東京都は12月4日、2015年度に都内の私立高校に入学する生徒の学費を発表した。授業料や入学金などを合わせた初年度納付金の平均は89万8785円。前年度に比べて1万120円増えた。値上げした学校は57校で、24%を占めた。最も高額なのは、玉川学園高等部(国際)178万円で、桐朋女子(音楽)176万2200円と続いた。学校別の一覧は都のホームページ(http://www.metro.tokyo.jp/)に掲載されている。
──市進ホールディングスの学童保育『ナナカラ』に地域の期待集まる
塾をはじめとする民間事業者による学童保育分野への参入が活性化するなか、株式会社市進ホールディングスの『ナナカラ おおたかの森』が注目を集めている。
ナナカラは、同社が2015年4月に千葉県流山市に満を持して開校する学童保育事業ブランドで、特徴は「働くママ」の視点に強く寄り添っていること。プロジェクトスタッフの全員が女性で、その感性をふんだんに活かしたものになっている。
公設の学童保育を利用できないことも多い小4以上への手厚く柔軟な対応がその一例。高学年向けのキャリアプログラムや、送迎をせずに料金を安くするプランを設定するなどしたことで、同年齢層の子を持つ母親が利用・就業しやすくなった。また学童に通う児童を対象に知識・特技を教える『市民先生』として、就労意欲の高い主婦たちを講師として採用し、活躍の場を提供する。
もう一つの特徴は、出店地域を限定しない一方で、密着性には強くこだわる点だ。一般的に民間の学童保育は、商圏となる地域を特定し、集中出店してシェア率を高めるエリアドミナント戦略を取ることが多く、展開は人口過密地域に集中し、比較的人口が少ない地域は後回しになりがちなのが現状だ。そこでナナカラは、ベッドタウン・流山市にあえて展開。事業立ち上げに当たっては、市内在住の母親たちを集めてモニタリングを実施し、「お料理や運動などの体験型ばかりでなく、お習字やサイエンス教室などの習い事ができると嬉しい」「子供だけで帰れるようにして欲しい」など、細やかなニーズを汲み上げた。
反応も上々で、70名の定員に対し、開校4ヶ月前の時点ですでに50名を超える申し込みが入っているという。同社学童事業室長の橋本アキ氏も「塾企業が母体ではあるが、子供たちには『合格』というひとつの目標ではなく、いろんな色に輝いて欲しい」と、『ナナカラ』(7colors)の名に込めた想いを語る。まずは流山をステップに、地に足を付けた形でその地域で求められているものを活かしたコンテンツ作りをしながら急がず展開していくという。
公益社団法人全国学習塾協会の関東支部が主催する合同研修会が、勤労感謝の日(11月23日)に栃木県宇都宮市の岡本教育センター(阿部倫久塾長)でおこなわれた。この合同研修会は、2014年から同支部が定期的に開催しているもので、昨年は「間違いだらけの塾選び」をテーマに、千葉県銚子市の総合教育商社 翔英館(井原大平代表)を会場にワークショップがおこなわれた。今年のテーマは「もしもカンファレンス」と題して、危機管理の意識向上と、危機を好機に変えるリスクマネジメントについてワークショップを開いた。参加したのは同協会に加盟する学習塾の経営者ら24名。
今回も井原氏がファシリテーターとなり、リスクについて「もしも塾の近くで事故が起こったら?」、「もしもインターネットで自塾の誹謗中傷が流布されたら?」といった、比較的発生する可能性が低いものから、「椅子が壊れた」「保護者からクレームが入った」といった発生する可能性が高いものまで、事象をピックアップしながら、「発生する可能性が高いもの」から順番に、事前の対策から、万が一起こってしまった場合の事後対策までしっかりと行う必要があることをレクチャーした。その後に6人ひと組となり4つのグループに分かれて、リスクとは日常的に当たり前に起こることとして、各々の塾で想定されるリスクへの対応について意見を出し合った。
テーブルごとに議論が繰り広げられる中、参加した経営者からは「あまり考えたくないことだが、リスクとして想定しておけば、いざとなったときにすぐに行動できると思う」という声も挙がっていた。
井原氏は「起こりうる可能性のある事はすべて〝起こること〟として想定し、事象が発生した瞬間に〝どうしよう?!〟と焦らずに、その事象を生かして行動するにはどうしたらいいかということを日頃から考えることがリスクマネージメント」と話す。この研修を受け「明日から自塾での対応も見直したい」という感想を持つ経営者もいた。
同支部では2015年度より、こういったワークショップ形式の研修を全国各地でおこない「教育サービス業界の質を向上に務めたい」としている。
教育再生実行会議において高大接続・大学入学者選抜の改革について議論が進んでいる中、大学側もグローバルな視点に立った大学運営の見直しを迫られつつある。12月10日(水)、京都私塾連盟主催の京都学園大学の入試説明会がキャンパスプラザ京都で開催された。
同大学は1969年4月に開学。「実学重視」の教育課程を基本とし、経営経済学部・人文学部・バイオ環境学部、そして2015年4月に新設される健康医療学部の4つから構成されている。
来年には京都太秦キャンパスも新規に開校し、亀岡キャンパスと「ダブルキャンパス」となる。「実学重視」を唱える同大学の特徴的な取り組みの一つに、国内外の「企業留学」がある。国内の「企業留学」の事例としては、京都府内の企業と連携し、3ヶ月間に及ぶインターンシップ制度を取り入れており、在学生に対して修得した知識を実際に使いこなすことのできる力を養いながら、地元の京都府に対しての社会貢献の一翼を担いつつある。
9代目学長の内山隆夫氏からの挨拶からはじまり、各担当者からの学部学科、入試制度等の説明。同大学の在学生からの体験談も聞かせる時間も設けられた。
当日は、関西を中心とした高等部を受け持つ学習塾関係者が多数参加し、新しく生まれ変わろうとしている大学に関する意識の高さを伺う事ができた。
主催した京都私塾連盟は、来期から同連盟の会長を永きにわたって務めた松井博美氏(創学社代表取締役社長)が顧問に退き、新会長には清水睦夫氏(進英塾塾長)が就任。最後は新会長の清水睦夫氏から挨拶があり、盛会のうちに幕を閉じた。
12月9日(火)、千葉県柏市にある柏商工会議所にて、NPO法人全国学習塾連合協議会東日本ブロック主催の「教材教具展2015」が催された。例年2月初旬に開催したイベントだが、今年は一足お先にこの時期に開催。同団体の理事長の沼田広慶氏の挨拶から始まった教材教具展。来場者は会場内に展示された、各スポンサー企業の新年度に向けたソリューションを食い入るように見入っていた。会場中央に設営されたセミナー会場では、3つの出展企業からのプレゼンテーションも実施。アルクテラスの新井代表をはじめ、日本教材出版、進学研究会からの入試情報などの説明もあり、最後まで飽きさせない展示会となった。