佐賀県武雄市立小学校が翌日の授業の要点を家庭でタブレット端末を使って予習する「反転授業」を東洋大学が検証し、「成績向上に寄与した可能性がある」とする報告書を6月9日に発表した。報告書によると、今年度の6年生について、昨春の県学力調査と今春の全国学力調査の結果を比較。市の平均正答率は、算数と国語でいずれも県平均を上回っていたが、算数の方で成績の伸びがみられたという。市教育委員会は今後、対象の学年や教科を広げる方針だ。
左から浦郷 究 氏、小松 政 氏、川崎 修平 氏、松原 聡 氏
東京都品川区は今秋から、区立小学校の6年生が実用英語技能検定(英検)5級を受ける際、受験料を全額助成する。英検5級は中学初級程度のレベルで、学校などで受ける場合の受験料は1500円。同区では年間約200人の受験を想定。受験料を助成するのは年1回だけで、学校ごとに受験結果をまとめて英語の指導に生かす。同区によると、中学生などを対象とした助成制度は他の自治体にもあるが小学生向けは全国で初めてという。
朝日新聞社は6月10日、IGS(本社・東京都渋谷区、福原正大社長)と業務提携したと発表した。IGSが進めるグローバル人材評価・育成事業「GROW(グロウ)」に、コンテンツの提供や学生の成長支援などで協力する。GROWは大学生を対象に、グローバル人材に必要な能力をウェブ上で評価し、学生の成長を支援し、企業とマッチングさせるサービス。IGSは2015年度後半のサービス開始を目指し、システム開発を進めている。 IGSは高校へのアドバイザリーなどのほか、小中高生向けに英語で考えるリーダー塾「igsZ」をZ会と手がけている。
文部科学省は8日、全86の国立大学に、既存の学部などを見直すよう通知した。主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を育てられていなければ、廃止や分野の転換の検討を求めた。国立大には、法人化された2004年度以降、6年ごとに「中期目標」を作って文科省に提出する義務がある。6月末が16年度からの目標案の提出期限で、大学の認可を受けるには、目標が通知の趣旨に沿っている必要がある。
政府は6月5日、2016年の日本での主要国首脳会議(サミット)を三重県で開き「伊勢志摩サミット」とすると発表した。主会場は志摩市の賢島。伊勢神宮は首相らが毎年参拝し、外国要人も頻繁に訪れるなど警備の経験が豊富だ。英虞湾にある賢島は本土と2本の橋でつながっており、交通を制限して不審者が入り込みにくいなど警備しやすい点も高く評価されていた。政府は近く伊勢志摩サミットの準備本部を設置する。日本でサミットを開くのは6回目。地方開催は00年の沖縄、08年の北海道・洞爺湖に続き3回目となる。
文部科学省は6月5日、中学高校の「生徒の英語力向上推進プラン」を発表し、中学3年生全員を対象にした英語の学力テストを新設する方針を明らかにした。「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を測り、指導の改善につなげる。新テストの問題は、民間試験のノウハウを生かしながら独自に開発する方針。「話す」能力の測定には採点者との対面試験も必要となり、詳細は有識者会議で決める。2019年度から複数年に1回のペースでの実施を検討する。
高崎経済大学(群馬県高崎市)の正門のすぐ近くに築100年ほどの古民家がある。名前は「0号館」。同大にある建物1~7号館にちなんで命名された。2階建てで延べ床面積は170平方メートルほど。テーブル席やカウンターなど計約30席で、有料のドリンクバーや会議室もある。ドリンクバー代を払えば何時間でも利用できる。ただ施設は完成したばかりで、現在の利用者の大半は同大の学生。ゆくゆくは近所の人が散歩の帰りに気軽に寄ってもらえるコミュニティースペースにしていきたいという。
東洋大学は2015年度から、企業の研修に講師を無料で派遣する「企業研修支援プログラム」を始めた。講師の講演料や交通費、宿泊費は東洋大が負担する。自前で講師を招きにくい中小・零細企業の利用を想定しており、将来は企業との共同研究などにつなげる狙いもある。講演は「海外勤務する親が考える子供のための進学戦略」「海外進出企業における内部監査の進め方」など40テーマで、今後さらに拡充する計画だ。講師派遣を希望する企業は東洋大のウェブサイトなどから申し込む。講演の会場や使用機材などは企業が用意する。
文部科学省によると、全国の国公私立の特別支援学校に勤務する教員のうち、2014年度に視覚や聴覚などの「特別支援学校教諭免許状」を持っていたのは72.7%だった。同じ方法で調査が始まった07年度の68.3%から年々増加している。特別支援学校の教員は14年度に約6万4千人。障害種別では知的障害が75.2%、肢体不自由が75.1%だった一方、聴覚障害は48.7%、視覚障害は56.7%と保有率に差があった。法律は障害に応じた免許状の保有を義務付けているが、小中高校などの教員免許があれば「当分の間」は特別支援学校の教員になれる。
三菱航空機が開発を進める国産初のジェット旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」の走行試験が6月8日、愛知県豊山町の県営名古屋空港で始まった。エンジンの推進力で地上を走るのは初めて。 MRJは昨年10月に飛行用の試験機が完成。地上での走行試験では、エンジンの加速やブレーキの性能、操縦性などを調べる。今年9~10月には初の試験飛行を予定している。この日、県営名古屋空港の誘導路では、MRJの機体がゆっくりと自走する姿が見られた。
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