凸版印刷株式会社は、7月4日に大阪市の同社にて、ソーシャルカフェ in 関西を開催した。このソーシャルカフェは、公教育が大きな変化の時を迎えている現在、業界、組織の壁を越えて、真の教育改革を語り合うことが必要だとして開催されたイベント。テーマは「教育のICT化の課題と方向性」であり、43名の参加者が集まった。
パネルディスカッションの様子
基調講演では2014年4月から全県立高校の新入生にタブレットを導入することを決定している佐賀県教育庁教育情報化推進室の碇氏によって、佐賀県における教育のICT化についての取り組みが説明された。
パネルディスカッションでは、基調講演をした碇氏のほか、関西大学初等部の山中昭岳教諭、東京書籍株式会社ICT事業本部の川瀬徹氏、株式会社私塾界の山田未知之社長、凸版印刷株式会社の藤田智英氏が参加し、それぞれの立場から「教育のICT化」について発表をし、業界を越えてディスカッションが行われた。
小学校の教育現場からの実践報告として、山中教諭はiPadを活用しての教材制作や、児童たちによる映像制作について紹介、続いて東京書籍の川瀬氏は、電子教科書を授業の中でどのように活用できるかデモンストレーションした。
学習塾業界誌『私塾界』を発行する山田社長は、タブレットを使っての授業や、動画教材の活用などの先行事例がある学習塾の情報を説明し、学校と学習塾の垣根を超えて、ICT化が進んでいく可能性を山中教諭と対話した。
佐賀県の教育情報化をサポートしている凸版印刷の藤田氏は、佐賀県の校務などのシステムをどのようにサポートしているのかを説明した。
モデレータを務めた、フューチャーインスティテュート株式会社の為田裕行氏は、それぞれの立場からの知見を持ち寄ることにより、漸進的にでも教育のICT化を進めていくことの重要性を再確認できたのではないかと語った。
パネルディスカッションの後には、普段からiPadを教室運営の中で用いている山中教諭による模擬授業を行い、参加者も積極的に参加した。
教育のICT化の課題と方向性について、情報を交換するネットワークが生まれたイベントとなった。主催した凸版印刷は、今後も教育事業を展開していく上で、自治体、企業と連携しながら、21世紀をたくましく生きていく子供たちを育てるための環境づくりに寄与していきたいという考えだ。