政府は成長戦略に位置づけるロボットの開発や活用を促す規制緩和やルール作りに乗り出す。インフラの保守点検で目視の義務付けを緩和したり、無人飛行機(ドローン)の使用を認める高度や安全管理を法律で定めたりする。今春に指定する地方創生特区を活用し、諸外国で活用が進みつつある無人飛行や車の自動運転の実証試験の後押しも検討する。日本はかつてロボット大国と呼ばれたが、欧米では商業用の輸送やサービスにドローンや自動運転車を活用する動きが広がりつつあり、国際的な開発競争が激しくなっている。
政府は新年度から、公立大と地方自治体が数値目標の入った協定を結ぶことを促す方針を決めた。協定には、〈1〉公立大が地元企業とインターンシップ(就業体験)や講師派遣などを通し、学生の地元就職率を「○%」向上させる〈2〉公立大と自治体が共同研究を通して新たな産業を生み出し、「○人」の雇用を創出といった数値目標を掲げることを想定している。若者が地方から都会に流出するのを食い止め、地方の人口減少に対処するため、目標を明確にして公立大と地元自治体が連携を強化することを目指す。取り組みには、財政支援も行う。
政府は来年度から、小中学生を対象にした「起業家教育」の導入を全国の学校に促す取り組みを始める。経済産業省が来年度予算の概算要求で、起業家教育の拡充名目で5億円を要求した。起業家教育は、総合学習の時間などを使って模擬の「株式会社」を設立する体験をしたり、外部から起業家を呼んで話を聞いたりして、子供たちの「起業家精神」を養うもの。東京都杉並区内の小学校では、子供たちが「会社」を作り、タオルなどのオリジナル商品を企画・開発。株式を発行して資金を集め、発注した商品を実際に販売し、利益を学校に寄付するなどの活動をしている。
民主党代表選が1月7日午前、告示され、党所属国会議員20人以上の推薦人名簿など出馬に必要な書類を党中央代表選挙管理委員会に、長妻昭元厚生労働相(54)、細野豪志元幹事長(43)、岡田克也代表代行(61)の3氏が立候補を届け出た。低迷する党の再建策が争点。国会議員のほか地方議員や党員・サポーターも投票に参加し、18日の臨時党大会で新代表を選出する。今回の代表選は先の衆院選で落選した海江田万里代表の辞任に伴う。次期代表の任期は2017年9月末まで。
東京都は2015年度、保育所や特別養護老人ホーム(特養)などの施設整備を促すため、「福祉貢献インフラファンド」を設立する方針を固めた。都が50億円を出資し、民間にも出資を募って総額100億円規模のファンドを目指す。東京都は14年4月の待機児童数(8672人)、13年10月の特養への待機高齢者数(約4万3千人)ともに全国最多。現場の人手不足に加え、土地代や建設費などの初期費用がネックとなって受け皿の不足も大きな課題となっている。
登記していても経営実体のない休眠会社の整理を進める法務省は12月24日までに、これまで5~12年おきだった職権による「みなし解散」を来年度以降は毎年実施する方針を固めた。登記の電子化で実態を把握しやすくなったことがきっかけ。みなし解散は、役員変更などの登記が一定期間以上行われない休眠会社を、法務省の判断で解散させる制度。法相が対象会社を官報で公告した後、2カ月以内に役員などの登記をするか、法務局に「事業を廃止していない」と届け出ないと解散とみなされる。
文部科学省は、各大学が出願に必要な学力レベルを募集要項で受験生に提示するよう求める。同省は実施要項を抜本的に見直し、各校が求める学力レベルの明記を新たに盛り込む。導入する新共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の成績は、現行の素点ではなく段階別の評価として受験生に提供される。新共通テストを選抜に活用する大学には、2021年度入試の募集要項で、どの段階の成績なら受験可能かを出願条件として受験生に明示させる。大学入試改革を議論している中央教育審議会が、22日にまとめた答申で示した。
中教審の答申を受け、文部科学省は近く、新共通試験「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の制度設計や出題内容などを議論する専門家会議を立ち上げ、来年中に詳細を詰める。「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は16年度までに詳細な制度設計を終え、17年度にプレテストを実施。19年度から全国の高校生を対象に導入する予定としている。現在の小学6年生が大学を受験する2020年度からの導入に向けて、17~19年度にプレテストを実施し、制度を精査する。
中央教育審議会(中教審)は12月22日、義務教育の9年間を一体として行う「小中一貫教育」を制度化するよう下村博文文部科学相に答申した。文科省は来年の通常国会で法改正し、新たな学校形式として認める。2016年度から各市町村の判断で導入できるようになる見通し。答申は小中一貫教育の効果として、中学校進学時に周囲の環境になじめず不登校やいじめが増える「中1ギャップ」が緩和することや、9年間を通じたカリキュラムを策定することにより教育の質の向上が図られることを指摘した。
文部科学省は、「高校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)の作問や採点の試験業務を予備校など民間業者に委託する検討を始めた。基礎学力テストは、基礎学力の定着度をみる目的で、現行の推薦入試に使う。学力評価テストは、大学側が受験生の学力を評価するために導入される。新テストは年複数回実施を想定。このため国の業務負担が大幅に増えるためノウハウがある民間業者の活用が不可欠とみている。ただ、作問などは公正性や機密保持の課題もあり慎重に検討を進める。
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