政府は、公立小学校1年生の35人学級を維持する方針を固めた。35人学級は11年度に導入された。教師の目を届きやすくし、入学後に問題行動を起こす「小1プロブレム」を防ぐのが狙いだった。しかし、財務省は問題行動の防止につながってないと判断し、40人学級に戻すことを主張。義務教育費の国庫負担を約90億円圧縮し、その財源を幼児教育の無償化に充てる考えだった。だが、安倍政権の衆院解散理由に下村文科相の段階的5歳児無償化政策を来年度断念の言質を得て、財務省がいち早く撤回を表明したものとみられる。
下村博文文部科学相は11月6日、静岡県の川勝平太知事が2014年度の全国学力テストの結果を実施要領に違反して公表したことを巡り今後、こうした違反行為を防ぐために検討していた罰則について、創設を見送る考えを示した。同日に東京都内で開かれた川勝知事らとの意見交換会では川勝知事を含め計5人の知事が参加し、教育制度のあり方などについて議論した。川勝知事は学力テストに関して「実施要領の規定が分かりにくい」と指摘した。これに対し、下村文科相は「分かりにくのは確かだが、そもそも知事に公表する権限はない」と強調。文科省は実施要領に違反した自治体に対し、翌年度のテスト結果を提供しないなどの罰則を講じることを検討していたが、下村文科相は「その必要はない」とした。