青森大薬学部(青森市)は、センター試験利用入試を受ける来年度の入学生を対象に、成績優秀者に授業料全額免除などの奨学制度を新設する。制度は①授業料(年間130万円)の全額免除②同半額免除と、5年または10年間の半額無利子貸与③同半額免除の3種類に分かれる。対象は計20人程度。既にある大学の奨学制度に加えて、今回新設した制度は大学を運営する学校法人青森山田学園の財源も投入して賄う。同学部は定員(現在1学年90人)割れが続いており、優秀な学生を確保するのが狙いだ。
2015年4月、公立としては全国初の全寮制男子校として開校する鹿児島県立楠隼中学・高等学校。鹿児島県立としても、はじめての併設型中高一貫教育校でもある。特徴的なのは、中学、高等学校それぞれ、県内だけでなく全国から生徒を募集しているところにある。
中学校への出願はすでに締め切られた(2015年12月20日現在)が、定員60人に対して259人の志願者があった。志願倍率は4.32倍で、259人のうち県外からの出願が110人と4割以上を占めている。
高等学校では、現在、志願者は募集中(同日現在)で、前期入試(定員は45人)の出願期間は1月5日から9日まで、入試日は2月4日、試験科目は国数英と面接になっている。試験会場は東京、大阪、福岡、鹿児島、同校の5会場で受験でき、遠方に住む受験生への配慮もある。また、後期入試(定員15人)もあり、鹿児島県の他の公立高等学校と同一日程(2015年3月5日~6日)・内容で実施する。
楠隼が開校する鹿児島県肝付町は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内之浦宇宙空間観測所があり、同校はその地の利を活かし、宇宙分野の教育や海外企業・大学と連携した宇宙航空に関する課題研究「シリーズ宇宙学」というカリキュラムを設けている。同校に寄せられる期待の高さは、11月22日に行われた新設寮の見学会・体験授業に、全国から約600名の参加者が集まったことからもうかがえる。当日はJAXAの名誉教授である平林久氏を迎え、「シリーズ宇宙学」の体験授業などを実施し、同校の教育の一端が紹介された。また、宇宙だけでなく、寮内で東進ハイスクールの学習コンテンツが利用できるなど、難関大学の入試対策にも力を入れている。
全国には同校と同じように県内だけでなく、県外からも生徒を募集している学校はいくつかある。例えば島根県の島根県立隠岐島前高学校も寮を完備することによって県外からの入学生を受け入れる『島留学』のシステムをつくっている。
これらの背景には、少子化の影響で過疎化が進んでいる地方特有の問題がある。同校の取り組みは、全国から生徒を集めることによって、地域の活性化も期待される。
しかし、公立校が県外の生徒を集めることへの疑問の声もある。確かに公立の「私学化」という声が挙がっているのも事実だが、全ての公立校がこのような施策を採るわけではない。僻地であってもそのような新たな試みに取り組む学校が公立でできることは、日本の教育界の活性化にも繋がるのではないだろうか。