文部科学省のまとめで7月2日、2015年度の全国の法科大学院の総入学定員は計3175人で、最低だった今年度よりもさらに634人少なくなる予定であることがわかった。最も多かった07年度(5825人)の54・5%にとどまる。定員を減らすのは、全国73校のうち北海道大(30人減の50人)や早稲田大(40人減の230人)など33校。削減幅が最も大きいのは同志社大(50人減の70人)だった。このうち島根大や大東文化大など13校は15年度から新たに募集を停止する。
政府は、政財界や教育界の代表者を集めて教育改革の財源を議論する「教育サミット」(仮称)の創設に向けた検討を始めた。産官学が連携して財源確保に向けた国民的議論を起こすのが狙い。7月中にも安倍晋三首相に提出される教育再生実行会議の提言に盛り込まれる。サミットは国、都道府県知事、経済、教育界の有識者らで構成。開催時期、頻度など詳細は今後検討する。政府は将来に向けた人材育成の重要さと、そのための財源確保について世論を喚起する必要があると判断。教育サミットを開催し、国民の理解を求める方針だ。
政府の教育再生実行会議は6月19日、「6・3・3・4」の学制改革に関する第5次提言案を議論し、現行では特例として認めている小中一貫校の制度化や幼児教育の段階的な無償化などを改革の柱として盛り込むことを、おおむね了承した。 この日の議論では、「小中一貫教育学校」(仮称)を創設し、義務教育9年間の区切りや学習カリキュラムを、教育委員会などが弾力的に運用できるようにすることを大筋で認めた。
大学入試センター試験に代わる「達成度テスト(仮称)」のあり方を審議する中央教育審議会(中教審)は6月19日、同テストのうち一般入試の合否判定に活用される「発展レベル」について、2021年春に入学予定の受験生から導入するとの答申素案をまとめた。現在の小学6年生からが対象となる。推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試への活用を想定している基礎レベルについては、中教審の高等学校教育部会が、発展レベルよりも早い時期に導入する方向で検討している。
下村博文文部科学相は6月16日、2015年度に大学院や学部などの新設を予定している公私立の大学や短大延べ60校の計画について、大学設置・学校法人審議会に審査を諮問した。答申は10月末ごろの見通し。公立大では、新潟県立大(新潟市)が大学院国際地域学研究科を、福山市立大(広島県福山市)が大学院教育学研究科などを新設するとした。
政府は6月7日、非正規雇用を対象とした資格制度を創設する方針を固めた。新たな資格は、非正規雇用の多い〈1〉流通〈2〉派遣〈3〉教育〈4〉健康――の4業種で、接客などの対人サービスに従事する人を対象とする。資格の認定は、厚生労働省から委託を受けた業界団体があたる。これまでに、日本百貨店協会(流通)、日本生産技能労務協会(派遣)、全国学習塾協会(教育)、日本フィットネス産業協会(健康)の4団体が政府の方針に応じた。6月下旬に決まる新成長戦略に盛り込む。
政府の教育再生実行会議がまとめた学制改革についての提言の素案の内容がわかった。3~5歳の幼児教育の無償化を段階的に進めることや、職業教育を行う高等教育機関の新設、「小中一貫教育学校」(仮称)の制度化などが柱。11日に開く会議で示され、7月に予定される提出に向けて協議を続ける。素案では、幼児教育について「生涯にわたる学びと資質・能力の向上に寄与する」として質の向上を提言。そのうえで、私立幼稚園の平均で年間約30万円かかる3~5歳児の教育について「無償化を段階的に推進する」とした。
政府は今年1月から始まった少額投資非課税制度(NISA)を拡充する方針だ。現在年100万円にとどまる非課税枠を200万円以上に拡大したり、税金がかからない期間を延長したりする案が浮上している。2016年にも実施する。1600兆円を超す家計の金融資産を株式市場に呼び込み、日本経済の成長力を押し上げる。政府が6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針=総合2面きょうのことば)に明記する。中長期的な成長マネーの供給を増やす方策として「NISAの拡充」を打ち出す。
大阪市立学校の校長の採用を「原則公募」とする今の制度が維持されることになった。大阪市議会は5月27日に「公募できる」と後退させる条例改正案を可決したが、橋下徹市長が審議のやり直し(再議)を求め、同30日に否決、廃案となった。大阪市議会で再議権が行使されるのは初めて。来春採用の校長を公募・研修する2800万円の経費は、今年度補正予算から削除されている。橋下市長はほかの事務費を工面して公募経費にあてる方針だ。
文部科学省は、市区町村の判断で公立の「小中一貫校」を設置できる制度の導入に向けて検討を始めた。現行の小学校6年、中学校3年の「6・3制」だけでなく、9年の義務教育期間を「4・3・2」や「5・4」と弾力的に運用し、地域の事情などに合わせた教育課程(カリキュラム)の編成が可能になる。政府の教育再生実行会議が議論中の「学制改革」提言にも盛り込まれる見通しで、同省は来年の通常国会に学校教育法の改正案を提出する方向だ。
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