Category: 塾ニュース|政治

塾も情報公開を 国が初の指針

文部科学省と経済産業省は8月5日までに、学習塾や語学教室に対し、財務状況や講師の経歴などの情報を幅広く公開するよう求める指針を初めて策定した。情報公開の程度はこれまで各事業者に委ねられており、利用者との間でトラブルとなるケースも多かった。指針に法的強制力はないが、文科省は「情報公開の意識を高めるきっかけにしたい」としている。指針は学習塾や語学教室のほか、書道教室やパソコン教室、料理教室などが対象。文科、経産両省は近く、それぞれの業界団体などを通じて各事業者に周知する。

省庁の女性 働きやすく 文科省が省内改革案

女性が働きやすい職場づくりを目指し、文部科学省は7月20日までに、17項目の省内改革案を策定した。在宅勤務を1時間単位で認めることやワークシェアリングの推進などが柱で、いずれも中央省庁では異例という。女性の社会進出を成長戦略に掲げる政府方針を受け、「女性職員の活躍推進プログラム」としてまとめた。勤務管理に関わる内規を変更し、今年度中に順次具体化する。他省庁と比べて、女性の採用・登用数の多い同省は「改革を急ぎ、霞が関の見本となりたい」としている。

東北薬科大と宮城県、アピール 医学部新設

文部科学省は7月4日、医学部新設を巡る有識者による構想審査会の2回目の会合を同省で開いた。構想を申請した東北薬科大(仙台市)と宮城県、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)の3者から初めて意見聴取を行い、出席者は審査会メンバーに利点をアピールした。大はキャンパスの利便性が高いのがメリット。石巻市にも拠点を開設し、被災地の地域医療に貢献するとしている。一方、宮城大への医学部新設を決めた県は、医療行政と調和した運営ができるなどとしている。

大学入試 英語に外部試験を 文科省、活用促進へ指針

文部科学省の英語教育に関する有識者会議は7月4日、大学入試で読む、書く、聞く、話すの4技能を評価できる外部試験の活用促進のための指針を作成する、との報告書をまとめた。外部試験の点数を大学入試センター試験や各大学の入試の成績に換算する方法を盛り込む方針。外部試験は、米国の「TOEFL iBT」、日本英語検定協会の「TEAP」、教育大手ベネッセコーポレーションの「GTEC CBT」などを想定。指針に得点の換算方法や、公正さを保つための試験態勢などを盛り込む予定だ。

大学入試の英語、民間試験活用を 協議会設置へ

英語教育について話し合っている文部科学省の有識者会議は7月4日、TOEFLなどの民間試験を、大学入試に活用することを促す意見書案をまとめた。文科省は大学や高校、民間試験の実施団体などで協議会をつくり、検討を求める。統一基準づくりや、受験の開催場所、受験料などが課題で、結論まで数年かかる可能性があるという。すでに民間試験を活用している大学もあり、2013年度入試では、全国740大学のうち265校が独自に採用した。

「小中一貫教育学校」校舎整備など財源課題に

教育再生実行会議の提言を受け、「小中一貫教育学校」(仮称)が制度化へ向けて動き出す。現在特例として認められている小中一貫教育の先行例のなかで、同じ校舎で9年間を過ごす「施設一体型」は一部で、多くは通常の小学校と中学校が連携する「分離型」だ。小中学校の距離が離れている場合は導入が難しく、一体型校舎を新築するには財源が必要だ。小中学校の9年間を通じて教えられる教員の確保も課題。提言は複数の学校種で教えられる新たな免許制度の創設も盛り込んだが、大学の教員養成課程の見直しなども必要になる。

教育再生会議、小中一貫校制度化等を提言

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は7月3日、学制改革に関する提言を安倍晋三首相に提出した。不登校など、就学環境の変化に起因する課題の緩和策として、9年間の義務教育を一体として実施する「小中一貫教育学校」(仮称)を制度化する。3~5歳の幼児教育の質を向上させ、段階的な無償化も検討する。下村博文文部科学相は今月中に小中一貫教育学校の制度設計を中央教育審議会(中教審)に諮問する。政府は来年の通常国会で関連法改正を目指し、同学校は早ければ2016年度から導入される。

厚生年金、加入逃れ阻止 中小など80万社指導へ

政府は厚生年金に入っていない中小零細企業など約80万社(事業所)を来年度から特定し加入させる方針だ。国税庁が保有する企業情報をもとに厚生年金に加入していない企業を調べ、日本年金機構が加入を求める。応じない場合は法的措置で強制加入させる。厚生年金は公的年金の一つで、会社員が加入する。労使折半で収入に応じた保険料を支払う仕組みになっているが、重い保険料負担を避けるために、加入を逃れている企業も少なくない。

法科大学院定員、最低更新し3175人に 15年度予定

文部科学省のまとめで7月2日、2015年度の全国の法科大学院の総入学定員は計3175人で、最低だった今年度よりもさらに634人少なくなる予定であることがわかった。最も多かった07年度(5825人)の54・5%にとどまる。定員を減らすのは、全国73校のうち北海道大(30人減の50人)や早稲田大(40人減の230人)など33校。削減幅が最も大きいのは同志社大(50人減の70人)だった。このうち島根大や大東文化大など13校は15年度から新たに募集を停止する。

教育再生会議 夜間中学の設置促進

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は、「夜間中学」の設置促進を、3日に安倍晋三首相に提出する提言の中に盛り込むことを決めた。夜間中学は就学機会の確保に重要な役割を果たしているが、設置校は8都府県で計31校(いずれも公立中)しかない。文部科学省は提言を受け、実態調査した上で支援策を検討する。