文部科学省は3月20日、土曜日の教育活動を支援するボランティア活動について、2013年12月~15年2月に延べ2698人の職員が参加したと発表した。この試みには305の企業や団体などが賛同し、それぞれの仕事内容を紹介する出前授業や防災学習、文化体験などを実施中。職員が率先して参加することで、民間に「土曜学校」の取り組みをさらに加速させたい考えだ。文科省は27年度予算案で全国1万2千カ所で土曜学校を開催する方針を表明。前年度の約5千カ所から大幅に拡充した。
文部科学省の有識者会議は3月18日、「専門職業大学」などの名称で新たな大学の類型を設け、国の助成対象とする報告をまとめた。今回の報告は「社会のニーズは多様化し、学校での職業教育の充実が必要」と強調。体系的な教育課程を組み、教員数や校舎についての一定の基準を満たした学校を大学の類型として認める考えを提示した。名称は「専門職業大学」や「専門職大学」などの案を示した。修業年限は2~4年とし、学位も授与する。教育課程の優れた専門学校などが移行することを想定している。
政府は2020年までの国の少子化政策の指針となる新たな「少子化社会対策大綱」をまとめた。新たな大綱では(1)子育て支援施策の充実(2)若い年齢での結婚・出産の実現(3)多子世帯への配慮(4)男女の働き方改革(5)地域の実情に即した取り組みを重点課題に挙げた。そのうえで約150の具体的な施策を列挙し、中長期の政策立案の指針にする。男性の育児への参画を促す施策も推進し、配偶者が出産した直後の男性の休暇取得率を80%まで高める目標を掲げる。
政府は3月17日、小学校と中学校の義務教育9年間の小中一貫校を制度化する学校教育法改正案を閣議決定した。一貫校の名称は「義務教育学校」とし、小中学校などと同じ同法第1条で定める「学校」に位置付けた。 義務教育学校は、地域の実情に合わせ、カリキュラムや学年の区切りを変更できる。校長は1人で、教員は原則として小中両方の免許が必要。校舎は離れていても、同じ敷地内でも設置できる。校長と教職員がそれぞれ別にいる小学校と中学校が一貫教育を行う「小中一貫型小学校・中学校」は、義務教育学校とはしない。
政府は2015年度、国立大学の学長が自由に使える予算枠を新設する。予算配分を通じた国立大改革は来年度に本格化する。国立大への運営費交付金(15年度予算案は1兆945億円)に「学長裁量経費」と呼ぶ資金枠を設ける。各大学が教職員の人件費や出張費、光熱水費、施設補修費などにあてる一般経費のうち、人件費などを除いた額の5%相当額を最低でも学長の自由枠とするよう求める。学長のリーダーシップを強化し、各大学の独自の取り組みを後押しする。18年度にも国からの交付金の配分に成果主義を導入する。
教育再生実行会議(座長・鎌田薫早大総長)は3月4日、職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けるとの提言を安倍晋三首相に提出した。大学のあり方に関し「人生を豊かにする学びに加え、実学を重視した教育を提供することも必要」と指摘。そのうえで資格の取得などを目指す教育プログラムを各大学が設け、国がこうしたプログラムの内容を認定する仕組みを創設するよう提案した。アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。
大学入試改革の具体策を議論する文部科学省の「高大接続システム改革会議」(座長・安西祐一郎日本学術振興会理事長)が3月5日、第1回会合を開いた。大学入試センター試験に代えて導入する新共通テストの内容などの検討を開始。今夏に中間まとめを出し、年内に最終報告をまとめる。
教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が3月4日に安倍晋三首相に提出予定の第6次提言で、全ての人が生涯学び続けられる社会を目指し、大学や専修学校に対して現行の若者中心から全世代向けのカリキュラムへの転換を求めることが分かった。提言では、社会が目まぐるしく変化する中で、生涯を通して活躍していくためには、高校や大学までの知識では不十分と指摘。社会人になった後も、大学や専修学校で、新たな知識や技術を学び続けていく必要性を強調する。
総務・文部科学両省は学研ホールディングスやディー・エヌ・エー(DeNA)と共同でパソコンやタブレット端末で使う教材アプリ(応用ソフト)の規格を統一する。教材アプリは現在、学研やベネッセホールディングス、DeNA、内田洋行などが販売している。動画付きの学習ドリルや資料集、音声付きの辞書などで、価格は1千円未満から1万円超と幅広い。利用者はインターネットの販売サイトなどでアプリを買い、学校や家庭で使う。まず統一規格のアプリをつくり、今年春から約50の小中学校などに試験導入する。
私塾界/全国私塾情報センター