優先事項は「海外からの留学生受け入れ・大学間協力」

「大学の国際化、グローバル化への対応状況について、貴学が力を入れている項目を教えてください」という問いには、64%(236校)の大学が「海外からの(外国人)留学生受け入れの増加、支援」ならびに「海外との大学間協力、連携の増強」と 回答した(両選択肢とも同数)。同様に227大学が「海外へ留学する日本人学生の増加、支援」と回答し、留学生の交換を通した人的交流や大学間連携を重視している様子がうかがえる。
 KEIアドバンスでも、国内の大学(院)と共同で、海外の学生を対象とした短期留学プログラムの開発を始めた。7月に都内大学と実施したプログラムには、中国から70名近い高校生・大学生が参加するなど、留学生受け入れ促進に向けた大学の動きは加速している。

 このほかの設問と回答結果のサマリー(簡易版)は、高等教育機関向け情報発信サイト『KEI Higher Education Review』にて公開している。
 『KEI Higher Education Review』 https://www.keihereview.com/

ベネッセ教育総合研究所 「第4回幼児教育・保育についての基本調査」 保育者の7割が「職場・仕事に満足」の一方で、8割は「事務作業量が負担」

 株式会社ベネッセコーポレーション(岡山県・岡山市、小林 仁 代表取締役社長)の社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2023年11月から12月にかけて、日本全国の幼稚園・保育所・認定こども園の園長と保育者を対象に「第4回幼児教育・保育についての基本調査」を実施した。
 現在、日本の保育者の有効求人倍率は全職種平均よりも高く、保育者不足が深刻な問題となっている。その中で、社会環境や政策の変化により、園には多様な役割が期待され、保育者にはより高い専門知識や技量が求められている。この状況に対応するためには、保育者が仕事に満足できる環境を整え、離職を防ぐ支援が必要だ。今回の調査では、その方策を検討するため、保育者の仕事に対する満足感や負担感の実態を把握し、それらに影響を与える要因を分析した。
 その結果、保育者の7割が職場や仕事に満足している一方で、8割が事務作業量の多さに負担を感じていることがわかった。また、事務作業量や労働時間などの負担感が少ないほど、保育者の仕事満足感が高い傾向が見られた。さらに、仕事の満足感が高い保育者が勤務する園は全体に一体感があり、保育者同士の連携がとれていること、園長がマネジメント力を発揮していることが明らかになった。園が一体感を持って保育に取り組むことで、仕事満足感の向上につなげることができると考えられる。
 ベネッセ教育総合研究所では、この調査結果をさらに分析し、保育者が働きやすい環境やより良い保育実践のあり方について提案していく予定だ。

調査の主な結果は、以下の通り。
1.保育者の仕事満足感:職場や仕事に満足しているが7割
 保育者の82.1%が「職場の人間関係は良好」、74.8%が「自分の仕事に満足」、73.6%が「自分の職場に満足」と回答。 一方、「給与と仕事量のバランスはとれている」と肯定した回答者は27.4%にとどまる。
2.保育者の仕事負担感:8割が事務作業量の多さに負担を感じている
 79.4%が「事務作業の量が多くて負担」、66.9%が「配慮の必要な子どもへの対応が負担」、63.8%が「子どもを預かる責任が重く負担」、56.4%が「研修時間が確保できない」と回答。
3.保育者が認識する園の状況:子どもの姿を語り合うのは9割、キャリア形成を考えた人材育成は7割
 94.9%が「保育者同士が子どもの姿をよく語り合っている」、86.5%が「安心できる雰囲気がある」、75.3%が「園長はマネジメント力を発揮している」、65.7%が「保育者のキャリア形成を考えた人材育成を行っている」と回答。
4.負担感別にみた保育者の仕事満足感:負担感が低い保育者は仕事満足感が高い
 事務作業量の多さ、長時間労働、子どもを預かる責任の重さといった負担感が少ない保育者は、そうでない保育者と比べて仕事満足感が10ポイント以上高い。
5.園の状況別にみた保育者の仕事満足感:園に一体感があると感じている保育者は仕事満足感が高い
 園全体に一体感がある、保育者同士の連携がとれている、園長がマネジメント力を発揮していると感じている保育者は、そうでない保育者と比べて仕事満足感が約20~30ポイント高い。

調査概要】

名称    第4回幼児教育・保育についての基本調査
調査テーマ          園の環境・体制、教育・保育活動などに関する実態と、園長・保育者の意識
調査時期      2023年11月~12月
抽出方法園抽出:全国の園のリスト (国公立・私立幼稚園、公営・私営認可保育所、公営・私営認定こども園)より、園児数29人以下かつ3~5歳の園児数が0の園は除外し、各都道府県で無作為に抽出した。保育者抽出:園長に対して、担任クラス(0~2歳の乳児クラス2名、3~5歳の幼児クラス2名)、年齢、性別を考慮して保育者4名に配布するように依頼した。
調査方法郵送による依頼 :1園につき園長1名と保育者4名に回答依頼WEBによる回答:依頼を受けた園長・保育者はWEB画面にアクセスして回答※園発送数 16,488件  保育者最大配布数 65,952件
分析対象全国の幼稚園、保育所、認定こども園に勤務する保育者 15,143名※本文書では保育者のみを分析対象としている。※本分析では、国公立・私立、公営・私営の設置形態に関する設問で「その他」と回答したケースも含めている。
研究メンバー ※所属・肩書は2023年12月時点         ■調査監修無藤隆(白梅学園大学名誉教授)、汐見稔幸(東京大学名誉教授)、荒牧美佐子(目白大学准教授)、小山朝子(和洋女子大学准教授)■企画・分析野﨑友花(ベネッセ教育総合研究所研究員)、高岡純子(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、森永純子(ベネッセ教育総合研究所主任研究員)、木村治生(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、加藤健太郎(ベネッセ教育総合研究所主席研究員)、岡部悟志(ベネッセ教育総合研究所主任研究員)